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2015年9月 6日 (日)

吉次さんの花の冷酒杯

15yoshitsugu_glass_02

吉次さんが都内のデパートで展示販売をしているのを知って、久しぶりに

見に行ってきた。1年に何度かは行けそうなタイミングがあるのだけれど、

たいてい1年に1度になってしまう。

そこはかつて自分が働いていた古巣のような場所。

でも売り場もそこで働く人たちもすっかり変わってしまって、もう知っている

人たちもいなければ、あのころの雰囲気もない。当時、いやそれよりずっと

前から『すでに物販は終わった』といわれていたけれど、そうはいってもい

つも人で賑わっているフロアだった。いまは信じられないくらいガラガラ。

こういう状況はどこのデパートに行っても同じようなものだろうけど、これだ

けお客さんのいないフロアで展示販売するのもツライなって思う。吉次さん

のコーナーで新作のガラスを眺めていたら、後ろからやってきた吉次さん、

「わあ、誰かと思ったら来てくれたんだー」と満面の笑顔。

このあいだは来ないから具合でも悪いのかと心配した、という。

なんでも前回会ったときは私が調子悪かったそうで、あれ? そうだったか

な、と思う。もう1年前のことだからすっかり忘れているけど、そういえば吉

次さんと会うとき私はなぜかあんまり元気のないときが多いかもしれない。

最初に会ったときがそうだったし、2年前はボスが亡くなった後だった。で、

そういう人っている。いつも元気なときしか会ってないので私がいつも元気

だと思っている人と、その反対の人と。吉次さんには会うたび、たいていい

つも元気をもらって帰るような気がする。日本橋のときはずーっと待ってた

のに、と吉次さんがいう。私にそんなこという人は滅多にいないから、そん

なこといわれたらやっぱり行かないわけにはいかないな!

今回はもこもこ羊のコップにしようと思って行ったのだけれどやせっぽちの

羊しかいなかったから、さんざん眺めて花の冷酒杯にした。いちばん最初

に買った『春を呼ぶ鳥』の花バージョン。花の色もマリメッコみたいなブルー

から白とピンク、赤とあって、地の色もクリアから吹雪のように斑が入った

薄白や薄緑などいろいろあって迷ったけれど、うっすらピンクの地に白い花

がなんだか桜みたいで上品で、これに決めた。

15yoshitsugu_glass

最初にバーナーワークで花や葉や動物などの形のアップリケを作る作業を

し、それからハンドブローで一瞬のうちに形作ったボトルやコップが熱いうち

に色ガラスのアップリケを2人がかりでくっ付けて作る、マリケットリー手法の

吉次さんの作品。よく『芸は一代』といわれるけれど、これができる人は吉次

さんしかいないというし、個人のガラス作家で毎日、自分の工房でクリスタル

を溶かして制作している人もいなければ、色ガラスの元となる顔料を世界中

から探して最も良いもの(高価なもの)だけを使っている、という贅沢なことを

しているのも吉次さんしかいない。だからいつか吉次さんがいなくなったらも

う手に入れられないガラスなわけで、大げさじゃなくこれもいつか伝説になる

かもしれないな、なんて思うのです。だからこうやって1年に1度、自分の手の

届く範囲でうつくしいものをひとつ手に入れるのは私にとってはしあわせなこ

とです。

15yoshitsugu_glass_01

この小さなカップはほんとは冷酒用で、でも私はお酒は飲まないから家で

はもっぱらジャムを入れたりハチミツを入れたりしているのだけれど、帰っ

て娘に見せたら、見るなりこれは梅酒を飲むのにいいと思った、って。たい

して飲めない癖になかなか言う人ですな。せいぜい飲んでもらいましょう。

15yoshitsugu_glass_03

吉次さんのガラスを買ってくると、いつもしばらく食器棚にしまわずに食卓に

のせておきます。そうやってしばらく眺めたり手の上にのっけたりしているの

がいいです。何かを考えるともなく、ぼおっとする時間。

今回もまたもらっちゃいました。

雨上がりに生まれた透き通るようなピカピカのカタツムリ。

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それに新作のハリネズミ!

15yoshitsugu_glass_04

いつかハリネズミのコップをリクエストしたら、ハリネズミは前に何度かやって

みたけどどれだけやってもうまくいかなかったからだめ! といっていたのに

今回かわいいボトルになってました。ボトルの栓にも大小のハリネズミが2つ

付いて・・・・・・

コップは横っ腹が膨らんでどんなかたちになるかわからないからだめ! と

吉次さんは今度もいうのだけれど、次回はぜひぜひ、もこもこの羊かハリネ

ズミのコップでお願いします!

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