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2017年7月18日 (火)

シュエルヴァーズ

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三連休最後の昨日、やっと暑さがやわらぎはじめた夕方ひさしぶりにコトリ花店に行ったら、一見生花とは思えない、まるでアンティークの布花みたいな不思議なばらにであった。
店主に花の名前を聞くと、ひとしきり仕入用のウォレットをガサガサやっていた彼女、やっと1枚の紙切れをみつけて、「シュエルヴァーズ」という。
シュエルヴァーズ? どういう意味? スペルは?
と聞いても、それ以上のことはわからない。
でも、花屋が花瓶から1本抜き取ったところで、ちょうど彼女の着ていたくすんだブルーのワンピースとの色合わせがあまりにきれいで、「ねえ、ちょっと写真1枚撮らせて」といったら、写真嫌いの花屋は嫌だという。しばらくぐずぐずしていたと思ったら、「じゃあ、きれいに撮ってね。&プレミアムの表紙みたいに」とかおっしゃるんである。なかなか手厳しい! わたしとおなじ水瓶座のA型(?)
もうすっかり日が傾いた時間で店内は暗いし、背景はぶっ飛ばせないしで撮れたのはこの程度だけど、このばらのちょっと不思議なニュアンスが伝わるだろうか。
いつか布花作家のutopiano さんにこのばらでコサージュをつくってもらいたいような。そんなばら。

「今日はこれにする」といってから、「マウンテンミントとあわないかな」といったら、「すごくあう」と花屋。「ほら、ばらの中心と葉っぱの色がおなじだから」。それを見ながら「あとはなんだろ」といったら、「これにこれときたらもうこれでしょう」といってキイチゴをあわせてくれた。
うん、さすが。花屋の色彩感覚は素晴らしいです。
今日のキーワードはグリーン。
グリーン。ブルーとおなじくらい好きないろ。

というわけで、ひさしぶりに食卓に花のある朝。

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昨日、家に帰ってこのばらをつくった八木バラ園のブログを見たら、シュエルヴァーズのシュエルはシェル(shell)、貝殻からとった造語だとわかりました。
貝殻みたいなばら?
そしてヴァーズはVase?
そういえば昨日は海の日でした。
わたしは真夏の海でビーチコーミングがしたい。

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2017年7月15日 (土)

夏のごちそう

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今日、昼過ぎ、プールに向かって自転車をこいでたら、青空にビルの白い壁、眩しくそよぐ緑が目に入って、ああ、またこの季節が来たんだ! と思った。
リネンのワンピースを風に翻しながらペダルを強くこいで。
陽に曝される素足。
今日のプールも厳しいコーチで散々だった。
でも今日もプールに行けたことがすべて。

プールから帰ってとうもろこしをゆでた。
子どもの頃、わたしはとうもろこしが大好きだった。
いまみたいに家にクーラーもなかった子どもの頃、母がゆでた熱々のとうもろこしを食べるのは、それこそ夏のごちそうだった。
でもうちの子はそんなにとうもろこしが好きじゃない。
食べるの面倒くさい、とかいって。
いまはもっとおいしいものがたくさんあるから。

わたしのとうもろこし好きは母譲りなんだと思う。
あのひとはおよそアウトドア派じゃなかったから真夏のドライブなんかも実は行くの嫌なんだけど、ただひとつ、田舎を走ると畑のある通りのあちこちで売ってる採れたてとうもろこしだけが目当てで、よくドライブに行ったもんだった。
夏に海水浴に行くのはサザエの壺焼きとはまぐり焼きが目当て。
つまり、母がよく言ってた『欲と二人連れ』ってやつ。
でも、そのおかげで季節の味覚はその情景と共にわたしの中にしっかり刻まれた。
それは一生、失せることはない。
たぶん、いまの日本に足りないのはそういう感覚だね。

とうもろこしをゆでる。
せっかくだからおいしいゆでかたを調べたら、皮をむいてヒゲを取ったとうもろこしを鍋に入れてひたひたの水を入れる → 水が沸騰したら3分ゆでて火を止める → 塩を1リットルあたり大さじ2くらい入れたら4分待つ、とありました。
そのとおりにやってみたら、おお、うまい、うまい!
思わず買ってきたお昼のパンより先に食べちゃった。
これぞ夏のごちそう。

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2017年7月13日 (木)

真夏の梅ジャム

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昨日はめずらしく家にひとりでいて、もう4時をまわったころにお昼を買いに出たら、外はありえない暑さだった。
大気がまるで温泉!
つまり、人間はその温泉の中を着衣で移動しているようなのだ。
まだ梅雨も明けてないのになんてことだろう。
それもそうだ。昨日は2度も熱中症警報が出たくらいなんだもの。
そんな日はもう危険だから年寄りは外に出なきゃいいのにと思うけど、町の中はどこもかしこも杖をついて歩く老人だらけ。
思わず父のことを思った。
帰り道では学校帰りらしき小学生の女の子がふたり、顔をまっかに上気させて歩いてるのとすれちがったけど、顔を上気させてるのになんだか涼しげで、子供って炎天下でもなんてきれいなんだろう! と思った。

それから夕方、このあいだ梅シロップを漬けた後の梅でジャムをつくった。
瓶から出した梅の実は、まだふっくらしたのもあったけど、ほとんどはしわくちゃ。
その梅の実を鍋に入れてひたひたに水を注ぎ、アクをとりながらしばらくゆでて冷ましておき、やわらかくなった梅を包丁で果肉だけこそげとる。梅の実は2キロもあるからけっこうな作業で、うんざりしかけたところで玄関のチャイムが鳴った。
出ると宅配便で、佐川急便のユニフォームを着て立っていたのはくたびれたおじいさん。
ここは4階だから、赤い顔してふうふういって汗をぬぐってる。
あんまりかわいそうだから、冷たい梅ソーダをささっとつくって出してあげると、礼をいって一気に飲み干し、「ふー! 生き返りました!」って。それをニコニコしながら「梅パワーで元気になるよー」と言いながら見ているわたしは、まるで下町のオバチャンのようだ。
この国は老人と子供にいちばん過酷な国だと思う。
ほんとによくないね。

さて、梅ジャムづくりのつづき。
梅の果肉をぜんぶこそげ落としたら、フードプロセッサーに入れて、あるていどなめらかになるまで撹拌し、それをボウルに入れてキッチンスケールで重さを量る。果肉の重量の30%ほどの洗双糖を量って、鍋にペースト状の梅と、冷蔵庫にボルヴィックがあったからそれをカップ2入れて木べらでかき混ぜながら煮て、砂糖を3回くらいに分けて入れてさらに煮詰め、味見をして最後に家にあったラム酒もちょっと入れて仕上げた。
できあがったときはちょうどよかったんだけど、今朝あけてみたら梅ジャムというよりは梅あん、といったところ。梅はペクチンが強いから、フードプロセッサーで撹拌するのをもうちょっと手前でやめたほうがよかったかもしれない。
でもヨーグルトに入れたらおいしかった。
夏の疲労回復に。

そして朝は何はなくても野菜サラダ。
今日も朝からすっごく暑い。

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2017年7月10日 (月)

きぼりおさんから個展のDMが届いた。

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三彩さんからおすすめされて二月、ギャラリーみずのそらで行われた個展に行った高瀬きぼりおさんから、次の個展の案内が届いた。
場所は西麻布の桃居。
前から行ってみたかったギャラリーだ。
ずいぶん渋い場所でやるんだな。
三彩さんがやっても似合いそうな場所だよ。
なんて、娘と話した。
きぼりおさん、とっても面白い絵を描くひとです。
でもってとっても話しやすい。
話もとても面白い。
話すこと(思考してること)はちょっと頭でっかちな感じで論理的、なんだけど、描いてる絵は右脳的。
そのギャップも面白い。

封筒に書かれたきぼりおさん直筆の書き文字を見てたら、ペペペさんもそうなんだけど、なんだか字も絵みたいである。
ペペペさんの字が繊細でポエティック、だとしたら、きぼりおさんの字は筆圧がつよくてどこかプリミティブ、な感じもする。面白い。
ふたりに共通するのは共に面白い絵を描くことと、オープンなところ。
オープンなひとって大好きです。

高瀬きぼりお 絵画展
2017年7月28日(金)~8月1日(火)
11:00~19:00 (最終日は17:00まで)
ギャラリー桃居:東京都港区西麻布2-25-13

きぼりおさんは桃居に行くのに『表参道から根津美術館の横を通って歩いていくのが好きです』と書いてるけど、どうやって行ったらいいのかな?
この○○暑い時期にたくさん歩くのは嫌だしなー

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2017年7月 8日 (土)

梅シロップできた *

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今日のプールは駆けつけ3杯、じゃなくてアップ50を4本。
最後の最後まで容赦ないコーチでヘロヘロになったけど、今日は水がつめたくて気持ちよかった。
家に帰って、できあがった梅シロップを炭酸で割って1杯。
甘酸っぱさがしゅわしゅわっと駆け抜けて、疲れも吹っ飛ぶよう。
今日も外はものすごくあっつい。
最高気温34度。
夕方、オレンジムーンストーンみたいな14番めの月。
明日は山羊座の満月。

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2017年7月 7日 (金)

神楽坂で・・・

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毎週土曜日に送られてくるメールマガジンはプールから帰ると欠かさず読み、気になったリンク先の音源は試聴し、これまで買ったCDは数知れず。
それなのにまだ実店舗には行ったことがなかったのです。
おととい会った友達が、今日入ってた仕事がひとつなくなって時間が空いてちゃったというので、それじゃあ神楽坂にでも行ってみますか、ということで今日初めて行ってみた。
ブラジル、アルゼンチンからの輸入CDを扱うCDショップ、大洋レコード
いつも降りる神楽坂口から矢来口方面に歩いていくと、こんなかわいいクジラの立て看板があって。

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舗道よりちょっと下がったところにあるショップは思った以上に小さい、こじんまりとした店だったけど、いい音楽が流れ、いい時間が流れる素敵な店でした。
今日は閉店間際に行ったからあんまりゆっくり見られなかったけど、こんどまたゆっくり行きたい。ひとりか、あるいは自分とおなじブラジル音楽が好きなひとと。

大洋レコードに行く途中に行きたかった『かもめブックス』もあって、夕飯食べたら寄るつもりがすっかり話しこんじゃって、気づいたら閉店時間をとうにまわってた。
今日は京都町家風のちょっと高級なお蕎麦屋さんで、お刺身の盛り合わせに出汁巻き玉子、揚げ出し豆腐に天ぷらそばをごちそうになりました。わたしが飲んだ桃のお酒のオンザロックは、まったくもってフルーティーな桃のジュースで、なあーんだと思ってごくごく飲んでたら帰りにはけっきょく酔っぱらいました。
今日は七夕で、めずらしく月のきれいな夜だった。
織姫と彦星も今年は会えたね

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2017年7月 5日 (水)

ふるい友達と ・・・

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年々気候がおかしくなって、年々夏を越すのが大変になっているけど、夏のいいところは仕事を終えて家を出ても、まだ明るいうちに着けることだと思う。5時なんてまだ昼間、6時だってまだまだこれからだ、7時になってさえうっすら明るい。
冬になるとそんなことを思いだして懐かしく、さみしい気持ちになるんだ。
そういういわたしは夏好き。

今日も湿度が高くて暑かったけど、30年来の年上の友達ふたりと落ちあってジェロニモ。
ふだんはステーキなんて食べないわたしも、ここでばかりは食べる。
ここには男ふたりの若い頃の思い出がたくさん詰まっているらしい。
今日も食べてる途中でTちゃんが、「あのときオレの言葉をJがただの社交辞令と思って広島に来なければ、この関係もなかったわけで、人間の縁ってほんとに不思議だね」といった。
そもそも事のはじまりは、家の近所にカメラ屋さんがあって、年じゅうフィルムの現像に出しに行くもんだからそのうち店主のIさんとよく話すようになって、隣りの喫茶店から珈琲をデリバリーしてごちそうしてもらうような関係になって、いっぽう東京で浪人生活をしていたTちゃんは大学受験に失敗してついに広島に帰ることになって、明日広島に帰るという日に珈琲を飲みに入った喫茶店でJちゃんに会った。そこで話をするうちにJちゃんが広島カープファンだということで意気投合して盛り上がり、思わずTちゃんは「そんなにカープが好きなんだったら広島に遊びにおいでよ」といった。そのときはTちゃんも、まさかJちゃんがほんとに広島に来るなんては思ってなかったのだそうだ。でもJちゃんはほんとに広島に行った。そして、ふたりは親友になった。

その数年後のある日、喫茶店のカウンターで珈琲をのんでたわたしが帰ろうとすると、厨房からJちゃんが「そうきち、もう帰るの? もう少しでオレのクォーターの弟が来るから、よかったら紹介したいんだけどな」といった。「クォーターの弟?! ってことはJちゃんもクォーターなの?」と、わたしが驚いて訊くと、「そうだよ。あれ、まだ言ってなかったっけ?」とJちゃんはしゃらっと言った。
なんたってその頃のJちゃんときたらカーリーヘアでアフロみたいにでっかい頭をしてたもんだから、てっきりわたしは騙されてしまった。そして、やってきたのがTちゃんというわけだ。Tちゃんは当時クロード・チアリに似ていて、髪がくせっ毛のくりくり長髪で丸眼鏡をかけてて、クォーターといわれたら実際そう見えないこともなかった。もう帰るつもりだったわたしはそこで初めて会った、自称シャイで人見知りでふだんは無口だというTちゃんが喋りまくるのにつきあって、最後は「おまえ、気に入った! 珈琲代払ったる!」というTちゃんに2杯分の珈琲代をゴチしてもらって帰った。夕飯をとっくに過ぎた家に帰るなり鬼のようにこわい母に「アンタは家出たらほんとに鉄砲玉ね!」と怒られたのはいうまでもない。
それ以来のつきあいなのだから、ほんとに人の縁ってわからない。
母が生きてたらきっと「まだつきあってるの?!」と驚くことだろう。

でも、もうじき40年にもなろうというのに、みんな昔とたいして変わってないような気がするな、と I さんがいう。うん、ほんとだね。まだあの喫茶店にみんなして行ってる気がするよ、とわたしがいう。
・・・・・・
でもほんとにそうだろうか?
彼らにいちばん最初に会ったときまだふわふわしたティーンエイジャーだったわたしはいまや結婚して離婚して、自立してない子供をふたり抱えてこの歳になってもまだ毎日あくせくしてる。これまでは苦労がルックスに出ないタイプだと散々いわれてきたけど最近じゃ寄る年波でそうともいえない。わたしより遅く結婚した彼らはやっと子供が学生じゃなくなって、ひとりは銀婚式をとうに過ぎ、もうひとりは今年、銀婚式だって。銀婚式にはともに奥さんにエルメスの腕時計を贈る(贈った)んだそうだ。つまり、もう彼らはお金も経験もなくて頼りなかった若者じゃないし、酸いも甘いも経験してきた大人、押しも押されもせぬ熟年世代ってことだ。それに何よりわたしたちをくっつけたJちゃんの顔を見なくなってどれくらい?
わたしたち、もうずいぶん遠いところまできちゃったみたいだよ・・・・・・。

我々の関係がこんなに長くつづいたのは縁もあるだろうけど、それ以上に若いときに出会ったのがよかったんだろうな。
なんの利害関係もない、無邪気で無防備な若いときに。
それに時代性もある。
昔はインターネットはおろか携帯もなかったから、誰かとコンタクトするには直接会うか電話するしかなかった。声っていうのは人が思う以上にほんとのことが出ちゃうからウソがつけないし、おかげでずっと正直な関係をやってこられた。
何より全てがいまよりずっとシンプルだった時代。
SNS時代のいまは人の本心がますます見えなくなった時代だと思う。
直接本人にいえばいいようなことをいわずに、かわりにどうでもいいよな心情吐露や毒を吐いてる。人は蜘蛛の巣みたいな網目上にきっちり繋がっているようでいて、実はタンポポの綿毛みたいにバラバラに飛んでるんだ。そんな気がする。
我々の関係を世間的にいうなら『ただの友達』だ。
男女関係でよくいうところの、ただの友達。
でも、これがいいんだと思う。
誰とでもやれるとは限らない。
誰にでもできるとは思わない。
ただの友達、されど特別な友達。
一過性の男女関係なんかよりずっとありがたい関係。

でも、ジェロニモもオーナーが変わってずいぶん様変わりした。
我々は長いこと、ステーキをオーダーすると最後に出てくるキャンプで飲むようなシャビィなアルミのマグカップに入った薄い珈琲に、お砂糖を入れて飲むのが好きだったのだけれど、それがいつの間にかきれいな陶器のカップ&ソーサーに入った比較的まともな珈琲に変わり、そしていまや珈琲はメニューからなくなっちゃったんだって。残念!

「さて、そうきち。これからどうしようか」
と I さんが落ち着いた声で言う。
暑いし、ちょっと疲れてるからわたしは今日はごはんを食べたらお茶でもして帰ろうと思ってたのだけれど、そう言われていきおいTちゃんと近所のライブハウスやJAZZバーを探した。でもあいにく近所にはなくて、けっきょく前に行ったことのある大久保のBoozy Muse に行くことになったのだけれど、思いがけなくこれがとてもよかった!!!

ピアノのNori Ochiaiさんが率いるRhythm Challenge というトリオ。
その名の通り、ひとつの曲を何分割化して次々と違う変則リズムで演奏してゆく、という、まるでエッシャーのだまし絵みたいな音楽。

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もともとはドラムの安井鉄太郎さんがやっていたことをピアノのオチアイさんが気に入ってやりはじめ、今日の曲のセレクトもアレンジもほぼみんな安井さんによるものだという。
「こういう変わったことをやっている人はJAZZの世界でもほとんどいない、だから今日みたいな演奏も滅多に聴けない演奏だと思います。安井さんはワン・アンド・オンリーのドラムニスト。で、この安井さんのアレンジがまためちゃめちゃ難しいんです」といいながら、一見やすやすと弾いてるみたいに見えるオチアイさん。一貫して姿勢を崩すことなく、頭をリズミカルに振りながら飄々と複雑なリズムを弾きつづける。

そしてトリオの中ではいちばん年上で落ち着いてて静かに見える安井鉄太郎さんなんだけど、そのプレイは熱くて激しい。複雑難解な変則リズムを正確にピンポイントのカタイ音で鋭く刻んでゆく。こういうひとの頭の中っていったいどうなってるのか、もしかするとすっごく数学的なのかもしれない。
安井鉄太郎さん。素晴らしかったです。

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そしてこの中ではいちばん若いベーシストの寺尾陽介さん。
実はわたしがJAZZのライブに行くようになって最初いちばん聴き分け難かったのがウッドベースなんだよね。それは若い頃からさんざん聴いてる、たとえばポール・マッカートニーの『Don't let me down』なんかで聴けるムーヴィングな音ともちがうじゃない。なんていうか、変な言い方だけど、もっと弦楽器。もっと無骨で不器用な弦楽器。ソロはともかくバッキングとなるとほかの楽器の強い音に紛れてしまいやすいし、ほかの楽器とくらべると地味な感じ。でもなくてはならない。リズムとテンポとピッチが正確ならそれでいいのかといったら、それだけではないでしょ。
うちの息子はJAZZギターにおいて自分固有の(オリジナルの)音色をつくるのはとても難しい、というんだけど、わたしはそれをウッドベースにもっと感じる。
でも今日も耳を凝らして音を追って聴いていたら、だんだん寺尾さんの音、歌が聴こえてきました。

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でもって、そうやってある意味辛抱強く音を追える耳がないと、こういうJAZZは聴けないんじゃないかと思う。そういうのを楽しめる人じゃないと。
ひたすら変幻してゆく変則リズムが延々つづいて、ピアニストの右手から美メロが流麗に弾き出されることもない。一見地味ともいえる演奏なんだけど、わたしはそれが面白かった。
で、そこにいた人みんな面白かったみたいです。
今夜もすごく盛り上がった。
拍手喝采、アンコール!

そんな今夜はファーストのラストから聴いたから、セカンドのセットリスト。
ちゃんと思いだせるかな?

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2nd. 

1.Blues For Alice(チャーリー・パーカー) 

2.Hey, It's Me You're Talking To (ビクター・ルイス) 

3.Footprints(ウエイン・ショーター) 

4.All the Things You Are(ジェローム・カーン) 

5.Yes or No(ウエイン・ショーター) 

アンコール:Isotope(ジョー・ヘンダーソン)

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選曲もとてもよかった!
欲をいえば途中でかっちょいいメロの爆発があってもよかったかな、と。
それで、いやあ~、思いがけなくめちゃめちゃいいもの聴いたねえー!と気分よく帰って来たのだけれど、あの変則リズムの感じは直さんとやってもいいんじゃないかなと思って帰宅してちょっと調べたら、もうすでにやってました。安井鉄太郎さんのカルテットで、去年。
さすが。
そんなわけで、またひとつ聴いてみたいブッキングが見つかりました。

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2017年7月 4日 (火)

ファッションを殺したい。

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いつか、あるひとのツイートを読んだら、ファッションを殺したい、と書いてあった。
ある意味、すごくラディカルな発言だと思った。
そして、ブログでそれより長いそのひとの文章を読んだら、言っていることがすごく理解できた。・・・・・・というより、自分がいい歳になってから感じていたことと近くて共感できた。
わたしが若かった頃の時代は、いわゆるDCブランドといわれる、日本人デザイナーによるハイエンドなファッションの全盛期でした。日本人デザイナーによる、国内縫製の、丁寧な、いまでいうならとても贅沢な服。それぞれのデザイナーはみんなそれぞれ独自のスタイルを持っていたし、ショップもまた同様に、一目見てどこのブランドかわかる独自のオリジナルなスタイルで、スタイリッシュな店を展開していた。若いし、お金もないから、そうそうそんな高い服をプロパーで買えるわけはないのだけれど、見ているだけでも楽しかったし、いざセールの季節となったら、みんなわずかな仕事の休憩時間を縫ってまで血眼になって買いに行った。わたしなんかはカジュアル派だったからまだ自分の手の届く範囲で好きなお洒落を楽しんでいたていどだったけど、モード系のひとたちは、それこそ食うや食わずで青白い顔して最先端のファッションを身に纏っていた。当時『ハウスマヌカン』と呼ばれたDCブランドのショップ店員なんかはまさにその代表格で、常に季節を先取りした(つまり実際の季節に合わない)服を無理して着ていた。涼しい顔で、最高にかっこよく。
いくら一般顧客とちがって社員割引で自社ブランドの服が買えるからといっても、常に前倒しで2シーズンくらい先の服を買いまくっているから、会社を辞めるときに退職金が出ても、それまでに買った服の代金を差し引いたらいくらも残らないか、逆に赤字、なんて話もよく聞いた。
そんな時代。
あの頃は、1年のうちで何時がいちばん楽しいかといったら、2月だった。
2月は各ブランドが今期のテーマを打ち出す月だから。
その時期ショップを見に行けば、今年の春夏シーズンのテーマと傾向がチェックできるというわけだった。
いまでも憶えてる。
「そうきちさんは服ばっかり買ってる、って、Mちゃんがいってたよ」と当時つきあってたひとにいわれたこと。わたしとしてはまわりもみんなそんなふうだったし、自分なんかよりもっとファッションにどっぷり浸かっている友達も多かったから、そうかな、と思ったくらいだったけど。
いまでも友達と話して笑うのは、まるで戦争のような、狂想曲のようなセールの時期、当時全盛期だったラフォーレ原宿でまだ20代前半の若いハウスマヌカンの女の子が、「イタリア最高級の生地、丁寧な国内縫製、一生モノの○○のジャケットが50%オフですよ~!」なんて、声を枯らして叫んでたことだ。
『一生もの』という言葉に弱かったわたしたち。
ファストファッション主流のいまの若い子たちには到底うけいれられないと思うけど、当時はいいものは高い、という感覚がふつうにあって、そこにはちゃんと理由があって高いということがあるていど理解され浸透していたし、いいものを長く大切に着る、ということがほんとうのお洒落なんだと、ことさら強調されていわれた時期があったのでした。
でも一生ものの服なんてなかったね。
と、いま、いい歳になったわたしたちは笑う。
どんなにいい生地を使って国内縫製してるからって、パターンが古くなった服はもう(古くて)着られないもの。

もうほとんど断捨離してしまって残ってないけど、古い服を見るとその時代時代の流行によってオーバーサイズで肩幅がやけに大きかったり、いまじゃ考えられないような分厚い肩パッドが入っていたり、逆に超ミニマムでキツくて短かったり、素材は高級ではあるけどひどく重たいウールだったり、逆に最先端のテクノロジーが生んだぺらぺらの化学繊維だったりして、いまの気分とは全然ちがう。

そしてさっき『パターンが古くなったら』と書いた、その『古い』『新しい』がファッションの本質なのだと思うけれど、ひとついえるのは、かつての時代の服は『確たる時代の流行』というものがあって、その流行の服になんとか自分を合わせている感じだった。
流行の服の中から、自分の『好き』という感覚を頼りに、なんとか自分に似合うもの、自分にフィットするものを探して着ていた感じ。
だからそこにはいつも多少無理があったし、気に入って買ってはみたものの、あんまり着心地がよくなくてすぐに着なくなるものもあったし、それ以上に流行が終ったら着られなくなるものが多かった。
20代をすごした80年代はわたしにとっては輝ける時代だったけれど、その80年、90年を経て2017年になったいま、いささか歳をとったわたしはもう昔みたいにファッションを追いかけたいとは思わない。いまでも服は好きだけど、もう無理して流行の服を着たいとはまったく思わなくなった。考えただけでも疲れちゃうし、第一、流行そのものがなんだかわからなくなってしまった時代。(街に出ても昔みたいにハッとするひとのいないこと!)
そんないま、目に留まったのが『ファッションを殺したい』だった。
Twitterでそう言ったのは、Ka na ta さんという、男のデザイナーだ。
あたりまえだけどわたしより全然若い。
あくまでわたしの理解したところでごく簡単にKa na ta さんの服を説明するなら、それは身体、ボディーのための服。
かつての流行服が、自分の身体のほうを服に合わせる服だとしたら、Ka na ta さんの服は、限りなく自分の身体になじむ服。
そう聞いただけでもわたしなんかうっとりしてしまうけど、でもネット上で(画像で)見るKa na ta さんの服はあまりにもシンプルで、身長158センチのわたしに果たして着こなせるだろうか、と思ってしまうし、それ以上に、二人の子供の出産・育児を経て歳をとった自分のいまの身体を美しい、なんてはとても思えないわたしには、すべての(つまり老若男女すべての)ボディーは美しい、というKa na ta さんのメンタルは遠すぎて、わたしにはとっても敷居の高い服ではある。
だから自分ひとりでka na ta さんのショップやアトリエに行く、なんてことはシャイなわたしにはとってもできないと思うけど、10代の頃からある種まったくブレずにファッションを愛し、ファッションを追いかけてきた友達とだったら行けるかな、とか。いま思ってます。

今日なんでふいにこんなことをごちゃごちゃ書いてるかというと、今朝、『すべてのからだは美しい』をさらに超える発信をka na ta さんが7月1日にしていたことに気づいて、わたしには敷居が高いと思いつつ彼の言葉にはいつも響くものがあって、ちょこっとでも多くその文章が人目に触れるようにしたかったからなのでした。

いつかわたしもKa na ta さんの服を着てみたい。
似合うとか美しいを超えて、好きな音楽を聴いて自分に合った周波数で自分を透明にできるように、安らげたらいいな、って思います。

ちなみに上の写真はKa na ta さんとはなんの関係もない。
ファッション一筋に生きてきた親友のお店のSALEの葉書です。
世田谷線、松原駅すぐ近くにあるCOCOCE(ココシェ)の夏のセールが明日5日からはじまります!

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2017年7月 3日 (月)

You And The Night And The Music ♪

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それまでずっと気になりながらやれないままでいたこと、やらずにいたことがある日あるとき何かのきっかけでぽん! とやれてしまうことがあって、自分でもなんだか目の覚める思い。
それがどんなに些細な、つまらないことであっても。
それで昨日は自分のなかですごくはっきりしたことがあって、今日ここに来ました。
今日の夜ごはん。

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スミノフレモネードとトマトとアンチョビのピザ。
これ1杯くらいでちょうどいい、アルコールだめなわたし。
そしてけっきょく2ヶ月ぶりのサムタイム、竹内直カルテットの今日のメンバーは、竹内 直(sax) / 片倉 真由子(p)/ 須川 崇志(b)/ ジーン・ジャクソン(ds)。
ベースの須川崇志さんとドラムスのジーン・ジャクソンさんを聴くのはわたしは今日が初めてかな。
月曜日のジャズバーはふつう、あんまり入らない。
なんたって仕事はじめの月曜だし、『毎日が日曜日』って人でもないかぎり月曜の夜から飲もうって人は少ないから。
でも月曜から入るのが直さんのすごいところ。
知った顔も近くの席に座って、はじまった今夜の最初の曲は『Dedicated To You』。
いつもの直さんの音が鳴りだして、心底ほっとするひととき。

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そして今日は2曲めに行く前に、今日誕生日のお客さん二人のバースデー・タイムがあった。バンドのメンバーがバースデー・ソングを奏で、キッチンからローソクの立ったバースデー・ケーキが運ばれてきて、知らない人の誕生日をみんな笑顔で拍手でお祝いする。
こういうのもなんて平和でしあわせなひとときなんでしょうね。
自分だったらこんなの恥ずかしくてパスですけどね。

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そして2曲めのタイトルを直さんがMCしたとき、「やった!」って思った。
まるで以心伝心みたい。直さんの音でこのメロディーがずっと頭に流れてて、昨日から今日書く記事のタイトルをこれに決めてたから。
『You And The Night And The Music』。
もう、片倉真由子さん飛ばす飛ばす。それでウッドベースの須川さんも忙しい忙しい。激しく動く感度のいいベース。でもってジーン・ジャクソンさんのドラムはあかるくって楽しい! 軽いけど音がカタくて芯があって底力があってパンチが効いてる。リズム隊が盤石だと音楽はまるで生きものみたいにグルーヴィーでダイナミックでサイコーにたのしい。でも、この曲を強力に牽引してるのは片倉真由子さんのピアノ。この曲で一気に体温が1、2度上がったような。ミュージシャンの顔にはすでに汗。でも聴いてるほうも熱い熱い!
これで今夜が約束されたようなもの。

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そのとおり、今夜はひっさびさに直さんのハードボイルドな音も聴けたし、それに直さんはもちろんだけど、今夜は片倉真由子さんの歌に酔いしれましたねえ・・・・・・
ジーン・ジャクソンさんとの相性がすごくいいんだと思うけれど、彼女のピアノがこれほど入ってきたのは初めてかもしれない。素晴らしかったです。
ジーン・ジャクソンさんは笑顔がとってもチャーミング。
そして須川さんは梅雨時の湿度とは無縁の爽やかさ。
すってきな人でした。
そして今日は選曲、曲の並び共とてもよかった。
メリハリが効いていて。
直さんがやる曲はアレンジしたのもオリジナルも変則的なリズムを多用した複雑な曲が多くて聴いてるだけでも難しそうなんだけれど、それについてけるだけじゃなくてリードして時に激しく煽って、それでアンサンブルがカチッと決まるんだからバンドのメンバーもすごいもんです。
今日もファースト、セカンド大盛り上がり。
みんな「イエー!」言いまくり。
「ほかのメンバーは全員聴いてるけど直さんだけは聴いたことがなかったの」とおっしゃってた、わたしのふたつ隣りの女性も大いに盛り上がってた。
きっと今夜の1回で直さんのファンになったことでしょう。
そんな今夜のセットリストを記憶のままに。

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1st.

1.Dedicated To You
2.You And The Night And The Music
3.You Must Believe in Spring
4.Dream Dancing
5.Lost In The Stars (Kurt Weill)
6. Hello,Saunders(直さんオリジナル)

2nd.

1.I Concentrate On You
2.All The Things You Are
3.You Are So Beautiful
4.This is new (Kurt Weill)
5.What Kind of Fool Am I?
6.Kokiriko(直さんオリジナル)

アンコール:Take the "A" train

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件の女性は直さんがアレンジした(しまくった)『All The Things You Are』が、「わたし史上最高のAll The Things You Areでした」といってらしたけど、それもほんとうにめちゃめちゃかっこよかったけど、わたしはクルト・ワイルの2曲がよかった。
とくに『This is new』の真由子さんの凄まじいピアノ!
彼女をじっと見ていて、すごいピアニストって冷静と情熱の間にいる猛禽類みたいだって思いましたよ。
それで実はセカンドの5曲めのタイトルがよく聴きとれなくて、終わったあと直さんに訊いたら、「What Kind of Fool Am I? わたしってどういう種類のバカ?、って意味だよね」というので、「それってそのまんま直さん?」と言ったら(相変わらず失礼ですみません!)、直さんいわく、「みんな!!!」と。
それで、「バカっていいよね。音楽バカ、絵描きバカ、女バカ」と言って帰ってきたのでした。バカになれるもの、つまりバカになれるほど好きなもの、寝食忘れて熱中できるものがあるって、ほんとうに素晴らしいことです。それで、それくらい音楽が好きで精進しなかったら今夜みたいな演奏はできないってことだ。
いやあ~、今夜も最高でした。
行ってよかった!

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2017年7月 1日 (土)

ヤロウの花が咲いた *

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昨日はお昼を食べすぎちゃって夜になってもお腹がすかず、それ以上に湿度にやられて疲れはてちゃって、夜は夕飯も食べずに滅多にないこと11時半には布団に入った。それですぐ熟睡できたらよかったけれど、布団に入ったら入ったでこんどはなかなか寝つけず、あっちを向いたりこっちを向いたりすること数時間 ・・・・・・

でも食べずに寝たのがよかったみたいだ。
朝7時半にぱっと目が覚めた。
そしてベランダにでると今日も雨だ。
湿度・湿度・湿度・・・・・・
この湿度ってやつが人間にとっても植物にとってもほんとにいけない。
この時期、ばらもハーブも害虫だらけ。
取っても取ってもキリがない。
ベランダで無農薬で植物を育てることに限界を感じる季節。
それで今朝もパジャマのまま帽子をかぶって2時間ベランダにいた。
でもそれでもベランダを緑でいっぱいにすることをやめられない。
最近じゃ人と話すより緑と対話してるほうがいいくらいだ。
人間って、めんどくさいばかりで・・・・・・
緑はわたしに酸素をくれる。
深呼吸することを思いださせてくれる。

今朝咲いたヤロウ。
友達の庭からもらってきて、このあいだ植え替えた。
葉っぱがギザギザしていてノコギリの刃みたいだからか、
和名はセイヨウノコギリソウ。

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でも、わたしにはノコギリの刃というよりも、繊細なレースみたいに見えます。

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Roses en juillet

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白いばら、マダム・フィガロ。
ラズベリーピンクのばら、ジュビリー・セレブレーション。
レモンイエローのばら、シャルロット・オースティン。
今朝めざめてすぐに見たベランダの風景。
7月のばらたち。

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