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2015年9月13日 (日)

松田幸一@新宿文化センター

150914shinjyuku

新宿。

今日は5月に次いで猫好き音楽好きの友人と待ち合わせて、アリさんこと

松田幸一さんのコンサートへ。

私は先日ひと月ぶりでライブに行ったあと友人の医者にいわれた「あんた

も馬鹿だね」の一言が意外と効いていたけど、今日はどうしたもんかと考

えるまでもなく3ヶ月も前から友人が手配してくれたチケットをうけとってい

るんだから、行かないわけにはいかないのだ。それに実際のところ、いま

の私の耳は音楽を聴いているときより駅や街なかを歩いているときの雑音

や、ガヤガヤうるさいカフェやレストランの中での会話のほうがツライので

あって、いい音でいい音楽を聴いているときっていうのはやっぱりヒーリン

グ以外の何ものでもないんじゃないかなあ、なんて思う。

ただし、街なかに出て行くとふだんの3倍疲れてしまうのはたしか。

片耳の聞こえかたがおかしいってだけでこんなに疲れるのはなぜだろう。

遠路やってきた友人とライブの前にお茶しようと歩きだしたら雨がポツポツ

きたので手近にあった『追分だんご』に入った。食べたのは抹茶あんみつ。

みつまめに黒豆に白玉に抹茶餡にバニラアイスにきなこ、それに黒蜜が

ついて、それほど甘くなく適度な甘みで、ちょっとお腹が空いているところ

だったからちょうどよかった。

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そして向かったのは新宿文化センター。

なんたって新宿区の施設だから会場はステージの前にふつうの椅子を

並べただけの簡素なホール。集まった人たちはきっと地元区民の方々だ

と思うけど、60代以上の人が多かった。

編成は5月のときと違ってハーモニカにギター、バンジョー、それにギター

にチェロという4人編成で、ピアノレス、ドラムレスなのは私の耳にはあり

がたかった。1曲めはチャップリンが作曲した『Smile』。

なんだろうな、最初のこの1曲めからなんだか泣きそうなほど心に沁みま

したね。演奏の最後にアリさんが『Smile』とささやきながら両手でにっこり

口のマークをつくったときは、まるでティンカーベルふりまく金粉が口のか

たちになって消えていったみたいに見えた。それから順番は忘れちゃった

けど、アリさんファンにはおなじみの『小象の行進』、『靴が一足あったなら

~おやすみアイリーン』、『Popity Pop』、『Juke』、『My Wild Irish Rose』、

『Tour de taille』・・・・・・。アイルランドの歌はいつも清水翠の歌で聴いて

いるのだけれど、アリさんの説明によればアイルランドの歌は水を感じさ

せるようなウェットでさびしい曲調のものが多い、日本でつくられた曲で

アイルランド民謡に明らかに影響をうけたと思われる曲もけっこうあると

いうことで『浜辺のうた』をやったらまさしくそのとおり。日本人がもともと持

ってるどこかさみしいような懐かしいようなメンタリティーに合ってるんだろ

うな。ふだん日本の唱歌なんか口ずさむことはないのだけれど、アリさん

のブルースハープにあわせて『あした浜辺を彷徨えば/昔のことぞ忍ばる

る・・・』と思わずそらで歌ってしまった。これも沁みた。つまり自分もそうい

う歌詞が沁みる年齢になってきたというわけなのか、いまの日本の状況

がそうさせるというわけなのか。

ステージは前半と後半に分かれていて、前半に印象的だったのはデイブ

ブルーベックの曲だという『Blue Rondo a la Turk』。トルコ風ブルーロンド

とでもいうのか、ものすごく変則的で複雑なリズムが面白く、かつアリさん

の超絶技巧が凄かった。そしてそれとは真反対になんのテクニックも使わ

ずにただ切々と朴訥と歌って心に沁みたのは、「ぼくのこの嗄れ声がいい

っていわれて歌ってるんですけれども」と前置きしてからギター弾きながら

歌った『港』。これが救いがたいほどさびしい歌詞の歌で、真っ暗いホール

で目をつぶって聴いてたらなんだか自分が港から送り出される当の誰か

みたいなサミシー気分になっちゃって、家に帰ってからどうにも歌詞が気

になって検索したら、これ北山修さんが作った歌詞で、自分のお嬢さんが

20歳になったときに書いたものなのだとか。なるほど、と思ってしまった。

そして後半の部で印象的だったのは、アリさんが今の日本の政情につい

て短くいった後に「『グッドモーニング・ベトナム』という映画の中で、ナパ

ーム弾が雨のように落とされるシーンで流れたのがこの曲でした」といって

演奏した『What A Wonderful World』。けっきょく、どこにいて何をしていても

いまの状況っていうのは頭を離れないわけで。なんとも嫌な時代だけど。

けれどもラスト近くともなると待ってましたの私の好きな『ミケランジェロ』、

『ラ・パルティータ』とアリさんの真骨頂ともいうべき名曲ぞろいで、小柄な

身体から途切れることなく繰り出されるグルーヴと切れのよいリズムに圧

倒された。個人的に今夜のめちゃくちゃカッコイイ!は、『Paris tagine』。

たいていの場合ライブは毎月行くけど、この『めちゃくちゃカッコイイ』はそ

うそう出るもんじゃないんです。めちゃくちゃよかったですパリスタジーニ。

ラストは『アメイジング・グレイス』、そしてアンコールは『東京ブキウギ』に

友達が大好きな『Orange Blossom Special』まで、約2時間たっぷり楽しみ

ました。終演後は前から欲しかったCDを買ってサインをしてもらってホール

を出た。全身グルーヴの塊みたいなアリさん、去年は急性心筋梗塞で倒れ

て病院に運ばれたということ、そのとき早期だったから助かって今日も演奏

が聴けたというわけなんだけど、ミュージシャンは身体が資本、ほんとうに

大事にしてほしいです。

そしてライブが終わって新宿文化センターを出てこの空!

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まだほのかに明るい。

ライブが終わってまだ夕方6時ってサイコーだねえ! といいながら次の

おたのしみ、ごはんを食べに出かけたのでした。

本日のおまけは猫好きの友達にあやかって(?)ねこ膳。

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猫の提灯が笑えるけど、ここで食べさせてもらえるのは猫まんまじゃない

よね?

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