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2018年11月20日 (火)

スープとパンの朝

18pasta_soup

そのパン屋さんはかつてはホテルにパンを卸すほどおいしいパン屋さんで、夕方行くとなんにもなくなるくらい店はいつも繁盛してた。それがいつしかだんだん売れなくなって、店で働く店員の質が落ち、店から清潔感が薄れ、パンの味にもキレがなくなってきて、いつしかわたしはそこからネガティブなオーラみたいなものを感じるようになって、ついに行かなくなってしまった。そこの店主は料理がとてもうまくてアイディアマンの働き者だったけれど、もうすっかり疲れきってしまってるんじゃないかと思った。このままだと病気になっちゃいそうな気がする、と家族と話していたのだ。だから今年の春、店の窓に「体調を崩してしまい、しばらく店を休ませていただきます」の張り紙を見たとき、ああ、やっぱり、と思った。そして、それからずっとシャッターが閉まったまま、だんだん店の外観が薄汚れてゆくのを見ながら、きっとよっぽど重篤な病気で、もう復帰は無理でこのまま閉店するんだろうな、と思った。
それがつい先日、店の前を通ったらあたらしい張り紙があって、店を再開するからパートタイムを募集しているという。ああ、よかった。店主はやっと元気になったんだと思った。
開店は15日だったらしい。
その日の夜になってから知った。
それで娘が16日の午後に行ったら、店にはパンはまだ少ししかなかったという。
昨日わたしが行ったときも店内の広い棚はほとんどガラガラで、見慣れた数種類のパンがやっとこさ並んでいるという感じだった。それを見てあらためて、この店いっぱいに毎日パンを作るのがどれだけ大変だったか、どれほど店主が無理をしていたかが手に取るようにわかった。このパン屋さんはパンそのものもおいしいけれど、何より店主のつくる牛筋カレーやチキンやカモのローストといった料理が絶品で、それらが野菜とともにたっぷり入ったお惣菜パンがボリューミーで人気だった。サンドイッチの種類だけでもずいぶんたくさんあったと思うけれど、それを見るたび、これだけのお惣菜を店主ひとりでどうやって作ってるんだろう、いったい厨房はどういうことになってるんだろう、と思ったものだ。
最近、週1でカフェとかパン屋さんとか花屋とかお菓子屋さんをやるのが流行ってるけど、定休日以外、雨の日も風の日も毎日仕込みをして店を開けて経営をやりつづけていくって、ほんとうに大変なこと!
昨日、レジにいるときチラリと見かけた店主はまだ「すっかり元気!」というようには見えなかったけど、ここから先は無理をせず、できるかぎり長く店をつづけてほしいと思う。
昨日は揚げたてカレーパンとチョコクロワッサンを買ったのだけど、カレーパンの中はおいしい牛筋カレーがたっぷりで、これで160円は安すぎるんじゃないか? と思った。
パリッと焼けたクロワッサンにはパン屋のスピリットを感じた。
サービス品だからミニだけど、わたしは板チョコのはさまった普通サイズのチョコクロワッサンが食べたい。
・・・・・・ というわけで今朝はそのミニ・チョコクロワッサンと、ポサダ・デル・ソルのを真似てパスタのスープ。自分で作るとやっぱり具だくさんになってしまう。これはミネストローネみたいにベーコンは入れなくても、たっぷりのセロリとパプリカ、にんじんと玉ねぎをしっかり香りのたったニンニクとオリーブオイルで炒めることでコクがでる。ニンニクを炒めるときに輪切りの鷹の爪を入れ、仕上げにチリを入れたことでピリ辛になってそれがメキシカン風。でも、ポサダ・デル・ソルのはたぶん、オーダーが入ってからショートパスタを入れるんだと思う。パスタがアルデンテだったから。
11月になっても初冬というより晩秋の感じだったのがいよいよ冬っぽい気温になってきて、これからの朝はスープとパンの日が多くなりそう。

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