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2012年9月30日 (日)

嵐の前

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一本だけ残った赤いバラ。

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外はこれから嵐になる模様 ・・・・・・

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2012年9月28日 (金)

秋のデュセス・ドゥ・ブラバン

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秋のデュセス・ドゥ・ブラバンはピンクが濃く出て、ふわっとまるい、お雛様のぼんぼり

のよう。

咲くと純白のフェアビアンカも、なぜかつぼみはほんのりピンクでかわいらしい。

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今日は一日曇りなのかと思ったらとつぜん晴れて青空になって、やったね! と思っ

ていたらまたすぐに曇ってしまった。

かなり大型の台風が近づいてるみたいで、『月曜・暴風雨』のマークを見ながら、たく

さんつぼみをつけたバラが暴風で駄目になるんじゃないかと私はいまから心配です。

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2012年9月26日 (水)

誕生日の赤いバラ

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数日ぶりに爽やかに晴れた秋の日。

息子の1日遅れのバースデー。

先日コトリさんに「今年もまたお願い」といったら「あれからもう1年たつのね。1年って

ほんとに早いね。でも今年はまかせて」といって市場で見つけてきてくれた赤いバラ。

ローテローゼかと思ったら、なんと『サムライ』という名前のバラだそうです。

小さいころから「1番好きなのは真っ赤なバラ」という息子の誕生日のブーケ。

真っ赤なバラの花束なんて抱えて花屋から出てきたらやっぱり何事かと思うよね。

コトリさんから出てきたところを庭で水やりしていたお隣りのクスクスさんに見つかって

「まあ、素敵 ♡ どうしたの?」というから、かくかくしかじかと話したら、「かわいいわ

ねえ。何年生?」などとおっしゃる。「もう何年生って歳じゃないのよ、大きいの」といっ

て笑った。

息子いわく、今年コトリさんが選んでくれた赤いバラは完璧だそうです。

つまり赤いバラの王道、ってところ?

家に帰って花瓶に生けたら、もうそれだけで部屋の中がパッと明るくなってスペシャル

な食卓になった。でも今日の夕飯は昨日ビーフシチューを作っておいたから、あとは

サラダのかわりにカプレーゼを作ってパンを切って、食後にケーキと珈琲、といたって

簡単です。

それから今日、コトリさんから「プレゼント!」といって渡されたかわいらしい包み。

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あけたら、天使の羽でした。

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今年、私が着たきりスズメの息子にプレゼントに買ったTシャツとヨットパーカに付いて

いたのもクロスだから、何やらシンクロニシティ。

この息子、そんなことにお金をかけるのがもったいないからといって携帯を持たなくな

ってもう5年? ここ2年はギターを買うのにお金を溜めていて洋服どころじゃないらし

く、いっつもおんなじ格好をしてるから見るに見かねて去年も今年も服にした。

でもこの人、小柄で華奢なうえにとにかく着ごこち重視、肌触り重視の上質素材志向

だから安物とはいかず、高くつく。去年のedition の色違いのワッシャーシャツも奮発

したと思ったけど、今年はさらに奮発することになってしまった。

でもそれでもいいかな、と思う。

今年は思わぬところで息子にびっくりさせられた、というか助けられた。

徳は陰で積んでこそ意味がある、という人なのでここには詳しく書かないけれど、それ

は彼の長男的な一面でもあって大いにびっくりさせられた。すごく心配性なところが自

分に似ていて、またそれをなかなか人にわかってもらえないところも似ていて損だなあ

と思うけれど、この非力な母親のシャビイな片翼飛行につきあっているうちにすっかり

リスクマネージメントをする人になってしまったらしい。この秋は秋で、親子でまったく

同じ思考回路でまったく同じことをしていて可笑しかった、というか目がまんまるにな

った。とにかく私としてはすごく助かったけど、息子には「ギターを買うならローンなん

かで買っちゃ絶対だめだ、お金を貯めて現金で買ったほうがいい」と進言してくれる

年上の友達なんかもいて、思いのほかまっとうな人間関係を築いてるんだな、とも思

った。つまり、いつだって知らないのは親ばかりなり、ということなんでしょう。

テレビは面白くないからピンポイントでしか見ないけど、昔からネイチャーもののドキュ

メンタリーが好きでシロクマとかペンギンとかクジラの生態を見ていると、動物の母と

子の関係は最近の人間なんかよりよっぽど情愛深いのにその蜜月期間はごくごくわ

ずかであっという間に子別れの時期を迎え自然はあまりにも過酷で個々の生は酷薄

として淡々とどこまでも孤独だから、見ている私は「あたしにはこれは無理だ!」と思

え、少々面倒でも長丁場であろうとも人間のハハでよかった、と思ったりするのです。

そして今年のバースデーケーキ。

本当は息子が「生まれてこのかた食べたチーズケーキのなかでこれが1番おいしか

った!」と絶賛したチーズケーキを友達に頼んでいたのだけれど、彼女が海外出張

から帰ったばかりでバタバタしていたのと愛用のオーブンが酷使しすぎて壊われた

とかで、新しく買ったオーブンの具合がまだつかめないから来月にして、といわれて

いつものように近所のシュマンのケーキ。

ここにも天使の羽が ・・・・・・

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今年も平和にこの日を迎えられたことにホッとしたり感謝したりしつつも、世間では親

に捨てられたり育児放棄されたり虐待されたりする子どもが年々どうしようもなく増え

続けている現状と、それを支援している人たちの涙ぐましい活動などを見るにつけ、

私もいつかこういう仕事をするかもしれないなあ(でも、それに必要なのは・・・・・・)

と、まじめに考えたりしている。この先、日本はどうなるのか。あきらかに自分が若い

ころをすごしたふわふわした時代と違って厳しい現実ばかりが見えるいま。

それでも、Tomorrow never knows。ほんのちょっとのことでも明日が変わることを信

じて子どもたちには希望をなくさないで愛ある人生を送ってほしいと思うのです。

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宵月夜

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今日のおっとりとやさしい月 ・・・・・・

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2012年9月25日 (火)

雨のあさ、息子の誕生日

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わずかに雨ののこる朝。

昨夜も携帯に豪雨予報が何回も入るほどよく降った。

今朝もひんやりと肌寒い。

ほんとにここ数年、「暑い」から「寒い」への移行が極端すぎる。

今日は息子の誕生日だけれど息子は不在だ。

「誕生日はぼく、いないからね」といわれたのはもう数週間も前のこと。

「じゃあ、誕生会もやらなくていい? ケーキもなし?」ときいたら、

「やる。ケーキもいる」といわれた。

なので、ケーキは明日、花も明日、プレゼントも明日、誕生日の夕飯も明日、だ。

いずれにしても母は忙しい。

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朝食のとき、とりあえず明けたのでおめでとう! いまのご気分は? と聞いたら、

「緊張してます」と返ってきた。

どうやらうちはみんな緊張しいらしい。

いつも緊張してると常に交感神経優位で免疫不全系の人にはよくないから、緊張すべ

きところは緊張して、ゆるめるところはゆるめたほうがいいよ、といった。

ローズマリー、ラヴェンダー、フランキンセンス、それに今日は鼻がちょっとグスグスす

るからユーカリをプラス。ゆっくり深呼吸。

今朝咲いたのはシャルロット。

明るいレモンイエローの朝。

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2012年9月24日 (月)

Aの日

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出がけに玄関で「水彩の日は緊張する」といって出かけた娘が、「今日はじめてAをも

らった」といって帰って来た。今日は人物水彩の日。

おおAか、そりゃすごいね! めでたい。というとまんざらでもないような顔をしている。

セツに入って4ヶ月めにしての初A。

なんでもAをもらうと名前を書いて置いてくるのだそうだ。

それをロビーかどこかに貼られるのだそう。

「それ、終わったら持ってきて見せろよ」と上の子がいつものように偉そうな口調でい

い、「やだよ。見せない」と相変わらずの口調で下の子がいい、「いまから世に出よう

って人が、人に絵を見せられなくてどーする」という母がいて、しばし、わいわい。

これもまた楽しからずや。

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2012年9月23日 (日)

君や僕にちょっと似ている/奈良美智展

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もう行けないかと思ってあきらめかけたけど、ぎりぎりセーフでやっと行けた!

横浜美術館、奈良美智展。

私が奈良美智の絵を知ったのは吉本ばななの本の装丁や挿絵が最初で、いつか友

人と行った原美術館でたまたま『奈良美智の部屋』みたいなのを見たときも、この人

はインナーチャイルドのアーティストだな、と思ったくらいでマニアじゃないからよく知ら

ないし、いままで特別すごく興味があったわけではないのだけれど、やっぱり原画を

見たらぜんぜん違った! 

いやあー、すごく面白かったですね。

彼の描く女の子の、ぱっちり見ひらいたおめめ、愛らしくとじたおめめ、睫毛のついた

瞼、ツンとしたお鼻、鼻ぺちゃ、ニッと笑ったお口、イーとした口、いまにも噛みつかれ

そうな小さな牙、ふっくらほっぺ、突き出たデコ。いまにも全てをぶっ壊しそうなか弱い

ふたつの手 ・・・・

たしかに小さいころのうちの上の子に似たのもあったし、下の子に似たのもあったし

自分の小さいころの感じの子もいたし、友人のRさんにいたってはいまの彼女そのも

のみたいな子もいた。

そして今回初めての試みだというブロンズ!

奈良美智のあのキャラクターで巨大ブロンズってどんなもんだろうと思ってたけど、こ

れがまたよかった。荒削りにして繊細、繊細にして大胆。デフォルメされてるのになん

だかすごくリアルで。とくに女の子の口もと。絵では真一文字に結ばれてるだけなの

が立体になったとたんに、ふっくらとリアル。実際の人間とは違うけれど破綻がない、

まがいものじゃない、たしかな作り手による造形だと思った。

私が机の上に展示された彫刻の頭部とノートにいたずら書きしたみたいなラフスケッ

チをかがんでじーと見ていたら、品のいいおばあさんが横に来て、にこにこしながら

「これ、触ったら駄目なのよね?」と聞くから「作品だから触っちゃ駄目ですね。でも思

わず触りたくなっちゃいますよねえ」といったのだけれど、ほんとに思わず触りたくなる

感じ。不思議な存在感と、見る者のこころに共感を抱かせる何かを持ってる。

私は今日ここへはただ単純にピュアなものが見たくて来たのだけれど、たしかにピュ

アなものがあった、と思う。ピュアって『汚れない』という意味じゃない。どこかちょっと

意地悪そうだったり屈折してたり反抗的だったり、ずるかったり残酷だったり暴力的

だったり暗かったり痛烈な批評家だったりするんだけど、でもピュア。大人みたいに濁

ってない、透明で真に迫ったピュア。

それにもともと子どもって大人が思うほど明るくて素直で単純なわけじゃない。

いまでもすごくリアルに憶えてるんだけど、小学校の低学年のころ、昼下がりの学校

の廊下で両手の指を折りながらそのときの自分の悩みを数えたら、指が足りないくら

いあって絶望したこと。いまとなっては何がそんなに悩みだったのだろうと思うけど、

子どもって親や先生が知らないだけで意外と悩み深い生きものなのだ。奈良美智の

小さいころもきっとそんな風だったに違いない。

ここにはそんな風に思わせる世界が広がっていた。

そして誰でもみんなかつては子どもだったから、奈良美智の描く絵のなかにそんな子

ども時代の自分に似たものを発見して、それが思うさま彼の手で肯定されているのを

見て、懐かしい、愛しいものにでも再会したみたいに嬉しくなって触りたくなってしまう

のだろうと思う。

奈良美智の個展だから私は圧倒的に若い人が多いのだろうと思っていたのだけれど

全然そんなことはなくて、中高年以上の人もすごく多かったし、しかも難解な現代アー

トの展覧会場と違って、見ている人たちが何やらみんな楽しそうで、作品を見ている

目がやさしいのだ。これってそうそうないことじゃないかなあ?

・・・・・・ というわけで私もとっても楽しかったし、ぜんぜん疲れなかった。

展示の規模もちょうどよかったし、作家のプロフィールの見せ方もわかりやすかったし

奈良美智の魅力を知るにはとてもフレンドリーで良い個展だったと思う。

ラストだったからもっと混んでるかと思ったけれど、早起きして開館直後に行ったせい

か、チケットを買うのに並んだくらいでそれほどでもなかった。今日は体調がいまひと

つだったから奈良美智展だけ見てトンボ帰りしてきたけれど、わざわざ横浜まで行った

のだから本当は横浜散歩くらいしてきたかったところ。

でも来月はもう横浜ジャズプロムナードですね。

ほんとに一年、早いなあ ・・・・・・

と、話が前後してしまうけど今日のスナップ。

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みなとみらい駅、5番出口から徒歩5分の横浜美術館。

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あちこちで見かけるこのポスター、『夜まで待てない』。

もうね、この女の子、夜になる前に口のはしっこに牙が出てきちゃってるんですよ。

片目は吊りあがってきてるし ・・・・・・

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『体重計少女』のクルマ!

これ、かわいかったなあ。

この女の子、かわいい顔してなんと体重が60キロもあるんですよ。なにゆえ?

会期中は奈良美智の絵のついたバスも市内を走ってるはずなんだけど、残念ながら

見られなかった。

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そして美術館前の噴水。

噴水って好きだ。

なんたって子どものころ、西武園のレインボー噴水見て育ったものですから。

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わざわざ遠くからこのためだけに来られたんでしょうか。

カートを引いて入って行く人たち ・・・・・・

東京に住んでると(たとえ端っこでも)わからないけど、中央にいる我々は地方の人に

くらべてやっぱり多くのものを楽に享受できているんだと思う。

もちろん、いいことばっかじゃないけどね。

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そして、いちばん時間がかかったのがミュージアム・ショップ。

常設のミュージアム・ショップのほかに奈良美智グッズのコーナーが設けてあるのだ

けれど、見るのはすぐに見られてもラストだからもうあまり種類がない、おまけにレジ

までは長蛇の列!

でも今日一緒に来なかった娘と、あれほど好きで絶対に行く! といっていたのにけっ

きょく来られなかったRさんのために気は心でお土産を買った。

私がほしかったマスキングテープもシルバーの森ガールもなかったけれど ・・・・・・

ポストカードと、

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『体重計少女』のチケットホルダーと『山少女』のステッカー、黄色の森ガール。

ステッカーはどこか目につくところに貼っておこうと思う。

いつまでもキラキラおめめを忘れないように。

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9月の雨の朝

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昨夜から降りはじめた激しい雨がやまない雨の朝。

ベランダで雨の音を聞きながらバラの手入れをする。

夏以来のローズ・ドゥ・モリナール。

このバラの色はともかくとして、香りは素晴らしいバラ。

一輪であたりいちめん、いい香りが広がる ・・・・・・

それからルイさんからもらったミニチュアローズほどの小さな挿し木苗のペルル・デ・

ジャルダン。うちではなぜかクリームイエローではなく、わずかにアプリコットピンク

がかって咲く。すごい剣弁高芯のティーローズ。

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今日は涼しいを通りこして肌寒いくらいだ。

こうなるといやでもこころは一気に冬に向かう。

そして、こうなるとますます珈琲がおいしい。

カフェ。

今週水曜はこのバラをくれた息子の誕生日。

てんびん座の季節のはじまり。

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涼しくなって一気に透明感を増したスカボロフェアー。

まるで凍える山茶花みたい。

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私はさっき届いたばかりのショーロのCDを聴きながら、もうその良さに泣きそうだけ

れど、サイモン&ガーファンクルも秋に一度は聴きたい音楽。

もう今じゃ重たい毛糸のセーターなんて私はぜんぜん着たくないけど、昔は生なりの

アランセーターが好きだったなあ。わたし、あなたのために一生懸命、編んだのよ。

Hello darkness,my old friend ・・・・・・

彼はそれを着て着ぶくれて冬はすこし恰幅がよくなった。

小さな息子に編んであげた帽子とおそろいのアランセーターは、すごく苦労して編ん

だのにたった1回しか着てもらえなかった。

その年、初めて雪が降った朝で、バニラアイスクリームみたいな色のアランセーター

を着てお揃いの帽子をかぶった息子はまるで小人か妖精みたいで、あたりいちめん

銀世界になった雪のなかで嬉しそう遊ぶ息子の姿を見て、それでも私は報われた。

こんな暗い雨の日、こころはいやでも冬へと向かう。

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2012年9月22日 (土)

秋到来

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Oh! My God!  I Miss You。

・・・・・・ これは奈良美智の絵のタイトル。


ついに秋がやってきた。

このあいだまでの暑さが嘘のように涼しい。

昨日つぼみだったアマンディーヌ・シャネルも開ききってしまった。

昨夜、私の住んでいるところは大雨・洪水警報が出るほどの土砂降りだったから花

びらの端が傷んでる。それに花の色もまだ淡い。

それから、まるでいつもと違うダム・ドウ・シュノンソー。

あなたって、もっと気位の高そうな気取ったお顔じゃなかったっけ?

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そしてグリーンアイス。

春は名前のとおりもっと緑のバラで、秋はこれよりもっとピンクが入る。

相変わらずバラだらけの私の庭。

秋が来たからには秋を愉しもう。

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秋がきていいのは、いきなり音の聴こえかたがよくなること。

珈琲がおいしくなること。(今日はもう朝から2杯めだ。)

バラの花のいろが深く、美しくなること。

それから、涼しくなった途端にきゅうにチョコレートが食べたくなるのは何故だろう。

夏の暑いあいだは全然ほしくなかったのに。

秋がきていいのは夏のあいだの太陽の恵みをそこここに感じられること。

また一年、懐かしい君の姿を心待ちにして待つ。

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2012年9月21日 (金)

早起きは三文の徳

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うまく眠れなかったこともあるけれど、朝6時の目覚ましとともに起きてそっとベランダ

に出てみると、ひんやり涼しい大気のなかでグラミス・キャッスルが咲いていた。

このバラが咲くのを見るのはいつ以来だろう。

たまに早起きをするとこんなのに出くわす。

これって三文の徳ってやつだな。

今年こそグラミス・キャッスルは植え替えしないと。

去年みたいなことにならないように、今年は11月になったらさっさとやってしまおう。

それからアマンディーヌ・シャネル。

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小さなつぼみのなかを覗くとロゼット型の複雑な花びらの構造が見える。

夏はピンクが強かったけど、秋はアプリコットが強く出た。

バラには最初からカタログの写真通りに花を咲かせるものと、株が熟成するのにした

がって徐々に完成形になってゆくものとあるけれど、どうやらこれは後者のよう。

まだ花いろも花のかたちも花びらの枚数も、まだまだ私が思うこの花のじゃない。

子どものころから大器晩成型といわれてこの歳まで生きて、いまだに晩成しそうにな

い自分はいかがいたしたものか。

台風の訪れとともに一気に季節は動き出した。

動き出した季節は止められない。

あとは冬に向かうのみ。

その前にやってくる束の間の燃えるような秋を愛おしむのみ。

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2012年9月20日 (木)

9月のラ・パリジェンヌ

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9月の、といっても見た目にさほどの違いはないのだけれど、今回は香りが違った。

夏は爽やかなレモングラスの香りだったのが、今日はクローブの香りが混じってる。

クローブの香りはオヤシラズを抜いたときにさんざん嗅いだから憶えてる。

子どものころ、虫歯のときに歯に詰めた薬の匂い。

それほど好きな香りじゃないけど、クローブは私の大好きな泉屋のクッキーの中にも

入ってる。芳ばしい、スパイシーな香り。

ラ・パリジェンヌは病気知らずのいつでもすごく元気なバラ。

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2012年9月19日 (水)

彼岸の入り

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夕方、仕事を終えて窓の外を見たら、淡いブルーのところにレースみたいな雲がふわ

ふわ連なってて、かわいいなって思ったんだ。

暑さ寒さも彼岸まで、という言葉があるけれど、毎年どんなに暑くてもそのころになる

と不思議とおさまるような気がしていたから、今年はどうなんだろう? と思っていたら

やっぱりそうなった。今日はだいぶん涼しい。やっぱり昔の言葉ってよくできてる。

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昨日は今日と違って朝からすごい陽射しで暑かったけど、その暑いなか早朝、妹と父

は担当医との面談だった。

父の入院とオペの日が決まった。

11月はまた父の病院通いで終わってしまいそうだ。

私は病院に行くといつもそうとう持ってかれるから、いまから気力・体力温存しておか

ないと。そして家族と一緒にやるため1月から11月に延期した娘の成人式の集まり

は、けっきょく私たちだけでやることになりそうだ。しかたない。いまの核家族ってそん

なものだ。昔とは違う。私がそのぶんまで愛のパワーを発揮すればいいだけ。


ニルヴァーナ。

今日の空はいつも以上に海みたいだ。

私は空を見てるといつでもそこで泳ぎたいって思うんだ。

泳いで君に会いに行く。

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2012年9月17日 (月)

雲のメタモルフォーシス

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台風が近づいているらしい。

カッと気違いじみた陽射しがさしてきたと思ったら急に風が強くなってバタバタ大粒の

雨が降ってきたり、かと思ったらまた晴れてきたり ・・・・・・ 今日は一日そんな目まぐ

るしい天気。台風の影響だからしかたがないけど、フローリングの床がペタペタする

ほど湿気があって蒸し暑い。外に出れば風が強い。で、やっぱり外に出れば雲ばか

り見ている。今朝Rさんから、「多摩川から見上げたら今日の空もラピュタみたいだっ

たよ!」とメールがきたけれど、次々と生まれる雲を見てると自分も風に乗ってどこか

に飛んで行けそうだ。空も、海と同じでいつまで見ていても飽きない。

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雨の晴れ間に買いものに行った。

途中で空ばかり眺めているから異常に時間がかかるのだ。

それも休日ならではのこと。

この三連休のあいだにアニメーション映画を2つ見た。

『イリュージョニスト』と『カラフル』。

私はここじゃなくて、もっと美しい町に住みたい。

と、最近とくに強く思う。

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クチュールローズとオリーブ

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花がゆれているのは扇風機の風だけれど、まるでいま庭から摘んできたように自然

な花が涼しげにゆれる、9月の朝です。

私このバラ、すごく気に入ってしまった。

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クチュールローズ チリア。

河本純子氏作出の国産のバラ。

画像検索するともっとひらひらしてて華やかな感じのバラなのだけれど、私はこのくら

いのほうが風情があって好きだ。

それからもっと気に入ったのがグリーンローズのオリーブ。

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緑のユニークなバラ。

それで、こんなのがベランダにひと鉢あってもいいなあ、と思って探したのだけれど、

キリンローゼズのこのミニチュアローズはすでに製造中止となっていてふつうではもう

手に入りそうもなく、昨日夜遅くコトリさんにお願いしてみた。

なんとか入荷するといいんだけどなあ。

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2012年9月16日 (日)

新月の花を買いに

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あさ7時に目覚ましが鳴って、その30分後にやっと起きて支度をして自分だけシリア

ルを食べて掃除に出かける。公園で40分ほど落ち葉を掃き集めたらすっかり汗だく

だくになって、帰宅してそのままベランダに直行してついでにバラの弱剪定をした。

それからブランチを作って家族で食べて、今日は新月だから殺風景な食卓に花を買

いに行こうと思ってたら雨が降ってきた。9月、おとめ座の新月に願うとよいことは、

計画すること、仕事やスキルに関すること、効率を上げること、秩序をもたらすこと、

会計・収支など数字や計算に関すること、だって。ぜんぶ現実的だね。やっぱり9月は

現実的な月なのだ。そのぜんぶが苦手な私にはどうやったって合うわけない。

それからバスルームへ。

私はこの休日の変な時間に入るバスルームが好きだ。

いつもだったら仕事をしている時間。心底ぼっとする。

水瓶座が好きなのはイレギュラーなこと、型にはまらないこと、ハプニング。

バスルームから出ると雨はすっかりやんでいて、それから支度をして花を買いに行っ

た。コトリ花店に。

すると水瓶座の花屋は先日に次いでもじもじしながら、「花屋なのにすみません。今日

も花がないんです」というのだ。予想外にお客さんが立て込んで、あっというまに花が

なくなっちゃったんだって。人生に予想外はいつもつきものです(^-^)

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それから2人で何を話していたんだっけか、コトリさんが唐突に、まるで文章を読むよ

うにずらずらっと何かをいいはじめて、私のことを寺内貫太郎みたいだ、といった。

寺内貫太郎???

その名前が出てくる前のずらずらのなかにはずいぶんいいことをいわれたような気も

するのだけれど、なんたって唐突だったし、私もぼけぼけしていたのでいわれたことを

ぜんぜん思いだせずにいる。これが相手が恋人だったりすると、「いまいったことをも

う一度、ゆっくりいってみて」とか真顔でいってみたりするのだけれど、いわずに帰って

きた。でも寺内貫太郎ってことは、私がカミナリおやじってこと?

まあ、いいや。

世の中、上っ面のあまい言葉によわい人が多いなかで、私の言葉を本当にわかって

くれる人がいるならそんなにありがたいことはない。

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この彼女、なぜか先日来、3億円当たったら私に1億円くれるとばかりいうの。

可笑しいよね。宝くじも買ったことない癖に。

そういうことは宝くじを買ってからいってください。頼むぜ、ベイビー。

店のなかをクランベリーだらけにしたいという彼女、今日わたしのこころをとらえたの

は淡い紫のセミダブルのバラでした。

残りものに福があるならきっと今日の小さな花束にも小さなハピネスがあるでしょう。

そういえば、いま私がほしいチュニックもこんな色をしています。

かわいい名前のチュニックです。

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クチュールローズとグリーンローズのオリーブと、淡いピンクのガーベラとバラの実と

ユーカリ。

こちらは現実的じゃない、9月の新月の花。

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2012年9月15日 (土)

夏の名残り

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夏空をひらひらと涼しげに彩っていたムクゲもそろそろ終わり。

道路わきの樹木にも実が生りはじめて、ついに実りの秋か、と思ったりもするけれど。

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この空ですもん。

なかなかどうして今年の夏は手ごわいのです。

もう蝉も全滅したかと思ったけれど、わずかにオーシーツクツクと鳴く声も聞こえて。

台風一過のあたりに、ぐんと季節が変わるのかなあと、思ったりしています。

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2012年9月14日 (金)

朝1で桃が届いた!

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昨日の夕方、どっかからなんかいいものこないかなあ ・・・ と思っていた。

そんなときの私はちょっとうつろである。

そうしたら夜になって「発送しました」とメールがきて、わーい、ついに! と喜んだ。

そして今日、朝1で届いた桃!

でもこれ、自分で頼んだ桃です。

楽天の会員になったりしてると時々きませんか?

「お願いです! 農家さんをたすけてください!」みたいなメールマガジン。

たとえばこの桃の場合だと、ちょっと色ムラがあったり押されたところがあったりして

正規品で売れないような桃、いわゆる訳ありとかちょい悪とかいわれるものをお安く

送料込みで買ってください、というやつ。そのメールマガジンがきたのがちょうど8月の

スイミングクラブで、おばさま方が9月になってもオーダーできる山形の桃の話で盛り

上がっているのを聞いた直後だったからつい、「桃! 桃!」と思って買ってしまった

のでした。それから、「桃はまだかいな」と待つこと、ひと月あまり ・・・・・・

ついにきた。山形から。でっかい。でも、そのせいかメールマガジンには7個~12個

入り、と書いてあったのに5個しか入ってない。でもクール宅急便で来て送料込みであ

のお値段だったことを思えばそれでも安いくらいか。

箱から出してみると色づきはとてもよくて、押されてしまったようなのはひとつだけ。

桃ってこうやって見てるだけでもかわいいよねえ ・・・・・・

しっかし、こんな大きな桃がぼこぼこ生る桃の木ってどんなでしょうね。見てみたい。

さて桃、あまいかすっぱいか。

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そして今日、朝1で目に飛びこんできたもうひとつのかわいいものといえばこれ!

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蒼井優、思いきり髪切っちゃいましたねえ ・・・・・・

顔が小さいからすごく似合う。

いままでガーリーだった印象が一気にボーイッシュになって、さらに可憐さが増した感

じ。こういう極端さは好きだなあ!

蒼井優ってテレビのコマーシャルで見てるといつもにこにこしてるから明るい笑顔の印

象しかないけど、ほんとはさびしげな瞳をした子なのね。

で、外は相変わらず暑いけど、こんなところに秋を感じている私なのです。

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2012年9月12日 (水)

ぷかぷか

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今日も外はものすっごく暑いんだけど、青空には白い雲がぷかぷか浮かんでて

こんなのを見てるだけでしあわせな気分になっちゃうんだよなあ ・・・・・・

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2012年9月10日 (月)

9月のバラ

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あさ7時に起きて帽子をかぶってベランダに出ると、大気は爽やかだけれど陽射しは

もう熱くなりかけてる。コトリさんは今日は園芸療法の仕事で庭にチップを敷くガテン

な仕事だといっていたから、この暑さでバテなきゃいいけどなあ、と思いながらメール

すると「今日も空のいろは夏のいろだよ」と返事がかえってきた。9月第3週にしてまだ

夏空。熱中症に気をつけなきゃいけないのと同時にこの時期気をつけなきゃならない

のは、真夏より多い蜂。うちのベランダでもしょっちゅう大きな蜂がブンブンいって飛ん

でて恐い。

そして今日咲いたバラ。

ものすごくいい香りなのだけれど名前が浮かんでこない。

フレンチローズであることだけはたしかなのだけれど。

暑いのでなかなかやる気にならないけれど、バラは秋を目指して夏の弱剪定の時期。

そろそろ終えてしまわなければ。

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2012年9月 9日 (日)

晩夏の遅いお昼のカッペリーニ

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今日も目覚まし時計が鳴ってから2時間過ぎに起きた。

やっぱり泳いだ日の翌日は疲れてるんだなあ、と思う。

1週間のうち6日運動不足で7日めにいきなり泳ぐんだから、そりゃあ痛いところも出

てくるだろうと思う。でも昨日泳いだばかりなのに今日もう泳ぎたい。市民プールに行

ってやりたいことがある。からだをできるだけまっすぐに伸ばしてゆっくりきれいに泳ぐ

クロール、それからいままで一度だって完璧にできたという感触がつかめていない平

泳ぎのキック、それから手の入水タイミングとシーソーのようなバランスを考えたバタ

フライ、スムースな腕の動きとローリングが連動したなめらかな背泳、それらに近づく

ためのドリル ・・・・・・ 。そんなことを考えつつ朝食を作り、いままでもう何度となく見た

TIスイムのDVDを見ながらブランチを食べた。でも、スイミングって純粋に泳いでいる

時間以上にその前後に時間がかかるから、最初からそれメインの日じゃないとなか

なか行けない。けっきょく今日も市民プールには行けないまま、あっという間に午後に

なった。今日も暑いけど空は青空、いい天気だ。

朝ごはんが遅ければ当然お昼も遅くなるわけで、そんな今日の遅いお昼はカッペリ

ーニ。先日作ったホタテのカッペリーニがおいしかったのに気をよくして、またカルデ

ィで買っておいた。カッペリーニって、あらかじめソースをしっかり冷やしておかなきゃ

いけないから、朝食を作るついでにソースを作り、タコをマリネしておいた。

なので、あとはパスタをゆでてあえるだけ。

今日もレストランなみの味になったので、覚書のためにレシピを書いておこう♪

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 ● タコとトマトのカッペリーニ

 < 材料 > 3人分

  カッペリーニ  300グラム

  塩        適宜

  バジル     1パック

  粉チーズ    お好みの量

 ● タコのマリネ

  ゆでだこ     1パック(400~500グラム)

  オリーブオイル  大さじ3

  ワインビネガー  大さじ3

  イタリアンハーブミックスソルト  小さじ1強 

 ● トマトソース

  フレッシュトマト(あればフルーツトマト)   3~4個

  顆粒スープの素(あるいは固形ブイヨン) 小さじ1強(1個)

  お湯        75ミリリットル

  コショウ      適宜

  イタリアンハーブミックスソルト  小さじ1強

  オリーブオイル  75ミリリットル

 < 作りかた >

 1.タコは5ミリ厚さに切り、小さなバットかボウルに入れ、イタリアンハーブミックス

   ソルト、ワインビネガー、オリーブオイルをかけてあえ、冷蔵庫で冷やしておく。

 2.お湯でスープの素をとかしてボウルに入れ、それを冷ますあいだにトマトの皮を

   むいて角切りにしてボウルにくわえる。イタリアンハーブミックスソルト、コショウ、

   オリーブオイルをくわえて混ぜ、冷蔵庫でしっかり冷やす。

 3.沸騰したお湯に多めの塩を入れ、カッペリーニを入れて時間通りにゆでる。

   ゆであがったらザルにあげて水をかけてざっと粗熱をとり、氷水で冷やしてから

   しっかり水を切る。

 4.大きなボウルにタコのマリネとトマトソースを入れ、混ぜたところにカッペリーニ

   を入れて手早くあえ、皿に盛る。バジルをちぎって散らし、粉チーズをかるく振っ

   たらできあがり!!

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できあがりは写真のとおり、目にも鮮やかなイタリアンカラー。

食欲をそそるハーブとオリーブオイルの香り。

今回、乾燥ミックスハーブを使うにあたり近所のスーパーではなかったので、ハウス

から出ている『香りソルト・イタリアンハーブミックス(ガーリック、オレガノ、パセリ

バジル、セージ、ブラックペパー、セロリシードに食塩が混ざったもの)』というのを

って使ってみたのだけれど、これよかったですね。

ドレッシングを作るときはもちろん、フォカッチャやピザのトッピングに、チキンやお魚

を焼くときにもさっとふりかけるとイタリアンな1品になりそう。

このカッペリーニ、かなりオリーブオイルを使っているのだけれど思った以上にあっさ

りしていて、ハーブの味が効いていておいしかった。

長引く暑さに夏バテ気味で食欲がない、というときなど、魚貝に多く含まれるタウリン

は人のからだや細胞を正常な状態に戻そうとする作用(=ホメオスタシス)がある

そうなので、この時期ぴったりのメニューじゃないかと思う。

レストランみたい♡ と家族にも大好評だったタコとトマトのカッペリーニ、空いた時間

にマリネとソースさえ作っておけばあとは簡単なのでぜひお試しあれ!

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2012年9月 8日 (土)

Butterfly

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プールで泳いで外に出るとあっつい陽射し。

蝉の合唱。青空に白い雲もくもく。

太陽に抱かれて思わず目を細めながら、今日もプールで泳げた喜びにひたった。

今日もここに泳ぎに来られたことに、神さまに感謝。

私のバタフライはなかなか上達しないけど、続けてる限りきっとうまくなる日がくるだろ

うと信じて。

スイミングを始めたころは経済的にも肉体的にも習い事どころじゃなかったから、こん

なに続くとは思わなかった。いつも仕事でへとへとに疲れた状態でプールに行って、

泳いだ後はからだがほぐれて楽になるどころか、あちこち痛いところだらけだった。

家に帰ってごはんを食べるとたいてい水着を洗う間もなくバタンキューだった。

「お姉さんみたいな生活をしていて休みの日にからだを鍛えようなんてどうかしてる、

休みの日くらいゆっくり休んで寝てたらいいのに」と妹にはいわれたけれど、休みの日

に寝てすごしてたらバタフライを泳ぐいまの私はない。

夏空に誘われて横道に入ったら、輝くオレンジコスモスの一群の上を優雅に飛びまわ

る蝶をみつけた。

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蝶っていつ見ても不思議ないきものだ。

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しばらく蝶を見てたら、私の時間が蝶の時間に変わった。

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つまりいつもの速い流れから一気にスローに ・・・・・・

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それはピンクメタモルフォーゼスのエネルギーに包まれてるみたいに心地よくて ・・・

ちょっとの時間、我を忘れた。

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そういえば先週ラジオを聴いてたら、クリス・ペプラーが「個人的に夏を9月20日まで

延長しました」といってたけれど、私もそれに乗っかろう。

まだ夏は終わらない。

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  Jamiroquai Love ♡ YouTube  →  Butterfly


ものすごくドリーミー ・・・・・・


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2012年9月 7日 (金)

十六行と六十行

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白露  1


雨ははげしいが

こおろぎと鈴虫は正確な間隔で鳴く

やがて雨の音が遠のくと

かれらの声は闇を深める

ふたたび雨繁くやがて轟々ととどろき

恐ろしい水のわめきが

小さな家をかこむ

まもなく最も急に雨上がり

虫たちの声

いっそうに澄んで四畳半を満たし

悠然と正確な間隔

軒の滴り

青いタバコの煙り

ランプを消す手

音の絶え間の

白露  2


空はくもっていたが庭のふようが三十も咲いて

朝のあいさつはさわやかで子どもたちはきげんよく学校へ行った

わたくしはこうもり傘をたずさえバスで駅へ向かった

通勤電車は冷房がしてあって吊革をにぎりながら碁の本を読む

出馬表に赤鉛筆でしるしをつけている老人や中年男たちも

わたくしと同じようにゲームの快感を予想しているわるい目つきで

彼らはサンダルを突っかけ半そでシャツのボタンを外してやくざっぽいが

わたくしだってかろうじて自制しているにすぎない

習慣と見えとで武装していまいましいネクタイで首を絞め上げている

会社に着くとわたくしはまじめになり冗談をいい咳ばらいをし

電話で答えたり委員会で沈黙したり表を作ったり

かどの喫茶店でコーヒーをすすったりメモをつけたり

ひとの心理をいぶかしく思ったり計算したり怒りを感じたりする

怒りは回転する独楽でおのれに目がくらみ

かすかに中心の意識はあるがまもなく倒れることを予期し

声を限りに叫ぼうとするがしかしかぼそく唸るだけで

最後にひと揺れふた揺れしてけっきょくぶざまなものすなわち形が残る

だからわたくしはヤバい思いで平静をよそおい眉をひそめているのだ

昼の食堂でもう晴れてきた遠くの高層ビルのうえの空に庭のふようがしだいにくれな

いの色を深めて大きく開くさまを思いえがく

会釈したり片手を揺らして歩いたりエレベーターを待ったり

ちかちかする電光灯の階段をかけのぼったり洗面所で自分の顔を見たりする

外へ出ると強い日光でわたくしは声を出して「これはすげえ」と呟き

本屋に寄って雑誌「終末から」をぱらぱらめくったのだ腕時計をのぞいて次の会合の

ために赤信号に舌打ちしたのだ

夕方事務室にくばられた新聞で平均寿命のびるという記事を読み

あとおれは何年生きると考えいくつかのドラマを不感無覚でイメージしたのだ

ときどきわたくしの耳に時間のおそろしいとどろきが聞こえてきて

目のまえの会社の内部が急速に遠ざかり気づくとわたくしはデスクに座っている

そんな経験を何十回していまだにわたくしは労働して倦まない

むかしギリシャ神話にこったのはきっと時間がおそろしかったのだな

ヘーリオスとかデーメーテールとかアテーネーとか金銀のよろい

岩をくだく力や牡牛たちの目は魅惑だったし海はシャンパンのようだった

わたくしは戦争の夏を肉体を動かして過ごしたのだった汗とスコップと土はこびの日

ざかりと食欲と暗号解読と熟睡だったいまはいまいましいネクタイの絹だ

もう遅いのに帰りの電車は満員でことしの秋はなかなか来ないで若者の議論だ

トピックスはマンガとゴルフと賞金といんちき進歩派のインフレ論と

近づきつつある奇禍と破壊される森や都市への陳腐なのろいだ

夜のバスにこうもり傘をつかんで外を見るとボーリング場があって

そのおおきなガラス窓に食事をする人たちの黒い影がフォークを操っていた

本通りから小さな道に曲がって郊外の坂をのぼるバスは大きなエンジンをふかして

だるそうにあえぎ運転手のひたいは光っていた

わたくしは切り通しをぬけつつ夏草が寂しくなりかかっているのを見た

むこうから影がやってきてとき折り立ち止まったのが怪しかった

近づくと彼は犬を散歩させているのだったことしはいつまでも暑かったが

やがて夜の道になつかしくよくとおる人声がきこえるようになろう

たどり着いたわが家でわたくしはシャワーを浴びへちまに石鹸をぬった

いま来た狭い路の両側には小さい家々が小さな灯をともしていて

小びんのビールを飲んだり喜びの小さなささやきを交わしたりしていよう

わたくしは半ズボンをはいて読み残しの朝刊をひろげると過激派学生の記事だ

うじ虫に鉄杭を! 裏切りのプチブルを殺せ! くたばれ卑怯な豚やろう!

わたくしはむかし罵詈雑言をたくさん収集しようさらに植物 虫 機械 魚 気象 

人体器官 鳥 料理 つまり

物たちの呼び名 けいとう なめくじ ジグ中ぐり盤 皮はぎ

フェーン 僧帽弁 あおばずく うさぎの白ぶどう酒煮 などの実在を

しっかり記憶しようと思ったことがあったがすっかり疲れはてて

ごろ寝してカラーテレビで文楽を見て人形の女の目の大きさにうっとりする

二匹の猫を眺めたり撫でたりして午前一時だあしたがあるから

眠らなければならん夢をみるのはいやだなと雨戸を繰ると庭先がぼうっと明るく

けさのふようの花のいくつかが落ちたくさんのつぼみの緑があった


 ( 思潮社刊 現代詩文庫『北村太郎詩集』未刊詩篇より『十六行と六十行』 )

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いったいこんな長い詩を引用したところで誰が最後まで読むだろう、そんな酔狂な人

は自分くらいじゃないかと思いながら延々キーボードを叩き続けた。

でも白露といって私の頭にすぐに思い浮かぶのは毎年、この詩だ。

北村太郎は定年間近までの25年間を朝日新聞に勤めていた人だから、これを読む

と勤め人の日常が手にとるようにわかるし、また1970年代のいまごろの時期もやっ

ぱりいまと同じように「これはすげえ」と呟いてしまうほど暑かったのだとわかる。

北村太郎はこの詩を書いた当時はまだ人生を狂わす恋にも出会ってなければ、筆一

本で生きる決意もしていなかった。ここには社会の一員である勤め人と、安寧な家庭

生活をいとなむ家庭人として日常のなかに、ささやかなしあわせと同時に倦怠を抱い

ているカメレオンのような詩人の顔が垣間見える。この詩を未刊としたのはとくに後半

が饒舌過ぎて意図するところの焦点がぼやけたことにあるのだろうか。

今日、白露。

そして明日は母が生きていれば80歳の日だ。

母は67で亡くなってまだおばあさんという感じではなかったから、80になった母はど

んな感じだろうと想像してみるけれど、うまく想像できない。

今年のまだ寒かったころ、父の通院に付き添った帰りに西新宿の街を歩きながら父

が、もし、いまお母さんが生きていたら収入がなくなったお父さんにやいのやいのとい

ってうるさかっただろうなあ、というようなことをいうから、心底呆れて、80過ぎていま

でも仕事がないことを気にしているのは父のほうで(というか父だけで)、母はそんな

ことでうるさくいう人じゃないでしょう、とたしなめた。でもそれを妹に話すと、どうかな

いまの父と毎日ひとつ屋根の下にいたらやっぱりいろいろなことでうるさくいって大変

だったんじゃないかなあ、というから、やれやれ、みんな亡くなった後まで母のことを

そんな風に思っているんだ、と悲しい気持ちになったのだった。

晩年、母は病気をしたこともあって年々まるくなっていったように思っていたから、80

ともなればそれはもう若いころとは違うだろうと私は思うのだけれど、それもやっぱり

亡くなった者への幻想に過ぎないのだろうか。

でも収入のあるなしはともかく、いつ会っても壊れたテープレコーダーみたいに同じこ

としかいわない、食事のしかたがきたない、たかが10分のところを倍以上もかかって

やっと歩いているいまの父では、あの神経質でせっかちな母は耐えられなかっただろ

うと思う。それに一見、気が強くてからだも強そうに見えて、実は若いころに甲状腺や

肺を患ったりして本質的には強くなかった母だから、いまの世の中、とくに3.11以降

のいまを生きていくのは大変だったに違いない。母は3.11に遭わずによかった。父

のぽかんと口をあけた顔を見ながら暮らすことにならなくてよかった。もともと長生き

する気はぜんぜんなかった人なのだから。実によくできてる。

父がいかにボケたジイサンであろうと私にとってかけがえのない人であることには違

いないが、一緒にいるだけでしんどい人であることも残念ながらまた事実なのだ。

私も母同様、長生きする気はぜんぜんない。だからときどき自分の残りの人生をあと

どれくらいかと見積もってみて、もうぼやぼやしてる暇はないかもしれないと思うが、

でもその一方で、人なのか事なのかわからないけれど、○○のためにもっと生きよう

もっと生きたいと思えるなら、それってすごくしあわせなことだなと思う。

蝉は今日も朝からがんばってる。

せっかく生まれてきたんだから力のかぎり鳴け! と蝉にいう。

そしてこの詩のなかでは晩夏の花として芙蓉がうたわれているけれど、私自身は芙

蓉の花はきれいだけれどちょっとこわい。花の大きなところも苦手だ。

それにくらべて私の好きな萩の花は鳥のように軽やか。

萩は私の住んでいる町の名前でもある。

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2012年9月 6日 (木)

長月の火灯し頃

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夕方、雨がやんだからさんざん着てやわらかくなったフィグいろのリネンのワンピース

にミックスパープルのソックスを履いて、もうほとんど癖っ毛あたまのカムフラージュ用

と化したラフィアの帽子をかぶって買いものにでたら、またもやポツポツと雨が降って

きて瞬く間に着ている服を水玉模様にした。

今日も蒸し暑かったけれど雨が降ったあとは少し、暑さがやわらいだようだ。

この季節、曇って昼間から暗くなり、雨が降ってきてそのまま夕暮れに突入したりす

ると、私はもういきなりさびしい。もう探したって君はどこにもいないんだ、という気持

ちになって心細くなる。

そんな思いで雨に追い立てられるように帰ってきて、1階にある集合ポストをあけたら

相変わらずDMと請求書とゴミ同然のチラシばかり入った私のつまらないポストのなか

に、見慣れた同僚の(というよりもうほとんど友人のような)書き文字の封書をみつけ

て嬉しくなった。階段を上りながら封をあけると遊書をやっている彼女の風情のある

お手製のカードがでてきて、こういうところ、彼女ってほんとにマメな人だなあと思う。

昔、あなたの手紙は短編小説みたいだ作品みたいだ、だから捨てられずにとってある

とよく友人からいわれたけれど、最近ではもう滅多に手紙を書かない。昔はどうしてあ

んなに手紙が書けたのかも、もうわからない。

ポストにあったもう一通は『百草の庭』さんからのDM。

長月の火灯し頃、とある。

カレンダーを見ながら、くがつ、じゅうがつ、じゅういちがつ ・・・・・・ と、ただ月を発音

するだけでもそこになんらかの趣きを感じて好きだと思うのは私が単に日本人だから

だと思うけど、長月、といったらさらに趣きは深まる。白露、といったらもう歌のよう。

つまらないDMが多いなか、こんな葉書きだったらいいなと思った。

秋の日はつるべ落とし、の日が暮れる前に、キャンドルに火を灯そう。

そして深い香りの珈琲をいれよう。

長月、は夜長月。

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2012年9月 5日 (水)

夏空秋草

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朝6時に目覚まし時計が鳴る前、目覚める直前にSの夢をみた。

何を話していたのか、「よくそんなに眠れるね。昔からよく眠る人だったけど」とSが実

に屈託なく笑いながらいうから、私は私で「そんなこと、あなたにいわれたくないわ」

なんて漫才コンビみたいにこたえていた。

彼はコアラみたいによく眠る人で、休日に遊んでほしくて起しにいこうとする小さな息

子に「まだ寝かせといてあげなさい。おとうさんは仕事で疲れているんだから」なんて

よくいったものだ。

そんな夢をみたのは2日続けて父と病院に行って、帰りの電車では疲れ果てて眠くて

たまらない私を横に、検査を受けた当人でもっと疲れているはずの父が「眠くない」と

いってガンとして目をあけているのを見て、やっぱり年をとるとメラトニンの分泌が減

少して眠くならないんだ、つまり眠くてたまらない私はまだまだ若いってことなんだ、

なんて思ったことに起因してるんだろう。

けっきょく父は「(手術については)もう1回くらいやったら?」という妹の言葉にすんな

り同意したようだ。そうだよな。そうだろうなあ ・・・・・・

あの父がオペも治療も受けずに天命にまかす、なんて覚悟が本当にあろうとは思っ

てもなかったけれど、でも1年に2度のオペは80を過ぎたからだには相当キツかろう

し、それでガンが消失するかどうかは別として、これで確実にまた父は一気に衰える

んだろうなと思うと複雑な思い。同時に、あの大変だった1月と同じことがまた繰り返

されるかと思うと私はいまからちょっとユーウツだ。

でも救いはこの夏空!

「だってこの天気じゃ落ちようがないじゃない!」と先日Mちゃんもいってた。

そういう友達を持って私はとても嬉しい。

でもすでに地上はワレモコウが咲いて、はや初秋の気配。

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どこかの原っぱかと見紛うここは、ビルの屋上。都会のオアシス。

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2012年9月 4日 (火)

がん再発

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昨日すこし暑さがやわらいだと思ったのも束の間、今日はまた朝から強烈に暑くなっ

た。見よ、この青空のコントラスト!

陽射しをさえぎるものもない舗道を父につきあってゆっくりゆっくり歩いていると、ほん

とに焦げてしまいそうなほど暑い。今日は予約時間15分前に病院に着いた。妥当な

時間である。2階に行くといつもより待っている人も少なく、ちょっと待っていたら電光

掲示板に父の受付番号が表示されたから今日は早いかなと思ったけれど、そうでも

なかった。けっきょく予約時間を過ぎてもまだ父の順番はこない。おまけに前の人が

日本人ではなかったらしくて通訳を連れてくるといって別の階にいったまま、彼女の

番になっても戻ってこなかった。やれやれ。

やっと父の番になって診察室に入ると、担当医は目の前の超音波画像を見ながら

「やっぱりあるんだよね、いくつか」といった。「とくにここのはちょっと顔つきがよくない

から、進行が早いかもしれない」という。そうですか~といいながら画像に目を凝らす

父と私。「ほかにも気になるところはいくつかあるんだけど、肝臓って画像だとわかり

にくいからいまのところはちょっとなんともいえないけど、ここの顔つきの悪いのは間

違いなくがんが再発した、ということで間違いないと思います」と医師は断言した。

「それで以前やったのと同じように塞栓術で治療をするのがいいと思うんだけど、どう

しますか?」と医師がいい、父が何もいわないので私が「それは急を要することです

か?」と聞き返すと、「早くやったほうがいいと思うけどね。でもいま(ベッドが)100人

待ちだから、ただ待ってると3、4ヶ月先ということになってしまうので、それじゃ困る」

という。いったいどっちが困るって話なんだ、と思いながら黙って聞いていると、「なの

で、できるだけ早く入院する日を決めてもらいたい。そうしたらなんとかするから」とい

うのだ。妹の話によると1月の入院のときは担当医から最低2週間は入院してくださ

いといわれたのに実際はベッドが10日しかとれず、病院側からは10日時点でどうし

ても体調が悪いようだったら別の病院を紹介するから転院してくれといわれたと聞い

ていたから「それは前回と同じくらいの入院期間ということになりますか?」と聞けば

「そうだね。ぜんぶで10日間。だから前回と同じように期間限定入院ということで10

日より前に良くなっても病院にいる、悪くても出る、という予約をしてもらえれば3ヶ月

待たなくてもとれると思うから」というので、内心ぶっ飛んでしまった。

キカンゲンテイニュウイン? 前回と同じ??? 

聞いてないよ、そんなこと。という感じである。まるでそれじゃホテルみたいじゃない

か。いや、ホテルより悪い。ホテルなら嫌になって帰りたくなったらキャンセル料払って

出ていける。なんだよ、これ ・・・・・・

父も私も黙っていると医師は「もっとも、血管にカテーテル通してやる塞栓術はけっこ

うキツイことなので、本人がもう80過ぎてるから嫌だといえばしかたがないけれども。

でも、いま治療しなかったら先にいって治療が大変になるだけだし、これだけ悪い顔

をしたがんを何もしないで放っておくっていうのもね」と医師は私たちの顔を見ながら

いった。私は1月のオペ以降、明らかに急速に衰えた感じのする父が再びそんなオペ

に耐えられるのかまた父がそれを受ける気があるのかもわからなかったし、いま死ぬ

ほどハードワークをしている妹のスケジュールのことも気がかりだったし、自分の数ヶ

月間の予定もまったく見通しがつかなくなってしまうことなどで頭がぐるぐるしつつも

「わかりました」といった。「ちょっと考えさせていただけませんか? 入院の期日を決

めようにも私は一緒に住んでいるわけではないので、一緒に住んでいる妹のスケジ

ュールもありますし、とてもハードワークをしている人なので。どうしたらいいでしょう、

できるだけ早く先生にお電話さしあげるということでいいですか?」というと、医師は

「では、こんどはその一緒に住んでいる方とここに来てください。そういうことは電話で

は話せないので」といった。それから次の予約をとるのにいつがいいか妹の都合を考

えていたら、「2週間くらいみときましょうか。よく考えて来てください」といって次の面

談は2週間後の火曜日になった。それで今日は終わりだった。所要時間10分。

診察室を出るといつものようにそそくさと父をうながして下に降りた。

こころのなかは検査結果を聞いて暗澹としたのと『期間限定入院』というのへの憤り

でいっぱいだった。それで、もう昼過ぎだったし食事でもしながらちょっと父と話そうと

会計を済ませてきた父にお昼を食べに行こうといったら、父は不機嫌そうに「お父さ

んはお腹すいてない!」という。でたよ、またいつものが。と思いつつ、「でも食べない

と後でお腹すくでしょ」といえば、「お父さんは1日に2食でいいんだ。でも、あなたが何

か食べるんだったらお父さんは珈琲でも飲んでるからいい」というので、じゃあもう帰り

ましょう、といって病院を出た。実にやれやれな気分だった。

また暑い炎天下に出ると、父は「やっぱり、少しづつ悪くなっていたんだな」といった。

私は静かに「そりゃそうでしょう」といった。「病気になるっていうことは、生活習慣か食

生活か、あるいはこころのありようのどれか、またはぜんぶに問題があったからなった

わけで、それを改善しないかぎりまた出てくるのはしかたないでしょう。あなたたちは

私がどんなに玄米がいいっていってもやらないし、人のいうことなんか聞かないガンコ

な人たちなんだからさ」というと、父はあれ以来、野菜中心の食生活に変えてきたんだ

といいはった。でも私は父が買ってきたお惣菜で夕飯をすませるのを何度も目撃して

いるのだ。スーパーで買ってきた天ぷらやコロッケなんて父の病気には最低最悪だ。

妹へは電車のなかからメールした。

すぐに「わかりました。どうもありがとう。困りましたね ・・・・・・ でも、しかたない」で始

まる返事が返ってきた。それがいまの妹の正直な心情なのだろう。妹が転職した会社

ときたら、労働基準局に通報してやりたいくらいの会社なのだ。いくら経理をやってい

るからって連日夜中の1時過ぎの帰宅はなかろう。

父には、妹にも相談してよく考えないとね、といったけれど、父は「人間、おっちぬとき

はおっちぬんだから、もう何もしなくていい。覚悟はできてる」とぶっきらぼうにいった。

もちろん、そんな父の覚悟なんて母の覚悟ほどにも堅固じゃないのはわかっていたけ

ど、いったいどうするのが1番いいのかなあ、と私は考えた。たぶん、この先もずっと

考え続ける。

父の物言いはぶっきらぼうなのだけれど、電車を降りるとホームで私の電車が通り過

ぎるまでこちらを見ていて、私が手を振ると手を振り返す。今日も電車が父を追い越す

まで3回も手を振った。

それにしても父、小さくなったなあ ・・・・・・

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2012年9月 3日 (月)

父の再検査

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父の再検査の日。

いつも検査の日に付き添うのは妹、担当医に結果を聞きに行くのは私、と分担してい

たのだけれど、今回は検査の時間が午後3時と中途半端な時間なのと、会社で経理

をやっている妹は月始めの月曜は休みにくい、ということで2日続けて私が行くことに

なった。いつものように父とは駅の改札で待ち合わせ、夏の午後の最も暑い時間に

外に出ると、9月に入ってからの断続的なゲリラ豪雨のせいで陽射しは少しやわらい

だけれど、相変わらず大気の状況は不安定なようだ。あと少しで病院、というところで

またポツポツきはじめた。前のめりになっていまにも転びそうな歩きかたをしている父

に、またダーッと降ってくると困るから少し急いで、といってみるけれど、「そんなことい

われても速く歩けない」といって父は口をへの字にしている。なんとか本降りになる前

に病院のなかに入った。それが予約時間30分前。

まいどロビーの機械に診察券を入れるようにいって、自分の控えと2枚出てくる受付

票をとり、2階の消化器内科の受付箱に入れて、電光掲示板下の椅子で待つ。それ

からが長い。電光掲示板に受付番号が表示されるまでにややあり、それから中の診

察室(今日は検査室)近くの長椅子の前で、こんどはドアの前の電光掲示板に受付

番号が表示されるまで延々待つことになる。そんなの毎度のことなので、私は本でも

読んで待っていようと泰然とかまえているが、ここから父のそわそわ・やきもき・いら

いらが始まるのだ。もう予約した時間になるのに、前の人が出てきたのに、もう何分

過ぎたのに、もう予約時間は終わってしまったのに、と目で態度で声にだして訴え続

ける。今日なんかまだ自分の番号が表示されてもいないのに検査室のほうまでいこ

うとして、いいかげん落ち着いておとなしくここで待っててくれ! と止めた。こういうの

がほんとに疲れる。こういう父の横にいるだけで私はストレスだ。

けっきょく、今日の検査予約はどうやら2人の別の医師がダブルブッキングしたものと

思われる。父とまったく同じ予約時間の受付票を持った父より10くらい若そうな男性

が検査室から出てきて、ちょっとの間をおいて父の番号が表示された。

その先に出てきた、いかにも生粋の東京っ子らしい匂いがする、育ちのいいボンボ

ンといった鷹揚な感じの男性は、「ああ、のどが渇いた」といって自分のカートからマ

イボトルを出すと、お茶だか水だかをごくごくと飲んだ。「朝食後、検査前は水も飲ん

じゃいけないっていうんだもの」と奥さんにいっている。やきもきしながら待っている父

の左横でぐうぐう寝てた人は奥さんだった。検査の後だというのににこにこ鷹揚に話

すその人を、同じくにこにこしながら見ていた私が「検査は時間がかかりましたか?」

と聞くと、男性は「そうでもない。30分くらい」と人懐こい感じでいった。「おとうさんも肝

臓?」と聞くので、「そうです。肝臓がんなんですよ」というと、「おんなじだ」と夫婦同時

にいった。なんでも2年前に肝臓がんの切除手術をして、それから3ヶ月毎の検診に

通っていたのが、前回、3ヶ月前のCTスキャンでひっかかって今日エコーということに

なったらしい。「また肝臓に直径1センチ大のがんが見つかったって」と旦那さんがい

うと、「このひと、心臓も悪いのよ」と奥さんがいう。すると旦那さんのほうは「いいんだ

悪いところはさっさと取ってすっきりしちゃうんだ」と前を見たままこともなげにいった。

2人は検査が終わってもなかなか帰らないと思っていたら、いまやったエコーの結果

を待って、医師とのやりとりで今日中にオペと入院の予約をしてしまうのらしかった。

私がふたたび本の上に目を落とすと2人はお互いのスケジュールについて話し合い

始めた。お昼抜きでお腹がすいたという旦那さんは、こんどはカートからお煎餅をとり

だして食べている。なんと用意のいいことだろう。しばらくお煎餅を噛むパリパリという

いい音が廊下に響き、醤油の香りが漂ってきたと思ったら、ほどなく2人の入院スケ

ジュールの話は他愛もないお煎餅談議に変わってしまった。こういうことにはもう慣れ

っこなのか、彼らにはこれから2度目の肝臓がんの手術を受ける悲壮感はこれぱか

しもなかった。

検査は30分ということだったけれど、彼らが診察室に呼ばれて入って行き、医師との

話を終えて出てきてもまだ父の検査は終わらなかった。「きっと先生が丁寧にみてくれ

てるんだろう」、男性は私に人懐こくいった。診察室の前で、「それではお大事に」とお

辞儀をして別れた。

それからしばらくして父が看護婦さんに例によって自分の肝臓がんがどのような経緯

でみつかったかを話す声が聞こえて、やっと父が出てきた。「思ったより時間がかか

ったみたいだけど疲れた?」と聞くと「そんなに疲れてない」という。でも超音波をやる

のは初めてだったのか、「なんだか胸からお腹からヌルヌルするものを塗られて冷た

いしくすぐったいし ・・・・・・」と笑えることをいった。時計を見るともう5時近かった。

「ま、結果は明日にならないとわからないから今日考えてもしょうがなし。とにかく出よ

う。なんでもないといいね!」と父をうながして、そそくさと会計をすませて外に出た。

父は検査のために今日は昼抜きだったけれど、私もバタバタしていてお昼を食べそこ

ねたまま出たからお腹がぺこぺこだった。もう遠くまで歩く元気もないので隣りのビル

のレストランフロアに行くと、もうランチタイムを終えて夜まで準備中の店が多いなか、

まだやっていた中国料理の店に入った。ラーメン好きの父は坦々麺を食べ、私はエビ

チリ定食を食べた。店のなかは私たちしか客がいなくて、私たちが食事をしている間

中も男性店員と女性店員がふつうの声で話しながらせわしなく夜の宴会らしいテーブ

ルセッティングをしていた。おまけに店のオーナーとおぼしき中国女性が割れ鐘のよう

な声で喋りまくり、私たちのテーブルまで来て「辛いか?」「おいしいか?」と聞いた。

「そんなに辛くない、おいしいです」と答えたけれど、実際は砂糖も塩も効きすぎて味

が濃すぎた。中国人がオーナーで、これってないだろうと思った。先日、検査結果を

聞いた後に美術館のレストランで食べたときもそうだったけれど、今回も散々いいと

いったのに父が払った。

駅までの道をまたゆっくりと歩きながら、病院で会ったご夫婦のことを話した。

私たちが病院にいるあいだにかなり雨が降ったらしく、歩道にはところどころに大きな

水たまりができていた。雨のせいで暑さは朝よりもやわらいで、ビルの間から見える

空には秋の気配があった。私は変な時間に食事をしたらもう眠くて眠くてコーヒーショ

ップにでも入って珈琲を飲みたくてしかたなかったけれど、父と一緒だとそれも面倒だ

し、夕飯の支度はあるし、それに自分のいれた珈琲が1番おいしいことを考えると馬

鹿らしいのであきらめて歩いた。

明日の面談は11時半。

どうせ予約時間が過ぎても待たされるんだから明日は1時間前に待ち合わせるのは

やめよう、といったら、父はいつになくあっさり同意した。

父も今日で少しは懲りたらしい。

相変わらず父の心情はわからないけれど、あとは神さまに祈るしかない。

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2012年9月 2日 (日)

お念珠

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激しい浄化で始まった9月。

今朝はいきなり涼しくなったと思ったらお念珠が届いた。

これは、いままで何度か利用したことのあるパワーストーンショップが閉店セールをや

っていて、何かを買うというつもりもなく眺めていたら見つけて、一度はスルーしたもの

の、あまりの安さに買ってしまったもの。思えば息子も今年で24歳だから、自分のお

念珠くらい持ってないとみっともないだろうと思ったこともあり。

閉店セールとはいえ、なんと8割引き。けれど社長が自らセレクトした品物だというだ

けあって石のクオリティも高いし、お房も正絹だった。石はグリーンクォーツァイト。

グリーンクォーツァイトというのはグリーンアベンチュリンの別名だそうで、グリーンア

ベンチュリンのキラキラがないものだということだけれど、アップルグリーンのような透

明感のあるやさしい緑はかえってこちらのほうが好きなくらいだ。緑とピンクの石は第

4チャクラ、ハートの石。いわく森林の癒しを持った石、だそうだ。ときに激しい感情が

災いしてしまう息子にはぴったりな石のように思う。

他にはタイガーズアイなんかもあって、あの石も見た目と違って繊細な波動を持った

良い石ではあるのだけれど、タイガーズアイを好んでつけている人の傾向、というか

タイプが好きではないのと、繊細な息子にはちょっと強すぎるのでこちらにした。息子

に見せたら気に入ったようだ。菩提樹の実でできたのが好きじゃないから、ともいって

いたけど、実は私もあれはあまり好きではない。とくに理由はないけれど。

私のお念珠は母からもらった真珠のがひとつと、母が亡くなったとき形見分けでもらっ

たアメシストのがひとつ。

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真珠のはたしか母の親友が真珠島に行ったときに母にくれたもので、とくに高価な物

ではないけれど本真珠でできている。アメシストのは、この房の感じだとどうやら人絹

でこれもとくべつ高価なものではないと思うから、それを考えても今回息子に買ったも

のはずいぶん良いもののようだ。そして高級かどうかは別として、大きさをくらべるた

めに自分のお念珠を出してみたら即座に眉間にビーンと感じるものがあったから、こ

の真珠も強いエネルギーを持っているものなのだと思った。

そして『閉店セール』なんていうとつい経営がうまくいかなくなって ・・・・・・ などと思っ

てしまうけれど、今朝きたメールマガジンによれば全然そういうことではないらしい。

もともと17年前に体調を崩したことがきっかけでオープンされたという店を今月閉め

ることになったのもまた病気の発覚が発端で、なんと今年の2月に医師から乳がん

を告げられ、そのときすでに内臓に転移していて切除手術もできないから余命は年

内、といわれてしまったという。年齢はまだ40代半ば、子供も小さい。しかもヒーリン

グの仕事をしているのに何故、という思いもあって怖さと戸惑いを抱えながら、でも現

実的な死への準備もしていかなければならないなか、『病気の本質はメッセージだ。

病気には常に気づきと変容へのギフトが詰まっている』とかねてより思っていたことを

思い出し、しっかりと病気のメッセージに耳を傾けて向き合うことにしたという。

そうしたら、オープン当初は人々の健康とスピリチュアルな進化をお手伝いするため

にと純粋な気持ちで始めたショップがしだいに企業の厳しい過当競争に巻き込まれ、

いつのまにか当初のそんな思いが見失われていたことに気づいた。さらに、近年は

パワーストーン業界自体がファッション化してきたせいで必要以上に地球から鉱物

を採掘して、競争しながらお金を稼がなければいけないというジレンマに自分たちも

陥ってしまったため、もともと本質のところではお金儲けの対象ではなかったクリスタ

ルの仕事 ── パワーストーンショップは手放すことに決めた、というのだった。

それでか、と私は思った。それで儲け度外視の閉店セールなんかやっていたんだ。

そしてさらに驚くべきは、そう決めてもう一度しっかりとクリスタルと向きあい、ガンは

自分の気づきと進化のためのサポーターとして来てくれたということを受け入れ、戦

わずに向き合うと決めて、ハートからの直感で自分にできることをとにかく実行して

いたら、9月現在、ガンは進行を止め、消失し始めているという。「ガンを抗がん剤で

叩き、放射線で焼き、そして切除して治療しましょう」という大学病院の治療を拒否し

たにもかかわらず ・・・・・・・

こういうことを書くとすぐに眉をひそめる人がいるのを知っているけれど、私自身は身

近に同じように自分でガンを治してしまった友人(しかも西洋医学の医者)がいるので

信じる。そして意識レベルの高い人は、いつもこうやって自分で良くなる道を見つけて

いくよなあ、と思う。『愛を持って向き合い、そして感謝して許すと決めることが、本当

に大切なカギになる時代になりました』とメールマガジンの言葉は結ばれていた。

そしてもうひとつ、もっと以前から利用させてもらっているパワーストーンショップから

きたメールマガジンには、『石の力はもちろん、頭でっかちで「そんなの信じないよ」と

いう人にでも、共鳴する周波数のものがあればよい結果を招いてくれるものですが、

やはりハートが開いている人、素直な人が身につけると 本当に絶大なる変化が訪

れたりします」と書いていた。本当にそう思う。

ちなみに、ただ丸玉をシリコンゴムに通してブレスレットにしたものを「お数珠みたい

で嫌」という人がよくいるけれど(その感じもよくわかるけど)、ファッションやお洒落で

つけるならともかく、パワーストーンの力をダイレクトに吸収したいと思ったら、それが

一番シンプルでよいかたちなんですね。気功に行ったりするとわかるけど、身につけ

ている金属はすべて外すようにいわれる。気の交感の妨げになるから。

パワーストーンブレスレットも、石の間にメタルパーツが入っていたりすればするほど

石のエネルギーを吸収しにくくなる。

世の中のパワーストーンを身につけている人がどれだけわかってつけているかは知

らないけれど、これだけ情報量の多いいま、わかってつけている人も多いと思うし、

またそれ以上につけている理由はロジック以前に『ただ単に石が好きだから』という

のがおおかたその本質だろうと思うから、人の好き好きなど、いちいちとやかくいわ

ないで大目に見てくださいな、と私は思う。

さらに、人前でお数珠みたいなブレスレットをつけるのは嫌だけど、石の力はほしい

という人は寝るときにつけて眠ればいい。起きているときの頑なな顕在意識にコント

ロールされない睡眠中(潜在意識下)のほうが、より吸収がよいそうだから。

というわけで、今日は滅多に使わないけれど無いと困るお念珠の話からパワースト

ーンの話。

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2012年9月 1日 (土)

豪雨の前のSillent Morning 

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September。

早朝、携帯の着信音で目が覚めると『豪雨予報』だった。

昨日の夜中に満月浄化しようとベランダに石たちをたくさん出していたから、あわてて

起きて出ていくと、外は不思議な静寂に包まれていて、ベランダでは静かなバラの時

間が始まっていた。いつもこんな時間に起きてベランダに出ることは滅多にないから

私の知らない時間、花たちはこんな風に咲いていたんだと思った。

いつも、この花独特の静かな雰囲気をまとっているフェアビアンカ。

明るい瞳のジュード・ジ・オブスキュア。

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それから、これから咲こうとしているイブリン。

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オレンジシャーベットのようなブリーズ。

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9月になった。

9月は母と息子の誕生月。おとめ座とてんびん座の月。

いつも書いていることだけれど私にとって9月は現実的な月で、秋はいつもよそよそ

しくやってくるものだったけれど、今年はまだじゅうぶんに夏の名残りが残っていて、

土曜から始まるだけでもいいと思っていた。でも、実際はそれ以上だった。

また今朝、ギフトをもらったと思った。この朝の静かな時間。

それで起きてしまえばよかったのかもしれないが、昨日寝たのが遅かったし、まだ眠

かったので再びタオルケットにくるまって横になったら、ほどなくして激しい雨が降って

きた。雨の音を聴きながら眠りに落ちた。

満月も浄化。雨もまた浄化。

個人的には9月は浄化と修復、再スタートの月だと思っている。

なんておあつらえむきなこのタイミング。

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チューべローズが香る9月の朝。

あたらしいものがたりのはじまり。

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