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2018年2月25日 (日)

すばらしき世界

Beth_carvalho

『すばらしき世界』というと、いまはもうTVを見てないわたしの頭にもすぐ缶コーヒーのBOSSのCMが浮かぶけど、ほんとはそんなにハイブローに皮肉たっぷりじゃなくて、もっと素直に『What a wonderful world!』といえたらどんなにいいだろう。

ベッチ・カルバーリョの歌は、汗と、涙と、笑顔の先にひろがる虹のような世界。
サンバはボサノヴァなんかよりもっとずっと切実で、ブラジル庶民のこころに根ざした音楽。聴いているだけで涙があふれ、自然にからだが動きだす。アフリカンルーツのわたしたちのDNAに直接つながる音楽だと思う。わたしはこんなにいいと思うのに、なぜベッチの歌のよさを多くの人と共有できないのか全然わからない。
ベッチ・カルバーリョをわたしに教えてくれたSさんも、単純に計算してもう70を越えたのかと思うと、時の流れの早さにくらくらするけど、もう彼に二度と会うことはなくても、彼がわたしにスペシャルセレクトのベッチのCDをくれたことは、いまとなっても眼識が高かったと思う。あれからずっとわたしはベッチの歌を愛しているし、折あるごとにそこから生きる力をもらっているから。
サンバの母。
太陽のおかあさん。

でもこのアルバムのタイトル『MUNDO MELHOR』をポルトガル語の辞書で調べてみると、『すばらしき世界』ではなくて、『より良き世界』。
ああ、それでか。最初見たとき何かと思ったけど、この上を向いた矢印。
きっと音楽でより良き世界を目指そうっていう、いかにもベッチらしい、と思ったら、ライナーによればそうではなくて、諍いの後に、よりマシな関係を築いていこうとしみじみ諭す歌ですって。なるほど、今日聴くのにぴったりってわけだ。

このアルバムは長いこと入手困難だったけど、おととし期間限定盤の『ブラジル・コレクション1000』というのが発売されて、なんと1000円という廉価で買えるようになった。ブラジル盤じゃタイトルの意味もわからないけど、ちゃんとライナー・ノーツも付いている。
ブラジル音楽好きなら聴かなきゃ損。
ベッチ・カルバーリョ、1976年の出世作。

< 収録曲 >

1. 去りし愛へのサンバ Antes Ele do que Eu 

2. あなたが望むなら Se Voce Quiser 

3. 陽気になろう Quero Alegria 

4. 丘にもどって Volta pro Morro 

5. 沈黙のバラ As Rosas Nao Falam 

6. 我が友カルヴァキーニョ Cavaquinho Camarada 

7. あなたとどこまでも Te Segura

8. こんな暮らし Salario Minimo 

9. 心の楯 Meu Escudo 

10. すべては音楽 Divina E a Musica 

11. 幸せへの道 Com a Vida que Pediste a Deus 

12.すばらしき世界 Mundo Melhor

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