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2013年11月22日 (金)

りんごの日

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昨日の夕方遅く、キッチンで洗いものをしていたら玄関のチャイムが鳴って、

出て行った息子が「ボスからりんごが届いたよ~!」というので、「えっ?」と

いいながら見ると、ほんとうに去年ボスから届いたのと同じ絵のついた箱を

持っていて驚いた。送り状を見るまでもなくすぐにわかったけれど、弘前に

いるボスの弟さんからだった。

昨夜ちょうど、去年は23日にボスからりんごが届いたんだった、去年のいま

ごろボスはまだ生きていて、元気に話していたんだよなあ、なんてことをぼん

やり思ったばかりだったし、今年はそのとき届いた箱の中の、生産者のメッ

セージにあった電話番号に電話して自分でりんごを頼もうと思ったりもして

いたところだったから、そのあまりのタイミングのよさにも驚いた。

13ringo

でもそのとき私はちょうど出かけるところだったから、中を開けてみる間もなく

お礼の電話をする間もなく家を出た。

三鷹の駅前にできたばかりのユメノギャラリーのオープニングを飾るイベント、

コトリ花店の『ルミエールの子どもたち』展に行くために。

家を出たのがすでに終わり時間に近かったうえ、目指すギャラリーの場所

がなかなか見つけられなくて時間が過ぎちゃったからもう駄目かと思ったけ

れど、なんとかラストのムービー上映会に間に合った。

無機質なビルの中にぽつんと現れた、何もない白い箱はまさしく幻想の箱で

それはコトリ花店の理夏さんらしい、そして彼女がただの花屋じゃないことを

物語る素敵なインスタレーションだった。

そこでともに3日間ものづくりに携わった女3人の祭りの後の劇に遭遇して、

そのあと私だけブックカフェに向かった。

夜のブックカフェはとても静かで、私のほかに誰もいなかったから、店主が

いれてくれた珈琲を飲みながらどれくらい話したろうか、気づいたら閉店時

間を少し回っていた。

私は自分が大人なのか子どもなのかクールなのか熱いのかよくわからない

けれど、ふつう大人だったら聞かないようなことを店主に聞いた気がする。

少なくとも当たり障りのないきれいごとだけですませていられるほど私は大

人でもないしクールでもないってことなんだろう。困ったことに。

あれからずっと想像を絶するような人生を送っているという店主は「うまくい

えないけれど」といいながらもそれにこたえ、私も彼のいうとおり、彼のいう

ことの半分以上はよくわからなかったけれど、最近の私が違うのは、うまく

いえなくてもよくわからなくてもいいと思えるようになったことかもしれない。

たぶん、頭で考えてわかるんじゃない、別のわかりかたがあると思っている

んだと思う。ギャラリーにいたあいだとブックカフェにいた数時間のあいだに

私の中でいくつかの学びと反省があった。そのあたりに来年の自分のテー

マを見つけたような気がする。

帰り際にレジでお金を払おうとしたら店主が「りんごをひとつ持っていきませ

んか?」といったので、またもや私は「え」と思った。作家さんにたくさん送っ

ていただいたのだという。「せっかく送ってくれた方がいるなら自分でお食べ

なさいな」というと、「搬入のときにみんなにも分けたんですけど、それでもま

だたくさんあるのでぼく1人じゃ食べきれないので」というので、「でも、ごめ

んなさい。私も今日たくさんりんごをもらっちゃったんです。それでももらって

いいですか?」と聞いたら彼が「どうぞ」といったので、けっきょくひとつもらっ

てきた。今日はりんごの日だ、といいながら。

これは長野産のりんごだそう。

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こっちは青森産。

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りんご、りんご、真っ赤なりんご。

大きさも色も形もまちまちで不揃いのりんごは生きている人間そっくりだ。

昨夜、息子は岡田勉さんの追悼ライヴに行っていて、奇しくも3つの死が

シンクロした日。

1番上の写真はいつか家族4人で九十九里の海に行ったときに買った

ガラスのりんご。



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