おやつみたいなお昼
もうおやつみたいな時間に、おやつみたいなお昼。
バナナとメープルシロップ、くるみを散らしたパンケーキ。
それに珈琲。
小学2年生のころ、土曜日に4時間授業が終わって家に帰って来ると、ドアをあける前からホットケーキの匂いがして、そのたびにげんなりしたことはもう書いたよね?
母のつくるホットケーキは大きくて、そのうえ分厚いのが3枚も重なってて、早生まれで身体が小さくて痩せてて小食のわたしにとっては、それをぜんぶ食べなきゃならないのはすごく苦痛だった。
子供は子供で、いつもその歳なりの苦労を抱えているものだけど、でもいまはそんな子供のころが懐かしい。
そのころ母はまだ専業主婦で、比較的のんびり暮らしていたと思う。
手先の器用な人だったから、年じゅう畳の上に型紙と布をひろげては、服を作っていた。自分の服や、わたしと妹の。
そのころお出かけのときは、いつも母が作った妹とお揃いの服を着せられていた。
おなじ柄の布でできた、どこかしらちょっとデザインがちがう服。
それを褒める大人や先生はいたけど、それがどんなことか子供のわたしにはわからなかった。わからなかったというより、あまり考えてもみなかった。
ただ、始終うるさくわたしに小言ばかりいっている母が、裁縫に集中している間だけはこちらに意識が向かないが、わたしには助かったくらいのことだ。
そんなとき、わたしは窓からぼんやり外を見ていた。
いま思いだしても、それは不思議と明るい部屋だった。
強そうな見かけによらず、それほど身体の強い人ではなかったんだろうと思うけど、がんとはまだ無縁だったころ。
自分でつくったパンケーキを食べながらそんなことを思いだすのも、二月が近いからだと思う。
子供のころに一気にワープしてしまいそうな今日の青空と、ひかり。
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