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2012年8月14日 (火)

清水翠×馬場孝喜@上町63

12kanmachi63_2

横浜。馬車道。上町(かんまち)63。

ふだん飲みつけないワインなんか昼間っから飲んだら一気に眠くなってきちゃって、

ちょっと横になったらうっかり寝過ごしてしまうとこだった。家を出るタイムリミット寸前

に、いけないいけないと起きて支度をして出かけた。支度をしてるときはまだ顔が赤

かった。外はものすごい蒸し暑さなのに、アルコールがまわってるせいでさらに暑い。

なんとかスタート前に馬車道に着いたものの、まだ1回しか来たことのないJAZZバー

で、おまけに前回は翠ちゃんに連れられて来たものだからすぐ近くまで来て道に迷っ

てしまった。バーに電話をして、それからすぐにたどり着けたからよかったものの、大

汗をかいてしまった。

さて、今夜のライヴはJAZZヴォーカリストの清水翠さんとギタリストの馬場孝喜さんの

デュオ。翠ちゃんのライヴに来るのはいったいどれくらいぶりだろう? 

その間のことはここには書かない。(なんでもここに書くわけじゃない。)

清水翠という人は不器用なくらい正直な人で、自分がいい相手といいライヴをやって

いるときは自信を持って「おすすめ!」という。で、そういうときに来ると本当にすごく

いい。いまの相手がまさしくそうで、だから一度聴きに来たいと思っていた。でも、い

かんせん馬車道は電車に乗ってるだけで1時間半はかかるし帰りの終電は気になる

しで、いくつかのタイミングが合わないとなかなか来られない。今日も酔っぱらってうっ

かりめげそうになったところをやっと来られた、というわけ。

オープニングは馬場さんのソロで、この暑い夜にぴったりの『サマー・タイム』で始まっ

た。それから翠さんの持ち歌の『I've Never Be In Love Before』。最初、翠さんの声

は半紙に墨汁で線を書いたときのように輪郭がぼやけて聴こえたのだけれど、それ

も最初だけで、すぐにクリアになった。翠さんお得意のポルトガル語によるブラジル・

ナンバーとポップス、そこにJAZZのスタンダードが少し、といういつもながらの構成な

がら、まったく退屈しなかったのは馬場さんの若い感覚による独特のリズム感とアレ

ンジ。ルーパー・エフェクターを足先で器用に操りながら絵を描くように曲を構築して

ゆく。そこには美しい音色を持ったギタリストが陥りがちな単調さもない。つくづくいま

の若いギタリストって器用だなあと感心します。何より、やり尽くされた曲でもありがち

な感じにならずに独自のことをやろうと一生懸命音を探っているのがよかった。馬場

さん自身もすごく楽しそうにやってたし。童顔ですごくシャイな感じの方なのだけれど、

自分の意図した通りに曲が展開したときなのかな、ときどき下を向いたまま歯を見せ

て笑うのがなんとも愛らしく、チャーミングな方でした。

若い馬場さんは翠さんのバラエティーに富んだ選曲で自分の幅を広げているような感

じがしたし、ベテランの翠さんはそんな馬場さんを相手に自分のまだ掘り起こされてな

い部分をDIGしているような感じがしたし。

とってもいいコンビでした。すごく面白かった。

『All Blues』なんかでは翠ちゃんの芝居っ気を感じ、『コラソン・バガボンド』、『サビア』

『フェリジダーヂ』なんかのブラジル音楽では翠ちゃんの洒脱さと深みを感じ、でも今

夜、泣きそうによかったのはシンディ・ローパーの『True Colors』で、やっぱりギタリス

トが若いせいだからなのかな、いつもは翠さんはブラジル音楽がいいと思ってるんだ

けど、今夜は前述の曲に次いで『Kiss Of My Life』『Englishman In New York』などの

ポップスがすごくよかった。そしてもうひとつ。

翠さんが歌った瞬間に「あ!」と思ったのは、昔々、子供のころ、淀川長春さんがまだ

生きてらっしゃって解説をしていたころの日曜洋画劇場のエンディングでかかっていた

曲で、いい映画を見て感動し、さらに長春さんの解説を感心しながら聞いて、長春さん

が「さよなら、さよなら、さよなら!」といった途端に怒涛の海のようなこの曲が流れ始

めると、きまって「あーあ。これで日曜も終わり。明日はもう学校かあ・・・」とブルーに

なったものなのでした。

帰りの電車のなかで翠さんに「あの曲なあに?」とメールしたら、「So in Love ぢゃ。

日曜洋画劇場のエンディングテーマだよ。明日、学校かあ・・・ とブルーになった曲。

コール・ポーターだよ」とすぐに返事が返ってきました。

やっぱり。で、びっくり。ここでまたあの曲に出会えようとは。

そういうわけで今日は最高に面白かったのだけれど、アンコール曲はトゥーツ・シール

マンスの『Bluesette』でした。

翠ちゃんのブルーゼット、これが絶品なの。

で、私はそれを好きで死ぬほど聴いたから、翠ちゃんが歌った通りに口笛を吹けるの

です。まじで。

人前ではやらないけどね。

(だからクマの前ではやるかもしれない。)

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