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2015年8月 6日 (木)

夜のお散歩 *

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暑いなか昼過ぎお昼のパンを買いに行って建物の下まで来ると、前の道路

にクロネコヤマトの小さなクルマが停まっていて、ちょうど宅配人が荷物の

ダンボール箱を持ったところだった。箱には『割れもの注意』の赤いシール

が貼ってあってすぐにピンときたのだけれど、私が急いで軽快に階段を上

がるすぐ後ろから宅配人もついてくる。4階の階段を上がろうとするところで

「それきっとうちです!」といって家の中に入り、ハンコを探して玄関に戻ると

宅配人の男の人は真っ赤な顔で荷物と伝票を差し出した。ここはエレベータ

ーのない4階だから、荷物が軽かろうと重かろうと猛暑の時期ここまで駆け

上がってくるのは大変だ。思わず「冷たいお茶飲んでく?」といったら彼の顔

に一瞬、遠慮して躊躇するような表情が浮かんだから、かまわずキッチンに

行ってガラスのコップに冷たい番茶を注いで渡すと、彼は見事に一気に飲み

干して「生き返りました!」と元気にコップを私に返した。額に玉の汗。

ここまで暑いと、こんな時期、宅配の仕事をするのも飲食の厨房で働くのも

パン屋も揚げもの屋も道路工事の人も、もう殺人的だな、と思った。

届いたのは、夏バテ予防に買った福井の高井由平商店の紅梅液。

それで夕方、仕事を終えてから父に電話して「夏バテ予防にお父さんの好

きな梅シロップを買ったのが今日届いたから、いまから持って行く」といった

ついでに「阿佐ヶ谷の七夕祭りがはじまったみたいだけど行ってみる?」と

訊くと、「今日?」と訊き返されて一瞬、え、と思ったけれど、年寄りの機嫌

というのはまるで猫の目のように気まぐれなのだ。「今日行きたいなら今日

でもいいよ!」といって電話を切った。

そうやって家を出て行くとき電話をしたからてっきり支度をして待っているか

と思いきや、実家に着くと父はまだステテコ姿でいる。そこから着替えがは

じまって、さあ行くかといったらこんどは例によって都バスのシルバーパス

がないといってあちこちガサガサやりだす。いつ使ったの、と訊けば今日の

午前、というから、ならあるでしょう、といってちょっと見ればあるではないか。

このあたりがだいぶボケた父ではある。

それからまだ蒸し暑い夜道に出て「でも夜から散歩に行けるなんてのは夏

ならではのことだね」とかいいつつ、近くの停留所留所まで行ってバスに乗

り、懐かしの中杉通りの景色をセンチメンタルな気分で眺めながら阿佐ヶ谷

に着くと、そこは思った以上の人だった。

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まるで初詣の神社の境内なみにすごい人。

ただでさえ夜になっても蒸し暑いのに、人の熱気でムンムンしてる。

でもふだんから父に会うときは事前に超気長モードに切り替えて来るから、

まあ、このくらい混雑してて前に進めないと父の歩く速度でも後ろから押され

なくていいか、と思って歩く。

七夕祭り、といっても、ショッピングモールの天井からいろいろな飾りつけが

ぶら下がってて、通り沿いに商店街の露店がずらっと並んでる、というだけ

なんだけど、そこにこの猛暑のなかこれだけ人が集まるって、日本人もブラ

ジル人並みにお祭り騒ぎが好きなんだなあ、と思う。

飾りつけはこんなオーソドックスなのから、

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キティちゃんがいたり、

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平和のシンボル、白い鳩とか。

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このあたりは中央線ジャズ、と呼ばれるくらいJAZZ喫茶やライブハウスが多

いことからこんなのや、

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こんなの。

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時節柄こんなのがあったり、(まじ、あぢぃ~!)

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世相を反映してこんなのがあったり。

と、いろいろ。

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商店街の店の並びは実に雑多で、私が子供の頃からあるような古い店もま

だけっこう残ってて、なんていうか、すごく昭和レトロな感じなのです。

これは詩人のねじめ正一さんの、通称『ねじめや』。

うちにある、かき氷用の脚付きのレトロなガラスの器は、結婚してすぐにここ

で2つ買ったもの。残念ながらひとつは脚にヒビが入ってしまったけど。

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このモール、どれくらい長さがあるのかなあ?

ずいぶんまっすぐ歩いたところで後ろにいる父を振り返ると、最初はニコニコ

していた父が水槽の上の方でアップアップして口をパクパクやってる金魚み

たいな顔で歩いてて、「もう暑くてたまらないから1本向こうのバス通りに出よ

う」という。それで中杉通り沿いの道に出たものの、けっきょく人混みで暑いと

いう以上に今夜は耐え難く蒸し暑い夜なのでした。

で、いままで知らなかったけどこの道沿いにある店がまたなんともあやしくて

阿佐ヶ谷って、なかなかディープな街なのでした。

(こんどゆっくり徘徊したい。ような。)

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よっ! 越後屋!

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ちょっと感じよさげなJAZZ喫茶もあり。

(私だったらここで茶でもしばくんですが。あ、これは翠ちゃんの言い方だ。)

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JAZZ喫茶を横目でチラ見するジーサン。(御年84歳)

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帰りは父もいささか疲れたようだし何せ暑いし喉も渇くしで、私は適当に目に

ついた店で父においしい晩ごはんでも食べさせて帰ろうと思っているのに、

何やら父が「北口の先でて路地に入ったところに小さな店があって・・・」とか

いうもんだから延々歩いて着いて行ったものの、いざ路地に入ったら「どこだ

か忘れちゃった」というので、もう疲れてどうでもよくなって、けっきょく先に食

券買って入るようなセルフサービスの蕎麦屋に入ることになっちゃったのでし

た。あーあ ・・・・・・

というわけで(?)、今日の笑えたで賞はこれ。

「オトーサン! この店じゃないのォ? オトーサンとおなじ名前のこの店!

ここで冷たいザルうどんでも食べてく?」 「やだ」

あたしはこっちのほうがよかった!(>_<)

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