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2018年4月 8日 (日)

どうにもならなかったこと

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うっかり忘れて見逃すところだった。
ちゃんとDMをもらっていたのに。
この間はグループ展だったけど、今回は個展だから見逃すわけにはいかない。
ぎりぎり最終日に滑りこんだタンバリンギャラリー。
渡邊知樹展『どうにもならなかったこと』
ドアをあけたら知樹さんとなっちゃんがいて、知樹さんに「なかなか来ないからいつ来るかってはらはらするじゃないですか~」といわれてしまった。半分冗談でもそんなふうにいってくれるのっていいよね?

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知樹さんの新作は、前回のにじ画廊『鳥の形を借りて線を引く』のときともまたちがう。線から面へ。そんな単純なことともちがうし、おなじブルーベースなんだけど何かがちがう。しばらく見ていたら、ああ春の色になったんだ、と思った。前回はもっとカタくて緊張感のある冬の色だった。それで、絵描きのこころとからだがちゃんと季節と連動して色にも表れるんだ、ってことを体感して、とても感慨深かった。
それと、絵でも音楽でもそうだし、いまさらこんなこというまでもないのだけれど、やっぱりウェブや印刷物で見る絵と実際に見る絵ってまったくちがうね。
たとえばこの絵、ウェブで見たときは(わたしは)ちっともいいと思わなかったんだ。
でも、ちょうどこの絵の前に置かれたテーブルについてしばらく眺めていたら、なんだかとても好きになってしまった。わたしの拙い写真じゃ、やっぱり見てる人には全然わからないかもしれないんだけれど・・・・・・
この絵のタイトルは『Letters』と名づけられたシリーズの中の『ずっと伝えたかったこと』。わたしには画面まんなか下の記号みたいのが漢字の『不』に見えて、今回の個展のタイトルにかけた暗喩なのかなとも思ったけれどどうなんだろう。

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この個展には今年のペペペ日めくりカレンダーにメッセージを書いてくれた吉本ばななさんも来てくださったそうで、「すっごくよかった」ってツイートしてるのをわたしも見た。そのばななさんが気に入ったという鳥の三部作。

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わたしが気に入ったのはさっき書いた『Letters』のシリーズ。
ギャラリーの絵の写真はわたしの相棒(カメラ)の最も不得意とするところみたいで、全然うまく撮れてないんですけれども・・・。
タイトル左、『子供たち』、右、『空の記憶』。

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もう1点の『Letters』は、『庭』。
これもよかったな。

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見るといつも思うけど、知樹さんの絵は清潔感があって、感覚的に汚れてない。
表層的でも薄っぺらでもない、でも清らかな光とともにそこにあって、その放たれたエネルギーを感じるから、家に連れ帰ってその空間の中にいたいと思うんだよね。
何が描かれてるかわからないから、ぼーっと眺めるのにとてもいいよ。
本来景色ってそういうものじゃない。
そこに秘められた意味や謎なんてわからなくても。
それでこころが解放される。
きっと、そんなふうに思う人はわたしだけじゃないはず。

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ギリシャにあるような海辺の真っ白い四角い家で、壁に好きな絵を飾って、壁にあいたまるい穴から海と空を眺めて暮らす。そんな生活を夢のように思う。
生きてるとどうにもならないことっていくらでもあるけど、それが白い紙の上でこんなふうに変幻するなら、それはもうそれで夢なんじゃないかって思いました。
上の絵は『空の展開図』。
下は、アラスカから来たという背の高い外国の男の人とブロークンで話す知樹さん。相変わらずコスチュームは豹。(あれ、トラだっけ?)
今年の今後の知樹さんの展示も楽しみです。

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