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2015年8月24日 (月)

かぶの漬けものとかスタグフレーションとか

15asagayu

会社を経営している女友達は経営者であれば当然かもしれないけれど、

いつも桁違いのお金をやりとりしていて、その金銭感覚は一般の主婦とは

到底かけ離れたものがある。でも、そのいっぽうでたとえば大根の煮もの

を作るときに桂むきした大根の皮を細かく切ってザルに入れて庭先に干し、

自家製の切り干し大根を作ってそれでおいしい炒めものを作ってしまうよ

うな、ある種マメさと庶民的主婦感覚も持ち合わせていて、それが彼女の

魅力であったりもする。

男にしても女にしても人の金銭感覚って不思議だけれど、葉付きのかぶ

を買って、かぶをぬか漬けにし、葉をざくざくと切って生姜のみじん切りと

ゴマとともにごま油で炒め、塩麹と醤油で味をつけながら、私が小学生だ

ったころ、日本はまだまだビンボーだったなあ、と思いだす。

わんぱく盛りで穴の開いたズボンに継ぎを当てて履いている男の子なん

かいくらでもいたし、女の子の定番コスチュームときたら『たすきスカート』

だった。箱ひだスカートに背中がばってんになったたすきが付いた吊りス

カート。身長の成長に合わせてたすきが伸ばせるようになっていて、延々

伸ばしているうちにスカートの長さよりたすきのほうが長くなって胴長に見

えちゃうヤツ。そして、そうなると年中たすきが肩から落ちてきてうざったい

ので、私なんか安全ピンで肩のところを留めていたほどだ。クラスにはお

金持ちの子もいたけど、そんなのは土地持ちいわゆる豪農の娘か医者の

娘か議員さんの娘くらいだった。初期のお習いごとブームの時代とはいえ、

家にピアノがあってピアノを習ってる子なんてクラスに1人か2人くらいしか

いなかった時代。スナック菓子全盛の時代でもあったけれど、家には子ど

ものためのお菓子の買い置きなんてのはほとんどなく、大人がお茶を飲み

ながらお喋りするとき用の、木の菓子鉢に入った見飽きた駄菓子がある程

度だった。それでもとくに何が不自由とか、不満とかなかったなあ、と思う。

いま私は一家の主婦で世帯主でもあるから、自分で作ったエクセルの家計

簿を日々付け、科目別に毎月何にどれだけお金を使ったか、1日平均では

いくらか把握できるようにしているのだけれど、家計の最も大きなところを占

めているのは紛れもなく食費で、それは年々大きくなっている。食には多少

気を遣っているとはいえ、特にたいしたもの食べてるわけじゃないのにね。

「うちはビンボーなんですから!」が口癖だった昭和的母が作る食卓とくらべ

たって、理想的な豊かさを実現できているとはいえないのに。

大体において、たいして入ってないカゴをスーパーのレジに持って行って清

算してもらって「え、たったこれだけで?」と思うこともしばしばだから、これで

消費税が10%になったらその感覚はさらに大きくなるだろう。食のオーガニ

ック傾向が一種のブームになっているなか、水面下では深刻な食糧危機が

着々と進行してるし、いったいこの先、日本はどうなるんだろうなあ、このスタ

グフレーションから抜け出すのに日本はいったいどれくらいかかるんだろう?

なんてことを考えたりする。

最近はスーパーマーケットではあまりお目にかかれなくなってしまったけれど

きれいで元気な葉っぱ付きの大根やかぶをみつけたときは、菜飯ごはんにし

たり、炒めてふりかけを作ったりする。昨日は最初から朝がゆにトッピングす

るつもりで作ったかぶの葉のふりかけは、なんていうか、ふつうにとてもおい

しかった。そして、こういう地味なごはんを滋味があっておいしい、と思えると

ころが日本人の強みでもあると思う。いまあるものがいずれ無くなったら無く

なったで、足りなければ足りないなかでやっていくしかないのは必至なのだか

ら、あとは知恵と楽天性の問題でしょう。

最近、日本の行く末について悲観的な記事を見るにつけ(それがいかに正論

であっても)、そんなに簡単に駄目になってたまるか、戦後のぐちゃぐちゃから

逞しく復興してきた日本人の底力を思いだせ! なんてことを思ってしまう私

なのです。

今日はだいぶ涼しくなった。

ひんやりした大気は夏の終わりというより、すでに秋の気配を感じるほど。

いま頑張ってるのは、蝉。

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