« 川越八幡宮 | トップページ | 春の香 »

2017年3月30日 (木)

得たもの失ったもの

17indfuji

いまの会社に入ってわたしは家で仕事をするようになり、それで得たものは多い。
物理的には毎朝毎晩すし詰めの満員電車に揺られてのストレスフルな通勤時間がなくなった。お昼の外食代がかからなくなった。外食費ばかりか毎日の通勤のための服飾費もかからなくなった。それに何よりわたしにとっていちばん大きいのは、子供と一緒にいられる時間が長くなったこと。この仕事に就くまでわたしは毎朝いちばん早く家を出ていちばん遅く家に帰ってくる人だったからだ。やっと子供に「行ってらっしゃい」と「お帰りなさい」をいえるようになった。
そして自分で作ったごはんを家族と食べる時間。子供のこころにじっくり向き合い、辛抱強く話し合う時間。これまでわたしは自分のできる限りにおいてよくやったと思う。子供が小さかったときの家庭での自分の不在を取り返すように。
実際、そういう時間がなかったら、いまくらいの子供との関係さえ構築できていなかったかもしれない。少なくとも、わたしは自分の子供ほども自分の親のことを知らずに育った。
父はいつも仕事で忙しかったし、大人になるまでずっと口うるさかった母親だって、いつもわたしに興味があるわけじゃなかったから。
だから、わたしに子供とのそういう時間を与えてくれたいまの仕事にはとても感謝している。

でも、いまの仕事から得たものばかりかというとそうでもなくて、何かを得ようとしたら何かを失うのがこの世の摂理であるように、失ってしまったもの、損なわれてしまったものもあるのはたしかだ。
たとえば一緒に顔つき合わせて仕事する仲間。それがいなくなって一日コンピュータの前で仕事するようになって会話の必要がなくなり、顔の表情筋が衰えて顔が変わった。つまり加齢に拍車がかかったということ。衰えたのは顔の筋肉だけじゃなくて身体の筋肉もしかり。かろうじてつづけているスイミングスクールで週に1回泳ぐくらいじゃそれはもうカバーしきれなくなってる。もっと筋肉に負荷をかけないことには。それから健康な肩と目。
わたしの慢性的な肩関節の痛みは最近、肩だけじゃなくて肘や手の関節にまで及び、わたしに『関節リウマチ』の恐怖を思い起こさせるようだし、おなじく慢性的な眼精疲労はひどい飛蚊症となって近々眼科を受診しなければと思っているところだ。
でも、わたしにとってそれ以上にストレスなのは1人の時間がなくなったこと。
それがいちばんツライ。
この仕事に就いたばかりのころはよかった。
収入は少なかったけどまだ子供が学生だったから。
朝、子供を送りだしたら子供が帰ってくる夕方までマイペースで仕事ができた。
いま二人の子供はフルタイムで働いているわけじゃないから家にいる時間も多くて何かと手間がかかる。仕事をする合間に家事をする合間に仕事をして家事をする・・・・・という、延々つづくループ。
そこから逃れるには家を出るしかない。
そして家で仕事をしていると時々とんでもないことが起きる。
今日がそれだった。
わたしにとっては災難としか思えないことによって仕事が中断された。
人に脅威を与える人というのは言葉の暴力にせよ、それがどれほど相手のこころに衝撃を与えるか全然わかってない。本人にとっては何がしかの理由があるにせよ烈火のごとく激情に駆られて自分をく失ってるから。
こちらとしては心臓がばくばくして手の先がしびれ、思わず机の上にあったレスキューレメディーをコップの水に入れて飲んだほどだった。
大げさじゃなく、寿命が縮まった。
一生のうちで、こういうことを一度も経験しないで済む人もいるのに、いったいわたしはいつまでこういう思いをしないとならないのかな。
すこし落ち着いてからもう無理だと思って机をかたして家を出た。
もう夕方近いのにまだ昼ごはんも食べてなかった。

今日、唯一よかったことはもう行けないと思ってたインド富士に行ってカレーを食べれたことだ。最初、店の前まで行ったときには夕方の開店まであと1時間のときだった。駅前のスターバックスで時間をつぶして開店5分前に行ったら開店時間が30分伸びていて、またしても時間をつぶしに近所を歩き回った。3回めに行ったときやっと本日のカレーの看板が外に出ていて開店待ちの人がひとり。彼女もまたどこかで時間をつぶして来たらしい。
ようやく開店時間になってドアが開き、前の人につづいてカウンターに通された。
店内には陽気な音楽がかかっていて、それがよかった。
高いカウンターに肘をついて眠りそうになりながら時折り見上げた店主は、羽こそ付いてなかったけれどレンブラントみたいなピタパンみたいな大きなベレー帽をかぶっていて、料理の火で温められたのか、頬がポッと赤らんでいた。ちょっとどこか何かが絵描きの宮城さんに似ているなと思った。
わたしが食べたのは、カレー2種にアチャールが付いたインド富士セット。
カレーは、チキンカレーに野菜のサンバル。
メニューには『辛いチキンカレー』と書いてあって、食べてるときはそれほど辛くないと思ったけど、食べ終わったら胃の辺りが温まっていたからそれなりに辛かったのかもしれない。
家を出るときには冷えてた身体がすっかり温まった。
店は明日で閉店で、しかもカウンターで店主が誰かと話すのを聞いてたら通常営業は今日までで明日はパーティーだというから、ほんとにこれが最初で最後。
前からなんとなく行ってみたいなーと思っていたここが今月で閉店だと知ったとき、ほんとは東小金井に住む友人と来るつもりだった。それが忙しさにまみれてついに来るタイミングを失っていたのが、今日ふいに起きたアクシデントのせいで来れたのも、それも失ったものと得たもののうちかな。
カレーもアチャールもとてもおいしかったです。
ボリュームもあって、お腹いっぱいになった。
こんどはインド富士子に行ってみよう。

17indfuji_set

今日、時間をつぶしているときに古本屋で買った本。

17what_i_wish_i_knew_when_i_was_20

What I Wish I Knew When I Was 20
20歳のときに知っておきたかったこと

スタンフォード大学 集中講義 ティナ・シーリグ。

ちょうど今日、娘に、一度しかない20代を大切にしたほうがいいよ!
といったからかな。
古本屋に入って棚を見た瞬間にこの本が目に入った。
わたしが20歳までに知りたかったことはたくさんある。
とくにお金について。お金の知識。
働くことや税金のことや保険のことや、この日本という国の社会の仕組み。
健全な家計を維持するための節約の工夫や貯蓄やお金の増やし方など。

見開きに『ジョシュヘ。20歳の誕生日に』と書いてあったのにもやられた。
きっと息子の名前。
母親というのはいつ、どんなときだって子供のことを考え心配しているものだから。
それが滅多に報いられることはないのだけれど。

|

« 川越八幡宮 | トップページ | 春の香 »

今日のおいしいもの♪」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 川越八幡宮 | トップページ | 春の香 »