谷中、猫のいる町/その1
ブロガー友達すみごんさんとの2回めの逢瀬は、彼女の好きな仏像つながりと
いうことで、いま芸大の美術館でやっている『法隆寺/祈りとかたち』展へ。
実は私は奈良とか京都で実物を見るのはともかく、これまではあまりこの種の
美術展には興味がなかったのだけれど、それも最近は毎回かならずといって
いいほど見ている『美の巨人たち』や『日曜美術館』などのTV番組のおかげで
だいぶ造詣が深くなってきて見方が、というか、面白みがわかってきたような
気がする。それでも私がこの美術展を見ようと思ったのは『祈りとかたち』とい
う言葉から触発されたものだった。太古の昔から人がどのように祈り、それを
かたちで表してきたか、という。それで感想からいえば ・・・・・・、とっても混んで
ましたね。とても混んでいて静かな祈りの境地に入りこむことはできなかった。
若い人もいたけれど圧倒的に年配の人、それもかなりお年を召した人が多い。
それは現実的にあちらの世界が近くなってきたからなのかどうか、それはわか
らないけれど。
それほどこういった世界に詳しくない私が個人的に面白かったのはやっぱり木
が好きだから仏像やその光背の精緻で美しい木彫とか、仏像に踏みつけにさ
れた邪気がさほど苦しそうにしてない姿とか、昔のインテリアともいえそうな植
物をモチーフにした飾り金具に見られる工芸とか。圧巻だったのは今回の目玉
ともいえる金堂の国宝毘沙門天立像・吉祥天立像と、火事によって消失してし
まった法隆寺の金剛金堂壁画の模写だろうが、その空間ばかりはすごい迫力
でもってまるで法隆寺の金堂のなかにいるような雰囲気を味わうことができた。
けれども私が今展でとても美しいと思って惹かれ、名前を覚えて帰ったのは荒
井寛方という日本画家。なぜかはわからないけれどこの人の描いた『聖観音』
『観世音菩薩』には格別な気品と優雅さ、美しさがあるように思った。
今回初めて行った芸大の美術館。さすがに歴史のある大学はキャンパスのい
たるところに趣があるし、見て回る規模としても程よい大きさでとてもよかった。
あれで空いていればもっと法隆寺が持つ世界観に没入できたのだけれど。
それぞれ自分のペースで展示を見た後は芸大のカフェの前で一服。
私は話のネタに芸大の学食でランチをしたかったのだけれど、私と違って小食
のすみごんさんが「学食なんてきっと量が多いと思う」というので、あらかじめ
上島珈琲ですませてから来た。学食は次の機会にしよう。面白がりの人と。
写真はモクタイムに行くすみごんさんの後ろ姿。
この人も写真じっと見てると頭に猫耳、お尻に長いしっぽが見えるなあ・・・・・・
というわけで、このあとはすみごんさんと猫のいる町、谷中散歩。
『法隆寺/祈りとかたち』展は東京芸術大学美術館で6月22日まで。
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コメント
にゃーご!
先日は楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。
よかったですね、法隆寺展。
毘沙門天と吉祥天、ご夫婦での展示もよかったし、踏まれている邪鬼が・・・(^^;)
soukichiさんは荒井画伯の絵がお気に召したとのこと。いかにも、という感じです。
やわらかい線が優雅でしたね。
谷中も楽しかったですね。カゴのアドバイス、ありがとうございました。
ガンガン使っていい味出したいと思います。
またどこかに行きましょう!
投稿: すみごん | 2014年6月 1日 (日) 20:54
にゃあー、すみごんさん!
こちらこそどうもありがとう!
私も楽しかったです!
そのあとまた出かけたもんですから、すぐにメールもせずにごめんなさい。
そして確信犯的な私に鷹揚なご対応、ありがとうございま~す
わたし最近誰といてもバックシャン・キラーなものですから。
この日何が面白かったかって、自分の欲しいものがいっぱいありそうな地帯に来ると、まるでパトカーのサイレンでもぴかぴかするみたいにいきなり早口で「キケンキケンキケン~!!!」と叫ぶすみごんさんが面白かったです(^-^)
自分がなぜ荒木寛方に惹かれるのかわかりました。
わたし鏑木清方が好きなんですが、この方、鏑木清方と兄弟弟子みたいなんです。
だからどこかものののあはれを思わせるような儚げな風情とか、気品ある端正な美しさとかが似てるんですね。
これからもちょっと気をつけて見たい画家です。
私のサイザルバッグ、もう5年くらいは愛用してるんじゃないかなあ。
すごく丈夫でどれだけ持っても痛んでこないし、だんだん色が掠れてきてデニムみたいにいい味出てきますから、末永く愛用してくださいませ。
また楽しい企画ありましたら誘ってくださーい♪
こちらこそよろしくです
投稿: soukichi | 2014年6月 2日 (月) 13:09