« すばらしき世界 | トップページ | 桃の節句 »

2018年3月 2日 (金)

突然の贈りもの*

18wasurenagusa_2

ある日突然、6歳と2歳半のふたりの子供を抱えたシングルマザーになって、まだまだ傷みをを引きずって生きていたころ、矢野顕子の『Super Folk Song』と『Piano Nightly』という2枚のCDが好きでよく聴いた。下の子の保育園の送り迎えに朝晩あくせくするわたしの日常はさながら『愛について』の歌詞のようで、矢野顕子の声は清朗で時に深く、様々な深い感情を湛えて当時の自分の心情によりそうものだったし、1台のピアノと、それに対峙する1人の人間、そこから立ちのぼる音楽はすさまじい孤独のうちに凛として自立して生きることへの勇気をわたしに与えてくれた。どの曲も好きだったけれど『Piano Nightly』の中に『突然の贈りもの』という歌があって、当時のわたしはその歌詞のようなことがいつか自分にも起こるんじゃないかと、浅はかにも夢見ていた。でも、もちろん、そんなことはついに起こらなかったし、浅はかな期待もきれいさっぱり消え失せた。時が過ぎたのだ。
そして時が流れて今日突然、やさしいひとから贈りものが届いた。
送り状に彼女の名前をみつけた瞬間、箱をあける前から彼女の気持ちが、愛があふれてきた。
箱をあけてでてきたのは、送り主そっくりの繊細でやさしい白い花のブーケ。
はじめて見たけど、白い忘れな草だそう。
それからわたしが好きで彼女に教えた、大好きなリンガリンガソープのアロマソープと、ダビデの星みたいな西淑さんのカード。

18birthday_present04

カードには『Happy Birthday!!』とあって、これが遅くきたバースデー・プレゼントだとわかった。あらあらあら ・・・・・・。
ひとり娘のいる彼女もまた離婚して、いまはひとりで暮らすひと。
もうすっかりピンシャンしているわたしとちがって、まだまだしんどそうなのに ・・・。
でも、友人が主催した『難民のためのお料理会』に行っても来るのはあんまりお金のなさそうな人ばっかりだったから、結局おなじようなことを経験した人じゃないと人にやさしくできないのかもしれない。
見るからにか弱そうな忘れな草、でも思いのほか強い植物なのだそうだ。
昨日から一気に気温が上がって暖かかったせいか、箱をあけたときはくったりしていたけれど、『逆さ水』のやりかたを教えてもらって、やってみたらしばらくして元気になった。

18wasurenagusa02

白い忘れな草のブーケを花瓶にいけて、自分がいつもいる机の近く、いつも見えるところに飾った。
やさしい花、やさしいひと。
花が萎れて枯れるまで、いつもそれを感じていられるように。
親しい友人からの贈りものは、贈られたモノ以上にその気持ちがうれしいからモノはなんでもいいのだけれど、それでも花を贈られるのがいちばん好き。
花は数日で枯れるけど、花の記憶は永遠に残るから。
今年も三寒四温、気圧も気温も乱高下するクレイジーな春がやってきて、いたずらに人のこころを掻き乱してゆくから、わたしはわたしで彼女のことがちょっと心配だったりする。
いつか彼女が元気がないとき、わたしが逆さ水をやってあげよう。
ちょっと荒療治。
愛のシャワー。

18wasurenagusa01

|

« すばらしき世界 | トップページ | 桃の節句 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« すばらしき世界 | トップページ | 桃の節句 »