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2016年11月 7日 (月)

からんどりえ展に行ってきました。

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仕事のミーティングのあとは小平に寄って、渡邉知樹さんが絵画講師を務めるという、東村山福祉園の利用者さんたちによる絵の展覧会『からんどりえ』展を見てきました。知樹さんのTwitterでこの展覧会がお隣の駅近くでやっていることを知って行けたら行こうと思っていたのだけれど、昨日ちょうど知樹さん本人からフライヤーをもらったのがいいきっかけになりました。

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場所は西武新宿線小平駅南口で降りて、モスバーガーのある交差点を水道道路沿いに行ってすぐ。三角屋根の『白矢眼科医院』というのが見えたら、『白矢アートスペースは』その奥です。このギャラリー、白矢眼科医院がやっている個人ギャラリーらしい。
これまで文化が無いと思っていた東村山市にこんなアートな試みをやっている福祉施設があったというのも、知樹さんがこんな近くで働いていたというのも驚きだったけど、こんな近くにこれだけ大きなギャラリーがあったというのも驚きでした。灯台下暗し!

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ドアをあけるとすぐに昨日会ったばかりの知樹さんが「どうも~、ご無沙汰しています~」と、とぼけた挨拶で迎えてくれました。1階にはグッズなどを売っているショップと、映像作品の閲覧ブース、絵も壁に少し飾ってあったけれど、2階がとにかくすごかった!
1階からは想像もつかない広いスペースの壁いっぱいを埋める絵、絵、絵!
それぞれのスタイル、それぞれのタッチによって描かれたカラフルな色と形の洪水に圧倒されました。思わず、上に上がってきた知樹さんに「パワー炸裂!」というと、「ねーー、凄いでしょう~!」と。
このときフロアーには我々二人しかいなかったから、『クイーン・オブ・素朴な疑問』のわたしは知樹さんにいろいろ質問しちゃいました。
たとえばこの絵は・・・・・・、と言葉を選びながら説明してくれる知樹さん。
(ここでもまさかの豹柄コスチュームです

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知樹さんが絵を教えている障碍者の方々の中には言葉が話せない、こちらのいうことがわからない、コミュニケーションがまったくとれないような重度の方も多いそうです。
そういうひとたちに絵を教えるとはどういうことなのか。
知樹さんは描く人にできるだけ制限(ストレス)を与えないように、本人が気持ちよく集中して自由に表現できるように導いているそうです。
たとえば描いている人が自分の手や紙以外にものに描きだしてしまったとしても、それはやっちゃだめ! と止めてしまわないこと。
そうやって止められた人はそれまでとおなじようには描けなくなってしまうそうです。
それって障碍者の方に限らず普通の子育てにも通じることなんじゃないかと思ったし、「この人が前のような絵を描かなくなってしまったのがいまのぼくの悩みなんです」といった知樹さんには、教え子(といっても知樹さんよりずっと年上の方も多いそうですが)に対する大きな愛を感じました。

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何より知樹さん自身が描かかれた絵を心底いいと思ってるからいうことに嘘臭さがまったくないし、だいいち絵の前に立ったらわかるけど、ほんとにいいんです。
これはぜひ、たくさんの人に見てほしい。
わたしがしたたくさんの質問の中には「この絵には意味のあるものとないものがあるんですか?」というのもあったのだけれど、知樹さんからは「ほとんど意味はないと思います」という言葉が返ってきました。
意味がない、といわれると、ふだん頭でものを考えてる人は一瞬拍子抜けするかもしれないけれど、でもたとえば音楽の原初的なことを考えたとき、木の板を叩くことに意味があるか? といったら、ないのとおなじように、出てきた色や形や音に意味があるかということより、表現したい気持ち、こころとからだがそう動いた、ということに意味があるのだと思います。
そして目の前の絵を見ていると、なかには本当は絵なんか描きたくないと思っている自閉症の人だっているそうなのに、ひとたび閉じられた内面から放たれた色や形は奔流のように激しく外側にあふれて見る側に迫ってきて、下手に何かを意図して描かれた絵なんかよりずっと力があるようにわたしは感じました。
「この絵を見ていると、これまで自分がやってきたことが間違ってなかったと思えます」といった知樹さんの言葉がとても印象的でした。

わたしが特に好きだった絵。
左端の12枚。
パステルカラーがきれいで、小さく文字が点在しているところがちょっとサイ・トゥオンブリーみたいと思ったのだけれど、この絵はラブレターなのですって。
「これを解読せねば」と知樹さん。
すごくバランスのいい、センスのいい絵だと思います。

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それから、これ。

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うまく好きなところを写真に撮れなかったのだけれど、虹のような色の線の中に、ちょっと神話を思わせるようなユーモラスでプリミティブなモチーフが描かれてあるのです。

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またこの見せ方(展示のしかた)がいいよね。

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障碍者の絵、というとそれだけで引いてしまったり、かまえてしまったり、敬遠する人もいるかもしれないけれど、昨日、知樹さんからもらったフライヤーにも書かれていたように、絵なんて誰が描いたか何が描かれているか上手い下手、意味内容なんかを頭で考えるより、ただ『こころをからっぽにして』じっと見つめて、そこから自分に迫ってくるものをただ感じればいいんだという気がします。

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『からんどりえ』展は明日まで、小平駅徒歩1分の『白矢アートスペース』でやっています。1階で見られる、東村山福祉園でみんなが絵を描く様子をうつくしい映像で追ったドキュメンタリーもほんとうに素晴らしい!
夜7時までやっているので、ぜひどうぞ!

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そして、いつもわたしのする素朴な疑問、現実的な質問、奇問難問に誠実に答えてくれる知樹さん、どうもありがとう!
とっても楽しかったです!!
(わたしは自分の住んでる東村山市をちょっとだけ見直しました。)

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