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2015年3月 8日 (日)

白雪ふきん

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たかが台ふきんだって、なんでもいいってわけじゃない。

いつも目につく食卓にあって、毎日使うものだから、やっぱり気持ちよく使え

るものがいい。わざわざさんで買って、もう1年以上使いつづけた白雪ふきん

が擦り切れてきたので今朝あたらしいのにとりかえようと思ったら、ふきんと

一緒に入っていた紙に書かれたこの文章が目に入った。

長いけど、いい文章なのでそのまま引用してみる。


 『美しい日本の道具たち』(高森寛子著 根岸聡一郎写真 晶文社)

 白雪ふきん


 台ふきんは、蚊帳生地の白いものに決めている。最初に糊気を水かお湯

 ですっかり洗い流して使い始めれば、比較的長いこと変色せず、べとつか

 ず、臭いもつかず、よく働いてくれるからだ。

 少しすり切れてきたかなという頃には、全体になんとなく薄汚れた感じにも

 なるので、今度は雑巾にし、もう一働きしてもらう。

 蚊帳の記事で作られ、市販されているものの中には、周囲をピンク、ブルー

 クリームなどの色糸でかがったものもあるが、私の好みは縁かがりのない

 純白のものだ。

 以前、それが見つからず、しかたなく生成りのものを使ってみたことがある。

 が、やっぱりキリッとした純白にはかなわないと思った。こぼしたしょうゆを

 拭き取るときなど、一瞬たじろぐほどの白さ、いさぎよいまでの白さが望み

 なのである。

 その名も『白雪ふきん』という真っ白な蚊帳生地のふきんとは、平成十年

 近鉄奈良駅の奈良商工観光館で出合った。

 古くから、奈良は蚊帳の生産地として知られていたが、明治の頃に綿蚊

 帳が作られて大きな発展の基になったという。大正、そして昭和の時代も

 少しはよかったが、人々の暮らし方の変化と共に需要は減るばかり。

 思えば、中高年の私でさえ、大人になってから蚊帳のお世話になった記憶

 がない。ブルーと白のぼかしの蚊帳を吊るのは、いつも祖母と母だったよう

 に思う。私にとっての蚊帳は、雷さまから身を守るもの、鬼ごっこや波乗りの

 ための遊び道具・・・・・・。

 「時代ですなあ、あまり必要とされんようになりまして、ふきん屋になりました

 わ」というのは、白雪ふきん製造販売元・垣谷繊維の先代社長夫人、垣谷

 安子さん。

 もともと、蚊帳生地を裁断するときに出る端切れを重ねて縫ってふきんにし

 自家用にしたり知人に配ったりしていたのが、この商品誕生のきっかけに

 なったのだそうだ。

 白雪ふきんは、蚊帳生地を八枚重ねにし、白糸で適量のミシンステッチが

 かけてある。暑さといい、約三十×三十五センチの大きさといい、私の手

 には使い勝手がよい。東大寺の大仏様の御身拭い用に選ばれたふきんだ

 というところも、ちょっと気に入っている。


白雪ふきんの魅力についてはこの文章でじゅうぶん言い尽くされているけれ

ど、ここに書かれているとおり、ほんとうに厚みといい感触といい、とてもいい

ふきんだと思う。実は私が白雪ふきんにであったのもずいぶん前で、それは

まだ親友が近所に住んでいたころ、たまたま出かけた先で見かけて、彼女が

「そうちゃん、これほんとに使いやすいのよ。あなたにも買ってあげる」といって

買ってくれたのが最初だった。そこで売っていたのはかわいい柄の入ったもの

で、そこから私の好きそうなのを2種類選んで買ってくれたのだ。それが駄目

になった後もどこかで見かけるたびにかわいい柄のを選んで買ってきた。

柄ものもたしかにかわいいけれど、でも高森寛子さんがここで書いているとお

り、いまでは台ふきんは純白のが一番いいと思う。たとえしょうゆを吹いて汚れ

ても、漂白すればまたもとどおりきれいになる。食卓の上には皿やコーヒーカッ

プやポットなど、いろんなものが乗るから、台ふきんは色も柄もついてないシン

プルなのがいい。そして擦り切れたのは洗って乾かして木工用の布にした。

娘は娘で食器を拭く蚊帳ふきんの古くなったのを、水彩の筆拭き用に使ってい

る。布はそうやって何度も用途を変えながらボロボロになるまで働いてくれる。

そんなに使える白雪ふきんが、2枚入って648円っていうのはけして高くない

むしろ安いくらいだと思う。

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ときどきこういう日があるんだけど、あいにく一日雨の休日だった今日は、

さみしいような、なんとなく何かが物足りない日で、午後遅くなってから久し

ぶりに木工をはじめた。黙々と手を動かすことの良さは、集中しだすと瞬く

間に頭から雑念が消える、ということに尽きますね。

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