ヴィヴィッド!
このばらは春に伸びた枝がたいていオール・ブラインドで、いつもこんな梅雨時になって最初の花を咲かせる。
ラ・パリジェンヌ。
はじめてこのばらが咲いたのを見たときは「これがパリジェンヌ? わたしが思ってるパリジェンヌのイメージとはずいぶん違うな」って思ったけれど、こんな梅雨時の冴えない空の下でヴィヴィッドに咲くこのばらを見ると、なんだかそれもわからなくはない気がする。
まるで血色のいい、元気な若い女の子みたいで。
わたしにもそんな若いときがあったなって、思いだしたりして。
切って花瓶に挿していて夕方になると、ウェーブした花びらがさらにウェービーにひらひら閉じてきて、退色してちょっとアンニュイな風情をまとったくらいが好みだったりする。
うつくしい時の変遷。
でもずっと、鮮烈なレモングラスの香りだと思っていたこのばらが今日は違う香りがして、そう、これはこのあいだ嗅いだクローブフラワーの香りだ、と思う。
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