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2012年11月17日 (土)

冬空

12fuyuzora

重くたれこめるグレーの堆積。

冬空。

今朝は昨日までより気温が下がった。

いつもの土曜日は娘は家にいるのだけれど、セツのシステムって変わっていて、入学

してから半年までの1級生の授業は月・水・金・で、2級生から上はずっと火・木・土に

なる。つまり2級生から初めて上級生に混じっての授業になるというわけ。

それで今日は娘は私がバスルームにいるあいだに出かけて行った。

それから30分後、私も雨がポツポツと降りはじめたなかを自転車で出かけた。

風もあって、スイミングクラブまでの行きの道は常に向かい風だから、かなり一生懸命

こがないと自転車がちっとも前に進まない。一生懸命こぐとかなり息が切れる。それと

同様、冬のプールは泳ぎ続けてないとすぐにからだが冷えてしまう、でも泳ぎ続けるに

は私には体力がなさすぎる。

今月第3週めは平泳ぎ。

まずコーチから、スタートキックをしてからひと掻きひと蹴りをするときにドルフィンを入

れるようにいわれる。北島康介がやったのが始まりで、いまでは公的にOKになった

テクニックだそうで、ひと掻きするとき、水を後ろに押すタイミングでドルフィンをすると

いう、たったそれだけのことなのだけれど、これがなかなかタイミングがうまく合わな

い。自分の身体能力のなさに嫌になる。この10年で私の瞬発力は見事に落ちた。

でも今日はアフタープールに収穫があった。

ジャクジーで同じクラスの人と今日のレッスンについて話しているとき、私が「すべて

は重心移動がうまくいくかどうかだと思う」と話したら、彼女はかつて、いまはもう辞め

てしまっていない コーチに別の場所で習ったことがあって、そのときに「全ては臍下

三寸だ」と教えてもらったという。つまり、どの泳ぎをするときにも腹筋に力を入れるこ

とで自然に重心が前に行き、上半身の力が抜けて楽に泳げるようになるのだそうだ。

コーチのところに行ったばかりのころは、ひたすら腹筋に力を入れてプールの中を歩

くことばかりを延々やらされて、「自分は泳ぎを習いに来たのに、プールを歩かされる

ばっかりでこれってなんなんだ!」と思ったけれど、後ろから見ているコーチに注意を

されながらしっかり歩いていたら、泳ぐときも常に腹筋を意識して泳ぐことができるよう

になり、すごく楽に泳げるようになったのだという。

「それってすごいね。いいこと聞いた! ありがとう!」と私はいった。

Iコーチには私も以前クラブで習ったことがあるけれど、独特な考え、独特な教え方を

する人だった。それというのも彼女自身はリウマチで片脚が完全に湾曲してしまって

いて脚の長さも違い、陸上では明らかに身障者なのだけれど、水泳のコーチなので

当然といえば当然のことながら、水中ではそんなことをもろともしない素晴らしい泳ぎ

をする。だから彼女の教え方は、ハンデのある人が人並み以上に泳げるようになるま

でに体得した、その自身の経験に基づくからだに無理のないノウハウなのだと思う。

そして、もうひとつの収穫は、いつも草原で草を食んでるロバみたいな顔をして、最近

じゃ泳ぐ前のプールサイドでカバさんのような大あくびをしている彼女が、実はとても素

敵な人だとわかったこと。本好きの彼女は大学の図書館で30年働いたあと退職して

そのあとも本が好きだったからとにかく本に関わることがしたくて、市のボランティアで

本の朗読、読み聞かせとストーリー・テリングをしながら月に一度、自宅の本棚のある

部屋を近所の子どもたちに開放して『絵本の日』というのをやっているという。子どもは

もちろん、大人が読んでも素敵な絵本がたくさんあって、それを気に入ってよく来てく

れたのが Iコーチで、それで知り合いになったのだそうだ。

大あくびのカバさんがそんなことをやっている人だったとは。びっくり。

それで昔から私も、自分に何かできるボランティアがあるとしたら本の朗読をテープに

録音することくらいじゃないかと思っていたから、大いに彼女のやっていることに興味を

持って、こんど彼女の家を教えてもらうことにした。すぐに空想が始まる私だから、『絵

本の日』に子どものお客さんで賑わう彼女の家に、子どもが喜びそうなウサギやリス

のかたちのクッキーをいっぱい焼いて訪問する日をいまから思い浮かべたりして、帰り

も雨に降られながら楽しい気持ちで帰って来た。

「人は見かけじゃわからないね」っていう発見は、実は私にとってはささやかだけれど

最高のギフトかもしれない、と思う。

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