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2012年9月 6日 (木)

長月の火灯し頃

12nagatsuki_3   

夕方、雨がやんだからさんざん着てやわらかくなったフィグいろのリネンのワンピース

にミックスパープルのソックスを履いて、もうほとんど癖っ毛あたまのカムフラージュ用

と化したラフィアの帽子をかぶって買いものにでたら、またもやポツポツと雨が降って

きて瞬く間に着ている服を水玉模様にした。

今日も蒸し暑かったけれど雨が降ったあとは少し、暑さがやわらいだようだ。

この季節、曇って昼間から暗くなり、雨が降ってきてそのまま夕暮れに突入したりす

ると、私はもういきなりさびしい。もう探したって君はどこにもいないんだ、という気持

ちになって心細くなる。

そんな思いで雨に追い立てられるように帰ってきて、1階にある集合ポストをあけたら

相変わらずDMと請求書とゴミ同然のチラシばかり入った私のつまらないポストのなか

に、見慣れた同僚の(というよりもうほとんど友人のような)書き文字の封書をみつけ

て嬉しくなった。階段を上りながら封をあけると遊書をやっている彼女の風情のある

お手製のカードがでてきて、こういうところ、彼女ってほんとにマメな人だなあと思う。

昔、あなたの手紙は短編小説みたいだ作品みたいだ、だから捨てられずにとってある

とよく友人からいわれたけれど、最近ではもう滅多に手紙を書かない。昔はどうしてあ

んなに手紙が書けたのかも、もうわからない。

ポストにあったもう一通は『百草の庭』さんからのDM。

長月の火灯し頃、とある。

カレンダーを見ながら、くがつ、じゅうがつ、じゅういちがつ ・・・・・・ と、ただ月を発音

するだけでもそこになんらかの趣きを感じて好きだと思うのは私が単に日本人だから

だと思うけど、長月、といったらさらに趣きは深まる。白露、といったらもう歌のよう。

つまらないDMが多いなか、こんな葉書きだったらいいなと思った。

秋の日はつるべ落とし、の日が暮れる前に、キャンドルに火を灯そう。

そして深い香りの珈琲をいれよう。

長月、は夜長月。

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