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2012年10月27日 (土)

菊ごはん

12kiku_gohan

今日スイミングクラブに行ったらめずらしく同じクラスのHさんと顔をあわせて、更衣室

で「菊ごはんを作ったからあなたにも持ってきた」といって紙袋を渡された。ゆっくりお

礼をいう間もなく、「ほかの人に知られるとうるさいから黙ってなさい」という。

彼女は私の名前をちゃん付けで呼ぶのだけれど、いつかプールから出てきたら外は

激しい雨で、いいよというのに「いいから早苗ちゃん、これ着ていきなさい」と彼女が予

備に持っていたカッパを貸してくれた。それを見ていた彼女のほかの女友達から後で

「なによ、早苗ちゃん早苗ちゃんって」と責められたのだそうだ。

まったく女って、いくつになっても可笑しいというか子どもっぽいというか ・・・・・・

私なんておよそ男にも女にもおよそ嫉妬なんて感じたことないから、そういうの、よく

わからないんだけど。

泳ぎ終わって更衣室に2人だけだったときにあらためて「ありがとう」とお礼をいうと、

いつも菊ごはんは新米と食用菊が出まわるころに作るのだという。お嫁さんや孫も毎

年それを楽しみにしていて、作らずにいると「今年は菊はまだなの?」といわれるらし

い。「季節の風物詩みたいになってるのね」といったら「そうなの!」といった。

彼女はとても料理上手でサービス精神旺盛でマメなおばあちゃんなのだ。

前には親類のところから買ったという安全な地鶏を塩麹に漬けたものをいただいて、

彼女いわれたとおりただ焼いて食べたらとてもおいしかった。

化粧台の前で並んで話しながら「Hさんは相変わらずマメだねえ。私は作ってもせいぜ

い竹の子ごはんと栗ごはんくらい」といったら「栗は皮を剥くのが大変じゃない」という

から、「でも栗が好きだから剥く!」といった。すると彼女は、私はいつもお正月になる

と出まわる栗きんとんの栗だけのを買って、その汁で鶏肉を煮たところに竹の子だの

きのこだのを入れて、最後に栗を入れておこわを炊く、といったから、それはいいアイ

ディアだね! 私もやってみたい、といった。

菊ごはんをいただいたので、今日の遅い2回めのごはんは予定を変更して帰りにお

肉屋さんで揚げたてのコロッケを買い、急きょお味噌汁とブロッコリーのピーナツ和え

を作って食べた。帰って紙袋を見ると、菊ごはんはお弁当用のケースのなかにきれい

に詰めてあって、別にサランラップに刻みのりが入っている、という細やかさだった。

息子に見せたら興味なさそうだったので食べないのかと思ったら「食べる」という。

意外にも子ども2人はおいしいといって食べた。

子どものころにおままごとで椿の花を食べて不味かったことがあって以来、花を食べ

ることに興味のなかった私も菊ごはんなんて食べるのは初めてだったけれど、ほんと

においしかった。ぴかぴかの新米を酢飯にして、塩ゆでした食用菊に千切りにした大

葉、ゴマにちりめんじゃこが入って、菊ごはんというより、菊ちらし、といった感じ。ほの

かに菊の香りがして。

菊の香り、というと、いつも古い一軒家に住んでいたころのことを思い出す。

11月の朝に雨戸をあけると、どこかからしてきた菊の香り。

それは初冬の訪れを感じさせるとともに、凛として、どこか着物を着た女性を思わせ

た。それもよそいきの着物じゃなくて、たすきがけをして家できびきびと家事をする女

の着物姿。背筋のしゃんと伸びた明治女みたいな。

ごはんを食べながら思わず「ホッとする味だねえ」といった。

古来から日本人は日々の食事に季節を感じる食材を上手に取り入れて、目で舌で

嗅覚で愛でながら食してきたものだけれど、それも年々、すたれつつある気がする。

こういうことをする女の人が一家に一人いるのといないのとでは大違い。

それが育ち、ひいては文化につながるのだと思う。

年じゅう見かける茶髪や金髪でツケ爪、ツケマツゲでiPhon片手に子どもにコンビニで

買ったおにぎりを食べさせてるヤンキーママにはとうてい実現できない世界。

私にできることには限りがあるにしてもせめて自分の家では大事にしていきたいなあ

と思う。

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おうちごはんがいいよね!」カテゴリの記事

コメント

うちの母もプールに通っていますが、他の人に色々言われないように・・・と
苦労しながら色々持っていったりもらったりしているので、どこも同じだなぁと
思いました。
菊ご飯、私は食べたことがないです。
そういう季節を大切にすることも、我が家では少なくというかほとんどなくって、
それでも何かしたいなぁと秋が深まっていくのを見守るばかり(笑)

投稿: ノブタ | 2012年10月28日 (日) 21:17

ノブタさん、
お久しぶりです。
そういえばお仕事みつかった?
なんだか急に寒くなっちゃいましたね。

私は週1スイマーだし、私と同年齢のメンバーはあまりいないから、私はそういう煩わしさとは無縁です。
相手のいるスポーツと違って、相手がいないとできないというような面倒臭ささがないところも自分にぴったりだと思ってます。
でも毎日のように通って顔をあわせてると、やっぱりそうもいかないみたいね。
女の人はとかく人の噂話が好きなので。
私についてもときどき好奇心の強いおばさんが何かいってるみたいだけど、私は気にしないで無視してる。
単純にからだを動かしてストレス解消の場で、ストレスを受けるのは嫌だから。
それで、私の場合は年の離れたちょっと母親的、祖母的な人が優しくしてくれるので、
それはとってもありがたいなと思ってます。

菊ごはん、私も初めて食べたけどおいしかったよ!(^-^)
ちょっと発見でした。
そういう発見をくれる人もありがたい。

ノブタさんのうちは男ばっかりだからどうしても男化しちゃうと思うけど(何をやっても関心のない人が多くて)、でも紅一点なんだからノブタさん1人でも何か楽しみを作って楽しめばいいのよ。
関西は関西で、また関東とは違ったいろいろな季節の楽しみ方があると思うしねwink

投稿: soukichi | 2012年10月29日 (月) 00:01

菊ごはん!
おいしそうですね~
香りもするんだ~?
今度作ってみます♪

ところでブロッコリーの
ピーナッツ和えとは?
それもよかったら
作り方教えてください!

投稿: あたしベイベー | 2012年10月30日 (火) 13:01

おお、あたしベイベーさん、久しぶり!
相変わらず元気でしたか?smile

ブロッコリーのピーナツ和えなんて、料理のうまいベイベーさんにいまさら教えるようなもんじゃないのよ。
スーパーに行くと『ピーナツ粉』っていうのが袋に入って売ってるから、それを『ほうれんそうのゴマあえ』作るのと同じ要領で、いつもよりブロッコリーを小分けにして気持ちやわらかめに茹でて、ゴマと半々くらいの量でピーナツ粉入れてあえるだけです。
最近は、ほうれんそうもいんげんもそんな感じで食べてるけど、半分ピーナツ粉にすると芳ばしくておいしいよ♪
野菜炒めの最後にかけたり、いろいろ使えます(^-^)

投稿: soukichi | 2012年11月 1日 (木) 13:04

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