アートのある場所

2018年2月 5日 (月)

星座のプレート☆

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昨日、帰ったら下のポストに届いてた。
去年、CONTEXT-s でやったカージーさんの個展でオーダーした星座のプレート。
角をなめらかにしたマットな真鍮にポツポツ刻まれた星たち。
手作りの封筒も宛名書きの字も、添えられた短い手紙の言葉も実にカージーさんらしいんだけど、それは単に素朴とかシンプルともどこか違ってて、ちょっと謎も秘めててそこがカージーさんの不思議な魅力かな。
星座のプレート、首からかけたらちょっとチェーンが長すぎて、どうしよう、と思った。
何か別のチェーンをみつけて、それに付け替えてもらおうかな。
とりあえず、神聖幾何学のステンドグラスやサンキャッチャーのかかった窓辺に一緒にかけてみた。
いまは、みずがめ座の時間。

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2018年1月28日 (日)

知樹さんから絵葉書とどいた。

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昨日は息子に夕飯の買いものを頼んで、とくに何かあてがあったわけじゃないのだけれど、帰りに郵便ポストも見てきてね、と頼んだ。
そしたら買いものから帰ってきた息子が「渡邊さんから葉書がきてたよ」といいながら部屋に入ってきたから、「ああ、個展の案内ね」といったら、「2枚ある」って。
「2枚?」といいながら見てみたら、1枚は個展のDM。
もう1枚は年賀状だった。
あいっかわらず変なわんこの年賀状。
このわんこ、人間みたいな顔して、目に青い焔が燃えてるみたいにも見えるし、目の中に『人』って書いてあるみたいにも見えるし。それに娘にいわせれば青いタワーが目に映ってるみたいでもあるし・・・・・・、妙なオーラがある。
葉書には『今さらの年賀状で申し訳ない』ってあるけど、もう年賀状を出さなくなって20年以上にもなるわたしとしては毎年はなからもらえるわけないと思ってるから、こんなふうにいつになっても送ってくれる人がいるだけでもありがたいってもんです。わたしもささっと絵が描けたら、『ぼくは顔をケガして』っていう細いペンで描いた、目のまわりが赤かったり青かったり黒かったり黄色かったりする自画像を描いて送り返したいところだったけど、真剣に何かをはじめるとまだすぐに疲れちゃいそうだからあきらめた。
いつかも知樹さんはこんなふうに絵葉書を送ってくれた。
シベリア鉄道に乗ったときに描いたロシアの女の子の似顔絵で、ちょうどわたしは生れて初めて買った知樹さんの絵が壁に掛かった日でめちゃめちゃうれしかった。あのとき壁に絵を掛けてくれた友達がもういないなんてなんだか泣きそうだ。
もう1枚の個展のDMに描かれた絵のタイトルは『Blue landscape』。
ちょうど雪の降った後のいまの東京の景色みたい。
今年最初の知樹さんの個展『鳥のかたちを借りて線を引く』は、吉祥寺のにじ画廊で2月8日からはじまる。
たのしみだなあ!
目下いちばんのわたしのたのしみです。
そうして、神さまはちょっと元気のないわたしにも目先のたのしみを用意してくれる。それでわたしはいつだって神さまに守られてると思うのです。

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渡邉知樹展 “鳥の形を借りて線を引く”

2018年2月8日(木)~20日(火)

※14日(水)は休廊

水彩画、鳥オブジェの展示

どのような空を以って自由とするか

どのような檻を以って叫びとするか

問いかけている時

鳥は素直に飛ぶ

吉祥寺 にじ画廊にて

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2017年12月 6日 (水)

カージーのひそやかであたたかな世界

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半年に1度のペースで開催しているセミナーの集客がはじまって以来ずっといそがしくて、今回は行けないかと思った。
今日までやっているカージーさんの個展、『満月に手が届きそう』。
去年、おなじここCONTEXT-sで、カージーさんの作品をはじめて見たのは7月。
あのときは新月で、今回は満月。
カージーさんの北欧チックなイラストが、白い紙に金と銀のバージョンで印刷された繊細なテクスチャーのフライヤーもかわいかった。
頭の隅でずっと気にしながらすごしていたら、本日わたしの住んでる住宅が受水槽の清掃のため、終日断水になるという。それなら家にいても仕事にならないと、午前中めいっぱい仕事して、午後から出かけることにした。
すっかり冬景色のCONTEXTーs。
窓の向こうに見えるはカージーさん。

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前にも書いたけど、カージーさんの本業は鍛冶屋だそうです。
ほかにも家具製作やお店の内装など、いろいろなお仕事をされているみたい。
そんな仕事の傍ら、趣味で作った空き缶をバーナーで焼いて切り取ったアクセサリーやキャンドルホルダーなんかが友人を介して話題になって、たちまち全国で引っぱりだこの作家さんに。主に金属を中心に、廃材や身近な素材を使っていろいろな作品をつくっているそうです。イラストを描いたり、Tシャツのデザインなども。

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ここからはmore than wards で、言葉少なめにダダダダっといきます。
ふるい古民家に射す、清潔な冬のひかりとカージーの繊細な作品が織りなす風景。

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ギャラリーの中には熱心に作品を見ている先客のかわいらしい女の子と三彩さんとカージーさんがいるだけで、きっとすごいファンなのだと思う、その女の子がいくつも作品を買って「ありがとうございました」と笑顔を残して帰ってしまうと、店内はめっきり静かになった。その時間が自分が帰る直前までつづいた。わたしにはなんだかそれがありがたかったな。静かなのが好き。ここに人があふれてると、わたしはどうしていいかわからなくなってしまう。3人で、何を話すともなくポツポツ話した。この個展のあいだじゅう、ずっと天気がよかったけれど、今日も典型的な冬の青空で、外は寒かったけれど部屋の中はアラジンのストーブであったかくて、みんな頬がポッと上気していた。

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カージーさんは作品だけじゃなくて、植物の使いかたもとってもうまい。
どこにいても身近にあるもので自分だけの世界観を創りあげてしまう。
自分の持ち味、作品がイメージするところをよくわかっててそれをビジュアルにできるひと。
わたしが思わず、サンクチュアリみたい! といって撮った写真。

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こんなふうに、何気なくメニューボードが置かれた机の上を見ても。
とても自然で。

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そして、カージーさん自身、とても静かなひとです。
静かに話し、静かにひとの話を聴くひと。
わたしも静かにゆっくり作品を見て、最初に見たテーブルの上にあった、注文を受けてから作るという真鍮の星座ペンダントがついたネックレスをオーダーすることにしました。
後から届くというのも、なんだかカージ-さんからの手紙みたいでいいなと思って。
そしたら、このペンダントをオーダーした人は冬の人ばかりだって。
それも水瓶座の人が多いって。
星座共通の好みとかあるのかな。

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今年で2回めとなるカージーさんの個展。
「また来年もやるの?」と三彩さんに訊いたら、「それがカージーはやりたくないっていうのよ!」っていう。カージーさんの話を聞くと、カージーさんはほんとはもともと同じところで2回はやらないのだそうです。いつもあたらしい場で、あたらしい人と出逢いたいのだって。それを聞いて「へえ」と思った。それって悪くないな、って。
いつも決まった自分のお気に入りの仲間たちとなあなあでイベントをする人が多いなか、そういうのってやるほうは楽しくて心地よくてラクチンだろうと思うけど、それが毎年のルーチンワークみたいになってしまうと行く方としては行く前から中身が想像できちゃって新鮮じゃないし、そういう人たちの作る場って、外から入っていくとアウェイに感じてしまったりする。
カージーさんは明るくて面白い人だし、どこに行っても人気者でいつも賑やかに人に囲まれているのだろうけど、でも同時に孤独の匂いもして、いつも自分のなかにひとり静かに火を見つめる時間を持っているような、そんな気がした。
賑やかに人に囲まれている時間と、自分ひとりの時間。
さみしげな感じと、ひとりの時間を楽しめる孤独に強そうなところと。
それをどちらも大事にしているからどこにでも1人で出かけて行って瞬く間に自分の居場所、自分の世界をつくり、でもその場はあたたかく誰にでもオープンにひらかれている・・・・・・
もちろん、そんなのはカージーさんをよく知る人には全然ちがうといわれるかもしれない。あくまでわたしの感じたことにすぎないけれど。

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いつかまた、ここでもここじゃなくてもいいけど、カージーさんの作品に出合えたらいいなと思う。でもその前に、水瓶座のペンダントが届くのがたのしみです。

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2017年11月11日 (土)

北風に乗って

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風がめぐって、2回めの季節。
めぐみさんが亡くなってもう2年だなんて、月日が過ぎるのはなんて早いんだろう。
晴れて風がつよく、西高東低の典型的な冬の午後、北風に飛ばされるように『やまぐちめぐみ作品展』を観に行った。
外苑前、タンバリンギャラリー。

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タンバリンギャラリーは、都会の中にあって海を感じる場所。
まばゆいばかりに真っ白なギャラリーの中に一歩足を踏み入れると、硝子窓の向こうに海が見えるんじゃないかと、いつもしばし戸の前に佇んで、ぼぉっとしてしまう。
白いコッパンにデッキシューズ、白とネイビーのボーダーTシャツ。
Marina del Rey。
そんな言葉が似合いそうな。
同時にここはこれまで、著作でしか知らない永井宏さんの気配を濃厚に感じる場所でもあったけれど、ひさしぶりに訪れたそこは何かが薄れて、いつかはここもなくなってしまうんだということをおぼろげに感じさせた。さみしい気分。

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それとは別に中は明るくて、いつものめぐみさんの色。懐かしさに包まれる。
個展のときにはいつも戸口のちかくに貼ってある、彼女のプロフィールと小さなモノクロの写真を毎回じっと見てしまう。
写真の中のめぐみさんは、茶目っ気と気難しさとアンニュイな雰囲気を纏った大人っぽいひとで、それはわたしが会っためぐみさんとも感じが違う。できれば元気なころのめぐみさんに会ってみたかったと思う。

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もう何度も書いているかもしれないけれど、めぐみさんの絵のよさはその色彩感覚の素晴らしさ。大胆な構図と、バランスのよさ。シンプルなモチーフに深みを与える、背景の複雑な塗り重ねのうまさ。そこから詩が生まれ、歌が生まれ、物語がはじまるような・・・・・・
繊細なようであってすごく感覚的にラフに描いたような、あまり描きこみすぎないよさ。見たことのない風景が醸しだすノスタルジー。絵の前に立つ人をぼんやりさせてしまう絵。

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何もしてないのに背骨が折れてしまうというような過酷な病状にあって、よくこれだけの、現実からかけ離れたファンタジーを自分の中に持ちつづけ、表現しつづけてこられたと思う。それはほんとうにすごいことだ。それで思いだすのはいつか(まだTVがあったころ)、チャンネルを変えてるときに耳に入ってきた、『アボリジニの絵が人に訴えかける強さを持っているのは、それだけ絵というものが彼らにとって切実だったからです。』というような言葉。めぐみさんにとっても絵を描くということは、日々の(表現という以上に)切実な糧だったのだと思う。

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絵は2年前の作品展のときよりずっと少なかった。
あのときほとんど売れてしまったから。
それでもこうやって有志たちが苦労して作品展をひらいてくれる。
誰かに遺言を遺したわけでも、後のことを託したというわけでもないのにこうやって友人たちが作品展をひらき、めぐみさんを偲ぶ場をつくってくれる。
それって、ほんとうにすごいことです。
ほんとうの意味で、愛ある個展。
そんな作品展は、絵の点数こそ少なかったけれど、懐かしい彼女の世界に浸るには十分だった。
そして2年経って絵の見え方も変わった。
これまではどの絵を見ても彼女のさみしさみたいなものを感じて心に澱が残るようだったのが、いまはどの絵からもしあわせな、あたたかい光を感じる。
それはこの2年の間にすべてが許し、許されたからだと思う。
やっと自由になっためぐみさん。

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めぐみさんは家族の縁は薄かったように思うけれど、友人にはとても恵まれた。
そして、その絵はたくさんの人たちに愛されている。
やっぱり一度の人生で全てを得ることはできないのかな?
それで何度でも生まれてくる。
昔にくらべて人の生まれ変わりのスピードはものすごく速くなっているというのを聞いたのは、もう20年も前のことだから、いまはもっと早くなっているだろう。もしかしたら、生きている間にまためぐみさんに会えるかもしれない。
こんど生まれ変わったら、めぐみさんは何になるだろう。
こんどは最初から絵描きになることを選ぶかな。
何を選んでも、こんどは健康な身体とこころを持って生まれてこれますように。
わたしは・・・・・・
ここまでの人生でひとりで子供を育てる苦悩もかなしみもやりきれなさも、もちろん喜びも、十分に味わったし、まだまだ先は長いから、この次は子供のいない、結婚もしない、自由な身を生きるのもいいかもしれないな。
そんなことを帰りの電車の中で思った。

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春に生まれて晩夏に亡くなっためぐみさん。
そのめぐみさんの待望の作品集が、来年の春ついに出版されるそうです。
タンバリンギャラリーでも予約することはできたけど、わたしはいくつか用があって高円寺のアムレテロンさんで予約することにしました。
めぐみさんの絵はとっても魚座的な世界で、めぐみさんに春は似合うと思う。
来年の春、作品集を手にする日がたのしみです。

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2017年11月 4日 (土)

アートなお皿に何のせる?

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渡邉知樹さんの個展で買ってきたお皿、去年買ったのは壁に飾ろうと思ってまだできてないけど、今年のはふつうに使おうと思った。
「こんどのは釉薬がかかってるから使いやすいと思うよ」と三彩さん。
そのために土作りをずいぶん苦労されたようです。
今回のはいままでなかったような淡いピンクとか水色とか、きれいなパステル系もあって、それって世の中を見回してもありそうでなかなかない感じの色あいで、選ぶのにほんとうに迷いました。まだまだたーくさんあったお皿の中から娘が一枚選んだのは、左下の抽象画みたいなお皿。まるで紙に描いたみたいなタッチで自由な線が描かれてて、見るなりわたしもすごくいいと思った。わたしが選んだのは、いかにも知樹さんしか描けない変な(って相変わらず失礼ですみません)お花が描かれた2枚。さて、このお皿に最初に何のせよう? と思って、ケーキだな! と思った。
まずサイズがそんな感じだし、何より知樹さんは洋菓子屋さんに生まれた息子だったっていうから。子供の時は憧れた。家がケーキ屋だったらな、って。
でも現実はそんないいもんじゃなかったらしい。
興味のあるひとはこんど知樹さんに聞いてみてください。
さて一枚め、抽象のお皿にのせたのは、フランボワーズのジュレがのったカマンベールのチーズケーキ。
どうですか?
いい感じでしょ?

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ピンクの変なお花のお皿には、ガトーショコラ。
三角と三角の遭遇。で、ちょうちょみたいな。
淡いピンクと茶色ってよくあいます。
縁に描かれたお日さまみたいなギザギザがかわいい。

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でもってね、わたしがいま食べたいのってとにかく栗・栗・栗なんです。
それで、マロンブラン。
でもこれ、ただのせたんじゃ全然バランスとれなかった。
なぜってこれだけちょっと深さのあるお取り皿みたいだから。
それで自分で作ったブラックウォルナットのスプーンを添えたら、ちょっとはかたちになったかな。

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楽しくっておいしい、食卓に咲いたカラフルなお皿たち。
これも三連休の休日スペシャル

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2017年11月 3日 (金)

渡邉知樹展『静寂に抗う』に行って来ました。

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気温がぐっと上がって穏やかな秋がもどってきたみたいな11月の晴れた午後、前からたのしみにしていた渡邉知樹さんの個展に行った。
阿佐ヶ谷の古民家ギャラリー、CONTEXT-s。
晴れた日のここはいつだって清らかな光にあふれてて気持ちがいい場所です。

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個展といってもこの展示は陶芸家の駒ヶ嶺三彩さんのing企画による、陶と絵画のコラボレーション。去年は初の試みだったせいか、なんとなく場に緊張感を感じたのだけれど、ここ以外でやったのも合わせるとお二人のコラボの展示もこれで3回めということもあって、今年はなんだかリラックスムード。今年は知樹さんの奥さんも在廊していて、3人笑顔で迎えてくれました。

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壁に飾られた絵画はもちろんなんだけど、この個展の目玉はなんといっても三彩さんのつくった器に知樹さんが絵を描いたアートな食器たち。住宅事情もあるし、絵を買うのは経済的にも物理的にもちょっとハードルが高くても、毎日使うお皿だったら割と気軽に買えるんじゃないかなと思う。とはいえ我が家はもうしまうところもないし、そうそうお皿ばっかり買ってもられない、と思うのだけど、そうはいいつつやっぱり熱心に見ちゃうんですよね。

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もう3回めともなるとマンネリ化してワンパターンになってるか、というと全然そんなことはなくて、むしろお皿も絵も進化してるんだよね。そこには土作りからやってる三彩さんの工夫や苦労もあるし、知樹さんの尽きせぬイマジネーションの力もあって、どれにしようか迷っちゃうくらいいいお皿がいっぱいある。どれもみんな一点ものだから、まずはお気に入りをみつけちゃわないことには落ち着かないのです。

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もうお皿はいい、といってた娘だって、しっかりお気に入りの1枚を確保してる。
それがまた実に知樹さんらしい、抽象画の描かれたいいお皿なんだ。
すごくバランスがいいし、それを選んだ娘はセンスがいいと思う。
そしてもちろん知樹さんだから、面白い絵もいっぱいある!

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迷いに迷った末、わたしも小さいお皿を2枚選んで、それでやっと落ち着いて絵を見ることができたのだけれど、今回もまた絵がいいんだ。
このところずっとピンクブームがつづいていた知樹さんが、ひさしぶりに描いたというブルーの絵ばかり12点。
雪の降リ積もった朝のような清潔でサイレントな景色あり、こんこんと湧いてくる泉のような不思議な静けさがあり、止まったような静かな海の、青の景色があり、波に流されて浜に上がったばかりの濡れた青の息遣いがあり・・・・・・
様々な静寂のなかで、たしかにそれに抗うような精緻で繊細なエネルギーの震えが感じられるような絵画たち。

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いい絵を見るといつも思うのは、いつでも好きな絵を買える財力と、その絵を飾るにふさわしい壁のある部屋に住みたいなってことですね。
それは簡単にあきらめちゃわないほうがいいのかなあ、と思うのと同時に、いつも思いだすのは『ハーブ&ドロシー』のことかな。彼らが素敵なのは、美術品の収集をすることにおいて先見の明があったとか、独自の審美眼を持っていた、ということ以上に、アートを通して今を最高に楽しんで生きているその姿じゃないかと思う。たとえ大したお金持ちじゃなくても、シャビーな狭いアパートに住んでいても。
わたしはマニアに興味はないし、あそこまでにはなれないとしても、そのスピリットの端っこくらいは齧りつづけていたいなって思うのです。

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さて、嫁の頭に脚付き大皿をのせて遊ぶ渡邉画伯。
そして、こんなことされても笑ってる鷹揚ななつみさん。
いつも自然な笑顔がとってもきれいなひとです。
これまで一度も喧嘩したことがないという、仲のよい夫婦。
知樹さんの絵に変な翳りがないのはそのあたりにあるのかも。

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そして、ここには写ってないけど知樹さんと三彩さんもいいコンビです。
お互いのいいところをとてもよくわかっていて、お互いリスペクトしてる。
持ってみたらわかるけど三彩さんのお皿はとてもよくできていて、陶芸の技術的なところは三彩さんの懐に預けて知樹さんが自由に絵を描くから世界にひとつしかない素敵な器になる。何より二人とも面白がりで自分たちで楽しんでるところがいいと思う。

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今回もとーっても楽しかったです。
わたしの写真じゃ実物の絵やお皿の良さの一端も伝わらないと思うから、興味のある方はぜひぜひCONTEXT-sに行って自分の目で見てください。

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作品を買うとペーパーバッグにもれなく知樹さんが絵とサインを描いてくれます。
それがまた笑えるのよー

ing(企画)渡邉知樹 個展『静寂に抗う』は、阿佐ヶ谷CONTEXT-s
2017年11月2日(木)〜8日(水) 12時〜19時まで。

ぜひお見逃しなく!

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ちなみに知樹さんが着ているTシャツは、いま小平の白矢アートスペースで同時開催している『からんどりえ展』で売っている、画伯一押しの絵柄。
このあと我々も見に行きました。

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2017年9月21日 (木)

働き者のジェントルマン

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今週のはじまりは最悪だった。
月曜の朝、起きてすぐキッチンの流し台の下の戸を開けたら、足もとにパタッと落ちた黒い物体・・・・・・。いつもだったらサッと身体が動くのに、寝起きだったからまだぼぉっとしていて身体がすぐに反応しなかった。目を見開き頭におっきなコーテーションマークのっけたまま身じろぎもせずに見下ろすわたしに、敵は敵で「あ゛っ ・・・・・・」みたいな、すごーく居心地の悪そうな様子でコソコソっと冷蔵庫に下に入ってくあたり。なんなんでしょう、虫って。ぜったい人間並みの感覚持ってるとしか思えない。その姿が見えなくなったころになってやっと、「きゃあ~、ゴキブリー!」と叫ぶわたし。ゴキブリどころか虫全般だめなヤワな息子はカーテンひいたお風呂場の脱衣所の前で「えーー! どこにーーー!!」と叫ぶ。ああ、もう駄目。1週間の始まりだってのに朝から萎える。
1年通して家の中では滅多に出くわすことのない名称発音するのも忌まわしいゴ・が出てくるのは大抵この時期だ。夏場よりいま。朝晩ちょっと冷えるようになったころ外から入ってくる。それにこの時期は蜂も多い。たまにどこから入って来たのか小さなヤモリ。東村山市は緑も多いが虫も多い。
それで昨日の夕方まだ明るいころ、洗濯物をとりこもうとベランダにでたらワッと蚊にたかられたのだ。
それでこの働き者のジャントルマン、登場。
澤山工作所さん作のこの蚊取り人。
実に飄々と涼しい顔してエレガントに煙に巻いてくれるじゃないですか。
それに京都生まれで、金沢美大を出たあと絵を描いたり造形をやったり、劇団に入って役者をやったり舞台美術の大道具さんをやったりしながらありとあらゆる仕事をして健康食品の販売までやったけど、どれもみんな楽しかった、それからずいぶんしてからまた物づくりをはじめて、主に廃材使ってケッタイな物を作るようになっていまに至るという澤山さんは、なかなかに素敵なひとだった。
何より作るものがユニーク! 
その作品はユーモアとペーソスにあふれてて、やっぱり芝居を感じさせるもの。どこかシュールだけど物語のあるロマンティックな世界。ちょびっとクラフト・エヴィング商會にも通ずるところがあるような。無くてもぜんぜん困らないけど、部屋にあったら毎日が楽しく、ときどきクスッとなるような♪
わたし、男のひと見ても滅多に素敵と思わないほうですが、澤山さんは素敵だった。まるで少年みたいな人。もし若かったら弟子にしてもらいたかったくらいです。
ちなみに、息子に「この時期って夏より蚊多くない?」と言ったら、「それは単にクーラー入れずに窓あけてるからでしょ!」だって。
まあね。
そうとも言う。

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2017年8月 2日 (水)

形あるものはいつか壊れる

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昨日、いつもよりカフェインをとり過ぎたせいか、遅めの夕飯を食べすぎたせいか、なかなか寝つかれずにいて、やっとうとうとしたところで部屋がガタガタ揺れだして飛び起きた。
けっこう大きな揺れで、例によって揺れがおさまるまでCDラックと本棚を押さえた。
それからトイレに行ってまた寝床に戻ったものの、やっぱりよく眠れないまま朝、またしても大きな揺れ。地震はいつも意識が薄れたころにやってきて、形あるものはいつかは壊れる、生あるものはいつかは滅し、いまというこの時間が何度でもやってくるものではないことを教えてくれる。

おととい、ショックなことがあった。
美千代さんの個展の最終日、展示が終わるころ作品をうけとりに行ったら、わたしをみつけるなり花屋が飛び出てきて、「あなたの買ったのはウサギと猫だった?」と聞くので、昨日お金も払ったのにいまさら何いってるのかなと思いながら、「うん。そうだよ。もしかして売っちゃったの?!」とあわてて聞き返すと花屋、「割れちゃったの」という。
ついさっき、お客さまが落として割ってしまったのだという。
「えーーー! すごいショック!!!」と思わず声をあげてしまった。
なんたって初日に見に行って手に入れたものだったし、特に気に入っている猫のほうだったから、よけいにショックだった。
美千代さんはまたつくる! といってくれたからお願いしたけれど、当然のことながら陶芸作品だから二つとおなじものはつくれない。
ショップの店員だった経験もあるわたしとしては、こういう個展でひとつしかない陶器など壊れものの作品を扱うときは、店側はお客さまに対してじゅうぶんな注意が必要だし、とくにすでに売れてしまったものについては他のお客さまが不用意に触れないように奥に飾るとか、もうちょっと配慮をしてほしかったな、と思う。
でも、そう言ったところでどうなるわけじゃない。
その日は作品の受けとりだけじゃなく、手が足りないようだったら搬出の手伝いをしようと思ってでかけたのだけど、もうすでに展示を見に来てそのまま手伝いをしているふたりの女性がいて、ひとりが帰ってしまった後わたしもくわわってそれから2時間、外の暗いところで蚊に刺されまくりながら搬出・梱包・発送の準備を手伝った。
作家活動って、こういう細かいことまでぜーんぶひっくるめて作家活動だからほんとに大変です。
美千代さんは小柄なのにタフでアクティブで陽気で快活なちっちゃな太陽みたいなひとで、人懐こい目をしたなかなかの人たらしで、彼女みたいなひとじゃなかったらおとといのわたしのがっかり度・疲労度はもっともっと高かっただろうと思う。

写真は無事だったほうの美千代さんのウサギのボウルと手書きのお礼状。
一昨日の夜、わたしの帰り際にバタバタ走ってきて渡してくれたプロヴァンスのヌガー。
彼女はちょっと台風の目みたいなひとでもあったなあ。

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2017年7月28日 (金)

高瀬きぼりお絵画展@桃居

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夕方家を出て、きぼりおさんの個展を観に行く。
今日は朝から一日曇り空で湿度が高くて、雨が降りそうな気配を感じつつ傘は持たずに出た。わたしは傘を持つのが嫌いです。
このあいだの記事に根津美術館から桃居に行くのはどうやって行けばいいんだろ、っていうようなことを書いたけど、ちゃんと桃居さんのホームページに地図と道順が載ってましたね。根津美術館に行くのとおなじ、表参道のA5番出口を出たら美術館方向にまっすぐ歩いて横断歩道を渡り、美術館の脇の坂道を下ってそのまま歩くこと徒歩十数分。途中、道が二股に分かれるところがあるけど、それも地図通り手前の道をまっすぐ行くと右手に折れる道が現れて、そこを曲がったらすぐです。はじめてのわたしでも迷わず行けた。
桃居はその佇まいからして、いかにも陶芸の個展をやるのにふさわしい、老舗の風格のある渋いギャラリーでした。

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( 絵画 『みずいろの筆跡』 )

通りに面したウィンドーに額装された絵が何点か、店に入ってすぐの左の壁に大きな絵が数点、棚には小さいのから中くらいの絵が飾られ、奥の部屋の壁にも数点。テーブルの上には無数のドローイング帳が置かれて。
店の奥からは男性の低い話し声が聞えてくる。
深くてよく響く素晴らしい声。これはきぼりおさんの声じゃないなと思ったら、ギャラリーのオーナーの声でした。まるで声優みたいな声。
手前の部屋から順番に絵を見ていって、奥のテーブルの上でドローイング帳を繰っていたら、きぼりおさんから「こんにちは」と話しかけられた。きぼりおさんはいつも自分から来場者に声をかける人みたいです。そういうのってえらいと思う。わたしは帽子をかぶってうつむいていたのだけれど、顔をあげたら憶えててくださったみたいで、「あ、このあいだはどうも」といわれた。ギャラリーみずのそらで初めて会ったときよりあらたまった雰囲気。それは桃居という場所の力らしくて、てっきりわたしは昨日からはじまった展示かと勘違いしていたのだけれど、今日が初日だったらしい。そりゃ緊張もするだろうな。そして、みずのそらのときは端正なギタリストのお友達が来ていたけれど、今日はピアニストで作曲家のお友達が来ていて、きぼりおさんのご友人はどうも端正な方が多いみたい。きっと絵とおなじくらい、音楽が好きな人なんだろうな、と思った。
しばらく絵を見ていたらオーナーがお茶をいれてくださって、お茶の器も品よく金継ぎされた滋味あふれるもので、奥の応接間みたいなコーナーで3人でおしゃべりしたのも楽しかった。きぼりおさんが、自分の絵を買ってくれた友達が、家に絵を持って帰って奥さんにぼろくそに言われた、という話をしてて、でもそういうの聞いてもぼくはなんとも思わない。だって自分だって人の絵の個展に行って、いいと思う絵なんか滅多にないから、というのを聞いて、ふ~ん、なるほどー、と思った。

いつも書いてるかもしれないけれど、絵を買うのは簡単じゃないです。
まず単純に言って、理由はわからなくても言葉で説明できなくても、「これは!!!」という直感がないとだめだし、いくら気に入ったからって大きな絵ともなると値段はもちろん、その絵を飾るにふさわしい空間が必要になる。
十分にお金があって、絵を飾って鑑賞するにふさわしい部屋と、飾っていないときに絵をしまっておける収納場所のある素敵な家を持っている人なら何も問題ないでしょうけれど、そのどれひとつ持っていないわたしにはとても難しい。
かといって、矛盾するようだけれど何も買わずにギャラリーを出てくるのもなかなか難しいです。
たとえばドローイング。
小さな紙に描かれたドローイングは、たとえばTシャツを買うより安くて、思わず買ってしまいそうになる。でも、これはあくまでわたしの考えだけど、額装された絵は完成された(あるいは完結した)世界観を持った一編の詩のようなものに見えるのだけど、小さな紙ぴれに描かれたラフなドローイングは、まるで詩のフレーズみたいに見える。だから1枚じゃなくて何枚かで組で飾りたくなるのだけれど、でもその1枚1枚はなんの脈絡もなくたくさんの絵の中にあって、そこから3枚なり4枚を本気でチョイスしようと思ったらけっこう時間のかかることだと思のです。きぼりおさんが描くのはほとんど抽象で、わたしが最近、好んでみるのも抽象で、具象画だとまた話は少しちがってくるんだと思うのだけれど。

そんな思考がめぐるなか、ある1冊のドローイング帳のなかに1枚のカラーの、それはそれで完結された(この言葉もあまり正確じゃないけど)絵をみつけてとても気になったのだけれど、こんどはその絵をどう額装するかで頭がめぐって、(今日は行ったのが遅かったから)そのときもう閉店間近だったし、お腹もすいてきてタイムアップでけっきょく何も買わずに出てきてしまった。
で、何も買わずに出てくるといつもなんとなく作家さんに申し訳ないような気持ちになるのはきわめて日本人的、かな。

きぼりおさんの絵を見るためだけに表参道に行って、絵を見てお茶もしないで帰って来た。駅からギャラリーまでの道はとても素敵で、退屈じゃなく、青い夜空にぼんやり滲んだ三日月がきれいで、根津美術館の入り口の笹竹が街灯のあかりの下で涼しげに揺れるのを眺めながら、いったいわたしはどんな絵が好きなんだろうな、どんな絵に心揺さぶられるんだろう、自分に絵が描けるとしたらいったいどんな絵を描きたいだろう、なんてことを考えながら帰った。答えはそのときどきによって変わってゆくだろうけど、わたしは1枚の絵の中に意識の流れ、というか、エネルギーの流れみたいなものが感じられる絵が好きなんだと思います。それから1枚の絵に投じられたエネルギーの高さ。そして自分が描くとしたら絵の中のどこか一点にでもひかりの所在が感じられる絵。例えばそれはアストル・ピアソラの音楽を聴いていて、真夜中の漆黒の、地を這うような重たい、鋭いリズムを刻む人間の上に天上から一条の光が射してきて、一気に至福感に満たされるようなあの感じ?
そんなのが描けたら最高だろうな、と思う。

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( 絵画 『波、色面と筆跡』 )

個展って、はじまったらあっという間です。
きぼりおさんの絵画展は今日から5日間、8月1日火曜日まで。
桃居さんは入るとき一瞬、緊張するけど、とても落ち着く素敵なギャラリーです。
オーナーは穏やかな人柄の方だし、きぼりおさんはオープンで話しやすい。
絵の好きな方はぜひお出かけください。

高瀬きぼりお 絵画展

2017年7月28日(金)~8月1日(火)
11:00 ~ 19:00 (最終日は17:00まで)
桃居:東京都港区西麻布2-25-13

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2017年7月22日 (土)

Des lettres de Paris / 巴里からの手紙

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今日はいつもプールで泳いでる時間に花屋に行った。
パリから一時帰国しているアーティスト、山下美千代さんの個展を観るために。
去年から楽しみにしていた個展だから初日に行きたかったし、今日は夜から仕事のミーティングがあって出かけなきゃならないこともあって。
朝1で行きたかったけど、けっきょくわたしが行けたのは例によって午後。
でもちょうどタイミングよかったみたいです。
開店直後は混んだみたいだけど、この時間、店内には顔見知りの男性が1人いただけ。
明るい店内にはセラミックのウィンドチャイムが涼しげに揺れて。
壁にはぱっと見てすぐ美千代さんの絵だとわかる個性的な絵。
やっぱり花屋にすごく馴染んでる・・・・・・
奥には見るからにウキウキした店主が。

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去年、美千代さんが参加されてたグループ展を観に行ったあと、ここで個展をしたらといったのはわたしなのです。まさかこんなに簡単に実現するとは思わなかったけど、実現してよかった。ここで見られてよかった。
花屋の店主がいちばん気に入ったという、頭に薔薇をのせたマドモアゼル。
いっとう最初に売れてしまったということで、すでにsoldout の札が付いてました。

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これはウサギのマダム。

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天井から吊られた人形はウィンドチャイムだけど、棚に置かれているのは呼び鈴で、こんなのをチリンチリンと鳴らして「お茶の時間ですよ!」なんて知らせたらお洒落でしょうね。この人形にはマドモアゼルシリーズとマダムシリーズがあって、棚に置かれたのはマダム。ポーズも表情も凛としています。かっこいい。
そしてセラミックが並んだところはそれだけで絵画的。

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おっと、1人の若いマダムと目があいました。
何やら言いたげ ・・・・・・

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マダムっていうと大昔、パリにいっとき住んでた親友から送られてきた絵葉書に、「こちらパリではマダムと呼ばれたら大人の女と認められたということです」と書いてあったのを思いだします。でも、わたしはずっとマドモアゼルのままがいいと思ってた。
いまでも花屋の店主は早くおばあさんになりたいというけど、わたしはおばあさんにはなりたくない。なりたくなくても生きてればけっきょくはいつかなるんだけど。

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花屋の入り口の硝子戸に絵を描きはじめる美千代さん。
わたしはその絵からもっと線の細い方かと思っていたのだけれど、初めて会った美千代さんは、(真夏ということもあるけど)健康的に日焼けした明るくて快活なひとでした。初めて会ったと思えないくらい、自然でオープン。
それがまたよかった。

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「わたしのつくる人に機嫌のいい人はあまりいません。子どもでも笑ってない。みたいな」という美千代さん。
そこがまたかっこいいし、ある意味フランス的。
なんでもかわいく描いてしまう、作ってしまう日本人とはちがうところ。

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陶のアクセサリーと、この個展にあわせたカトンテールさんの焼き菓子。

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猫のペンダントヘッドをみつけました。

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この絵は昔、彼女が住んでいたという、ベルヴィルの街。

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フランスの少年。

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今回いちばんの力作なのかな、個展の案内にもなった手のオブジェ。

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描く絵が夏っぽいってわけじゃないんだけど夏にあってたね、と花屋がいいました。
夏は光がいいんだと思います。
何より陽射しがいっぱいで明るいし、緑の輝きがきらきらしてて眩しいし、色がぼわっと滲む感じがどこか幻想的で。

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初日だけあって店が空いてたのはほんのいっときで、次から次へといろんな人がやってきて、なかにはわたしの知ってる人もいて、ちいさな花屋に誰かが来るたびに花屋を出て本屋に行ったりお菓子屋に行ったり、お喋りしているうちにあっという間に夕方、仕事に行く時間になってしまってびっくり・・・・・・。
夏は外にいると時間が全然わからないから困る。
急にバタバタとあわてて帰って来たのだけれど、ちなみに今日わたしが話していた(乙女な)男の人は、さんざん眺めて悩んだ末に、この子に決めたそうです。赤いリボン、黒いドレスのマドモアゼル。
さて、わたしのは?

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山下美千代個展 『巴里からの手紙 /Des lettres de Paris 』はコトリ花店にて、今日から定休日の木曜ぬかして7月31日まで。
夏時間の花屋で、美千代さんのエスプリに触れ、自分だけの特別をみつけてください。
詳細はコトリ花店のホームページまで。

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