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2015年11月22日 (日)

薪ストーブのある家で

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今日は息子と一緒に友達の家に遊びに行って来た。

近所に住んでいた彼らが引っ越して、ここより奥の山のほう、トトロの里の近

くにマイホームを持ったのはもう6年前のこと。いつも思うけど、時が経つの

はほんとに早い。我々が会ってなかった6年のあいだには彼らも家族を亡く

したりといろいろあったみたいだけど、気づけばおなじ保育園に通っていた

お互いの子供も成人して将来を模索するような年頃になった。いつまでも若

い気でいる自分や自分のまわりの友達をしても、なんだか嘘みたいです。

明日引っ越すという日に偶然たまたま電話で話したときに、「山の中のかわ

いい木の家なの」といっていたから私は鬱蒼たる森の中を歩いて行くような

イメージでいたけど、実際にはそんな山の中じゃありませんでした。

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家は高台の斜面の上にあって、話に聞いていたとおり、たくさんのつるばらに

覆われていてすごい。

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ローズヒップが生る品種ばかりを選んで植えたということで、この時期はいた

るところ赤い実だらけ。この実の数だけ花が咲いたと思うと、春ばらのころは

どれだけきれいだったろうと思う。私がローズヒップに感心していると友達が

「デッキテラスはもっとすごいよ」というので階段を上がりはじめると、足もとの

地面びっしり小さなどんぐりを敷き詰めたようになっていて驚く。「これは撒い

たの?」と訊くと、階段を作ったときに業者がバークを敷き詰めていってくれ

たんだけど、これは隣りの樫の木から風が吹くたびバサバサ落ちてきてこう

なっなっちゃったの」というから、「これはこれできれいだよ」といったら、でも

トトロじゃないけどどんどん芽が生えてきちゃうんだよ、という。家のまわりに

ある高い木もわざわざ植樹したわけじゃなくて勝手に生えてきたものだという

から、ますます驚いた。植物ってすごい、自然ってすごいです。

そして薪が積まれ、箒が置いてあるファーマーズみたいな玄関のドアをあけ

てお部屋にお邪魔すると、キッチンからオープンスペースの開放的で明るい

リヴィングが広がり、その延長線上につるばらの絡まったデッキテラスが目に

飛び込んできた。

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友達が言うとおり、テラスのフェンスに誘引したつるばらがどこまでもワイルド

に絡みあって伸び、こぼれんばかりのローズヒップをつけているところはほん

とうにきれいで、これがたった1本のつるばらからなっているものだと知ってび

っくりしてしまう。

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まさに地植えのパワー。

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こういうときですね。

私がいつもベランダでしている苦労はなんなんだろう、と思ってしまうのは。

もうベランダでバラ栽培なんかやめてしまおうかと思う瞬間。

庭のある人にはかなわない。

そんなことを思いながら反対の斜面の方を見たら、大きなユーカリ・ポポラス

が風に揺れていて、「ポポラスだ!」といったら、小さい苗を買ってきて植えた

ら、あっという間にあんなに大きくなってしまったのだという。

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「あそこにあるオリーブはそうきちさんからもらったオリーブだよ」といわれて

彼女が指さした方角を見ると、私が買ったときには小さかった鉢植えのオリ

ーブがもう私の背丈くらいにもなっていて、思わず「ウッソー!」といってしま

った。やれやれ。すごいなあ!

しばし植物好きの我々が庭を眺めているあいだ音楽好きの男たちは音作り

の話に興じていて、そうしているあいだにもNが薪ストーブに薪をくべて火を

おこしてくれている。私が住んでいるところも都心にくらべると1、2度気温が

低いけれど、山が近いここはもっと気温が低くて冬は寒いだろう。

引っ越したばかりのころは慣れてなくてなかなか火がつかなかったり、なか

なか暖かくならなかったという薪ストーブの扱いにもいまはもうすっかり慣れ

たらしく、瞬く間に火がぼうぼうと燃えだした。

火をみつめるN。

家の中で火をみつめることのできる生活っていいなあ。

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それから暖かくなったウッドリヴィングで彼ら夫婦が作ってくれたおいしいラン

チをいただき、薪ストーブで焼いたピザを食べ、手土産に持って行ったチーズ

ケーキで珈琲を飲んだ。

Nがインターネットでみつけたというこの家は、『ログハウスを都心で楽しむ』

をコンセプトにしている住宅建設会社に頼んで建ててもらった家なのだという。

敷地が高台にあって平らなところが少なく、家の向きも敷地の形に合わせて

可能な向きにしか建てられなかったということで、建った当時は草木も生えて

いない土砂むき出しの斜面が広がり、まわりにはいまほど家も建ってなくて、

どうしよう、と思うほどだったということだけれど、6年のあいだに自分の家の

庭も育ち、周囲の環境も整って、いまは素敵な景色ができあがっていた。

都心では、特に3.11以降はマイホームを持つことにこだわらなくなった人が

多いんじゃないかと思うけれど、そうだとしても『夢のマイホーム』という言葉

はいまでも死語になっていなくてたぶん健在で、マイホームが都会人の夢で

あることは変わりないだろうと思う。

都心まで1時間ちょっとの緑が多くて空気のきれいな環境に、スタイリッシュ

で木の温かみのある素敵なログハウスを建て、庭にオリーブやユーカリや

果樹を植え、ばらやハーブを育て、冬は薪を割ってストーブを焚き、火をみつ

めながら珈琲を飲んだり、好きな音楽を聴いたりする。毎朝、焼きたてパンの

匂いで目覚め、ウッドテラスにやってくる小鳥や猫を愛で、音楽や木工などの

好きなことに興じる生活。それってまるでお洒落な雑誌に載っていそうな、東

京人なら誰もが憧れそうな生活で、彼らはこの家とともにまさにそんな夢を手

に入れたんだろうなあ、と思った。

今日び、わずかな土地ぎりぎりいっぱいに面白くもない家を建て、車がやっと

1台入る駐車場から目に見えるところ全てをコンクリートで固めて木の1本も

植わっていないような残念な家が多いなか、何から何まで木でできていて、

外の緑とつながっているようなこの家はほんとうに素敵でした。

木の家ってメンテナンスにとても手がかかりそうだけど、住んでいる人の好み

と、したいこととロケーションさえ合っていれば、都心寄りの郊外でログハウス

っていうのもいいかもしれません。

日が暮れてきて、だんだん暗くなってきたリヴィングもいい感じ。

2階まで吹き抜けになった高い壁の途中には明かり取りの窓があって、そこ

から月を見ることもできるそう。

ちなみに、息子が座っている場所は庭からやってきたのら猫くんの特等席だ

そうですにゃcat ときどき、そのまま泊まっていくこともあるんだって。

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帰るとき、すっかり暗くなった外に出たら火の燃えるいい匂いがして、それが

とっても印象的だった。Nによるとそれは近隣の家が薪ストーブを焚く匂いだ

そうで、このあたりの家の薪ストーブ搭載率の高さにはびっくりした、というこ

と。この次は雪の降るころ、そしてばらでいっぱいの初夏に来てみたいなあ、

と思う。

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