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2018年6月 8日 (金)

カージーの”あたらしい旅”

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夏がいいのは夜7時でもまだ明るいところ。
また夏が来たんだな、って思う。
三彩さんに「たのしみにしててください」っていわれたのはいつだったかなあ?
カージーさんの個展の葉書をもらって、ギャラリーみずのそらに行ってきた。
まず『あたらしい旅』っていう、タイトルが好き。
見た瞬間、オリジナルラブの『夢を見る人』って歌を思いだした。
下の子を自転車の後ろに乗せて、保育園に送り届けるまでがいつも戦争だった。
泣きそうな朝も、あの歌を歌いながら自転車を漕ぐと元気になれた。
わたしのあたらしい物語もいますぐはじまりそうで・・・・・・
壁に掛けられた今回の個展のタイトル。
これ何語?

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みずのそらは広いから、あの空間をカージーの作品がどう埋めるのか想像がつかなかったのだけれど、行ってみたらそこは出航を待つたくさんの船でいっぱいの港になっていました。

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木や金属の廃材をリサイクルして作った船は、一見シンプルなようでいて完成度が高い。それは描きこみすぎない絵みたいでもあるし、音数の少ない、完成された音楽のようでもある。それはフォルムを捉えるカージーさんの感覚の鋭さを感じさせる。
そして、カージーさんの作品は、静謐。
繊細にしてポエティック。
繊細だけどエッジがきいていて存在感がある。
一見ラフなようでいて、質感まできっちり作りこまれている。
だから、いつまで見ていても飽きない。
カージーさんはそんなに絵は描けないっていうんだけど、作品とその価格が書かれたこんなスケッチを見ても味がある。

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そしてカージーさんの作品を見ていていつも思うのは、カージーさんはいかにたくさんの仲間に囲まれて賑やかにわいわいやることがあっても、自分独りの静かな時間をとても大切にしている人なんだろうなあ、ということ。
それが作品にもよく出ていて、よけいなことはあんまり喋らないカージーさんのように作品も寡黙なんだけど、静かに物語を内包していて、じっと見ているとそれがじわじわと空間に滲み出てくるようで、わたしもそれにじわじわ共振した。

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個展がはじまった最初の週末はカフェでイベントもあったりしてきっとたくさんの人(仲間たち)で賑わっていたんだろと思うけど、平日の夕方のギャラリーにはスタッフ以外だれもいなくて、この空間を満たしているものにどっぷり浸かるには、わたしはむしろこのほうがいいなと思った。

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月とか星とか植物とか、船とか飛行船とかスウィート・ホームとか・・・・・・
ロマンディックなカージー・ワールド。

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そしてこれもいつも思うことだけど、カージーは植物をあしらうのがとてもうまい!
それはけして華美じゃない。それはもう枯れた葉っぱだったりドライになった木の実だったりするんだけど、すごく自然に作品と一体化してて、で、そこには対象に対する慈しみのこころを感じる。

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それでね、欲しいと思ったものを迷わず買えるほどわたしはお金持ちじゃないけど、わたしが今日、最初っから欲しかったのはこれ。
この飛行船。

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3、という数字に惹かれます。
なぜならわたしの家族は3人家族で、3人でずっとひとつおなじ舟に乗ってきたから。そしてそれはいつかは終わる形態だから。
これをリヴィングの天井から吊るしたところを想像して頭の中で遊びました。
このカタカタと、ひらひらとまわる銀の手作りのプロペラも好き。

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ギャラリーにはずっとピアノが流れてて、それがこの空間と、時折りカタカタまわる銀のプロペラにあまりにぴったりで、「いま流れてる音楽なんですか?」とスタッフの女の子に訊くと、「これです。カージーさんにこれかけてって渡されたんです」といって見せてくれた。

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ドイツのピアニスト、ヘニング・シュミートのソロ・アルバム『シェーネヴァイデ』。
おお、『雨と休日』で売ってそうなCDだね。さすがカージー!
自分の世界観をよくわかってる!
なんて思わずいったのでした。
このアルバム、家に帰ってさっそく探して買っちゃった。
カージーさんの個展は今週末で終わってしまうけど、6月の雨のあいだはきっとこのCDをちょくちょくかけているだろうなと思う。そして、みずのそらのこの空間を満たしていた景色と音楽、カタカタと音もなくまわっていた銀のプロペラのことを頭に思い浮かべると思う。
いい個展でした。
カージーさん、ありがとう。

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