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2016年7月13日 (水)

夏の色

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日暮れにひとりで部屋の中にいて、一日の終わりになんとなく何かが物足りないような、さみしいような気持ちで買いものに出ると、どこからかオシロイバナの香り。

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夏の宵、母に浴衣を着せてもらっているあいだも、神社から聞こえてくるお囃子の音に心が急いて、帯を結び終わる手も待ちきれなかった。
こども心にも好きだった赤い金魚みたいな絞りのちりめんの兵児帯。
もう少し大きくなって帯らしい帯を締めてもらうころになってもやっぱりそれが好きだった。

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もっと小さいころにさかのぼると風呂上がりにバスタオルを持った父が待っていて、全身にパタパタとシッカロールをはたかれたことなんかを思いだす。
きゃあきゃあ言いながら粉まみれになって笑う二人の子ども。
子どもが小さいころの家庭って、なんて賑やかだったろうと思う。

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でもわたしがいまそんなことを思いだすのも、最近会った結婚したばかりの夫婦のせいなんだろう。
日の暮れに、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いていて、三階の勝手口の窓から眼下に隣家の大家族のあたたかな居間の灯りが見えて、あのときやっぱりわたしはさみしかった。

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夏の記憶は、どの季節より体温があって温かい。
あのときのエネルギーはいまでも手にとれそうなほどそのままのかたちで在るのに、もうどうやっても届かない。過ぎた日々への愛惜。

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