ムケッカをつくった。
サルサバンドをやっていて、ブラジル音楽が大好きで、わたしに『サラヴァ』を教えてくれた友達が大道具の仕事(通称なぐり)をやっているということから、ビスを立てられないうちのコンクリートの壁に絵を掛ける仕掛けを考えてもらっていて、今日その試作品を持って来たいというのでランチに何をつくろうかなと考えて、ムケッカをつくることにした。
ムケッカは一度だけ食べたことがある。
鎌倉のカフェ・ヴィヴィモン・ディモンシュで。
実をいうともうよくおぼえてないのだけれど、ちょっと辛くて甘くて酸っぱくて、カレーみたいなシチューみたいな、食べたことのない不思議な味だった。
インターネット時代の便利なところは、どんな味だったかよくおぼえていない料理でも検索すればすぐに作り方が出てくるところで、それをいくつか見て参考にしたあと、いますぐ手に入りそうな材料で多少アレンジを加えつつも適当につくってしまえるところ。
このムケッカの作り方で特徴的なのは、最初にメインとなる食材(この場合はタラの切り身とエビ)をマリネして置いてから野菜を炒めた鍋に投入するところ。途中まではトマトベースの味でありながら、最後にココナツミルクを入れて煮るところだ。
かくしてできあがったムケッカ。
昨晩、味見したときは「う~ん、よくわかんない」と思ったんだけど、こういう煮物系の料理ってなんでも一晩置いたほうが味がよくなじむでしょう?
今朝もう一回火を入れて最終的に味を調整したらIt's all right!でした。
自分でつくってみた味としてはココナツミルク仕立てのブイヤベースという感じ。
食べてみると魚介の旨みとともにライムの酸味が効いて意外とあっさりしてる。
ごめんなさい、これディモンシュのよりおいしいと思う。
ムケッカは、ブラジルはバイーアの名物料理。
それでムケッカをつくっている間中わたしの頭の中で流れていたのはジョアン・ジルベルトの『EU VIM DA BAHIA』(エウ・ヴィン・ダ・バイーア)なんだけど、でも、もっというと清水翠×馬場孝喜バージョンね。まったくもってあの曲をあんなふうに演れる二人はほんとにすごいと思うよ。・・・・・・ と、話は脱線したけれど、J氏がやって来てムケッカを食べながら聴いたのは、おなじバイーア生まれでももうひとりのバイーア人、カエターノ・ヴェローソのこのCDでした。
『Fina Estampa Ao Vivo by Caetano Veloso』
邦題はなぜか、『粋な男』。
全編スペイン語によるラテン・ヒット・カバーのライブ盤。
カエタノがあまりにもやすやすと自然に歌うからうっかりすると聴き流してしまいそうだけど、カエタノの美しい、だけじゃない、信じられない間を駆使した軽やかで深い、ノン・ヴィブラートの素晴らしい歌声が聴ける。
ムケッカをひと口食べるなり思わずカエタノの歌に聴き入るJ氏。
この曲、いいなあ・・・・・・。
固まったままなかなか食べださないから、てっきりお口に合わなかったのかと思いきや、、、「おしいしいねえ。これは自分ではつくれないや」って、、、ホッとしました。
・・・・・・ というわけで、今日は『ランチタイムにブラジル音楽を聴きながらムケッカを食べる日』だったのだけれど、実はそれ以上にすごい日でした!
わたしにとっては記念日的にすごい日!!!
それは、また後日。
以下、忘れないうちにムケッカのレシピをば。
と思ったけれど今日はもう疲れたから明日にしよう。
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●ムケッカ
(ブラジル、バイーア州のカレーのようなシチューのような料理)
< 材料 > 4~5人分
鱈の切り身 3~4枚
エビ 今回はブラックタイガー 10尾
タマネギ 1個
トマト 1個
パプリカ 1個
ピーマン 2個
ライムかレモン 大さじ2~3(果実半分)
ニンニク 2かけ
香菜もしくはイタリアンパセリ 1束
トマトのカット缶 1個
ココナツミルク 缶詰約半分くらい(200~250cc)
白ワインか料理酒 大さじ3
パプリカパウダー 適宜
片栗粉 大さじ1(溶く水、大さじ1)
チリパウダー お好みで
オリーブオイル 適宜
< 作りかた >
1.鱈は骨をとって食べやすいぶつ切り、エビは殻と尾と背わたを
取る。
2.ボウルかバットに鱈とエビ、刻んだイタリアンパセリ(飾り用に
少々とっておく)、塩・コショウ、ライムのしぼり汁を入れて
マリネして冷蔵庫で1時間くらい置く。
3.鍋にオリーブオイル、みじん切りにしたニンニクを入れて熱し、
香りがしてきたら粗みじん切りにしたタマネギを入れて炒める。
つづいて角切りにしたピーマン、細切りのパプリカ、皮をむいて
角切りにしたトマトの順に炒める。
4.野菜をしんなりするまで炒めたらいったん火を止め、2でマリネ
した具材ぜんぶとワイン、トマトのカット缶ぜんぶを入れて10分
から15分煮る。
5.4にココナツミルク、パプリカパウダーを加えて少々煮込み、
塩・コショウで味を調えたら仕上げに水溶き片栗粉を加えて
かきまぜ、お好みでチリパウダーも入れてさらに少々煮こむ。
6.お皿にライスを盛り、ムケッカをかけ刻んだイタリアンパセリを
ふりかけたらできあがり!
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実をいうと、材料の買い出しに行ったらきれいなライムが売ってたのでうれしくなって買って、半分残しといてもしょうがないと思ってぜんぶ入れてマリネしちゃったからたぶん、出来上がりの味の酸味が強かったんですね。
それで最後に味見をしたらなんだか物足りなかったので、わたしはコンソメを入れてしまいました。ディモンシュで食べたときはライムが載ったお皿が添えられていて後からかけるようになっていたからライム一個入れてもとくに問題ないと思うけど、やっぱり半分くらいにしといたほうがいいかもしれない。
それと、もともとのムケッカはデンデ油(パーム油)という赤い色をしたオイルを使って仕上がりが赤くなるのが特徴らしいのだけど、なかったのでわたしはパプリカパウダーをけっこう入れました。それとチリも少々。
じゃないとココナツミルクを入れるとかなりクリーミーな色になってしまうので。
それで最初書いたように結果オーライでした。
子供たちにもうまい、うまい」と好評。
そうだな、欲をいうと魚介の煮込みって、肉と違ってできるだけ短時間で仕上げたほうが具材のフレッシュな味がしておいしいんだと思う。
なので前日から用意するとしたらマリネの部分だけにして、あとは一気に仕上げてテーブルに出したほうがおいしいと思います。
イタリアンパセリは癖がないから万人向けだけと、パクチーが嫌いじゃなかったらこれはやっぱりパクチーで作ったほうが味が決まりそうです。
以上、考察。
ブラジル料理といいつつ、いろんな国の料理がかぶった味がするムケッカ。
無国籍料理好きはお試しあれ!♪
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