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2017年3月 4日 (土)

セッションの後で

17kugutsu_sou

生れてはじめてセッションをうけた。
セッションをはじめる前にTさんが、「このセッションには時間がかかります。2時間か、2時間半くらい。」と言ったとおり、セッションが終わる頃にはちょうど2時間がたっていた。
そこから質疑応答、まとめまでで、ぜんぶで約2時間半。
映画を1本観るくらいのあいだ、ずっと質問されつづけていたことになる。
セッションがひととおり終わって最終的にたどりついた結果というか答えというか、抽出された自分(わたし)固有のエッセンスをTさんが言葉にして言い、それを言われるがままに復唱した瞬間、頭がぼわわわぁ~~んとなって手足の指先がしびれ、「いまどんな気持ちがしますか?」と問われても、すぐには答えられなかった。頭のロジカルな部分がぶっ飛んで、ミルクコーヒーみたいに中和された感覚の中にいるようだった。
そしてさらに今日のまとめともいうべき締めの言葉をTさんが言ったとき、なぜかわからないけど、うっとなって涙があふれてきた。
はじめて自分以外の誰かに生まれてからこれまでの自分を認めてもらったような気持ち?
自分ではこれまですごく自由に自分らしく言いたいことを言って生きてきたつもりだったのに、潜在意識のあらゆるところでわたしは自分自身を抑圧し、制限し、見下し、スポイルしてきたのだった。それがわかった。
まさかセッションうけて泣くとは思わないからマスカラなんかつけて行って、後でトイレで鏡を見たら目のまわりがひどいことになっててまいった。
でもまあ、、、、、、それもよし、と思った。
自分の顔見て可笑しくて笑えたから。

セッションルームを出たあと、手を振ってわかれた後もTさんはしばらく路地の角に立ってこちらを見ていた。
わたしが「寒いですから!」というとやっと部屋に戻って行った。
最近、はじめての人に会うときやはじめての場所に行くときはなんの期待もせずに行くようにしているのだけれど、Tさんはだいたい思った通りの方だった。
ソフトで穏やかな雰囲気の方で、真摯で誠実で繊細な人。
そして、それ以上に勘が鋭くて力強い人。
そうじゃなければ迷路の先に立って歩けないだろう。
セッションをはじめて経験して思ったのは、対面で繰り出される相手の声による問いのパワー。
それは自問自答とはまるで違う。

外は風が強くて寒かった。
その風に向かって歩きながら、ふいに珈琲が飲みたいなと思った。
と同時に『くぐつ草』が頭に浮かんで、自然と足がそっちに向いた。
ちょっと危ないくらい急な階段を地下に降りると穴ぐらみたいなそこは、まるで胎内みたいでネストみたいで、すごく落ち着いた。
ティーンエイジャーの頃から寸分違わずおなじ場所にあるここもまた(今日の自分の結果とおなじように)自分固有のエッセンスを生きつづけているような場所だと思った。

濃い珈琲と、ちょっと甘いものがほしくて、期間限定のココアパンプディングとストロングコーヒーを頼んだ。
パンプディングをひと口食べたら大島弓子の『バナナブレッドのプディング』が思い出されて、昔ここでよく会った女子高時代の友達、金木犀のお酒、大島弓子、紙巻煙草(コンサイスの英和辞典を破いた紙で紅茶を巻いたもの・ちなみに大変まずい・良い子は真似しないように)、キララ☆クイーン、スターマン、サリンジャー、ナイン・ストーリーズ、ルキノ・ヴィスコンティ、ジャン・ルノワール ・・・・・・ なんかのことを一気に思った。
いったいあれからわたしはどれだけ変わったんだろう?
見た目はもう別人みたいに違うけど。

ココアパンプディングはプリンというよりはこのあいだ自分で作ったフレンチトーストに限りなく近くて、これは自分でも作れるな、と思った。
まずはいちごとフランボワーズとブルーベリーのコンフィチュールでも作って・・・・・・

今年のわたしのソウルレッスンは『共時性』。(を生きること)
まだはじまったばかりだし、まだまだつづく。

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コメント

とても味わい深く、
素敵な文章ですね。

これは、私の感覚的なイメージですが……、
文章がひとつの「差し伸べた腕」としたら、
相手の近くまできちんと届く言葉のように、
感じました。
ありがとうございます。

投稿: 立野 博一 | 2017年3月 6日 (月) 16:28

立野さん、

びっくりしました。
立野さんのほうこそとてもうつくしい表現です。
わたしにとっては最高の感想です。
わたしも諏訪優さんに興味を持って著作を調べたりしていました。
猫好きの方だったようで、猫の本が何冊もあった。
そんなところがわたしの好きな詩人、北村太郎にも共通していて、
ますます興味を持ちました。
わたしのほうこそ貴重なご縁をありがとうございます。

投稿: soukichi | 2017年3月 6日 (月) 23:02

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