今日はきなこ餅を食べました。
わたしが子供だったころ、家には火鉢があって、火鉢というのも当時は真冬
に暖をとるひとつの手段だったと思う。
いよいよ一年の終わりともなると母が近所の米屋から搗きたての大きなのし
餅を二枚も買ってきて、まだやわらかさの残るうちに父が包丁で四角に均等
に切り分ける。お正月に火鉢の上にのせた網で家族分のお餅を焼くのはい
つもわたしの役目だった。なにしろ寒い部屋の中で火鉢のそばにいるのは暖
かだったし、わたしはお餅を焼くのも、お餅がおもしろい形に膨らむのを眺め
ているのも大好きだった。ときどきぼおっとしてお餅を焦がしたり、変なふうに
ふくらんだお餅をお箸でつかみそこねて灰の中に落としたりして母に怒られた
こともあったけど、いま思いだしても平和であたたかなお正月の光景 ・・・・・・
そして、わたしはお正月のあいだじゅうお餅を食べ、小学校の冬休みの宿
題の絵日記には、『元旦。今日はお雑煮にお餅を2個入れて食べました。お
いしかったです』、『二日。今日はお餅を二個焼いて、きなこ餅にして食べま
した。とってもおいしかったです』、『三日。今日もお餅を二個焼いて、またき
なこ餅にして食べました。おいしかったです』というようなおなじことを延々書
きつづけ、それを大人になるまで母にいわれた。いったいどれだけきなこ餅
が好きだったんだと思うし、およそ文才のかけらもない子供だったと思うけど
暮れに娘とお正月用品の買い出しに行って、最後に「何か買い忘れたもの
はないかな」と私がいうと、娘が「きな粉は買った?」と訊くので、おお、そうだ
ったそうだったと、この玄米丸もちときな粉を買ったのだった。
さすが、この親にしてこの子あり。
というわけで今日のお昼はきな粉もち。
元旦のお雑煮にはだんぜん四角い白い餅があうけど、きな粉もちやぜんざ
いには玄米丸もちがいちばんおいしい!
いまならもれなく紅白なます付き
暮れからお正月にかけてずっと晴れだったけど、今日は久しぶりの曇り空。
今日はお日さまがないので部屋の中が暗い。
今日から徐々に寒くなるらしい。
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コメント
子供の頃に餅を焼いた火鉢は、今はタマの寝床になっています。
きな粉餅美味しそうです。久しく食べていません、きな粉を買いに行こう。
忘れたころにコメントしますが、今年もよろしくお願いします。
投稿: 気まぐれ | 2016年1月 7日 (木) 21:44
気まぐれさん、
どうもありがとう。
あけましておめでとうございます。
私もときどき気まぐれさんのブログを覗かせていただいてるんですけど、
何せ自分の書きたいことを記事を書く時間もままならないため、いつも眺めて終わりになってます。
でもでもまたメッセージ残します!
きな粉もち、おいしいですよね。
子供の頃、母は「あべかわもち」と言っていて、なんで「あべかわもち」っていうんだろうと思っていたけど、いまだにそのわけを知りません。
網でちょっと焦げ目がつくくらいにお餅を焼いて、ぷぅっとふくらんだら片手鍋のお湯に投入。とろっとしたところをすくって、きな粉にきび砂糖と塩ひとつまみ入れて混ぜたところに入れてまぶす。
ああ、こんな時間なのになんだか食べたくなってきちゃったな!(笑)
気まぐれさんは、もうきな粉は買いに行かれたでしょうか?
私が子供の頃にお餅を焼いてた火鉢は庭の片隅でスイレン鉢になってたような・・・・
母が生きてた頃はそこにメダカや金魚(私がお祭ですくってきた)も泳いでたような気もするけれど、いまはどうなっているかなあ・・・
投稿: soukichi | 2016年1月 8日 (金) 23:53