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2021年1月23日 (土)

Saint Cup が返ってきた ☆

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去年の11月、阿佐ヶ谷の古民家ギャラリー CONTEXT-s で行われた毎年恒例の渡辺知樹さんと駒ヶ嶺三彩さんのコラボ展に娘と行ったとき、ギャラリーの中をしばらく眺めてからわたしはひとつのカップを手にとって、近くにいた知樹さんに「わたしはこれにした。もう名前もつけたよ。せいじんカップ。せいじんっていっても、アダルトのほうじゃないから^^」といって、「セイントね」「Yes!」なんて会話をしたのだった。その日はお昼を食べそびれて帰るころにはすっかりお腹が空いたていたから、ドーナツを買って帰ってさっそくこのカップでコーヒーブレイクを楽しんだ。もう夜で、うちはいまだに電球のランプシェードを使っているからあんまり明るくなくて、そのときはぜんぜん気づかなかったのだけど翌朝キッチンの水切りカゴに洗って伏せてあったカップをとったら縁が小さくチップしているじゃないか。がーーーーん!!!
昨日買ったばかりの知樹さんの大切なカップなのに!
もしかしたら娘が昨日洗ったときにうっかりやっちまったのかなあ、、、と思って後から起きてきた娘に何気に聞いてみたところ、娘は大事なカップだから気をつけて洗った、欠けるようなことはしてない、という。あわてて、まあ、誰が触ったって壊れものは壊れるときは壊れるからね~。三彩さんに金継ぎしてもらえないか聞いてみるよ、といったものの、娘には朝から泣かれる始末。まいった。
それで三彩さんにメールしようとPCの前に行って昨日撮った写真をカメラからダウンロードしていて、、、あ、と思った。昨夜、記念にドーナツと一緒に撮った知樹さんのカップの写真。暗いながらもそのときすでにチップしていたのがはっきりわかる。どうやら最初からチップしていたのを選んでしまったらしい。指でなぞってみないとわからない程度の小さなチップだったから、きっと誰も気づかなかったんだ。
さっそくメールすると展示中だったけど三彩さんは快く金継ぎをひきうけてくれて、わたしはとくに急いでないし、展示をしてなくても彼女がお父さんの介護で忙しいのはよくわかっていたから、気長にのんびり待つことにした。ただ、ほんとに小さな欠けだったから簡単に直せるだろうと思ったわたしの考えは素人の誤りで、実際はずいぶん苦労させてしまったみたいだ。
なかなか返ってこないけどどうしたかなあ、、、とふと思った12月の終わりころ、ちょうどクリスマスイヴに「クリスマスまでに間に合わせようと思ったけど漆が厚いとなかなか乾かなくて・・・。失敗繰り返しててなかなかうまくいきません。できあがったらお送りしますのでもうしばらくお待ち願います」と三彩さんからメールがきた。とりあえずそのメールは見たものの、わたしはわたしでそのころやっていたケーキ屋のアルバイトがピークで1日ほぼ9.5H超の仕事を終えて帰ってくるともうボロボロのくったくたで、そんなメールの返事くらいもできないまま年を越してしまった。そうして、遅ればせながらようやっと三彩さんにメールしようと思ったまさにおとといの夕方、買い物から帰ってポストをあけたら四角いダンボールの小包が入っていて、見覚えのある三彩さんの書き文字。
ようやくわたしの聖人カップが返ってきたというわけなのだった。
何ゆえに聖人カップかといったら見てのとおり!
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頭に水瓶をのせた天使。
左横は頭に書物(バイブル)をのせた聖人。
下はマントを着た聖人。
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頭に十字架をのせた聖人もいる。
カップに描かれた知樹さんの絵は点を線でつないだタッチで、それはそのまま光の粒子を線でつないだようだ。
エネルギーが見えるものには人間もまた数多の星々からなる銀河のように見えるそうだ。
人の姿をした星々の銀河。
なんてうつくしい。
つまり個体ではなく、ビット。スカスカの流動体。空間。
カップと一緒に入っていたカードには漆は湿度が高くて気温も20度以上ないと固まらず、自分の部屋が極寒のため何度も失敗して遅くなったこと、仕上がりにも満足いってないようなことが書いてあったけど、わたしにはじゅうぶん、きれいに見えました。自分の仕事になかなか満足いかないのは誰に限ったことではないのかもしれない。わたしが国分寺のくるみギャラリーでエポキシパテを使ったナンチャッテ金継ぎワークショップに参加したとき、講師の和佳さんからは「初めての割にはうまい!」といわれたけれど、自分ではぜんぜん納得いかなくて持って帰っても使う気にならなかった。しばらくたって使いだしたら経年変化もあって目も慣れたのか、ぜんぜんオッケーになりました。ひとの感覚なんてそんなものかもしれない。
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買ってすぐに手元から離れてしまったカップだけど、写真を撮っていたらにわかに愛着が湧いてきて、やっぱりこのカップは自分のもとに来るべくして来たカップなんだ、と思えてきた。
モノもヒトもきっとすべてそうなんだと思います。
それで、形あるものだからいつかは壊れるかもしれないけれど、そのときはお礼をいってあっさり別れよう。
このカップでは祝福された水を飲む。三年番茶を飲む。ハーブティーを飲む。たまーに珈琲も飲むかもしれない。
今日はせっかくだから大好きなチーズケーキ(濃厚なチーズの味がサイコーに珈琲にあう『ミロワール』)を買ってきて珈琲をいれた。
このケーキを食べ終わったらしばらく(娘の誕生日まで)甘いもの断ちをするつもり。
とくに理由はない。
身体から砂糖を追い出したいだけ。
さて。いっただっきまーす!
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