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2013年8月31日 (土)

銀座で

13shirokuma_01

蒸し暑かった真夏日に逆戻りした暑い暑い日。

個展の案内のポストカードをいただいていたブログAfter65のayaさんこと

望月彩子さんの個展に娘を連れて伺った。

会場となったのは銀座のギャラリー ゴトウさん。

銀座一丁目の松屋のある通りの左手を京橋に向かって少し行ったところ

にあるギャラリーで、銀座不案内の私でも迷わず行くことができた。

エレベーターに乗って7階、ギャラリー ゴトウとロゴの入ったガラスのドア

を開けると、白い壁に整然と並んだブルーを基調とする銅版画が目に飛

び込んできた。奥から人の話し声。彩子さんらしき人がちらりとこちらを見

たけれど、さいしょ誰だかわからなかったらしい。ドア付近から順に絵を見

ながら中に入って行って挨拶すると、「いやだ、わからなかった。若返った

んじゃない?」とおっしゃる。まさか。あれから5年も経ってるのに?

そこからはいつもの彩子さんの調子。ちょっと早口でとうとうと喋る。

いかにも東京っ子らしい、テンポの早い歯に衣着せぬ話し方。

おかげで5年間のブランクをまったく感じずに話せた。

そして銅版画はといえば、これまで積み重ねてきた歳月をそのまま感じさ

せるような素晴らしい作品ばかり。目の前の彩子さんのご性格同様、きっ

ぱりはっきりしたクリアーな世界と、私の知らない繊細ではかない女性的

でミスティーな部分とがいくつものレイヤーで折り重なっているような。

ぜんぶ小林額縁さんに作ってもらったという楢材の端正ですっきりした額

も絵の世界を邪魔せずきりっと引き締めていた。

私も娘も好き嫌いがすごくはっきりしているうえに好きなものがピンポイ

ントでしか存在しないから、絵を見に行ってもなかなか「これが好き!」

とストレートにいえるような作品には出会えないのだけれど、めずらしく

娘のほうから「これとこれが好き」といったから、私も「これとこれとこれが

好き」なんていいあった。私が好きだったのは、彩さんが13年通った多

摩美の生涯学習講座の最後の日に刷ったというきれいなブルーの作品

と「Thinking」と「scene」と「crushing」かな。

もう午後遅く出かけて行ったのと娘が一緒だったのと彩子さんが会うな

り一気に話しはじめたのとで1枚も写真を撮らせていただかないまま帰

ってきてしまったのだけれど、ブルー好きの彩さんなので、様々にトーン

の違うブルーの作品をメインに、今回はめずらしく赤やピンク、なんてい

う明るいのや、深めの緑だけの作品もあって新鮮だった。

銅版画って見るぶんには美しいけれど、様々な薬剤を使うので制作者

にとってはかなり過酷で身体に悪い重労働のようで、この夏の酷暑の

なか外のガレージで防毒マスクを付けたりしての作業の大変さはいか

ばかりかと思う。

多摩美の生涯学習講座に通うのも特注額をオーダーするのも銀座の

有名ギャラリーで個展をするのもお金がなければできないことだけれ

ど、といってお金があったら誰にでもできるということじゃなし、本当に

好きで、かつ素養がなければできないことだな、と思いました。

彩子さんは経歴からしてエリートで、ブログの口調を見ても凛とした厳

しそうな方なので、正直なところ私など個展に伺うのもちょっと気後れ

してしまうのだけれど、お会いすれば全然そんなことはなく、とても屈

託ない気さくな方なのでした。

何より、いくつになっても自分をあきらめずに好きなことをやり続ける

その意欲とエネルギーには敬服します。

これからもやり続けて輝き続けてほしいです。

それには健康であることが1番ですね。

そんな彩子さんの目下の悩みは、多摩美の講座終了のあと、どこで

エッチングを刷るか、ということみたいですが、前から来たラッキーの

前髪をぐわし! とつかめる彩さんですから、またきっと最適なところ

が見つかることでしょう。

今後のご活躍を大いに期待します。

彩さん、ちょっとバタバタでしたが楽しい時間をありがとうございました。


上の写真はギャラリーの写真が何もないので、代わりにギャラリーの手前のショー

ルーム(?)でみつけたシロクマ。蒸し暑いなか涼しげな姿に思わず「シロクマ!」

と叫んだのであった。何せわたくしクマ好きなもので・・・・・



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コメント

そうきちさん
暑い暑い中、慣れない銀座にお出かけ下さり、個展をじっくり見ていただいて
本当にありがとうございました。お嬢さんもありがとうございました。
6日間何人の人とおしゃべりしたでしょう。最後の頃は咳き込んでしまいました。
5年の間にすっかりきれいになられて名乗られなければ気が付かないところでした。銀座で個展なんて全く考え及ばないことだったのに、何の気なしに受け入れてしまって、実にスムーズに事が運んでいきました。
若いとき銀座の街を通過して設計事務所に通った経験があるから、普通の事と捉えられるのかと思ったりしました。
ブログを通じてそうきちさんのような方に出会えて楽しみも増えました。
日常を大事に暮らしているそうきちさんのブログ、とっても好きです。
お会いできて嬉しかったし、慌ただしかったけれどいい時間でした。

投稿: aya | 2013年9月 2日 (月) 02:04

ayaさん、
こちらこそありがとうございました。
5年も経っているのに思い出して個展の案内を送ってくださってうれしかったです。
彩さんは私のことを「好奇心が強いから」とおっしゃったけど、私にとってはそれより、ブログを通じてご縁をいただいた(逆にいうとブログをやってなければ知り合うこともなかった)方のハレの日を祝いたい気持ちのほうが強かったです。
たとえ絵を描いていたからといって誰にでも個展ができるわけじゃないし、彩さんにとっても、とても力の入った特別な6日間だと思ったので。

そして魔法のようにスムースに事が運ぶときって、それはすべて宇宙の摂理に合った正しい選択なのだと思います。
だからあれほどぴたっと美しい空間ができあがったんですね。
あらためて個展のご成功、おめでとうございます。

もっと時間があったら、きっともっといろいろお話しできただろうなって思います。
彩さん、『ドロシー&ハーブ』っていう映画観ましたか?
もしまだだったらぜひ見て!
アートにまつわるドキュメンタリー映画なんですけど、すごく面白いの。
権威やキャリアやネームバリューなんかに惑わされない、独自の審美眼を持った老夫婦のお話。
彩さんならきっと気に入ってくれると思います(^-^)

まだまだ暑い日が続きそうなので、
くれぐれもお身体ご自愛のほど。

投稿: soukichi | 2013年9月 3日 (火) 00:13

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