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2013年3月31日 (日)

花散らしの雨

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桜が咲くと雨が降る。

花冷え、という言葉があるけれど、ここ数日は花冷えというには寒すぎる真冬日が続

いている。そして昨日、なんということなく『百草の庭』を検索して庭だよりを見た私は

思わず言葉に詰まってしまった。そこには『お別れ』というタイトルで、『悲しいおしらせ

があります』ではじまる、木彫り作家のあらいみえこさんの訃報を知らせる文章が載っ

ていたからだった。あらいみえこさんは、一目見るなり心惹かれた『さくらの花雛』の作

者で、私がそれを『百草の庭』に2つオーダーしたとき、すでに病を患って作家活動を

休止されておられた。かろうじて最後に残ったひとつだけを手に入れることができたの

だけれど、いまにして思えばそれも奇跡的なことだったように思う。

届いた『さくらの花雛』は鶸萌黄を渋くしたような小箱に入って、細い麻の紐が十字に

かけられていた。箱の横に作家本人のものと思われる鉛筆書きの字で『桜(小)』とい

うシールが貼ってあったから、もしかしたらこれより大きなものもあったのかもしれない

が、箱から出してみたお雛様はちょうど手のひらにのる大きさで、私にはちょうどよく、

箱もお雛様もなんとも端正な佇まいをしていて、その小ささが愛おしかった。

以来、あらいみえこさんという名前は私の胸に刻まれ、とくべつな人だったから、その

突然のお知らせを目にしたショックは大きかった。

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百草の庭の庭だよりによれば、亡くなられたのは2月のようだ。

その文章にもあるように、生前、亡くなった後に投函するようにとご家族に託された最

後のお手紙が届き、そこには「少し短かったかもしれませんが、とても幸せな人生でし

た」とあり、 「これからの私は、もしもあの歌のように風になれるならば、老後の楽しみ

にとっておいた小笠原諸島、屋久島、それからバオバブの木に逢いにアフリカまでも

行ってみたいなぁと考えています。 それではまた、いつの日にか。」とあったそうだ。

つらい闘病生活をされていたというのに、なんて静かで穏やかな文面なのだろうか。

こんないいかたをしたら語弊があるかもしれないけれど、私には理想的な終わりかた

だと思える。そして亡くなられたいまさらになってあらためて、その制作風景とお人柄

など知りたかったな、と思った。「あわただしく毎日が過ぎてゆく日々の暮らしの中で、

かたくなってしまいがちな心が、ひと時でもホッとやわらかくなる、そんなモノたちを作

りつづけたい」と生前、語られていたというあらいさん。あらいさんはいったいどうやっ

てどんな木の塊からあの小さな、清らかで端正な人形を彫りだしていたのだろうか。

一面識もない、何も知らないあらいみえこさんの制作風景を思うとき、整然と整えられ

た静謐な空間で黙々と、そしてときどきクスッと笑ったりしながら木を彫っている姿が

頭に浮かび、それもまた私には理想的な光景だ。彼女のこころは、分身である人形

たちとともにいまもたくさんの人のもとにあるのだから。そして『さくらの花雛』の作者

には、「願わくば 花の下にて 春死なん その望月の如月の頃」と歌った西行の歌

のとおりの死がぴったりではないか。

この三次元空間では重い物体のように見える人のからだも、ほんとうは光の粒子で

できた流体だから、いっさいの捕らわれから解放されて流体となったいまでは、小笠

原諸島だって屋久島だって、それにアフリカまでだって自在に行けるだろう。

昨日、お知らせを見たあとなんだかじっとしてられなくなって、天袋にしまった『さくらの

花雛』を出してポケットに入れて雨のなか外に出た。

せめていま散ろうとしている桜の花の下にこのお雛様を置いてやりたかったのだ。

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素晴らしい作家さんの見事な終幕に、合掌。

遅ればせながら、あらいみえこさんのご冥福をこころからお祈りいたします。

そして、それを優しい言葉で伝えてくださった百草の庭の下田裕美さんにもお礼を申し

あげます。さくらの花雛、これからもずっと大事にしますね。ありがとうございました。


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2013年3月30日 (土)

十月桜

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昨日の夕方、出かけようとして近所で見かけた十月桜。

秋にも花を咲かせるこの四季桜はいまが満開。

昨日の夜もかなり寒かったけど、今日、外に出ると息が白くなるほどの寒さ。

また冬に逆戻り。

ダウンを着てハンドウォーマーをして、散り始めた桜の樹の下で花吹雪を見上げた。

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2013年3月29日 (金)

点滴堂さんに行ってきました。

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コトリさんと『ひとさじの森』に行ったとき、帰り際にギャラリーの入口で稲村さんとばっ

たり出くわして、近日オープンするブックカフェのショップカードをいただいた。

そのお店については構想のころからちょこっとお聞きしていたし、それが短時間のうち

にショップオープンだなんてすごいなあとは思っていたのだけれど(今日、ご本人に会

って直接いってしまったから書くけれど)、なんたってお店の名前が『点滴堂』で、店内

は病院みたいにまっしろ、白い医療棚トが置いてあって、ショップカードにはナースの

イラスト、なんていわれたら、大の病院嫌い、医者嫌いの私としてはう~ん・・・・・・

となってしまったのだった。でもそれを娘にいったら「本のラインナップが気になる」とい

うので後日たまたま目に入った『古本屋ツアー・イン・ジャパン』というブログの記事

をプリントして見せたら、「面白そうじゃない」という。それじゃ行ってみようかと、本日

三鷹にできたばかりの点滴堂さんに行ってきました。

ショップカードの地図を見ながら歩くこと7分くらい。

すでにツイッターの画像などですっかり見慣れた感のある赤い看板がすぐに目に入っ

てきて、扉の中のかなり急な階段を注意深く上がると中から人の話し声。そして噂に

聞いていたとおりのまっしろな店内にびっしりの本棚。すでに窓際の席に先客ありで

ショップオーナーの稲村さんとお話し中だったので、本棚に隠れた席に荷物を置いて

さっそくそれぞれ本を眺めはじめた。

Instagramの写真だと窓から昼間の自然光がいっぱい入るときがいい感じだったけど

私たちが行ったのはもう夜。なのであまり写真は撮らなかったけど店内はこんな感じ。

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電気と水道工事以外はオーナー自らぜんぶ自分でやったとは思えないきれいで明る

い空間でした。読みたい本が見つかったら珈琲をオーダーして、とうぶんの間はお持

込みOKということだったので差しいれもかねて買って行ったプリンなどいただきつつ。

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珈琲はたいていの場合どこに行っても私には薄いので正直なところあまり期待はして

なかったのだけれど、おいしかったです。(これ、豆は何を使ってるのかなあ?)

ただ猫舌の娘にはよかったけれど、私にはちょっと冷めすぎでした。

でもとにもかくにも私も娘も本が好きで本屋にいるのが大好きなので、今夜は息子が

ギターレッスンでいないのをいいことにかなり長居してしまいました。(本を眺めている

間は2人とも終始無言、静かな店内。)本のラインナップについては件のブロガーが

書いてらっしゃるとおりなのだけど、あそこまで偏ってはいないかなあ。

自分が持ってる本、かつて持っていた本などもけっこうあって、ふ~んという感じ。

ある種、人の本棚を覗かせてもらっているような面白さがありました。

私が今日、選んで買ってきたのはこの本。

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渋澤龍彦の『ねむり姫』の幻想世界のイメージを野村直子さんの美しいオブジェと写真

でヴィジュアルに膨らませた本。

ふだん自分では手にとらないようなとても美しい本で、よい買い物をしました。

そして帰りにオープン記念のノベルティの色鉛筆をいただいて。

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仕事と家事に追われる日常では家でゆっくり本を読む時間も外でのんびりお茶をする

時間も滅多にとれないけれど、たまに時間の流れを変えてみるのっていいですね。


   時々、機会を見つけて外出しなさい。
   そして、リラックスしよう。

   外から帰ってくると、
   あなたの判断はより確かなものになります。

   いつも仕事にへばりついていると、
   あなたは、判断力を失ってしまいます。



と、かのレオナルド・ダ・ヴィンチもいってます。

まさに。ですね。

三鷹の点滴堂さん、お近くの本好きの方はぜひお散歩がてら行ってみてください。


  古本 ギャラリー 喫茶   点滴堂


あ、そうそう、病院嫌いの私ですけど、別に薬の匂いがするわけではないので中に入

って本を眺めはじめたらそんなことすっかり忘れてました(^-^)

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2013年3月28日 (木)

朝のデザート

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カスピ海ヨーグルトにフルーツグラノーラ、それにハチミツを少しかけて。

たったそれだけなのになんだかしあわせな朝のデザート。



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2013年3月27日 (水)

目黒川の夜桜

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今年はあまりに早く桜が開花してしまったから、今年はもうゆっくりお花見をしている

暇もないかなと半ばあきらめていたのだけれど、昨日の朝めったにないこと長らく会

ってない友人から「急だけど今夜、目黒川の夜桜を見に行きませんか」とメールがき

たので急きょ出かけることにした。

折しも前夜の予報によれば夜からさらに気温が下がって真冬の寒さ、ということだか

ら(それに実際とても寒かったから)、中目黒なんてお洒落なところに行くのにもう今

年は着ないと思ってたダウンをしかたなく着て待ち合わせの駅に行くと、友人も友人

の娘もやっぱりダウンを着ていて、「おんなじよ」と笑われた。

目黒川の桜といえばもう何年も前のこと、年下の元気な女の子に誘われて丸一日都

内某所を花見して歩いたとき最後に来たところだ。あのときも川に沿って目黒から中

目黒にかけて歩いた。やっぱりとても寒い薄曇りの日で、灰色の空の下ではソメイヨ

シノも白っぽくくすんで冴えなかった。緑の多い郊外に住んでいて、桜がきれいに咲い

ているところなんて近所にいくらでもある私からしたら、都心の川なんてきれいとはい

えないのに、どうしてみんな目黒川の桜さくらっていうのかなあ、と思ったものだ。

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この日も目黒川は浴用剤でも入れたみたいな変な色をしていたけれど、でもそんなこ

とより何より久しぶりの友人とこんなイレギュラーな時間に外にいることのほうが楽しく

て、元気にお喋りしながら歩いた。

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それに歩きだしたら不思議とそんなに寒くなかった。

橋が見えてくるたびに駅でもらったお花見マップで橋の名前を確認するT。

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面白かったのは桜の見えかたの豹変ぶりで、まだ日のあるうちは冴えなかったソメイ

ヨシノが、逢魔が時を過ぎてまわりの景色が見えなくなりはじめたころからだんだん薄

灰色から淡紅色を帯びてきて、一気に妖艶になっていったこと。

時間帯によってこんなにも見え方が違うのかと思った。

これだから、桜はこわい、という人がいてもしかたがない。

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でも、夜になってしまえば味気ないコンクリートのビル群も川の色も見えなくなってしま

うから、晴れてない限り都心の桜は夜桜に限るね、なんて話した。

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しだいに提灯の灯りが鮮やかになっていくなか、中目黒に近づくにつれてしだいに人

も露店も(酔客の発する嬌声も)だんだん多くなってきた。寒いなかビールやらスパー

クリングワインやらを片手にそぞろ歩く人たち。地面に座って飲み食いする人たち。

いったい、いつもは真面目くさった顔で年じゅう忙しげにしている日本人が、桜が咲い

たからっていきなり浮かれて自堕落にしているのは外国人から見たらどう見えるのか

な、なんてことを話しながら、私たちも人をよけながら歩いた。中目黒に着くともう夏祭

りの神社の境内並みの混雑で、どこの店も混んでていっぱいだし暗くてなんだかわか

らないしで、とりあえず目に入ったサルヴァトーレ・クォモに、お腹をすかした小さな肉

食獣みたいな子供と一緒に飛び込んだ。

そして帰りも同じように来た道を目黒川に沿って歩いたつもりが、どこでどう間違えた

んだろう。行きにはなかった橋が見えてきた。

そのひときわ明るく照らされた赤い円橋の上から見た桜。

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こうなるともう何がなんだかわかりません。

幻夢なのか悪夢なのか ・・・・・・ いつか夢にでてきそうな桜。

途中、道に迷ったお陰でけっきょく往復4時間くらいは歩いたんじゃないかと思う。

帰りはさすがにだいぶ冷えて風も強くなってきて、最後の目黒雅叙園の脇の急坂で

はちょっと堪えたけれど、久しぶりにいい運動になりました。

昨日は思いがけなく花見ができたこともそうだけど、それ以上に久しぶりに友人と話

せたのがよかった。オープンな性格だからどこにいても知り合いくらいはできるけど、

本当に話ができる友人ってそうそうできるものじゃない。まして、自分のまま、ありの

ままでいられて、それほど言葉に気を遣わなくても通じる相手となると滅多にいない

から、本当にそんな相手は大事だと思うのです。

いまやしじゅう揺れる大地の上で明日をも知れぬ私たち。

だけれど、そう思えばなおさら、伝えるべきことは伝えるべきときに伝えねば、と思う。

そういえば、いつも友人に会ったあと友人が何を着ていたか全然思いだせないと思っ

ていたら、子供のころから母に「人と話すときは目を見て話しなさい」といわれ続けた

せいで、いまでも人と会うと目ばかり見て話しているせいで他のことがまったく思い出

せないんだと気づいた昨日。帰りのホームでMが「今日はいっぱい歩いたからきっと

よく眠れるね」といったにもかかわらず、ふとんに入って目をつぶってもずっと彼女の

アーモンドみたいな目が浮かんで彼女がたえず話しかけるから、その声が気になって

明け方までぜんぜん眠れなかった。

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Moonstone

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折しも満月前夜に届いたムーンストーンのペンダント。

今日は雨だけど満月の気は粒子となって空から降り注いでいるから、夜には水晶さざ

れの上にのせてベランダに出しておく。

一緒についてきたおそろいの淡水パールと小さなレインボームーンストーン、ルビー

がついたピアスは、ゆうべ形のいい耳にロングピアス(ではまだなかったのだけれど)

を揺らしながら歩いてた小鹿みたいなリトル・ダンサーにあげよう。

ローズウッドの香る朝。

今日は浄化の日。

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2013年3月26日 (火)

ひとさじの森の記憶

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昨日終わった『ひとさじの森』家具と灯りの二人展。

きっとやっていたお二人がいちばんあっというまに感じた5日間だったんじゃないかな

あ、と思う。できればもう少しながくやっていただいて、もう1回くらい行きたかった。

これは陽射しは暖かかったけれど大気がきりっと冷えてまだ寒かった3月のある日の

記憶。それは吉祥寺の中道通りをまっすぐ行って、poooLというショップ&ギャラリーの

狭い脇を入った、それと知らなかったら通りすぎてしまいそうなギャラリー百想で。

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まるで誰かの家のような、陽のさんさんとあたる暖かい玄関を入って静かな階段を上

ると、

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そこには、さっきまでとは違う時間が流れているかのような別世界が広がっていて、

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森の住人のような作家お二人の笑顔に出迎えられ、思わず歓声をあげる私たち。

5日間の展示のためだけにしつらえられた壁の色と質感、壁にあいたミツバチの巣、

窓からもれてくる光、金属かと見紛うばかりの十字架、そして一見して住人のコスチュ

ームとわかるクラシカルな白のロングシャツ。 そこに置かれた小物や細部にいたるま

で、まるで絵画のようなのです。

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un jour さんの大作のボタニカルなタペストリー。

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そしてkiki さんの大作のシャンデリア。

あいにくここは火は使っちゃいけないってことで灯したところは見られなかったけれど、

このキャンドルぜんぶに火を灯したらどんなに素敵だったでしょう!

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un jour さんとkiki さんの世界が見事に融合した整然としてあたたかな世界。

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おなじみun jour さんのつばめキャンドル。

奥に見える素敵なデザインはもちろん、bonetune. records さんのもの。

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このドア、ドアにかけられた3のオブジェもこのまま家に持って帰って自分の部屋の

ドアにしたいくらい、雰囲気があって素敵なのです。

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もうここに住みたい! 鼻血出そう! を連発していたコトリさん。

実はここに来て早々にサプライズギフトを渡すシーンがあったのでした。

kiki さんとun jour さん共通のお友達からのブーケとメッセージカード。

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ほんとに思いもよらないことだったらしく、突然のサプライズギフトにびっくりする二人。

そして、カードを差し出すコトリさんの、まあ、なんとも嬉しそうな笑顔。

このときばかりはコトリさんが、背中に羽の生えたしあわせを運ぶ天使みたいに見え

ましたっけ*

そして花とカードをもらった二人は、そろって白のコスチュームでなんだかウェディング

みたいです。血のつながった姉と弟みたいに気の合う二人。

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私もしあわせなエクリュの森をさくっとひとさじ分けていただいて、あたたかな気持ちで

帰ってきました。

un jour さん、kiki さん、素敵な二人展をありがとう! ( ̄(エ) ̄)ゞ

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2013年3月25日 (月)

ヨギ・ティー

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雨の月曜日。

いつものことだけど、桜が咲くと花冷えになる。

今朝はだいぶ冷えた。

それで冬の寒いあいだお世話になったヨギ・ティーを。

フレッシュなレモンの香りときりっとしたスパイシーなジンジャーの味は、クリッパー

ティーのレモン・ジンジャーより好み。

それに今日はハチミツとさらにレモンを添えて。

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2013年3月24日 (日)

お野菜たっぷりAmarプレート

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友達との何年越しかの約束がかなって、カフェ・アマルでランチ。

そしてこれはある日のアマル・プレート。

内容は説明されたけど忘れちゃった。

ひよこ豆のココナツ炒め、鶏肉とゴボウのクスクス風、そんな感じだったかな。

とにかく野菜いっぱい。

このブロッコリーがトロピカルな味つけでおいしかったのだけど、なんだったんだろう?

ご飯はタイ米で、アフリカでの食事を思いだした。

アフリカではとにかくごはんがおいしくておいしくて、朝からたくさん食べましたっけ。

お昼はたいてい移動中のパジェロの中で、何も入ってない塩おにぎりとバナナとかな

んだけど、朝と夜は食堂でビュッフェ。和洋中アフリカ、なんでもありました。

このプレートにフルーツグラノーラのかかった小さなヨーグルトと飲みものがついて。

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無類の珈琲好きでありながらお砂糖をつかう邪道の私。

オーガニックシュガーが入ってるこの小さな木の器がかわいかった。

こういうのも作ってみたいもののひとつ。(私はただいまじっくり糸のこ物色中。)

人が作ってくれたごはんをゆっくり味わって食べるしあわせ。

プライベートでは滅多に会えない友達が目の前にいるのに、なぜか言葉をなくしてぼ

んやりしている午後のわずかな時間 ・・・・・・

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すずらんとカレンデュラ

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昨日、ホームセンターに培養土を買いに行って見つけたすずらん。

小さくてもすごくいい香り。

よかった、今日は天気予報は外れたらしい。

一日曇りの予報が午後2時を過ぎたころからだんだん晴れてきた。

朝は曇り空の下、寒さでまるまっていたカレンデュラのつぼみも、暖かい陽射しのなか

でゆっくりひらきはじめた。

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Petit Point

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あなたは一見、脆弱そうに見えて実はとっても強い人だからこんなことは思わないか

もしれないけれど、私はときどき何もかもが嫌になってしまう。いままで自分がこの目

で見て信じてきたものがまったく意味のない俗っぽいもののようにさえ見えて、なんだ

かひどくばかばかしく白けた気分で、自分の目さえ節穴だったように思えて。

おなじ1人の人間から時を経てなんども傷つけられる。

当の本人の厚顔無恥ともいえる有頂天をよそに。

そんなことで傷つく弱い自分も嫌。

そんなとき見た速水御舟の『名樹散椿』は凄かったな。

子どものころから『西洋かぶれ』と呼ばれた私が日本画にあんなに打たれることって

滅多にない。

それからまた編み物をはじめて、なんていうことなしに近くにいた娘に「スプートニクの

恋人を貸して」といったら、今朝、私の机の上に置いてあった。

それを開いてびっくりした。そして懐かしかった。

いつか吉次さんにもらった桜の花が栞にしてあったから。

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この何気ない鉛筆の線書きを見ても、まんなかのいろんな色のてんてんを見ても吉次

さんのピュアさがわかる。

これをもらったときもたしか私はちょっと元気がなかったんだと思う。

たぶん、疲れた顔をしてた私に吉次さんはこの花を渡して「ほら、花が咲くんだよ! 

春はすぐに来るよ!」といってくれたのだった。

そのことを思いだしたらまた光がキラキラしだしたみたいだった。

小さな不意打ち。

こういうのってささやかだけど日々の小さな救いじゃないかな。

そして人のこころにそんな魔法がかけられる人こそ真のクリエイターだと思う。

なんだかまた吉次さんに会いたくなった。

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2013年3月22日 (金)

卒業シーズン

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お店をやりたいと憧れる人は多いけど、お店を実際にやっていくのは大変だ。

365日、止まらないメリーゴーランドに乗ってしまったようなものだもの。

そして花屋はいま卒業シーズンで書き入れ時。

忙しいのはわかってるから、食卓の花だけささっと買って帰って来た。

もうすぐ会えなくなってしまうラナンキュラスを3本と、ビバーナムとユーカリ。

花束を巻いたペーパーに留めてあるのはミモザ。

今日の花束は野菜のような緑がポイント。

荒ぶるライオンのようにやってきた、落ち着かない3月もあと9日で終わり。

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大人のチョココロネ

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たまーに国分寺経由で出かけたときにハッと思いだしたときとか、娘と買い出しに出

たときとかに買うくらいで滅多に買えないのだけれど、私の好きなもの。

キイニョンの大人のチョココロネ。

その名の通り、ベルギーのベルコラーダ社のチョコレートで作られたという濃厚でビタ

ーなチョコクリームは絶品の大人の味。これはほんとに子どもになんか食べさせられ

ない。朝の珈琲にもすごくあう。

でも1個じゃ、ぜんぜん足りない。

ばくばくっと3つくらい食べちゃいたいと思うくらい、おいしいチョココロネです。

これは涼しい期間の限定商品で、本格的に暑くなる6月ころには終わってしまうとか。

そして、このところ毎朝飽きずにアスパラばかり食べている我が家。

緑の野菜のなかではいまアスパラガスがダントツにおいしいので、アスパラを見ると

ついつい買ってしまう。ほかに代わりの野菜がみつからない。

いっそアスパラガス畑がほしいと夢見る今日このごろです。

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2013年3月21日 (木)

『ひとさじの森』はじまりました。

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その家具を置くだけで場の雰囲気を一変させてしまうようなアンティークなニュアンス

を持った素敵な家具を作り続けているkiki さんと、限りなく透き通った世界でありなが

らナチュラルで温もりのある羊毛とキャンドル制作でいつも魅了してくれるun jour さん

の『家具と灯りの2人展』が、今日から吉祥寺のギャラリー百想ではじまりました。

2人の世界のイメージカラーは白なのだけど、純白じゃない。上質のアンティークのコ

ットンシャツのような、生クリームのような、バニラアイスクリームのような、もこもこの

子羊のような、やわらかくてあたたかみのあるエクリュ。

そんなエクリュの森をさくっとひとさじ掬って、あなたのおうちに連れ帰ってくださいね。

きっとその夜はエクリュの森に迷い込んで、不思議な妖精にであう夢を見る。

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そんな2人展は今日からはじまって今月25日(月曜)までです。

詳細は百想さんのホームページをご参照ください → Gallery re:tail



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チリビーンズ・パスタ

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昨日は疲れたのか夕方うっかりうたた寝しちゃって、そしたら夕飯の買い物に行くのが

すっかり面倒になっちゃって、ありあわせで作ったもので夕飯をすませた。

今朝は今朝で朝のパンがないから、おととい作ったチリビーンズにペンネを入れて食

べた。このチリビーンズ、私はチリビーンズのことなんてすっかり忘れていたのだけれ

ど、一昨日めずらしく娘が食べたいというので作った。そういえばこれもデトックスメニ

ューだった。ニンニクとタマネギとセロリのみじん切り、それに鶏ひき肉とトマトのカット

缶、豆はレッドキドニーと大豆を入れて、チリペッパーとコンソメと塩コショウで味付け。

肉を入れずに豆を大豆だけにするとさらにデトックスレシピになる。

そういうわけで今日は朝からパスタ。

これはこれでおいしかったです。

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2013年3月20日 (水)

お彼岸の中日

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お彼岸の中日の今日は父と妹と母のお墓参りに行った。

朝の待ち合わせのことで父から3日続けて同じ内容で電話がかかってきて、ついにボ

ケたかなと思ったけれど、この人の心配性はますますきりがないらしい。

それでも、お墓の掃除をして花をたむけ、お線香をあげて手を合わせ、ひととおりのこ

とをすませたら父の顔が晴れ晴れしたのが印象的だった。

都内ではもう桜がかなり咲いたというから、路線の時間を調べるついでに昨日このあ

たりで桜を見られるところを探しておいた。それで父には「まだ咲いてないかもしれな

いけれど、帰りにお散歩がてらちょっと行ってみようか」といってみるのだけれど、ふだ

んどこかに行きたい行きたいといってる癖に、いざ人が行こうというと「脚が痛いから

行かない」とかいうのだ。それならお腹も空いたことだしさっさと帰ろうと、来た道を再

びバスに揺られて駅まで戻ると、もう午後1時だ。切符を買おうと私が券売機にお金を

入れてたら、妹がやっぱりさっきのところにちょっと行ってみようといいだして、一駅だ

け電車に乗って行ってみることにした。いままで降りたこともない、見知らぬ駅。

降りてみるとそこは想像以上に辺鄙な町で、駅から十数分歩くあいだに飲食店の一

軒もない。途中、大型スーパーマーケットとツタヤとモスバーガーが一緒になったショ

ッピングモールみたいなものを見つけて、しかたなくモスバーガーでお昼を食べた。

てっきり父はファーストフードなんて嫌いなんだろうと思っていたら、意外にも機嫌よく

食べていて面白かった。

そして初めて見る入間川。

川べりの桜並木はまだ一分咲きにもなってなくて、なんとも殺風景な風景ではあった

けど、たしかにこれが満開になったらすごくきれいだろうなと思った。浅い川の中には

シラサギが2羽、水の中にくちばしを突っ込んでエサをついばんでいて、橋の横の看

板には「4月某日からワカサギ釣り解禁」とあったから、川の水もけっこうきれいなの

かもしれないね、と話しあった。

それにしても本当に何もない町で、あたりは休日の郊外の退屈な空気に満ち満ちて

いて、舗道を歩いていると今日がいつでここがどこで自分が何をしているのかが全く

わからなくなりそうなほどだった。

駅前で、小さな花屋の店先に置かれていたポット植えのカレンデュラひとつ100円と

いうのが目に入って見ていたら、妹は枯らしてしまった母のジャスミンの代わりにこの

ピンクのジャスミンを買うというので、私もカレンデュラを2つ買った。店の若い男の人

が「コーヒークリームという品種です」と教えてくれた。コーヒークリームとは珈琲好き

の私にぴったりの名前だ。

青山ファーマーズマーケットで買ってきたカレンデュラはまるで線香花火のように、陽

のあるあいだじゅう咲き続けてあるときぱったり枯れてしまったと思っていたけど、一

年草ならそういうものだったのだ。

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今日は朝から蒸し暑く、終日しろっぽい薄曇りで、なんだかさびしいような春の日。

けれど日が真西に沈むお彼岸の中日である今日に、故人の霊を供養すると迷わず極

楽浄土に行けるといわれているそうだ。

来月は父の82歳の誕生日。

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2013年3月19日 (火)

春はほろ苦い

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いきなり夏日。

窓をあけるともわっとした大気が入ってくる。

最高気温24度。

5月下旬の陽気だそうだ。

今年は何もかもが極端でスピーディー。

いきおいエデンなんかかけてリネンのシャツにアイロンをかけてたら、娘がトレイシー

ソーンの声を「男っぽいね」というから、「そこがいいのよ。中性的で」といった。

まるでガラス越しに風でさんざめく緑の木立を見ているような音楽。

トレイシー・ソーンの憂いを帯びた硬質な声はクールで中性的で、そのなかにほろ苦

い色っぽさがある。ベン・ワッツのほうがむしろ繊細で女々しいくらいで、ちょっとチェ

ット・ベイカーみたいだ。どちらにしてもユニセックス。そしてユニセックスがやっぱり好

きだ。昔さんざんガーリーはやったからもう思い残すことはないし、これまでも、これか

らも、いくつになっても女を引きずらない白いシャツの似合う軽やかな少年のようでい

たい。とそんなことを思いつつ、最近ますます珈琲がおいしくて、おまけに珈琲をいれ

るとついチョコレートを食べてしまう。毎年のことだけど、これってたぶん季節的なもの

で、毎年2月くらいからチョコレートを食べ始めて気づくとチョコホリックになっている。

たくさん食べるわけじゃないけれど、珈琲をいれるたびにチョコを食べるってどうよ、と

思う。でも、なかなかやめられない。そして気づくといつのまにか胃をやられてしまって

いる。実は今朝も胃の痛みで目覚めたのだった。これはまずい。

で、デトックス。

春は冬のあいだにからだに溜めこんだ老廃物を外に出して細胞を活性化する季節

だから、デトックスにはぴったりだ。それでさっそく昼に買いものに行ったときに旬の

野菜を買ってきた。たらの芽とつぼみ菜。ほろ苦い春の味。

今日の夕飯は春野菜の天ぷらにしよう。

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2013年3月18日 (月)

サナギ

13shinme

またもや気違いじみた風が唸りをあげて吹き荒れる、月曜。

午前中、ついにベランダの物干し竿が落ちた。

風に吹き飛ばされたTシャツを娘がひろいに行った。

視界はどこまでも埃っぽく黄色く濁ってる。

外は暑いくらいだけどマスクなしにはとても出られない。

春ってどうしてこうも凶暴なんだろう。

吹き出たばかりのバラの新芽も思うさま風に煽られている。

ここ数年、毎年これでバラをやられている。

昼過ぎ、マスクをして目深にかぶった帽子のつばを押さえながら買い物に行く。

これじゃあ、まるで害虫駆除のおばさんみたいだ。

帰りにプルーデンス君の家の前を通ったら、プルーデンス君、ベランダで風に背を向

けるように柵によりかかって煙草を吸ってるところだった。いまの季節は急激に乱高

下する気温・気圧の変動のせいで、ふつうの人でも自律神経失調気味になるときだか

ら、もともと薬のお世話になっているような人にはなおさらキツイだろうな。鬱屈と衝動

って、背中合わせの力だから。そのあいだでバランスしてるのって。

春はどうしようもなく不穏で、不安定で落ち着かない、わけもなく不安を駆り立てられる

季節だから。こう、う~~~んと思いきりからだに力を溜めていきんだら、サナギが蝶

になるみたいに背中からバリバリっと羽が生えて変容しないかな、僕たち。

君もいいかげん、飽きてそこから降りてきたらいい。

もし変容の血がいまでも騒ぐなら。

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2013年3月16日 (土)

桜の開花宣言

13kawaduzakura_2

昨日は肌寒いくらいだったのに今日は外に出ると暑いくらいだ。

それに昨日は飛んでなかったスギ花粉がまたもや飛びはじめた。

ラジオを聞いていたら今朝、気象庁が東京の桜の開花宣言をしたといっていた。

平年より10日、昨年とくらべても15日早く、いまの観測方法になってからは過去最速

だという。思わず、そんなに急いで咲かなくてもいいのに、と思う。今年早いのは季節

の移り変わりだけじゃないけど、なんだか年じゅう時間に追い立てられてるような気が

して疲れる。桜くらい、ゆっくり咲いて、余韻を残しながらゆっくり散ってくれたらいいの

に、と思う。もちろん、そんなこといったって意味がないのはわかってるけど。

プール帰りに水道道路の前を通ったら、河津桜が満開になっていた。

その隣りの名前のわからない白い桜も ・・・・・・

13sakura_01

泳いだあとは代謝が上がってますます暑く、スーパーで買い物をしてるときに何気なく

アイス売り場を覗いたら、変わったシャーベットが売っていたので買ってきた。

アイスを買って、暑い、暑いといいながら部屋に入ったら息子はストーブをつけていて

驚いた。この時期は部屋の中でじっとしてるほうが寒い。

13sorbet

高知アイス、とあるこのシャーベット。

高知産のオレンジとぽんかんと文旦を使ってるらしい。

こういう地方色豊かな商品って好きだな。

私は土佐文旦のを食べたのだけれど、ひと口食べて「苦い」と思った。

その苦味は最後まで続いて、これだけ苦いと子どもは駄目かもしれないけれど、私に

はむしろこの苦味がいまの、春のからだにいいような気がしてとてもおいしくいただい

た。作りものっぽくない、自然で素朴でさっぱりした味の大人のシャーベット。

さて、ここで夏好きの私がため息とともにいうのは、

もう夏だなあ ・・・・・・

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2013年3月15日 (金)

kusaさんのCorda

13corda

火曜日の夕方、夕飯の買い物に行こうとして下のポストを見たら、いくつかのDMに混

じって和紙に印刷されたきれいなポストカードが入っていて、どこからかと思って裏を

見ると数年前までハンドメイド・アクセサリーのネットショップをやっていたデザイナー

のkusaさんからだった。

選びぬかれた美しい天然石をふんだんに使い、繊細さと大胆さをあわせ持ったkusa

さん独自のセンスと丁寧な手仕事によって作り出される彼女の作品は、それまでアク

セサリーにほとんど興味のなかった私を魅了した。

さいわい、といっていいのかどうか、当時彼女はアパレルショップのデザイナーの本業

をお持ちでとても忙しそうにしていたから、その制作ペースは不定期でゆっくりで、そ

れで私も数ヶ月おきに新作発表のお知らせをもらうたびに、わくわくしながら見に行っ

ては、たまにほしいものを買わせていただいていた。

そのCordaをkusaさんがクローズしてしまってからどれくらいが経つだろう。

私自身は3.11のときに大事にしていたパワーストーンがいくつも壊れてしまってから

は、アクセサリーどころか石さえ買うのをやめてしまった。でも考えてみたら、Cordaで

買ったアクセサリーはクロゼットの引き出しの中にしまっていたからまったくの無疵な

のだった。私がいま持っているアクセサリーといったら、Cordaで買ったのくらいだ。

それもふだんは滅多にしないけど。

届いたポストカードはそのkusaさんがショップをリニューアルオープンさせるというお知

らせだった。旧姓、とあるところをみると、どうやらネットショップをお休みしているあい

だにご結婚されたらしい。いろいろ環境の変化があったのだろうと思うけど、以前のカ

スタマー・リストもほぼ失ってしまって1からのスタートだという。

夕闇のなか歩きながらオープンの日付けを見ていたら、だんだんわくわくしてきた。

ブランド名を見ただけで頭のなかにパーっとイメージが広がってわくわくするこの感じっ

て、なんて久しぶりなんだろう!

そのCordaが今朝ついにオープンした。

昔は彼女が新作をアップすると、それこそ争奪戦でなかなかほしいものが手に入らな

いような状況だったから、できればこっそり自分だけのとっておきにしておきたいくらい

なのだけれど、今回1から再スタートしたという彼女の作品がたくさん売れてぜひ成功

してほしいから、ここに一度だけリンクを貼っておこうと思う。

天然石のアクセサリーが好きな人は、ぜひ一度のぞいてみてください。

今回、個人的にはブリザーブドフラワーを樹脂加工して石とあわせたピアスが素敵で

した。石と花、という組み合わせが新鮮で、またとてもピュアで繊細な感じで。

私はピアスは開けてないのでできないのだけれど、同様な方も物によってはパーツを

変えてイヤリングにもしてくださるので、気になった方は聞いてみてください。


             HANDMADE ACCESSORIES   Corda



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2013年3月14日 (木)

ふゆじかん・はるじかん

13nitting

気違いじみた南風が一日じゅう吹き荒れた春の嵐のような昨日とは一転、午前中い

っぱい北風が吹き荒れた今日。午後には一気に気温が下がってまた冬に逆戻り。

それに昨夜はかなり揺れた。

このところの気圧や気温の急な変化にからだがついていけてないのか、なかなか寝

つけずにやっと熟睡しかけたときに突然やってきた大きな揺れ。でも全くからだが動

かずに、ああ、もうこれでおしまいになるのかもしれないな、なんて半分眠りのなかで

思った。それなのに自分でも驚いたことは、朝起きていつもの忙しい日常がはじまっ

てしまえばもう地震があったことさえ忘れていて、さらに驚いたのはインターネットのど

こにも昨日の地震がニュースになってないことだった。かなり大きな揺れだったのに

と思うけれど、この辺りは立川活断層の真上に乗ってるそうだから都内近郊ともまた

違う揺れなのかもしれない。いずれにしても、ふつうの日常のなかで自分の死を考え

るときはつい身辺整理のことなんかに思いがおよんでしまうけど、実際の天災による

死はそんなことに一切関係なく突然やってきて、何を考える暇もなくあっけなく逝って

しまうのかもしれないな、なんて思った。今朝。

一日の終わり、夕飯が終わって一段落すると私は食卓で相変わらずせっせとハンド

ウォーマーを編んでいて、それはそれで毎日やってると疲れることだから自分でも何

をそんなに、と思わないでもないけれど、どうやっても落ち着かない春という季節を落

ち着いて過ごすには、どうやらこれがちょうどいいらしい。夕飯が終わってお風呂に入

って寝るまでのわずかな時間。日がな一日、仕事の文章を書いているからもう夜には

メールの返事も書きたくない。そんなことは後回しにしてただ黙々と手を動かしたい。

そうやって黙々と編み物をしていると自然といろいろな人のことが頭に浮かんできて、

いままで自分の作ったものをあげたりしたことのない、あの人にも作ろう、なんてつい

思ってしまうからますますきりがない。

お風呂から上がってきた娘が頭にタオルを巻いてやってきて「よく飽きないね」という

から、「延々と同じ編み方で長いマフラーを編んでるより飽きない。それにマフラーよ

り気を使わなきゃならないところが多いから集中力も持続するし。片手くらいなら短時

間で編めちゃうしね」といってたら、こんどは息子が後ろを通りかかるついでに「いくつ

作るの?」というから、「できる限り」と答える。

いまからせっせと編みためて、夏が終わって涼しくなったらまた続きをせっせと編んで

12月になったら『冬のこびと』ならぬ、そうきちサンタになるんだよ。

なんちゅーことをいってみる。

いま編んでいるのはベビーアルパカのアクアマリンとグレイという色のコンビ。

でもこの糸、アクアマリンというよりはグリーン・ジェイドみたいな色だから、これはあの

人だな、なんて思いながら編んでいる。

そうやって、いろいろな人に向けて何かを作っていると、なんだかみんなとお別れする

ような気分になってきて不思議。

今夜は何気なくかけたビル・エヴァンスの『Time Remembered』があまりにも今夜の

気分にぴったりすぎて、いつの間にか思わず聴き惚れていて、手首の一目ゴム編み

が終わったらメリヤス編みに変えなきゃならないところをずっとゴム編みで編み続け

てしまい、貴重な2時間分をほどく羽目になってしまった。Danny Boy のたどたどしい

ようなソロではじまって途中からトリオになり、どんどん生き生きと闊達になってラスト

のTime Remembered まで。まったく無駄のない、ひとつらなりの完璧な選曲。

Love Song が多いのにビル・エヴァンスだと甘くなりすぎないのがいい。

そんなことを思いながら、冬じかんと春じかんのあいだの肌寒い夜を過ごしている。

Time_remembered

BILL EVANS TRIO / Time Remembered

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2013年3月12日 (火)

新月のLittle luck*

13mimosa_2

どうしよう、困ったな、と思っているようなとき、ときどきタイムリーに助け舟のような

ものがやってきて、そのたび「ああ、やっぱり自分は神さまに守られてる」と思う。

新月の朝、ちょっといいことがあって、それはごくささやかなことではあったけれど、

よし、がんばろう、と思えた。

世界はいつも cosmic love にあふれてる。

あなたが小さな光に気づきさえすれば。

新月だ。花を買いに行こう。

13lace

コトリ花店に入ると壁がレース模様になっていた。

ここは行く時間帯によって光が様々に遊ぶ場所。

そして帰り際にコトリさんが「ほら見て!」といって指さしたのは、鳥かごに入った黄色

いスイセンの花。バケツに植えて忘れていたらいつの間にか花を咲かせていたって。

春はどこでもそんな季節なんだね。

13suisen

3月のブーケはいつになくさんざん迷ってこれにした。

花びらがうっすらピンクがかった白いチューリップと青のニゲラ。

春まだ浅き日の白と緑と青。

13spring_bouquet

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2013年3月 9日 (土)

花粉がピーク

13sakura

今日はプールに行くのにリネンのシャツ1枚にラフィアの帽子、いきなり初夏の格好。

でもマスク着用。

以心伝心かハンドウォーマーを編みながらTちゃんのことを思い出してたら昨日の朝

Tちゃんから電話がきた。このメールじゃなくて電話ってところがTちゃんらしくていい。

何かと思ったら私が飲んでるブルーベリーのサプリを教えてって、最近Tちゃんはもの

すごく急いで自転車をこいでて、あろうことかコンクリートの電柱に激突して唇をざっくり

切ってしまったんだそうだ。一瞬、気を失って目が覚めたら地面が目の前にあって、あ

ちこち痛かったけど火事場の馬鹿力で衝撃でひん曲がった自転車を持って家に帰った

ら血まみれで家族に驚かれたらしい。それで、これは慌ててたこともあるけどそもそも

眼精疲労が激しくてちゃんと目が見えてなかったことが原因だと思って私に電話をか

けてきたらしい。聞くだけでもなんとも痛々しい話だけれど、ざっくり切った唇は膿が出

るほどひどかったけど、自社製品のクリームを塗って竹布のマスクをして寝ていたら

みるみるよくなったとのことだった。Tちゃんもこんなことになるまではマスクなんてした

ことなかったらしい。寝るときは竹布マスク、外で打ち合わせのときはカッコつけて知

り合いの染色布作家さんからもらったハンドメイドのマスクをしていてたら、会う人会う

人にかわいいといわれて、いっそそれも売りだしたら、なんてこともいわれたらしい。

私も1月にインフルエンザにかかるまではマスクなんてしたことなかったけれど、あれ

以来マスクをして外を歩くのも平気になった。とくに風の強い日に自転車に乗るときに

は必須。おりしも今年は花粉の飛散量がものすごいということだったから、今年は早

々に竹布のマスクを買っておいた。竹布のことはもう何度も書いているけど、竹布が

世の中にまだそれほど知られてないころTちゃんから「これはすごい布だよ!」と教え

てもらって以来、いろいろなものを愛用している。

慈布、癒し布、ともいわれるほど、竹布は肌につけるとふわっと優しく、温かい。

このマスクはひとつひとつハンドメイドだそうだ。つけてみると超立体。

13takefu

写真は「紅梅」と「くるみ」という色。

息子は「浅藍」というブルーのをしている。

最初はカラーマスクってどうなんだろうと思ったけれど、白いマスクよりかえって肌にな

じむようだ。ただし、形が形だけにオペの助手をする看護婦みたいになりますね。

今年はこの竹布のマスクが新宿伊勢丹のあのハイエンドなビューティーアポセカリー

でも売られるようになったらしい。理由は花粉対策ではなく、夜寝るときにこのマスク

をつけて寝ると、肌の保湿になって女性が気にするところのほうれい線を予防できる

ということらしい。なるほど、もう10年くらいも前に美肌の秘訣を聞いたら「夜マスクを

して寝ているから」と答えたあの百貨店のデコレーターの女性は先見の明があったと

いうわけだ。さすが、美しい人は考えてることが違う。初期の竹布の宣伝に一役買っ

たTちゃんも、竹布マスクがビューティアポセカリーで置くようになったといったら自分

の会社のことのように喜んでいた。

それにしても、ちょっと前まではこれほどじゃなかったのに、いま外に出るとマスク率

の高いこと。マスクをしてない人を見つけるほうが難しいくらい。

気持ちよく晴れた春のこんな暖かい日に、マスクをしてなけりゃおちおち息もできない

窓も開けていられない、洗濯物も外に干せないとは、なんたることだろう。

社会情勢や環境が変われば売れる商材も変わるってことか。

我が家でもとうぶん、マスクにユーカリとペパーミントの精油、それにアレルギー用の

目薬となたまめ茶が手放せなくなりそう。

1番上の写真は水道道路でいつもまっ先に目をひく濃いピンクの早咲き桜。

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ロンド

13rondo

昨日、ポンパドウルで買ってきた大好きなパン、ロンド。

浮き輪みたいにかわいいかたちに思わずパチリ。

クロワッサンの生地のなかにチョコチップとクルミがたっぷり入ったパンは

いつもの濃い珈琲にぴったりの味。

休日の朝のささやかな愉しみ。

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2013年3月 8日 (金)

スノウドロップの新芽

13snowdrop

春の暖かさを通りこして、一気に初夏の陽気になってしまったかのような今日。

朝おきて数日ぶりにバラに水をやっていて驚いた。

去年の冬、コトリさんからもらって備前のコーヒーカップに植えつけたスノウドロップの

芽がいつのまにか出ていた。

カップの中の土はわずかだし、去年は真夏の炎天下でカラカラに乾燥させてしまった

こともあったから、てっきりもう駄目になってしまったかと思っていたのに。

あんなに華奢でひ弱そうな植物なのに、やっぱり冬から春の植物って強いんだなあ。

思わず娘を呼んで見せてしまった朝。

なんだか感激。

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2013年3月 5日 (火)

セラフィナイト

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今年は1月に人生初のインフルエンザにかかって以来なにひとつ計画通りにいって

ないけど、もう3月にしてまだお聴き初めにも行けてないとは、なんたることだろう。

(それどころか今年は味噌の寒仕込みすら終わってない!)

昨日、久しぶりに好きなミュージシャンのスケジュールをチェックしていたら、ちょっと

見ない間に直さんの新譜が出ていて、レコ発ライブもすでに敢行されててびっくりして

しまった。こんなんでファンっていえるんでしょうか。なんだかなあ ・・・・・・ (>_<)

でも、いったん行けなくなると美容院と一緒で行きたい日と行ける日がなかなか噛み

あわなくて、ますます行けなかったりする。それに大体において私にはやりたいことが

多すぎる。いかんせん時間が足りない。手が8本あればいいのにと思う。

バリバリ仕事をしてバンバンお金を稼ぐ私(そんなのがいれば1番なんだけどねー)

家事をする私、文章を書く私、ライブに行く私、友達に会う私、編み物をする私、木工

をする私、粉をこねる私、何もしないで猫になる私、etc,etc ・・・・・・

ま、そんなことはさておき新譜のタイトルになっている『セラフィナイト』。

この石です。

セラフィナイト。別名クリノクロア(斜緑泥石)。

まるで深い森に天使が降り立ったかのような白い羽模様がある、不思議な緑の石。

ロシアのバイカル湖近くがその主要原産地といわれ、非常に繊細で、その名(熾天

使セラフィム)のとおり天使的なエネルギーを持つといわれるヒーリングストーンです。

もう何年も前のこと、このセラフィナイトのきれいなタンブルを探してネットサーフィンし

ていたときに見つけたのは手のひらサイズの、本当に天使の翼がくっきり刻印された

ような鮮やかで深い緑の素晴らしい石だったのだけれど、そこまで美しい石だとさすが

にお値段もよくて、いつか手に入れようとときどき眺めているうちに数年が経ち、いつ

の間にか売り切れてしまっていたのでした。

それでも欲しかった私は、ちょうどそのころとても傷ついて疲れていた友達にプレゼン

トしたかったこともあってこの石のビーズを連で買って、ひとつの連から模様がきれい

に入った球だけを繋いで2つのブレスレットを作った。そのうちのひとつがこれ。

もうひとつのブレスがいまどうなっているかは残念ながら彼女とはもうつきあいがない

からわからない。忘れ去られて部屋のどこかで埃をかぶっているかもしれない。

そして肝心の竹内直さんの新譜のジャケットは、まるで直さんがセラフィナイトの化身

になってしまったようだ。

13seraphinite_01

これはいつか行ったモーションブルー横浜でのライブ盤で、『セラフィナイト』は直さん

のオリジナル曲。

直さんの公式サイトではYouTubeの動画もアップされているし、Amazonでは邦楽

ジャズのアルバムとしてはめずらしく試聴もできるようになってます。

日本屈指のテナーサックス奏者の音を皆さんもぜひチェックしてみてくださいませ。

アルバム『セラフィナイト』については、また死ぬほど聴いてから。

それにしても、収録曲6曲のうち2曲までが石の名前とは、直さんもほんとに石が好き

なんだなあ ・・・・・・

ちなみに昨日はいつも寝るとき左手につけているブレスのかわりにこのセラフィナイト

をつけて寝たら、思いっきり熟睡してしまいました。

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2013年3月 4日 (月)

ハンドウォーマーができた。

13hand_warmer

このあいだから、夕飯が終わって家事も仕事も終わった夜のわずかな時間にちょこ

ちょこ編んでいたハンドウォーマーができあがった。

このハンドウォーマー、指なし手袋というやつ。

以前はぜんぜん興味がなかったのだけれど、この冬は寒かったから外に出るときは

たいていいつも手袋をしていて、買い物をしてレジでお金を払うたびに脱いだりはめ

たりするのが面倒だった。おまけに、そうこうしているうちにカシミアの手袋を片方なく

しそうになって、もういいかげん愛用しすぎて親指に穴があいて自分で繕った手袋で

はあったけど、それでもなければないで不便だったりするので、手袋をはずす必要の

ないハンドウォーマーってやっぱり便利なのかも、と思ったのだった。

それに、いままではなんとなくつけたときの見た目が好きじゃないと思ってたハンドウ

ォーマーだけど、私の好きなカシミアブランドでも出してるところを見ると、いまはこの

形がかえってお洒落らしい。(イギリスでも。)

もっとも、スマートフォン全盛時代になったというのがその大きな理由だと思うけど。

さて、私が初めて作ったハンドウォーマーです。

手袋を作るのはなんと中学生の冬休みの家庭科の自由課題以来です。

いまでもはっきり憶えてるけど、あのときは棒針編みで茶色の地にクリーム色のハー

トの編みこみのあるミトンを作った。母からは初心者の癖に最初からこんな手のこんだ

ものを作るな、といわれたっけな。私はいつもそういうふう。

13hand_warmer_01

Excellent! 

という出来ではないけれど、初めて作った割にはボチボチってところでしょうか。

で、出来はボチボチだけどすごくあったかい。

カシミアは暖かいけど薄いから。

そしてこれはカシミア同様、やわらかくて肌触りはいいけど細くてコシがなくて毛羽立

ちやすいデリケートなベビーアルパカのグレーの糸に、ベビーアルパカ30・メリノウー

ル70のネイビーブルーの糸をあわせて編んだので、厚みもあってしっかりした手袋に

なった。手首と指先はメリノウールが多い糸で編んだからスポンジッシュになって強度

も出た。サイズは細身で、それほど手の大きくない人向けです。

実はこれは、ハンドウォーマーを愛用しているある人をイメージしながら作ったのだけ

れど、さすがに試作品第1号をあげるわけにはいかないから、これは手の小さい父に

でもあげようかな。(あげてもまたしないかな。)

ひとつ作ったら作り方と大体のかたちはわかったから、この試作品をもとにもっと改良

したいいものを作る。いくつ作ったらエクセレントな出来になるでしょうか。

でも、すごく寒かった2月と違って、3月は順調に気温が上がってあっという間に春に

なってしまうそうだから、そうこうしているうちにハンドウォーマーの季節どころじゃなく

なって、また1年寝かせるようになるかな、とも思う。

まあ、それならそれでもいい。

実は私がいまもっともしたいことは木工なのだけれど、でも毛糸に触っていられるあい

だはこのハンドウォーマーを作り続ける。

たぶん、ぼこぼこ作ります!

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2013年3月 3日 (日)

春の儚いものたち

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昨日はものすごい南風で、今日は激しい北風。

3月ってどうしてこうも激烈なんだろう、といったらコトリさんが「3月はライオンのように

やってきて子羊のように去っていく、ってイギリスのことわざがあるくらいだからね」とい

った。ライオン、まさに。

でも外は風でも、ここに一歩入るといつもしんとしているようなのはなぜだろう。

今日、店に入ってすぐに私の目をとらえたのはこの美しい緑のリース。

matin frais さんが作った布花のフェチダス。

13spring_ephemeral

それからガラスケースの中の淡いピンクのミッシェル。

これはプリザーブドだそうだ。きれいな色。

コトリ花店では昨日から『Spring Ephemeral ー 春の儚いものたち ー』というイベントが

はじまったところ。何より、冬から春にかけてのごくわずかな期間にしか出会えないこ

の時期ならではの繊細で美しい花々をこよなく愛し、ちょっと気温が上がってきただけ

でもう夏を思ってブルーになってしまうコトリさんらしいイベント。彼女に会うまでそんな

こと考えたこともなかったけれど、気温が20度を超えるともうラナンキュラスにはお別

れなのだそうだ。花屋だから、ということ以上に花とともに生きている人なのだと思う。

店の中にはそんな彼女の感覚に寄りそうような繊細な布花やペーパーワークの作品

ハーブティーや焼き菓子にアロマキャンドル、このイベントのためだけに作られた香り

(アロマオイル)や音楽があふれていて。

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そして、この空間こそが春の儚い時間そのもので ・・・・・・

ここにいる私たちもまた儚い時間を生きているのかもしれなくて。

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今日は私は今月誕生日の友人のプレゼントに添えるものを買いました。

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一音一音に春の息吹きと光が感じられるような久保田恵子さんのCD『Flower』と、

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matin frais さんのペーパーワーク。

3月は急激に気温が上がって季節が進むそうだから、文字通り今年の春は瞬く間に

儚く過ぎていきそうです。

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浅き夢見し

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雛祭りの今朝はしんどい夢で目覚めた。

しんどい、というより、切ない、といったほうがいいだろうか。

夢を見ているあいだも目覚めてからも映像も音声もすごく鮮明で、どうして私はいまだ

にこういう夢を見るのだろうかと自問自答せずにはいられなかった。

もういまさら何も、本当にもう何ひとつ元にはもどらないのに。

それで以前はこういう夢を見ると一日引きずっていたけれど、いまはもう、水の中に落

ちた青いインクが透明な水に滲んで拡散していくように、じきに薄れてしまうのがわか

っているから平気だった。

我が家の食卓では桜が満開で、私はひと足お先に花見を気取っているけれど、もうす

でに静岡の河津町では河津桜の花見客でクルマの渋滞ができているとラジオのニュ

ースでいっていた。

桃の節句が終わればじきに桜。

開花予報では東京は25日あたりになるらしい。

桜のころにはきっとまた鮮明な夢を見るだろう。

闇のなかをしんしんと降る雪のような桜の花びらの乱舞。

その幻にいまから追われて。

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2013年3月 1日 (金)

春一番

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朝早く起きたのに、バタバタと家じゅうの掃除をしていたら時間がなくなって今朝は珈

琲を味わう暇もなく、あわててマフィンをひとつだけ食べて、仕事の電話が鳴っている

のも無視して駅まで走った。予定通りの電車に乗ってホッとしたのも束の間、約束の

時間に駅の改札に着いてみれば、いつもは私と同じ電車かひとつ前の電車で来てい

る父の姿がない。

こんなことは初めてなので、もしやうっかり忘れたか、それともついにボケたかと心配

になってすぐに返事がくるわけもない妹にメールをしながら待っていたら、1本後の電

車で父がいつものようにのろのろとおぼつかない足取りでやってきた。なんでも出が

けに鳴った電話に出ていたら遅くなったと、ひどくのんきな口調でいう。

今日は先週、うっかり父と妹がすっぽかした父の診察の日。

父の病院の日はなぜか雨になることが多くて、今日は晴れて暖かくてよかったと思え

ばものすごく風が強い。そうじゃなくても父は歩くのが遅いのに、時間に遅れてきても

し受付に間に合わなかったら、仕事を残して出てきた私の今日が無駄になるから、と

にかく急いで歩いてというものの、まだ行きだというのに父は前のめりのいまにも転び

そうな前傾姿勢で、よたよたと歩く。今日は花粉の飛散量が多いうえに砂混じりの強

風が吹き荒れているというのに、ぽけっと口を開けたまま。その呆けたような顔を見て

いると思わず「口は閉める。ウイルスが入る」といってしまう。けっきょく、病院を目の

前にしてもう5分前、というところで父から診察券を奪うようにして私が病院の受付機

まで走って、なんとかぎりぎりセーフで間に合った。走っているとき目に何かが飛び込

んできて、左目がおかしくなってしまった。

この病院は一度予約した診察時間に来ないと再予約はできないシステムなのだそう

で、予約外診察につき時間の入ってない受付票を持って2階に行くと、今日もうんざり

するほど大量の患者であふれている。毎度のことだけどこの景色は気が滅入る。今

日はマスクをしてうるつもりでいたのに朝あわてて忘れてきてしまった。

こうなるともうどれだけ待たされるかわからないから、下で水を買って、父にはどうせ

すぐには順番は回ってこないからカバンをおろしてくつろいで待ってたほうがいいよ、

という。30分が過ぎ40分が過ぎ、お腹はぎゅうぎゅう鳴るし左目はごろごろして涙が

出るから私は持ってきた本も読めない。しだいに父がまたやきもきしだしてカバンの

中から何かを出したり入れたりしはじめる。電光掲示板と私の顔を交互に見ながら

ついに「もう1時間も待っているのに」というから、しょうがないよ今日はビリなんだか

ら、先週すっぽかした自分が悪いのよ、といえば、自分のことを棚に上げて妹のせい

にするだ。まったく人まかせで困ったじいさんだ。

そうこうするうちにやっと掲示板に番号が出て、診察室の前でさらに待ち、診察はわず

か数分で終了。結果はCT画像、血液検査ともに問題なし。で、また3ヶ月後にCTス

キャンとその結果を聞くための診察だ。限りないエンドレス ・・・・・・

病院で会計が終わるころには私は空腹のピークで、「何かおいしいランチでもゴチす

るから食べて帰ろう」というと貧乏症の父はまたもや「おとうさんはお腹が空いてない」

という。このあたりで私もいささか限界がきて、どうしていつもそう自分のことしか考え

られないのといってみるけど、父にはまったく無駄なことだった。帰りも強風のなかゴ

ロゴロする目を気にしながら駅まで歩いて、父を改札まで送ったら自分はどこかに食

事に行くつもりだったけど、改札まで行ったらもうその気力も萎えて同じ電車に乗って

帰ってきた。電車に乗ったら、西武池袋線は突風のため全線運行を見合わせている

とアナウンスが入った。電車が止まってしまうほどの突風って、凄すぎる。父はまたい

つもの壊れたテープレコーダーのように聞き飽きたことを喋り続け、「こんどはお彼岸

にお墓参りだね」といったけれど、私は目をつぶったまま返事もしなかった。父が何か

いって私が返事もしなかったことなんて初めてじゃないだろうか。

家に帰って息子に「今日は終始、不機嫌でした」といったら「そうなの?」と聞き返すか

ら、「父が、ではなくて私がです」と答えた。

子供たちにはいつもおじいちゃんには優しくするようにいっているし、私もいつだって

父には優しくしているつもりだけれど、私だってたまには不機嫌になることもあるんだ

と思った。

ゴロゴロする目は帰りに薬局で買った目薬をさしたら充血はしているけれどゴロゴロ

は治った。そのとき駅前で見た強風に吹き飛ばされそうになっている老人の姿が気

になって父に電話してみると、父はけろっとした様子で「心配ない」と答えた。実はこの

人って変なとこものすごく慎重な人だ。

今日の激しい風は春1番だったらしい。どうりで暖かい南風だったもの。

冬のあいだ、私のベランダの枯れ木のようだったバラの木からは元気な緑の葉っぱが

出てきて、少し穏やかになった風のなかで揺れていた。

先月、父と妹が病院をすっぽかして唯一よかったことは、次の次の検査が盛夏の8月

ではなく晩夏の9月にずれたことくらいだ。たいした違いじゃないかもしれないけれど。

それにしても3月始めの1日からなんだか疲れたなあ。

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弥生三月桜月

13sakura_no_hanabina_2

もう三月。

弥生三月といえばYちゃんの誕生月だ。

去年、あと数日で桜が咲きだしそう、というころに水道道路近くのカフェで会って以来

会ってないけど、彼女は元気にしてるだろうか。

そして弥生三月は桃の節句。

いまごろ日本の女の子のいる家庭にはどこも桃の花が飾られているだろうけど、でも

このお雛さまには、やっぱり桜。

ひしと寄りそっているこの儚げな二人を見ていると、「道行」という日本のふるい美しい

言葉や、北村太郎の詩のどこかにあった「抱きあって時をとめるの」、「いや、違うぞ。

ときがわたくしを消す」なんて言葉がバラバラに頭に浮かんでぼんやりしてしまう。

数日前、4ヵ月ぶりにやっと髪を切りに行った帰りに、桜の一枝がほしくて以前よく行

っていた花屋の前を通りかかったら、思った通り、花屋の店先に大量の桃の花と前後

して桜の大きな枝が束になってバケツに入れてあった。私の花屋の友人はフランスか

ぶれで「桜なんて好きじゃない」という人だから、桜ばかりは他で買わねばならない。

切ったばかりの髪が落ち着かなくて、一瞬躊躇して通り過ぎそうになってから、引き返

して、「すみません。この桃の花じゃなくて、桜をください」と店主を呼んだ。

桜は2種類あって、ひとつは忘れてしまったけれど、枝に小さな薄紅色のつぼみがい

っぱいついた東海桜というのを一枝もらった。たくさんあるなかから彼が良さそうなの

を選んでいるときに「ごめんね。花屋と友達になっちゃって、最近はずっとそっちばか

りなの」というと彼は「そうですか」といたってぼけぼけした鷹揚な感じでいって、やっ

ぱりこの人も繊細な感じでいい人なんだよな、などと思う。ほかに客もいなかったし、

アルバイトの子もいなかったから2人で何やら個人的なことを少しばかり話して、あり

がとうといって店を出ると、店主、店先まで追いかけてきて、「また店の前を通りかか

ったら声かけてください」なんていうから、え? 花を買わなくても声かけろって? 

と思いながら、うんうん、というかわりに手を振りながら帰った。

美容院では「こんどはまたすぐに来るね」といいながらまたもや4ヶ月も経ってしまった

から馴染みの美容師さんには冗談まじりに嫌味のひとつもいわれたけれど、しょうが

ないよね。私はそういうことにマメじゃないんだもん。でも、3月が来る前にぼーぼーた

る髪をさっぱりできてよかった。それに、ただの馴染みの美容師、というより気の合う

友達のようなJ君が元気でしあわせそうでほんとによかった。「東京に来てはじめて人

に優しくしてもらった」という彼は子供のころから特殊な環境で苦労して育って、17歳

から働いていまの店があるわけだから、彼にはほんとに成功してほしいし、しあわせ

でいてほしい。そして夢が叶ったときにはお祝い持って駆けつけるから、ぜひよんでほ

しいなと思う。

私のこんどの髪は春風ふわBOSSA。

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