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2016年1月18日 (月)

田舎雑煮のおいしい季節

16inaka_zouni

寒さが厳しくなってくると、けんちん汁や豚汁が食べたくなるというのは誰しも

同じみたいで、実家に夕飯のしたくをしに行くのに、実家の慣れない狭いキッ

チンでたくさんの根菜類を調理するのは面倒だからと、昨日1.5世帯分の材

料を買って下ごしらえして、あとは鍋で煮こむだけという状態のものを保存容

器に入れて今日持って行こうとしたら、妹も大鍋で豚汁を作ったばかりでちょ

うど明日の朝くらいになくなるところ、というので、そりゃ駄目だ、と昨夜食べて

半分くらいなくなった自分ちの鍋に戻した。

好きだからいいけど、そんなわけで我が家は今日も大鍋いっぱいの豚汁。

煮もの、汁もの、シチューやソースなど煮こむものは作った当日よりたいてい

翌日のほうがおいしい。作った日はあっさり薄味の豚汁も翌日になると野菜

がもっとやわらかくなって豚肉のうまみがでて、ますますおいしくなっている。

そこに焼いたお餅を入れると、わたしの大好きな田舎雑煮になる。

これをやりたくてわたしは豚汁を作っているようなものだ。

けんちん汁と豚汁の違いは調べて知っているけれど、それからするとわたし

の作りかたはどうやらどちらにも属さないことになってしまう。誰から教えても

らったわけでもないけれど、わたしの作りかたはこう。

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 1.ごぼうは皮を剝いてささがきにして酢水に漬けてアクをとる。

  大根、ニンジンは皮を剝いて適度な厚さに切って四つ切りか六つ切り。

  里芋はボウルに入れて熱湯をかけて浸したまま、厚めに皮を剝いて鍋

  に入れ、たっぷりの水で塩を入れて下茹でする。

  こんにゃくは湯通しして千切っておく。

  豚バラ肉は細切れにする。

  鰹節で出汁をとっておく。

 2.1の材料をごま油を入れた鍋で、ごぼう、豚肉、ニンジン、こんにゃく、

   大根の順に炒めて出汁を注ぐ。

   沸騰してアクがでたらそのつど取り、酒とみりんを入れる。

 3.大根が透き通ったところで醤油と塩を入れ、下茹でしておいた里芋の

   ぬめりを布巾やキッチンペーパーなどでとってから鍋に入れる。

 4.全体に煮えたら味見をして足りなかったら塩と醤油を入れて、気持ち

   ちょうどいいより薄味のところで火を止める。

   大きめのお椀に盛って、唐辛子を振って、できあがり~!

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そうやってできあがった豚汁に翌日焼いたお餅を入れると、昔好きでよく行っ

た新宿みつばち(甘味処)で親友Tokuちゃんが「これ、うんま!」といって食べ

た田舎雑煮になる。これがほんとにおいしいの!

実はこれを父に食べさせたかったんだけど・・・・・・

今日は昨日行かなかったかわりに、妹に頼まれてデイサービスのあと父を

皮膚科に連れて行くことになった。早めに着いて鍵のかかった部屋の外で

待っていると、「今日は座席がなかっただけで身体の具合が悪いわけでは

ありません」とことわりながら、運転手の人が車椅子に乗った父を車から降

ろして目の前まで連れてきてくれた。寒さのせいか、父はいつになく厳しい

顔つきをしている。

新しくできたばかりの皮膚科は目と鼻の先で歩いて5分もかからないのだけ

れど、父の足では3倍はかかる。父の身体は寒さですっかり縮こまっていて

いつもにも増してひしゃげた変な格好で歩く。そんなに寒いならマフラーとか

手袋をすればいいのに、といっても、すぐそこに行くのに、といって頑としてい

うことをきかない。2人でのろのろ歩いていると近所の父の顔見知りらしい男

の人が愛想よく話しかけてきて、彼だって年は父とそう変わらないのだと思う

けど、自分でちゃんと防寒して陽気な顔で歩いてるだけで父よりずっと若くて

健康に見える。つまり、縮こまってひしゃげているのは父の身体だけじゃなく

てこころもなんだろうな、と思う。そして、それが病気というものなんだろう、と

も思う。

病院に着くと例によって聞かれてもない自分のことを受付けの女性に一方的

にべらべらと喋りだす。父にとってはコミュニケーションのつもりなんだろうけど

全然コミュニケーションになってない。それは診察室でもおなじこと。

父がこれまで足の指にできたタコだと思っていたものは実はウィルス性イボで

ウイルス性イボは移るので左の足も見せてくれませんか、と若い先生が遠慮

がちに優しくいっているのに、こっちは何ともなってないんだ、自分の身体だか

らよくわかってる、と妙なところでムキになって抵抗してみたり、かと思えば看

護師さんに靴下を履かせてもらってひどく恐縮したり ・・・・・・

患部を液体窒素で焼く治療は1分もかからないうちに終わり、週1でしばらく

治療に通わねばならなくなった。それが終わったら次は歯医者に行かなきゃ

ならないそうだ。先まで予定でいっぱいです! とは妹の言。

帰りものろのろ歩きですっかり冷えちゃったので、豚汁のかわりに持って行

ったぜんざいを鍋で温めて、玄米餅を小さく切って焼いたのを入れて出すと

父、見るなり「うまそうだ」という。食べながら、「小豆なんて久しぶりだなあ」

と遠くを見るような目でいう。祖父はあんこ屋で働いていたくらいだからきっと

代々甘いものは好きなんだろうと思う。うまい、うまいといって食べて、ここで

やっと笑顔になった。すごいガンコな人だけど、父のいいところは人に何かし

てもらったらちゃんと丁寧にお礼がいえることだと思う。ほかに作っていった

常備菜を置いて、お味噌汁だけ作って帰る。自分の家に帰るころには北風

が強くなって、雪だった昨日よりずっと寒くなった。

暖冬といわれたこの冬もついに厳しい寒さがやってきて、身体の機能が低

下して体温調節ができなくなった年寄りにはしばらくツライ日々がつづく。

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