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2013年2月16日 (土)

甲州印伝

13inden

プールに行けない土曜日。

うっかりおこもりデーを決め込むつもりで、はたと気づいた。

先週スポーツクラブで会えなかったアヤコさんに具合でも悪いのかとクラブから電話

して、今日会うことになったんだっけ。

それで慌てて支度して荷物を持って自転車飛ばして行くと、プールのスタート時間より

遅れること15分。すでにアヤコさんはロビーにはいなくて、フロントで聞くとまだ中にい

るということだったのでジムのほうに入って行くと、ちょうどヨガをやっているところだっ

た。受付にいた男のインストラクターに聞くと「あそこのピンクのトレーナーを着た人が

そうですよ」という。ガラスの近くまで行ってみるけどマットにあおむけになっていて私

には気づかない。あと5分で終わるというので近くのベンチで待たせてもらった。

はたして5分後に部屋から出てきたアヤコさんはすごく元気そうだ。

今日はモタモタしているうちに家を出るのが遅くなって、午前中はプールでは300しか

泳がなかった、という。私なんか今年もう77よ! という人がこの真冬に300しかって

ふつうありえないでしょ。午前中プールで300泳ぎ、それからジャグジーに入ってシャ

ワーを浴びてからトレーニングウエアに着替えて今度は下で体操とヨガをやって。

もう、じゅうぶんです、と私は思うけれどもクラブにはそんなシルバーがたくさんいるわ

けで。素晴らしいとしかいいようがない。私もそんなふうになれるかなあ、と思う。

そしてアヤコさん、私が作った布草履を渡すと「わあ! 素敵。また色がいいわ。赤、

大好きなのよ」とものすごく喜んでくれた。ほんとになんどもなんども「ほんとに嬉しい。

何よりの贈りもの」なんていってくれるものだから、なんだかそれを見ている私のほう

がひどく癒されてしまった。いくつになっても素直に喜びを表現できる人って、つくづく

いいなと思う。

でも、そうはいっても結婚55年を表彰して市から楯と湯呑茶碗をもらって、湯呑茶碗

は某百貨店からのでひとつ五千円くらいはしそうなものだったけど、あんな趣味に合

わないものいらないわ、というあたりは、やっぱり贈りものって誰にとってもお金の多寡

じゃないんだなあ、とも思った。

そしていつもアヤコさんは私にお菓子やら何やら実に母親的な、というか祖母的な懐

かしい包みをくれるのだけど、今年は小さな包みをひとつくれた。

あけてみると甲州印伝、とある。

鹿革に漆模様をほどこした伝統工芸の小銭入れ。

「この緑がすごくきれいだったから。私のは赤よ! 今日着てるのもこんな色だし」とい

ってアヤコさんは濃いマゼンタピンクのトレーナーを引っぱった。

たしかにきれいな緑。

こういう小さいものって邪魔にならないからいいな。

「小銭入れてバッグに入れとくと便利よ」とアヤコさん。

子どものとき以来、小銭入れなんて使ったことないけど、あったらけっこう便利かも。

これは来月の新月の日から使わせてもらうことにしよう。

私たちがベンチで話しているうちにも次々といろいろな人が声をかけて前を通り、さっ

きまで「もう帰る」といっていたアヤコさんは次のクラスのバランスボールに誘われてま

たジムに戻って行った。本当に元気な人だ。

別れ際、アヤコさんが「また来年ね!」といって手を振った。

うん。また来年。

私たちはこんなことをもう少なく見積もっても7年以上はやってるらしい。

7年。

まさしく光陰矢のごとしです。

また1年、お互い元気で来年も誕生月にクラブで会いましょう。

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