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2015年8月 9日 (日)

黄色い鳥かごのある風景

1508yellow_birdcage

私の家では物心ついたころから母が小鳥を飼っていて、最初はつがいの

十姉妹。それがどこをどうしたわけかどんどん増えて、私が小学校の中学

年くらいのときにはすでに鳥かごだけで6つ以上、小鳥の数にして1ダース

以上いた。そして、その世話係をさせられたのは私。いつも給食のない土

曜日に4時間授業で帰ってきては、お昼ご飯をすませた後きまって鳥かご

の掃除をした。まず鳥かごの中から陶器の水浴び用の水入れを取り出し

たら、かごの下についてる引き出しみたいなのを引っぱって汚れた新聞紙

を丸めて捨て、引き出しをホースで引いた水で洗って乾かした後に新しい

新聞紙をきちんと折って入れる。それからきれいに洗った水入れに水を入

れてかごの中に置き、エサ入れを取り出してふーっと吹いて殻を飛ばし、

エサを注ぎ足す。菜っ葉があれば菜っ葉入れに入れて、インコ用のイカの

骨が減っていたら新しいのを針金でくくりつける。

それだけのことをするんでも小鳥が1ダースもいて鳥かごがいくつもあると

大変だった。子どもながらに私の仕事は几帳面で丁寧だったと思う。

鳥かごの中には雛のときから擂り餌をやって育てて手乗りになってるものも

あれば、いくら飼っていても人に懐くことなく鳥かごに手を入れると怖がって

バタバタ暴れるのもいたけど、ぜんぜん平気だった。そんなことを何年もやっ

たからいまでも小鳥はつかめるし飼えると思う。それをいつかロバさんの家に

行ったとき話したら、小川洋子の『コトリ』という本を貸してくれたのだけれど、

自分のなかでたったひとつ不思議なのは、そんな風に熱心に小鳥の世話をし

つづけたにもかかわらず、いったいいつ最後の一羽がいなくなって、いつから

実家が小鳥を飼わなくなったのか、まったく憶えていないことだ。

いつも自分は記憶力だけはいいと思っていたのに。

かくも不完全な人間の記憶。

そんなことをふいに思いだしたのも、今日久しぶりに鳥かごを見たからだった。

黄色い鳥かごのある風景。

今日の夕方、コトリ花店さんで。

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