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2012年8月31日 (金)

ルビームーン、ブルームーン

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おととい行ったときは店主を見舞ったちょっとしたアクシデントでお店にお花が全然な

かったから、今日また9月の花を買いにコトリさんに行った。

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外は相変わらず暑いけれど、ここにはいつもどおりの静かで穏やかな花の時間が流

れています。ピンクのプロテアとアップルグリーンのアナベル。

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今月半ばからやっていたun jourさんとhummingbirdさんの『なつのにわ』展も今日で

終わり。今日は最終日に来ていたお二人にもお会いできてよかった。

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そして今日買った花束のラッピングペーパーにコトリさんが「ルビームーン」といいなが

らつけてくれたこれ。

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豆科の植物のさやって、色も質感も皮みたいで面白いです。

ルビーいろの三日月。

折しも空には今月2度目の満月、ブルームーンが上っていて。

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ついに今日で8月も終わり。

相変わらず毎日あついけど、ここ数日でいちだんと日の暮れは早くなり、ついこのあ

いだまで夜まで聞こえた蝉の声はいつの間にか秋の虫の音に変わった。

年々、季節の移り変わりが極端になっていて、葡萄いろの秋は瞬く間に過ぎるから、

まだ暑い夏の終わりのうちから私は来るべく冬に思いを馳せている。

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光のなかのジュード

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この夏はよく咲いてくれたジュード。

なにゆえ君はJude the Obscure なんて名前なんだろう?

私なら君にそんな名前はつけないな。

光のなかのジュード。

今日も朝から強烈な陽射しだ。

輝く雲!

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まだ夏はしばしここにとどまっていたいらしい。

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2012年8月30日 (木)

この夏お初のかき氷

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木曜の今日になってハッとした。

そういえば今年の夏は父から夏祭りの電話がこなかった。

子供がものごころついてから毎年欠かさず行ってた夏祭り。

ここ数年は父から電話がくるたびに、もう子供も20歳を過ぎてお祭りが楽しいって年

でもないよ、といい続けてきたけれど、ついに父もあきらめたのだろうか。

毎年暑いなか出かけて行くのは面倒臭くもあったけど、何も連絡がこなければこない

でちょっとさびしいような気もしたりして。それで娘に「今年は綿あめを食べそびれちゃ

ったよ」といったら、娘は娘で「え? もう終わっちゃったっけ?」とボケたことをいう。

八幡さまのお祭りは毎年8月の第4週の土・日と決まっているじゃないの。もうあさっ

ては9月なんだもの。

それで、というわけではないけれど、娘に頼んでいたイラストの仕事もまだ完了では

ないものの、ひとまず一段落したことだし、ご褒美もかねて仕事を終えるや武蔵野茶

房にかき氷を食べに行くことにした。9月を目前にして今日、東京は最高気温35.6

度を記録したそうだ。35.6度! これはもう残暑というより完全に季節がズレてしま

ったとしかいいようがない。世間の人は暑いのにも夏にもほとほとうんざりだろうけど

それでも私は8月が終わってしまうのがさびしいのだ。できればこのまま8月のままで

いてほしい。アホかもしれないけど冬が来たらブラジルにひとっ飛びしたいくらいだ。

(そしてクイーカを鳴らしながら私もサンバの行列を歩きたい。)

だから、かき氷も8月が終わる前に食べたかったのでした。

そんな猛烈な暑さのせいか、今日の武蔵野茶房は満員御礼だった。

店頭のベンチで待たされること30分以上。

もう存在を忘れられちゃったのかと思うころ、やっと席に案内された。

そしてメニューを見てさんざん迷う娘と、迷わない母。

娘がさんざん迷った末に頼んだのはやっぱり私と同じこれなのだった。

氷 黒みつミルク。

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でかっ!!

黒みつと練乳ミルクが半分ずつたーっぷりかかってて、白玉だんごが5つ。

そして、カトラリーには小さな花が添えられていて、こんな小さな気遣いがここ、茶房

のいいところ。そういえばさっき待っているときも、予約したバースデーケーキを取り

に来たお客さんにリボンのかかったガーベラの花を1輪、「ささやかですがプレゼント

です」といって渡していて、花一輪といえどもこんなサービスっていいなあ、と思ったの

でした。

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私のもきました。

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やっぱりデカイ。

でもってやっぱりこれ、おいしい~!♪

実は内心、今日はケーキ売り場と混んだ喫茶店をたった2人の店員さんできりもりし

てたから今日のかき氷はいつかみたいに粗いかなと思いきや、はじめて食べたとき

みたいにふわっふわでした。よかった。

でも、暑い外から店内に入ってきてすぐに食べたならいざ知らず、さんざん冷房の効

いた店内で待ったあげくにこれだけのかき氷を食べるとさすがに最後のほうはからだ

が冷えてきて、ブルブル・・・・・・

食べ終わってすっかり満足してお会計すませて外に出れば、蒸し暑い外もちょうどよく

またもや自分のなかで夏がひとつ終わったのでした。

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2012年8月29日 (水)

Twilight Flight

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夕方、空と月がきれいだー といいながら空を見ていたら飛行機が飛んできた。

Twilight Flight。

私もあれに乗ってどこかに飛んでいきたいな。

満月間近の宵の空。

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2012年8月28日 (火)

ガーリー

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夕方おそく歯医者に行った帰りに何気なく寄った本屋で久しぶりに装苑を買ったら、

ふいに昔のことを思い出してしまった。

たぶんあれは秋の終わりころの夕暮れ間近の時間。

3歳の息子が通っているアートスクールで知り合った親子と近所の公園で遊んでいて

それぞれの子供がブランコに乗っているのを眺めているときだった。L君のお母さんが

私を見て、「もうすぐ2人めを産む妊婦とは思えないくらいきれいね」といった。

私はもうずいぶん大きなお腹をしていたし、やんちゃ盛りの息子を連れて、散々着古

したY's for living のラップコートにデニムにスニーカーという、自分ではかなりどうでも

いい格好をしていたから、とつぜん彼女の口から出た思いがけない言葉に面食らっ

ていたら、彼女は「きっとこんどの子は女の子ね。だってあなたは男の子しかいない

母親のようじゃないもの」といった。

う~ん、それってどういう意味なんだろ。

と思ってふっと連想したのが大島弓子の『つるばら・つるばら』というマンガの中に出て

くるビーズのバッグのことだった。

マンガのなかで主人公の少年の両親は、大事な一人息子がどうやら同性愛者では

ないかと薄々気づいているのだが、できればそれが自分の勘違いであってほしいと

願っている。そんなとき、息子が生まれて初めてかわいいガールフレンドなんか家に

連れて来たものだから、母はすっかり嬉しくて舞い上がってしまって、さんざんおもて

なしをしたうえに自分が娘時代から大事にしていたビーズのバッグをその女の子に

プレゼントしてしまう。けれど後になってその女の子はただの友達にすぎなくて、やっ

ぱり息子はゲイだったとわかって、「せっかくあの子に大事にしていたビーズのバッグ

まであげたのに」といって泣くのである。

そのビーズのバッグ。

つまり、男の子だけじゃ服装にしても持ち物にしてもなんだか味気ないけど、女の子

がいたら母はやっぱり、ああしてこうして ・・・・・・ と夢が広がるものだと思うのです。

そういう気持ちをあのビーズのバッグはよく象徴していたなあ、と思う。

実際、何をやっても器用だった母が作るビーズのお財布やレースの縁編みをほどこし

たハンカチや、花瓶の下に敷かれたドイリーは子供心にもとてもきれいだった。

母は夏の前にはノースリーブのワンピースとボレロのアンサンブルを自分で作り、盛

夏には私と妹の浴衣と簡単服を縫い、秋には大きな素敵なボタンのついたコートを縫

った。私にはとうてい真似のできることではないけれど、私が小さいころからきれいな

ものが好きだったのは、貧乏ながらもきれいなものを作り出す母親のもとで育ったか

らなのだといまになって思う。10月号の装苑は『ガーリー』の特集だけど、何がガーリ

ーかって、女の子のなかの『ガーリー』はそんな風にして育つものじゃないかと思う。

装苑は、高校生くらいのときだったか、娘のファッションがちょっと妙なことになってき

たときに、これじゃいけない、と思って本屋に行って、これしか自分が好きだと思える

ファッション誌がなかったために買って娘に渡したのがきっかけで、娘もよく見るように

なった。いま、街にでると若い女の子のファッションはひどい。ここはブラジルのビーチ

じゃないんだからそんなカッコで街を歩くな! といいたい。

私は今どきの下品なギャル・ファッションだったら断然ガーリーのほうが好きだ!

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2012年8月26日 (日)

ランチミーティング

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赤坂。

ここで働いていたころはあんなに大変だったのに、いまとなってはここも懐かしい街。

すべては夢のように過ぎ去る。

今朝ラジオを聴いていたら、ツイッターで20万人以上のフォロワーを獲得していると

いう作家の志茂田景樹が出演していて、リスナーのお悩み相談に答えていたけれど

過激な彼のファッションと違ってその答えは面白くもなんともないほど朴訥としてふつ

うでまっとうで、本当はすごくまじめな人なんだなあ、でも物書きなんてみんなそんなも

のか、と思った。その志茂田景樹がメールで別れをいおうとしていた女性に強くすす

めていたのは、その前に会って話しあうこと。こういう時代だからこそメールや電話じ

ゃなく会って話すことの大切さを強く説いていて、そんなこと他人にいわれなきゃわか

らないほどいまってリアルなコミュニケーションが崩壊してしまった時代なのかなあ、

と思いつつ、会って話すのがそりゃあ1番大事だと私も思った。

ラジオの収録を終えた友人はプレゼンのときとは違うカジュアルな服装で、何もつけ

ずに掻きあげた前髪がふわふわと自然だった。TBSビルは夏休みの親子連れで賑

わってお祭りみたいにうるさかったというけれど、お隣りのこのビルは人の混雑もなく

和食屋の個室は驚くほど静かだった。私はご飯を食べながら仕事の話をするのは苦

手だけれど、長年の友人ともなればさすがに緊張することもなく、お互いがどういう人

間かわかっていて揺るぎない信頼のなかで顔を合わせるのはこれほど落ち着くもの

かとあらためて思った。あることについて話していて、「私が東京人だから嫌だったと

いうのもあるのかな」といったら、「ああ、そんなこともいってたな」といい、「向こうが標

準語で話すからこっちも標準語で話してたら、いつもそういう口調で話すんですかとい

われて、まあ、そうですねと答えたら、いわゆるバイリンギャルってヤツね、といわれて

驚いちゃったよ。標準語と大阪弁を話すといまはそういわれるのかって」というから、

「ふぅ~ん。そうなの。私は知らない」と答えると「それにあなたはきわめて東京的だか

らね」といった。この人は私が高校生のときから私のことを『きわめて東京的』というけ

れど、東京の下町で生まれて、すぐに私がいま住んでいる辺りの東京の田舎で幼少

期を過ごし、小学校に上がる前くらいからずっと中野で育った私が『きわめて東京的』

なんていわれていいんだろうか、と思う。もともと昔から『南青山』、なんて気取ってみ

たところで、一歩路地裏に入れば店の前に出した七輪でお豆腐焼いて焼き豆腐作っ

てたりして ・・・・・・、そんなものだよ、といってきた。さすがにあの豆腐屋ももうとっくに

なくなっちゃったけど。

でもいつか絵を見たときだったか音楽を聴いたときだったか、都市感覚というのはど

こで生まれ育ったかということに関係なく、人のなかに存在するものだと思ったことが

あるから、そういう何かが自分のなかにもあるのかもしれない。友人お気に入りの店

はおいしかったけれど、私はやっぱり話しながらじゃよく味がわからなかった。

東京は緑の多い街で、この時期、外は猛烈な暑さだけれど緑は輝いていて美しい。

それに驚くのは植栽の技術の高さで、高層ビル群のなかに忽然と、ずっと昔からあっ

たかのような自然な庭園が現れたりする。都市のなかの小さな緑のオアシス。

私は東京が好きだから、本当に東京が好きな人だけが東京に住むなら、この街はも

っとよくなるのにな、といつも思う。

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2012年8月25日 (土)

アジアン・ダイニング

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滅多にないこと昨日、息子は泊まりがけででかけてしまった。

それで今週末は娘と2人でゆっくり過ごそうと思っていたのに、今朝早くメールがきて

急きょ明日は仕事になってしまった。だから、というわけではないのだけれど、今日は

プールから帰るなりRさんから教えてもらったインド料理屋に遅いランチにでかけた。

Rさんいわく、旦那さんに無理やり誘われて行ったこの店が、なかに一歩入るなりまる

で日本じゃないみたいな雰囲気で、店内にインド音楽が流れているせいもあって日本

語も通じないような場所に思えて(実際は店主は流暢な日本語を話すけれど)、なん

だか返って癒されたのだそうだ。だいぶお疲れ? って感じだけれど、私も昨日から

どっぷり疲れていたからちょうどよかった。お料理もインド料理だけじゃなくてチベット

料理もあって、日本人向けにアレンジしてあるのかカレーもあんまり辛くなくて、お店

の人もすごく感じよくてよかったよ! というので一度行ってみたいと思っていたのだ

った。先日、夕飯の買い物がてら場所だけ確認しようと娘と店の前まで行ったら、中

から店主とおぼしきスレンダーなインド人がにこにこしながらでてきて、『これを持って

きたらランチ500円』のチラシを2枚くれたので、今日はそれを持って行ってきた。

べつだん撮るほどのこともなかったから写真は撮らなかったけれど、5種類の中から

選べるカレーがひとつと、小さなサラダと焼きたての大きなナンかライスにドリンクの

組み合わせ。野菜カレーにナンとラッシーを2人分頼むと、たちまち厨房からぱちん

ぱちんとナンをたたくいい音が聞こえてきた。カレーの辛さも4種類あって、「中辛」と

いったら、「本当? だいじょうぶ? 辛いよ」という答えが返ってきた。辛いのが苦手

なRさんが辛くないというんだからだいじょうぶだろうと思ってそのまま頼んだけれど

やっぱり全然OKだった。自分で作るカレーのほうがよっぽど辛い。いつか子供2人

に「今日のカレーは辛すぎる!」と抗議されたことがあって、「え~、いつもどおりに

作ったのに」と思ったけれど、私は今日ここのカレーを食べてちょっと反省した。

カレーはあっさりしていながらスパイシーで、焼きたてのナンとともにとてもおいしかっ

た。店主はよっぽど心配だったのか、料理を出してしまった後も食べている私たちに

辛くないか聞きにきた。おまけに2人は友達かと聞くので、この人は私の娘です、とい

ったら、信じられない、全然そうは見えない、せいぜい姉妹くらいにしか見えない、とい

うので、こちらのほうが「それはありえないだろー」という感じになった。インドのお母さ

んはきっとみんな太ってるから、痩せて小柄なだけでとても若く見えてしまうのだろう。

500円のランチですっかりお腹いっぱいになって、ごちそうさま、おいしかったですと

いってレジに行くと「今度はこれをあげる。いつまでも安い」といって今度は780円の

ランチが680円になるチラシを2枚くれた。

ここは東京の西の田舎だけれど、商店街の店の移り変わりは驚くほど早い。飲食店

を続けてゆくのはここでも簡単なことではないのだろう。いい人たちがやっているお店

みたいだからつぶれないで続いてほしいなと思う。また来ます、といって外に出た。

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外に出るともう夕方だというのに、まだまだ強烈な陽射し!

ヒマワリも重たげにうなだれてる。

いったい今年の夏はどうなっちゃったのだろうか。

空を見ると一直線にひこうき雲が ──。

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ふつう、ひこうき雲がはっきり見えるときは翌日は雨になるという定説があるけれど、

いっこうに雨の気配はない。

そして、家に帰ってしばらくしてからびっくりした。

からだじゅう熱くて熱くてたまらないのだ。足の裏までポッポしてる。

その理由を考えたらどうやらカレーで、食べているときはたいして辛くなかったのに、

からだのなかに入ってから体温をあげているらしい。ふだん低体温の娘に試しに体

温を計らせてみたら、いつも35度6分くらいしかない人がなんと36度8分まで上がっ

ていた。つまりこれって、あのインド料理屋が純良のインドハーブを使っているという

ことじゃないかと思う。おそるべし、アーユルヴェーダ!

娘は超冷え症の人なので、冬なんか、たまに行くといいかもね、なんて話した。

それから薄暗くなりかけたベランダでまだ咲いているフェアビアンカを見つけて驚い

た。今日もあれだけ陽射しが強かったのに。

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やっぱりこれはギフトなのね、と思う。

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イチジクのコンポートふたたび

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ミントをのせて、先日よりさまになりました。

イチジクのコンポート、バニラアイスクリーム添え。

とろんと甘くて冷たくて、ほのかに甘酸っぱい。

イチジクのコンポートだけでもきっとおいしいだろうけど、でもこれ、バニラアイスとの

相性がバツグンです。

簡単に作れるのでお試しあれ!

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真夏日のデュセス・ドゥ・ブラバン

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今日も朝から強烈な陽射しが降り注ぐ。

服から出ているところは痛いくらいだ。

そんなベランダできれいに咲いているデュセス・ドゥ・ブラバンを見つけた。

昨日の夕方干した洗濯物の影になっていたのがよかったのかな。

こんな暑い時期にきれいに咲くなんて。かよわい花なのに。

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それからまたもやフェアビアンカ。

こんな暑さのなかでフェアビアンカを見るといつでもなぜかちょっと気持ちが救われる。

何年やっていてもバラにはときどき驚かされるけれど、このバラ、脆弱なのに意外と

夏に強い。

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それにしてもなんという暑さだろう!

完全に真夏の暑さのピークのポイントはズレてしまったみたいだ。

あと1週間足らずで9月になるというのに。

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今日は朝起きたときからちょっと頭痛。それからみぞおちにかたさも感じる。

相変わらず自分はストレスに弱いなと思う。

あれはいまの会社に入ったころだったか、友人に「ぼくたちはストレスに弱い。でも、

弱いから弱い人たちの気持ちがわかる。どうすれば強くなれるか考える。良いもの

を作りましょう」といわれたことなどあったことを思い出しながら、ゆっくり深呼吸しな

がら自転車をこいでプールに行った。

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2012年8月24日 (金)

ココロノカタチ

Heart

たとえばもし、自分がまったく意図しないことで人にとてもとても心配をかけてしまった

としたら、それがたとえ自分にとっては思いがけないことだったとしても私なら「そんな

に心配させてしまってごめんごめん、全然そんなつもりなかった、不用意だった」とい

って謝るだろう。そしてそんなにも自分を心配してくれた人がいたことに感謝してこころ

から「ありがとう」というだろう。それは頭で考えるとかじゃなくてどちらも何も考えなくて

もとっさにでてくる言葉だ。少なくとも私の場合は。そういった言葉がまったくでてこな

いかわりに屁理屈みたいな言葉しかでてこないのはその人が素直な人じゃないから

なんだろうと思うし、その人がいかにインターネット上の公の場できれいなものをだし

ていようと、こころのうちにあるものはきれいなものばかりではないってことなんだろう

と思う。

毎日たくさんの患者(つまり病気の人)をみている医者の友人は、こころをうまく使えて

いない人が病気になる、というのが持論だけれど、先日は「にんげん、ある程度の年

になると、こころのうちにあるものが外見をかたち作ってゆくものですからね」というの

で、「キッツイ。それはキツイな。自分に照らして反省の材料にすることはできても、

それは人様にいえる言葉じゃないよ」といったら、もちろんね、といいながらも友人は

「でもあなた、ほんとにそうですよ」と念を押した。ならばなおさらこころしていかねば

ならない。たしかに、昔からよくいう『人は見た目じゃない』という言葉と、『いや、人は

見た目だ(見た目に全部でている)』というのはまったく真反対の言葉でありながら、

どちらも当たっている。そのどちらも見極めるのは自分の眼力しかない。

私はときどき直感ではわかっているのにそれを情で打ち消して間違ってしまう。

間違ったのは自分だからぜんぶ自分が悪いことにしてしまえば簡単なのかもしれない

が、怒りを通り越してとてもとてもがっかりした日。

こんな気持ちもネガティブなエネルギーも今日のお風呂で、それから明日のプールで

ぜんぶ流してしまおう。

写真はヒマラヤホワイトソルトでできたハート。

だから舐めるとしょっぱい。涙みたいに。

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2012年8月23日 (木)

三日月の夜、珈琲を買いに。

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水曜の朝、木曜の猫は、あ! と思った。

まずい。明日の朝で珈琲豆がなくなる!

なんたってこの猛烈な暑さのなかでさえ熱い珈琲を飲んでいる木曜の猫一家なのだ。

おまけに土居珈琲の豆を何年も愛用し続けているせいで、珈琲に関してはすっかり

違いのわかる猫であるからして、豆ならなんでもいいってわけじゃない。

それで今日、木曜の猫は仕事が終わるとそそくさと珈琲を買いに家を出た。

行くのはもちろん、顔の濃いトムネコのところだ。

あそこには猫の好きなビターコーヒーがあるのだ。

折しも空には安らかに猫が眠っているような三日月が。

そしてはじめて今日は日のあるうちに公園までたどりついた。

池では人間の大人の男が1人でスワンに乗っていた。(麗しくないので割愛。)

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暮れなずむ空と月を眺めるのによさそうな岸辺のベンチである。

大きな柳の木がちょっとお化けみたいだけど。

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木曜の猫は噴水を眺めるのも好きだ。

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木立のフレームのなかに見える三日月。

それにしてもいつも木や空や月ばかり見ている猫だ。

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このドアを明るいうちに撮るのも今日がはじめて。

よく見るとなにやらいろいろ書いてあって、なかなか几帳面で親切なトムネコである。

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静かにドアをあけると「いらっしゃいませ!」というトムネコの元気な声が聞こえて濃い

顔がチラッと見えた。今日は仕事帰りのサラリーマンらしい大人の男が2人、右の席

にいたので木曜の猫は左の奥の席に座った。

今日、店のなかに入ったときにかかっていたレコードはこれである。

  After Hours

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そして、その次にかかったのはなんだっただろう。

こんなジャズでこんなレコードがあるのかというくらい静かな、静かすぎるほど静かな

対話みたいな音楽で、思わず木曜の猫は追想に耽り、つまらないことを考えた。

つまらないこととは考えてもしょうがないこと。

もしあのときああせずにこうしていたらいまごろどうしていただろう、というような類のこ

とだ。いままでだって散々考えたことだし、いまさら考えたってほんとにしょうがない。

でも猫の頭も人間の頭と同様、合理的にばかりはできていないのだ。猫はサカナの

みにて生きるにあらず。どうもここに来ると木曜の猫はぼんやりし過ぎる。

たしかにここは誰かと来てお喋りするよりは1人で来てぼんやりするのにふさわしいと

ころだけど、大人の男2人は無言のまま、時折りアイスコーヒーらしきものをストロー

で吸うズズっという音だけが妙に大きく響く。いったい男2人で何が楽しいのかしらん。

古いJAZZマニア?

ぼーっとしながら苦い珈琲を飲み、須賀敦子のエッセイをひとつふたつ読んだらあっ

という間に1時間が過ぎた。いったいいつから来ていたものか、大人の男2人はさっき

やっと帰って行った。あれだけゆっくりまったりして酒代、もとい珈琲代が600円とは

安いものだ。木曜の猫も本をパタンと閉じて席を立った。

「トムネコビターを200ください。」

それからトムネコとは少し話した。今日はぼんやりし過ぎたせいで木曜の猫は左脳

がすっかりぶっ飛んじまって、何やらおぼつかない会話であった。おまけに少々、挙

動不審のところも見せてしまった。あーあ。そんなわけなのでどういう流れでそういう

話になったのかはわからないが、トムネコは「僕にだって個人的な悩みはあります」

といった。えっ! あるんですか? といったら「そりゃあ、もう悩みのない若い時代

は終わりましたから。もう30も過ぎたし」といった。木曜の猫には人の年も猫の年も

わからないが、意外と若いトムネコなのだった。

そのときかかっていたのはこれだ。


  Thelonious Monk In Action


セロニアス。

まるで昨日の続きみたい。

挙動不審を演じてからそそくさと外に出た木曜の猫は、暗い木立のあいだから見える

ピカピカの大きな三日月を左手にずっと見ながら、解決するには知力と精神力と体力

を要する悩みって、いったいどんな悩みなんだろう? と思った。

肩にさげた猫柄のエコバックからは歩くたびに珈琲豆のいい匂いがした。

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このあいだ座ったときには小さなカボチャが置いてあったところに、今日はビクターの

犬がちょこんと首をかしげて座っていた。

この犬、おばあちゃんの家に大きいのがあったな。

たぶんレコードマニアの叔父のだ。

懐かしい。

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2012年8月22日 (水)

竹内直×清水絵里子@セロニアス

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いつも、はじめて行くJAZZバーに1人で行くときは緊張する。

降りたこともない駅、見知らぬ街、おまけに夜だとなおさらなんだかわからないし。

またもや今夜も迷ってしまった。

ホームページの地図には北口から3分とあったのにそもそも北口なんてないし、駅前

界隈の雰囲気はなんだかディープな感じだし道を聞こうにも街の人は恐いしで、いつ

ものごとく、もう帰ろうかなあ、と思いながら歩いてたらやっと見つけた。

 JAZZバー セロニアス

で、入口がこれですもん。なんだかあやしくないですか?

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おまけに紫ネオンのこのドア。

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思いっきり入りにくいよー! 

と思いながらエイヤっとドアをあけると思いのほかカジュアルな雰囲気の若いママが

笑顔で出てきて、「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ~」といわれて奥の席に着

くと、まだお客はだーれもいなくて、直さんとエリッチョさんこと清水絵理子さんがグラ

ンドピアノの上で譜面広げて打ち合わせの真っ最中なのでした。その会話が超おもし

ろかった。2人でまじめな顔つきで譜面に目を落として何やらいいあってたかと思った

ら、突然ふと目をあげて直さんのほうを見たエリッチョさんが「メガネが汚い!」と叫ん

で、「エ! あれ? うそ ・・・」なんて、あわてる直さん。漫才コンビみたいなところを

しっかり目撃してしまったのでした。

客席はステージ前のわずかなスペース。6~8人も入ればいっぱいというところ。

なのでインティメートもアットホームも通り越して、なんじゃこれな雰囲気なのだけれど

それだけに今日来た人たちはみんな馴染みの人たちばかりだったようで、かたや今

日の2人は長年やっててお互いに気心知れた直さんとエリッチョさんだし、演奏の前

後に目の前の客に話しかけるわ話しかけられるわで、こんなにリラックスした直さん

見たことない、ってくらいリラックスしたステージになったのでした。

ファーストはかなりフリー寄りの演奏で、自由にやってる直さんを手のひらで遊ばせる

菩薩のごときエリッチョさん、という感じ。絵理子さんはもともと低音の魅力の人なのだ

けれど、今日のファーストではちょっと重たい気がした、かな。

それも最初だけで、いつものことではあるけれどセカンドになったら俄然よくなった。

以下、自分の覚書に、セカンドステージのセットリスト。

 1.ミッション

 2.アンバー

 3.ビエナ

 4.Como Siento Yo(コモ・シエント・ジョ)

 5.ロック・イン・リズム

 * アンコール 

    トラベッシア

ミッションとビエナは絵理子さんが竹内直4にいたころ発売されたCD『Rapture』から

の選曲で、ライブでもCDでも聴きなれた曲ではあるのだけれど、生きてるってことは

常に変化し続けてるってことだから、かつて聴いたのとは違っていた。サックスもピア

ノも。私がこのなかで個人的に1番良かったのは直さんオリジナルの『アンバー』。

直さんによればあまり人気のない曲だってことだけれど、これがとてもよかった。

それから今日やっと聴きとれました。キューバのピアニスト(ルーベンス・ゴンザレス)

の曲だという Como Siento Yo(コモ・シエント・ジョ)。これをやった後が可笑しかっ

た。いちばん前の席でソファにゆったりかけてリラックスして聴いていた水野晴郎似

のおじさんが、「いやあ~、いまの曲。なんだか哀愁たっぷりでムードあったねえ~!

いまここに恋してる人でもいたらもうメロメロになっちゃったんじゃないの?」なーんて

いうものだから、みんな爆笑。直さんも「なんだか昭和歌謡みたいでもあるでしょ」と

いいつつ、「でも、そういう話は終わってからゆっくりってことで。この後もまだあるんだ

し、電車の時間(終電)もあることだし」なんてしっかり釘をさすのでした。

ラストの『ロック・イン・リズム』は、打てば響く・寄せては返すといったあ・うんの呼吸の

このデュオならではの楽しさ。高度なことをさらっとやってのけるあたり、さすがです。

そしてアンコールはミルトン・ナシメントの『トラベッシア』。

ミルトンっていうとたいていこれやるミュージシャンが多いけど、直さんだったら他にも

もっとぴったりなのがるんだけどなあ、なんて思いながら聴いた。もちろん、良いんで

すけど。

今夜ははじめて降りる東中野のディープな雰囲気にやられ、あやしいJAZZバーに少

々緊張し、おまけにお客といえば男のなかに女が1人で、JAZZリスナーって一見コワ

モテ風だったりとっつきにくい雰囲気だったりするから、うわっ て感じだったのだけれ

ど、蓋を開ければなんてことない、話せばみんなフレンドリーで面白い人たちなのでし

た。よかった、よかった。

それにしても縁とは不思議なもので、このあいだの上町63では秋山一将さんの弟子

だったという人に会い、今日は超秋山マニアという人と出会って秋山さんの話で盛り

上がってしまった。こうなると久しぶりに秋山さんのライブにも行きたいところ♪

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2012年8月21日 (火)

父と過ごす夏の日

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父の三ヶ月検診の結果を聞きに行く日。

朝、駅の改札口で待ち合わせた。

予定通りの電車に乗って約束の時間より2分前に着けば、父は私より1本早い電車

だったのか、それとも同じ電車の1番前に乗っていたのか、すでに待っている。

この暑さでてっきりまいっているかと思っていたけれど顔を見れば顔色もよく、すっき

りとした顔をしている。だが、そう思ったのも束の間で、ひとたび炎天の下を歩きだせ

ば強い陽射しの下ではまるで枯れた老木のようだ。もともと小柄な人だけれどその身

体は年々小さく、力ない。足腰がすごく弱っているせいでいまにも蹴躓きそうなたどた

どしい歩き方で、いっかな前に進まない。内心、がんばれがんばれという思いで病院

まであと少しというところまで来たとき、「あっついね!」というと、顔をしかめて「暑い」

と答える。「でも私は2月生まれだけど夏好きだからぜんぜん平気なんだ。父だって

若いころは平気だったよね。毎年、夏は伊豆に海水浴に行ったじゃない」といってみ

るが、へたばっていて乗ってこない。そう、子供だったころの私の夏休みの楽しみは

海に海水浴に行くことだった。いつも父の運転するクルマで行った。母は海水浴なん

ておよそ好きじゃなかったけれど、上げ全据え膳でご飯を作らなくていいのと海の幸

目当てでいつもついてきた。私は変なとこやたら記憶がいいからいまでもいろいろな

ことを鮮明に憶えている。

病院には予約時間より30分前に着いたけれどけっきょく待ち時間はいつも通りだっ

た。そして今回も前回同様、経過良好ならきっと次は半年後の検診でよくなるに違い

ないと期待して行ったけれど残念ながらそうはならなかった。先週撮ったCT画像に再

発が疑われる直径1センチ大の腫瘍らしき影がみつかったという。ただ血液の腫瘍

マーカーは正常値なのでいまのところ断定はできず、今度はエコーをやってみましょ

うということで、また約2週間後に2日続けて病院に来なければならなくなった。

待ち時間1時間強にして、話していたのは10分程度。

診察室を出てから父には、まだ再発と決まったわけじゃないからいまからいろいろ考

えないほうがいいよ、画像に影くらい映るときもあるから、といって下に降りる。

清算をすませた父と病院の外へ歩きながら、「でもちーと面倒なことになったね。でも

まあ、しょうがねえな!」と明るくいってみるが父の表情は暗くも明るくもなく、相変わら

ず何を考えているのかわからない。また検査かと思うと炎天を歩かせて帰るのもかわ

いそうになって、いつもは食事をしてすぐに帰るところを病院を出てすぐの入口を降り

て地下鉄に乗った。上野の東京都美術館が新しくなって素敵なレストランもできたみ

たいだからそこでランチでもしようと思ったのだけれど、これが大いなる誤算だった。

西新宿から上野までは30分ちょっとしかかからないが、階段の上り下りがキツイ父と

一緒にエレベーターを使って外に出てみれば、いつもと景色がまったく違う。公園口、

といっても美術館とは真反対のアメ横のほうに出てしまった。それでまたもや延々と

炎天下を歩くことになった。

12ueno

でも同じ炎天でも違うのは、見えるのが高層ビル群ではなく眩しい夏の緑だというのと

この辺りは父にとって幼少期の思い出の場所であることで、街なかを歩くのと違って

父はここでは懐かしそうに昔を回想しながら歩いた。

120821s

外は猛烈な暑さには違いなかったけれど、とても夏らしいといえる日で、私はこの暑さ

にもすっかり慣れてしまった。

上野の森の上空に浮かぶ雲。

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美術館近くの輝く樹木。

12ueno_02

そしてさらなる誤算はもうお盆休みも終わって平日は人が少ないだろうと思っていたら

フェルメール効果か、美術館も2階のレストランも物凄い人だったということだ。

レストランの前は長蛇の列でびっくり!

12ueno_03

いくらふだんは待たない私でも、ここまで来たからにはあとは待つしかない。

もうお腹もぺこぺこだし疲れたし。

でも、ここでも比較的気分よく待てたのは、大きな窓に広がる青空と輝く緑の美しさの

せいだったろうか。けっきょく、やっと順番がまわってきて席に着けたのはなんともう2

時半なのだった。

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量が少なくてあっさりしたもの、と父にいわれて食べやすさだけでオーダーしたオムラ

イス。

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腹ペコの私にはちょっと足りないくらいだったけど、デミグラスソースがおいしかった。

それから生前、母が大好きだったクリームソーダ。

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そんな懐かしさだけでオーダーしたクリームソーダは、なんともきれいな緑でレトロな

味で、昭和にタイムトリップしそうなほどにおいしかった。

(ついでに父がものすごく不器用でアイスがすくえないのが歯がゆくも切なかった。)

ぼんやり窓の外の夏空と緑と目の前の父とを眺めながら、父と過ごす今日のこの日

が、いつかは美しい夏の日の思い出になるんだろうと考えたりした。

ここで大量のクリームソーダですっかりお腹もいっぱいになり身体も冷えたことだし、

せっかくだから『真珠の耳飾りの少女』を見て帰ろうかということになった。

それでロビーの券売機の前に並ぼうとしたら、我々のことを見ていたんだろう老婦人

から、「65歳以上の方はいらっしゃいませんか? 前売りを買ったんですが今日来ら

れなくなってしまって1枚余っているんです」と声をかけられたので渡りに舟と譲っても

らって、父の分はちょっと安く買えたラッキー♪と喜んだのも束の間、美術館に降りて

ゆけばまたもや人・人・人なのだった。これじゃ絵を見るというより角砂糖に群がるア

リを見ているに等しい。おまけに!!!

肝心の『真珠の耳飾りの少女』ときたら、縦に細長い部屋のその奥の方に小さな額が

かかっていて、その前を延々蛇行して並ばせる始末。父は「驚いたね。絵を見るのに

こんなにうねうねと並ばされたのははじめてだ」とぼやくことしきり。そのたびに「うん

モナリザのとき以来だ」とか「うん、穴八幡でお札をもらって以来だ」と答える私。

そしてついに絵の前に行けると思ったら「はい、立ち止まらないで。後ろがつかえてま

すから。まっすぐ通り過ぎてください。まっすぐです。ほら後ろがつかえてます」とうるさ

くいい続ける。なんなの、これ。こんなの美術鑑賞じゃなーーーーーーーーーい!!

思わず高いチケット代返しなさい、といいたくなるところでした。

わずかな救いは、『真珠の耳飾りの少女』以外のフェルメールの絵(しかもかつては

サインを偽造され弟子によるものだといわれていた絵)が見られたことと、レンブラン

ト最晩年の自画像とルーベンスの『聖母被昇天』の下絵が見られたことくらいかな。

本当にこれはひどい、この日本の美術鑑賞のありかたはなんとかならないものかと

思って会場を後にしたのでした。もうへとへと。

あんまり疲れたのでつい出てすぐの椅子に腰かけてちょっと休もうと思ったら、父が

うとうとし始めたのでこんなとこで寝られたらマズイと外にでた。

120821sa

それにしても日本人のなんとフェルメール好きなことよ。

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国立西洋美術館には『真珠の首飾りの少女』も来ていて。

「こっちを見ればよかったわ」と私たちの後ろでため息まじりにつぶやいている女性が

いたけれど、こちらはそんなに混んでなかったのでしょうか。

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夕方になって昼間の暑さは少しやわらいだというものの、カレーの市民も暑そうです。

父はまたもや木陰のベンチに座って休んでいます。

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けっきょく一日がかりになった病院の日。

父とすごした2012年の暑い暑い夏の日。

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しかし今日もどこにいても人から話しかけられた。病院でも道端でも美術館でも。

私ってそんなに話しかけやすい顔をしてるのでしょうかと思うけれど、こわい顔はして

ないってことだから、まぁ、いいか。

上は美術館の出口に置いてあった朝日新聞の号外。

『真珠の耳飾りの少女』が来るというだけで新聞の号外が出るとは。

フェルメールが知ったらさぞ驚くことでしょう。

麗しのガール ・・・・・・

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2012年8月20日 (月)

晩夏

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もう、秋の気配が少し混じってはいるけれど、このところ爽やかな夏の朝が続いていて

嬉しい。8月はこんな日が続いたまま終わってくれたらもっと嬉しい。

むかし読んだ大島弓子の漫画のなかに、『クーラー切って窓をあけたら夏の風が入っ

てきた』というワンフレーズがあって、いまでもこんな風に胸に残っているのだけれど

今日は一日クーラーをつけずにいたら子供のころの夏が戻ってきたみたいだ。

夏ってどうしてこう懐かしい季節なんだろう。

夏がくる前から夏の光を思って恋しい、懐かしい。

さなかにいるときから行く日を思ってさびしい、懐かしい。

クーラーなんてものがなかったころの、おばあちゃんちの居間で食べた冷たいトコロ

テンやスイカの味をぼんやり思い出している。そういえば今年はまだかき氷を食べて

ない。ぜひとも8月中に食べたいものだ。

そして家では滅多に炭酸も飲まないけれど、こう気持ちよく暑いと炭酸が飲みたくな

ってくる。そら屋さんに行ったついでにオーガニック・ジンジャエールを買ってきた。

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 ジンジャー・スプリング・ミント

もうちょっとショウガが効いたドライな味でもいいけど、甘さといい炭酸の感じといい、

はふぅ~ おいしい!

ジンジャーとレモンマートルとミントの複雑にして爽やかな味わい。

入っているのは、有機砂糖・有機ショウガ・クエン酸・有機カモミール・有機セージ

有機ミント・有機レモンマートル・スパイスローレルエキス、だそうです。

なんたって、おいしくてからだによさそうなのがいいです(^-^)♪

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2012年8月19日 (日)

暑い午後のカッペリーニ

120819summer_sky

うるさいほど蝉が鳴く朝。

青空には輝く白い雲が浮かんで、素晴らしい夏日。

晩夏になって夏が勢いをとり戻したようだ。

もう少し寝ていたいところを起きて9時からの住宅の一斉清掃に出てゆく。

相変わらず下の庭は除草剤をかけられて見る影もなく、茶色くなった雑草は触る気

にもなれない。私が咲き終わったバラを切っていたら例によって階段の人が木の伐

採を始めた。郵便配達人の邪魔になるからというのがその理由だが、それなら通り

道の枝だけ落とせばいいものを、まだきれいに咲いているムクゲの枝を大量のつぼ

みごと半分くらいも詰めてしまった。去年はもっと短くしたのに、たった一年で去年以

上に伸びた、と悪態をつく。あたりまえだ。植物はそれが仕事なんだ。やっと一年かけ

てここまで伸びて花を咲かせたものを、まだ夏のうちに切ってしまうなんて。夏の花な

のに・・・・・・。切っているのはもうどうしようもなく不細工な人で、私より少し若いくらい

のだけの人なのに、娘が着るようなものを着て白いお腹を見せている。世間に垂れた

ぷよぷよの美しくないお腹を見せるな! といいたい。

こういう光景にであうたびに、およそ花になんの興味も持たない人たちが住んでいる

こんなところはさっさと出て行きたい、と思う。

そんなことを思いながら炎天で延々と伐採された枝を片づけていたら、帽子から出た

髪の先から汗がしずくになって落ちた。ふだん暑くてもあまり汗をかかない自分でも

こんなに汗をかけることに驚く。今日、外は頭が痛くなるくらい夏だ。でも、美しい夏

の日。人間以外はいつだって美しい。

さて、そんな暑い日の遅いお昼はカッペリーニ。

先日デパートの地下でディチェコのカッペリーニが安く売っているのを見つけて買って

きた。いつか、Mさんと南青山のHATAKEで食べた、一瞬そうめんかと見紛うような大

根おろしとシラスの和風のカッペリーニもおいしかった。あれも暑い日だったっけな。

今日、私が試しに作ってみたのはホタテの缶詰とカイワレとトマトのカッペリーニ。

トマトはほんとはフルーツトマトを使いたかったのだけれどなかったのでアメーラルビ

ンズというミニトマトを使った。

なかなかおいしくできたので写真の下にレシピを記す。

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 ホタテとカイワレとトマトの冷製カッペリーニ

 < 材料 > 3人分

  カッペリーニ   300グラム

  ホタテの缶詰  1缶

  フルーツトマト  3個

  カイワレ     1パック

 (ソース)

  オリーブオイル      大さじ5

  ニンニクのすりおろし   大ひとかけ

  粗挽き黒胡椒       いっぱい

  ドライバジル        少々

  塩              小さじ1杯

 < 作り方 >

 1.大きな鍋に湯を沸かす。

 2.ボウルにホタテの缶詰を汁ごとあける。まるごと貝柱が入っているものは

   ほぐしておく。

 3.2のボウルに種をとって1センチ角に切ったトマトとソースの材料を入

   軽くかき混ぜ、冷蔵庫(急いでいるときはもう冷凍庫)でしっかり冷やす。

 4.カイワレは洗って切って水気をとっておく。

 5.1の鍋にちょっと多めくらいの塩を入れたらすぐにカッペリーニを投入して

   ゆでる。ゆであがったら氷水でしっかり冷やして水気を切り、3のボウルの

   中に入れて混ぜる。お皿に盛ってカイワレをのせたらできあがり!

*****************************************************************

食感はまさしくそうめんチック。

でも、お味は和にしてイタリアン。

あっさりしているようで、そうめんよりカロリーがあって満腹感あり。

冷製カッペリーニなんていうとちょっと気取っていていかにもイタリアン・レストランで

食べる料理のようだけれど、自分で作ってみたら意外と簡単だった。もしかしたら、

(というか、たぶん絶対)冷やし中華を作るより簡単だと思う。

暑い日が続いてちょっと食欲が出ないな、というときのお昼に、家族も目先が変わって

おいしく食べられるかもしれない。簡単なのでぜひお試しあれ!

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2012年8月18日 (土)

ぴんくとぱあず☆

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作品の中だったか対談の中だったかもう忘れてしまったけれど、山田詠美が自分の

育った家庭では両親がいつも仲がよくて、オープンに愛し合っているのを小さなころ

からふつうに見てきたから、それが自然にあたりまえのことだと思っていたし、自分も

そうなるのだと思っていた、と話しているのを聞いて、山田詠美は愛ある素敵な家庭

で育ったんだなあ、と思った。だから山田詠美にはああいう小説が書けるのだと。

そんなゆるぎない家庭のなかで育ってきたら、何がどんなことになったって少なくとも

愛だけは信じられる、のではないだろうか。

先日、友達に会ったら彼女が『自分の目指す最終到達点』といって話してくれたことが

山田詠美のいってることに近くて、彼女もまたそんな愛ある両親のもとで育ったしあわ

せな人だったのか、と思ったのだった。

ときどき、くしゃくしゃになったバラを愛しく眺めながら、いったいくしゃくしゃになったバ

ラを最後まで愛せる男がいるだろうかと思ったりするけど、彼女の父はそういう男だっ

たということだ。もっとも彼女の母は若くして亡くなったからくしゃくしゃのバラではない

けれど。美しい母だった。

そんなことを思うのと同時に、女子高生のころから、ベビーフェイスでいつも年齢より

年下に見られる私のことを「お花畑が似合う」とかって揶揄し続けた一見クールで大

人っぽい彼女の、意外とロマンチックな部分を垣間見たような気もした。彼女のいま

のしあわせの秘密は、神さまみたいに優しいパートナーのせいばかりではなくて、そ

んなところにもあるのかもしれない。


ぴんくとぱあず、という甘露のしずくみたいな響きの名前に惹かれて買った二つの石。

そのうちよりピンクがかったほうを貝のケースに入れてラフィアの紐をかけ、新月の夜

に書いた手紙と一緒に封筒に入れた。なんでもない日の贈りもの。

そういえばRさんは誕生日とかクリスマスとか決まった日にする贈りものより、たまた

ま偶然、その人のことを思い出させるものに出会ってしまったとき、なんでもない日に

する贈りものが好きだといっていた。Sちゃんもよく、自分の好きな雑貨屋に行ってき

たときなんかに「お土産!」といって小さな封筒に入ったメモパッドとかマスキングテー

プなんかをくれて、そんな気軽で小さなプレゼントがかわいくて嬉しかったりしたな。

『トパーズ』という名前は、『探し求める』を意味するギリシャ語の『topazos』が由来だ

そうだ。そして鉱石の場合たいていピンクが入ってくるとそれは恋とか愛を意味する。

探し求めなきゃならないのは私のほうで、彼女はすでにほしいものを持っているけれど

昔々に行った彼女の部屋の窓辺にどこかで拾ってきた石が並べられていたのを思い

出して、これを送ろう。彼女が無事に最終到達点にたどり着けるように。

新月の気をこめて。

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新月のフェアビアンカ、そしてアンス

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新月の朝にフェアビアンカが咲いた。

花は小さいけれど、夏に咲いたとは思えない、清らかでやわらかい花。

香りとともにこの花のやさしさがあたりに広がってゆくようだ ・・・・・・

昼前にすごい勢いで降り始めた雷雨は、プールに行くころには小降りになって、泳い

でいるあいだにすっかり晴れた。

いつもプールで泳いだ後は顔にまだゴーグルの跡がついてるし、髪はバサバサだし

ロッカーにかけておいた服はよれよれだから、いつもはスーパーで買いものするだけ

で帰ってくるのだけれど、今日は新月だから花でも買って帰ろうとコトリ花店に寄ると

人の顔を見るなり「さっき電話した!」とコトリさんがいう。携帯の着信なんて見てない

し、「じゃ、以心伝心だね!」といったら即座に「愛だね!」と返ってきて、人間関係が

いつもこんなだとラクチンなのにね、と思わず思う。

真夏のあいだは花がぜんぜんもたないし、冬にくらべて好きな花も少ないといつもい

っている彼女だけれど、「めずらしく今日はローズマリーもユーカリも、緑のものがぜ

んぜんないね」といったら、昨日の市場はお盆休み明けで見事に何もなかったそう

だ。それで庭に生えてる植物なんかも切ってきてくれて、あっさりと涼しげなひと束に

なった。

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今日、私が選んだのは淡いピンクのアンスと、ピンクとグリーンのカーネーション。

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以前の私だったらアンスみたいな花は選ばなかったと思う。

でも今日はこの淡いピンクのアンスが涼しげでかわいく見えた。

「耳みたいでしょ」とコトリさん。

私の固定観念を外してお花の感覚を広げてくれたのもコトリさんだと思う。

夏が苦手で、早くこんな服が着たいといいながら、ファーがついたZUCCAの服の広告

を見せてくれた。暑いさなかはこれが永遠に続くような気がするけれど、夏って意外に

短いものなのよ。私はまだ夏の光のなかにいたい。

お互いの着る服が秋いろに染まるころ、コトリ花店にはどんな花が並んでいるだろう。

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2012年8月16日 (木)

休日最後の真夏日

12cheese_stand

休日最後の日くらいは家でなんにもしないでのんびりするか、本でも持って1人でどこ

かにずらかろうと思っていたのに友人からお誘いのメールがきて、それがふだんは店

をやっていて滅多に会えない友人だったから誘いに乗ることにした。

なんたってファッショナブルでトレンドに詳しい友人だし、滅多にないこと人を誘うくらい

だからきっと何か素敵なプランでもあるのだろうと思いきや、全くのノー・プランだから

あなたの見たい映画とか美術館でもあればどこでも、という。嫌なパターンだ。

それなら横浜美術館で奈良美智が見たいといって一応それで落ち着くものの、調べ

てみたらあいにく木曜休館とある。ならば銀座で天ぷら御飯でも食べてロックなフォト

ジャーナリスト、福島菊次郎のドキュメンタリー映画でも見よう! と提案すれば、私

の提案がシブ(硬派)過ぎたのか、こんどは「ヘルタースケルターは興味ない?」とき

たので「全く無し!」と即返信して、こりゃ駄目だとあきらめた。それで布団に入ってか

らも夜な夜ないろいろ考えて、朝になって急きょ予定変更。

そして朝になってみれば青空に白い雲もくもく、朝から強い陽射しの真夏日だ。

そんな炎天の下、向かった先は渋谷チーズスタンド

ここは前から渋谷に最低週2回は通っているチーズ好きのMちゃんと行きたいと思っ

てた場所で、今年の6月にオープンしたばかり。

早朝、牧場から送られてきた搾りたての生乳で作った出来たてのフレッシュチーズが

食べられる店、というのがそのコンセプトで、何を隠そう『いつかイタリアに行って生ま

れたての赤ちゃんくらいのモッツァレラを食べる!』のが夢の私にはなんとも魅力的な

店なのでした。

代々木公園の駅で降りて今日もものすごく暑いなか、NHKホール方向へ向かって直

進すること約10分。見えてきたのはホームページで見るより思いのほか小さな店。

そして、やっぱりお盆休みで東京に人がいないせいで空いてる! と喜んだのも束の

間、もう午後1時をまわってるのに肝心のモッツァレラがまだできあがってないという。

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淡白な私ひとりだとたぶん、いま食べられるものだけ食べてまたにしよう、となるところ

を、せっかく来たんだからサンドイッチでも食べながらできあがるまでの1時間待とうよ

となった。そこで、カプレーゼとレモネードをオーダーして食べながらお喋りしていたら

店の人が「モッツァレラできあがりました!」といいにきて、でてきたのがこれ。

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出来たてモッツァレラ(左)とリコッタの盛り合わせ。

モッツァレラには塩味のきいたオリーブオイルが、リコッタにはハチミツがついてる。

ほんとは一人一皿ずつ頼んだつもりが、こうやって出てきちゃったのでシェアすること

にした。飲めるなら私もきりっと冷えた白ワインでも飲みたいところだけど今日はやめ

にして、友人はいそいそスプリッツアを買いに行った。

12cheese_stand_02

できたてモッツァレラはスーパーで買ってくるのなんかと全然ちがって、濃厚なミルク

の味わいと弾力があり、リコッタはそのままでデザートみたいにおいしかった。

ここにはMちゃんを誘ってぜひまた来たい。

店のなかはNHK裏というロケーションのせいか、渋谷とは思えないほど緑が多くて静

かで、店内を流れるゆるいキューバ音楽のせいでのんびりとした休日感満載だった。

少なくとも私は初めてとしてはじゅうぶん満足して店を出た。

そして、暑いながらも陽射しが少しやわらいだ街に出て、次に向かったのは代官山。

最近話題の蔦谷書店に行こうということなのだけれど、その前に無垢里で何かやって

ないかなと路地を入る。店先で江戸風鈴が涼しげな音をたてていたかまわぬ

やっぱりこういう景色見ると日本人は落ち着くよなあ ・・・・・・

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残念ながら、ギャラリー無垢里は夏休み中でやってなかった。

12mukuri

そして私は初めて行く蔦谷書店

渋谷の駅前あたりからもうそうだったけれどここもすごい人で、ほとんど観光地のよう。

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DAIKANYAMA T-SITE という名称のここは、広いガーデンをベースとした敷地の中

に、いくつかの棟に別れたカフェやレストランなどの複合施設付きの書店がある、とい

うつくり。ガーデンに入ると勾配のある立地に立体的に配された緑が美しく、自然で解

放感のある気持ちのよい空間が広がる。このゆったりした感じは代官山ならではと思

う。そんなロケーションのなかにテラスデッキのあるカフェや山小屋風のオープンエア

のカフェ、建物内にはスタイリッシュなラウンジやレストランやスターバックスコーヒー

まであるんだから若者はこぞって来るだろう。

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書店の中もとにかくお洒落で素敵。

でも初めて来た今日は正直いって何がどこにあるのかさっぱりわからない状態。

ここへはもう何度も来ている、という友達に聞いてもラチがあかないので近くにあった

フロアマップを見たら、 ツタヤだけあって本以外にも映画のオンデマンドDVDサービ

スや、音楽の全曲試聴にオンデマンドCDサービス、ここでレンタルして郵送返却の

サービスに楽譜のプリント販売までまであって至れり尽くせり。

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でも、それって版権の問題はどうなってるの? と深く疑問に思う私なのでした。

誰か詳しく知っている方がいたら私に教えてください。

それとラウンジでは1階にある書店の全ての書籍を読むことができ、スターバックス

でも同様で、逆にスターバックスで買ったドリンクは店内どこでも持って歩けるという

ことなのだけれど(実際、飲み物を立ち飲みしながら本を見ている人がたくさんいた

けれど)、本をこよなく愛する、そして冬に電車の中でスターバックスの熱いカフェラ

テをクリーニングしたばかりのツイードコートにぶちまけられたことのある私としては

これはやめてほしかった。なんでもサービスすればいいってもんじゃない。夏に冷た

いドリンクなんて持ち歩きながら本を見たら滴が垂れるじゃないか。ここは一線を引

いてほしかった。

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とはいえ、なんど来てもここの仕組みがわからない、といういい年のオバサンと違って

こういうところにスッと馴染んでうまく使いこなしているのはやっぱり若者で、まるで自

分の部屋のようにくつろいで音楽を聴いている景色はいい感じでした。

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ここの仕組みやライブラリの傾向は若い人ターゲットなのかアートやデザインや写真

ファッションなどのヴィジュアル系の本が多かったように思うけれど、ここへはまた娘

を連れて、そしてゆっくり時間のあるときに1人で来てみたいと思う。

今日は初めて来て勝手がわからないのと、とにかく人が多いせいで、私は建物と緑

と空の美しさにばかり気をとられていた。

今日もっとも美しかったのは休日最後の夏空!

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2012年8月15日 (水)

休日スペシャル2

12rosemary

昨日(というか今日)ライヴから帰ってきたのは午前1時過ぎだったけれど、今朝は7

時半にはなんとか起きた。

おととい、デパートの地下食品売り場でみつけて思わず買ってしまったローズマリー。

そしてローズマリーといえばフォカッチャ。

生のローズマリーが萎れないうちに消費せんと、朝からHOSONOVAの頭4曲をリピ

ートで聴きながら粉をこねたのだった。

いまの暑い時期は粉をこねたら丸めてボウルに入れて置いとくだけであっという間に

ふくれるからラクチンだ。

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久しぶりに触るふわふわの生地。

なんていうかこれが癒されるんですよねえ~

やっぱり休日に一度は粉をこねなくちゃ。

3分割してフォカッチャのかたちにする。

12focaccia_07_2

そしてオーブンで焼き色がつくまで焼く。

焼きたてフォカッチャ! 

ローズマリーとオリーブオイルのいい匂い!

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そして焼きたてフォカッチャで何をするかといったら、これね。

外はすごい暑さだけれど、これをすれば食がすすむし野菜がいっぱい食べられる!

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・・・・・・ というわけで昨日に引きつづき今日の遅いお昼はバーニャカウダでした。

時間を気にせず、の~んびり食べたり飲んだりしている午後。

これぞまさしく休日スペシャル。

今日は娘に「このフォカッチャは売りものになるね♪」といわれました。

次は何をマスターいたしませう。

残りのローズマリーは夕飯のチキンのグリルに使う予定。

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2012年8月14日 (火)

清水翠×馬場孝喜@上町63

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横浜。馬車道。上町(かんまち)63。

ふだん飲みつけないワインなんか昼間っから飲んだら一気に眠くなってきちゃって、

ちょっと横になったらうっかり寝過ごしてしまうとこだった。家を出るタイムリミット寸前

に、いけないいけないと起きて支度をして出かけた。支度をしてるときはまだ顔が赤

かった。外はものすごい蒸し暑さなのに、アルコールがまわってるせいでさらに暑い。

なんとかスタート前に馬車道に着いたものの、まだ1回しか来たことのないJAZZバー

で、おまけに前回は翠ちゃんに連れられて来たものだからすぐ近くまで来て道に迷っ

てしまった。バーに電話をして、それからすぐにたどり着けたからよかったものの、大

汗をかいてしまった。

さて、今夜のライヴはJAZZヴォーカリストの清水翠さんとギタリストの馬場孝喜さんの

デュオ。翠ちゃんのライヴに来るのはいったいどれくらいぶりだろう? 

その間のことはここには書かない。(なんでもここに書くわけじゃない。)

清水翠という人は不器用なくらい正直な人で、自分がいい相手といいライヴをやって

いるときは自信を持って「おすすめ!」という。で、そういうときに来ると本当にすごく

いい。いまの相手がまさしくそうで、だから一度聴きに来たいと思っていた。でも、い

かんせん馬車道は電車に乗ってるだけで1時間半はかかるし帰りの終電は気になる

しで、いくつかのタイミングが合わないとなかなか来られない。今日も酔っぱらってうっ

かりめげそうになったところをやっと来られた、というわけ。

オープニングは馬場さんのソロで、この暑い夜にぴったりの『サマー・タイム』で始まっ

た。それから翠さんの持ち歌の『I've Never Be In Love Before』。最初、翠さんの声

は半紙に墨汁で線を書いたときのように輪郭がぼやけて聴こえたのだけれど、それ

も最初だけで、すぐにクリアになった。翠さんお得意のポルトガル語によるブラジル・

ナンバーとポップス、そこにJAZZのスタンダードが少し、といういつもながらの構成な

がら、まったく退屈しなかったのは馬場さんの若い感覚による独特のリズム感とアレ

ンジ。ルーパー・エフェクターを足先で器用に操りながら絵を描くように曲を構築して

ゆく。そこには美しい音色を持ったギタリストが陥りがちな単調さもない。つくづくいま

の若いギタリストって器用だなあと感心します。何より、やり尽くされた曲でもありがち

な感じにならずに独自のことをやろうと一生懸命音を探っているのがよかった。馬場

さん自身もすごく楽しそうにやってたし。童顔ですごくシャイな感じの方なのだけれど、

自分の意図した通りに曲が展開したときなのかな、ときどき下を向いたまま歯を見せ

て笑うのがなんとも愛らしく、チャーミングな方でした。

若い馬場さんは翠さんのバラエティーに富んだ選曲で自分の幅を広げているような感

じがしたし、ベテランの翠さんはそんな馬場さんを相手に自分のまだ掘り起こされてな

い部分をDIGしているような感じがしたし。

とってもいいコンビでした。すごく面白かった。

『All Blues』なんかでは翠ちゃんの芝居っ気を感じ、『コラソン・バガボンド』、『サビア』

『フェリジダーヂ』なんかのブラジル音楽では翠ちゃんの洒脱さと深みを感じ、でも今

夜、泣きそうによかったのはシンディ・ローパーの『True Colors』で、やっぱりギタリス

トが若いせいだからなのかな、いつもは翠さんはブラジル音楽がいいと思ってるんだ

けど、今夜は前述の曲に次いで『Kiss Of My Life』『Englishman In New York』などの

ポップスがすごくよかった。そしてもうひとつ。

翠さんが歌った瞬間に「あ!」と思ったのは、昔々、子供のころ、淀川長春さんがまだ

生きてらっしゃって解説をしていたころの日曜洋画劇場のエンディングでかかっていた

曲で、いい映画を見て感動し、さらに長春さんの解説を感心しながら聞いて、長春さん

が「さよなら、さよなら、さよなら!」といった途端に怒涛の海のようなこの曲が流れ始

めると、きまって「あーあ。これで日曜も終わり。明日はもう学校かあ・・・」とブルーに

なったものなのでした。

帰りの電車のなかで翠さんに「あの曲なあに?」とメールしたら、「So in Love ぢゃ。

日曜洋画劇場のエンディングテーマだよ。明日、学校かあ・・・ とブルーになった曲。

コール・ポーターだよ」とすぐに返事が返ってきました。

やっぱり。で、びっくり。ここでまたあの曲に出会えようとは。

そういうわけで今日は最高に面白かったのだけれど、アンコール曲はトゥーツ・シール

マンスの『Bluesette』でした。

翠ちゃんのブルーゼット、これが絶品なの。

で、私はそれを好きで死ぬほど聴いたから、翠ちゃんが歌った通りに口笛を吹けるの

です。まじで。

人前ではやらないけどね。

(だからクマの前ではやるかもしれない。)

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休日スペシャル

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5月に友人宅の食事にお招ばれたしときにお土産でもらったフォアグラ。

いつ食べようかと思いつつ、フォアグラなんて庶民の家では日常的に食べるものでは

ないし(食べられるものでもないし)、せっかくいただいたからにはおいしくいただきた

いと思ってずっと冷蔵庫の中にしまってあった。それをついにこの休日に食べようと、

昨日の夜は息子が外出した後に娘と2人で近くのデパートに食材の買いだしにでかけ

た。おいしそうなフランスパンが何種類かと新鮮な野菜、etc;

友人の家ではいつもこれが4、5個は冷蔵庫に常備してあるというからすごいけれど

瓶詰になったフォアグラというのはフランスではふつうに買えるものらしい。(ちなみに

このいまや何でも買えるようになった日本のネットショップにもなかった。)

いただいて帰るときに友人が横にいた旦那さんに「これ、開け方知らないと開けるの

すごく大変だから教えてあげて」といって教えてもらったのだけれど、間にゴムパッキ

ンを噛ませて金具で完全密封されたこの瓶、ゴムパッキンの端をペンチか何かで挟

んで思いきり引っぱりながら開けると簡単に開くらしい。いわれたとおり、ペンチで思い

きり引っぱってるあいだに娘に金具を上にあげてもらったらいとも簡単に開きました。

でも知らなかったら絶対に開けられなかったと思う。

ソルボンヌ大学出のご主人の説明によればこの密封容器はナポレオンの発明したも

ので、フランス軍の戦争中の保存食のために考え出されたものなのだそうです。

なるほどねー、と話を聞いたのでした。

して肝心のお味のほうは ・・・・・・

「パンに塗って食べるだけでもおいしいと思うわよ」と友人がいってたとおり、そのまま

パンに塗って食べたのだけれどすごくおいしかった!

とくに前からフォアグラを食べてみたかった息子にとってはおいしかったようで、好きな

だけ食べなさいといったら、友人からは「たぶん1回じゃぜんぶは食べきれないと思う

けど、すぐに色が変わってくるから色が変わったところは取って食べてね」なんていわ

れていたのに、この1回でぜんぶ食べきってしまった!

かえって悪くすることもなくてよかったけれど。

そしてそれより問題はワインで、ふだんは全くのノン・アルコールの我々なのだけれど

せっかくだからと買っておいた五一ワインを開けて飲んだら、グラスにたった1杯飲ん

だだけでみんな赤オニみたいに真っ赤になっちゃって大変なのでした。

休日の午後遅いランチに昼間っから赤ワイン飲んで酔っ払っている変な人たち。

これぞまさしく休日スペシャル♪

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雨のあさ

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昨日夜遅くになって激しく降り始めた雨が朝になってもまだ残っていて、ベランダに

いる私の背中にぱらぱらと降りかかる。

風もあって、深くお辞儀をするようにしな垂れた枝の先についた花を、揺らしながら

咲いていたスピリット・オブ・フリーダム。

ラ・パリジェンヌもこんなふうに小ぶりで赤みの強い花を咲かせているぶんにはとて

もフレッシュで感じがいい。

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そしてマダム・フィガロ。

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雨で陽が射さないからといって涼しいわけでもなく、けっきょくクーラーをつけた。

久しぶりの雨は植物にとっては一息だけれど、これから数日、曇りで蒸し暑い日が続

くらしいのは人にとってはあまり喜ばしくないところ。

カラッと晴れて、日中は炎天でも木陰に入ると涼しい ・・・・・・

なんていうのはもはや夏の理想でしかないのかな。

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2012年8月13日 (月)

昨日買ったスパチュラ

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昨日、外苑前のアクタスで買ったスパチュラ。

前からこういうオリーブの木のスパチュラが欲しかったのだ。

なんたって木でできたものが大好きだから、見るとつい手にとらずにはいられない。

たとえもう持っている物でも、ひとつひとつ木目や質感が違うから「もう一個買っちゃお

うかな」なんて思ったり。(さすがに買わないけど。)

だから私に何かくれるなら、たとえ木のバターナイフ1本でもご機嫌だと思うのだけれ

ど何故かこないのは何故なんだろう。私はブランド品にはあまり興味がない。

外苑前のアクタスは、店の雰囲気こそよかったけれど、品揃えはうちにもあるような

ものばかりでとくべつ新鮮でもなかった。80年代の雑貨ショップブームの先駆けとな

ったような土器典美さんのDEESに始まって青山のZONA、代官山のキャトルセゾン、

当時はアフタヌーンティーだってまだ楽しかったけれど、最近はどこに入ってもあんま

り面白くない。私が年をとったせいかもしれないし、インターネットによる画一化、均一

化によるところかもしれないけれど。最近の作家ブームもこんなところにあるのかもし

れないと思う。既製で手に入るものにはもうみんな飽き飽きしているから。

このスパチュラを買う前に、フォカッチャをのせたりしてここにももう何度も登場させて

いるけれど、オリーブウッドのカッティングボードを買った。

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これも前からずっとほしかったもので、これは オ・バルコン・デュ・ミディっていうプロ

バンス雑貨を扱うオンラインショップで買ったのだけれど、いつ見ても好きな木目のは

完売していて、今年の母の日頃だったか、やっと好きな感じのものが売れずにあった

ので思いきって買った。オーダーしてから2週間くらいはかかっただろうか。

こんなパッケージでインボイス付きでフランスからプリオリテ便で届いた。

12olive_wood

届いたときは嬉しかったですね。

人の手で丹念に削られ、なめらかに磨かれた美しい木目のオリーブのまな板。

厚みがあるから持つとずっしりと重たい。

私は無粋にもお酒が飲めないからワインを飲むことも滅多にないのけれど、たまには

この上でおいしいチーズでも切ってワインとともにいただきたい。

木でできたものは滅多に壊れることがないから、買うときは少々高くても大事に使え

ばいつまででも使える。このスパチュラとカッティングボードも大事に使ってせいぜい

長持ちさせたいと思うのです。

それにしても昨日は街も電車の中も人が少なかったなあ!

いかに東京が地方の人の集まりかってことがわかりますね。

私だって東京人の友達はわずかしかいないしな。

いつもこんなだとどんなに楽だろ、と思うけど、それじゃ東京の経済が成り立たないし

なあ ・・・・・・

というわけで、お盆のこの時期、東京にいる人は遠くに行くより都内の街を散策するほ

うが楽しいかも、なんて思ったりしています。

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2012年8月12日 (日)

ドンキー

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昔、原宿で人と会うときはいつも『ドンキー』で待ち合わせた。

なんてことのない喫茶店なのだけれど、店内がウッディーで落ちつける雰囲

気なのと、何を飲んでも何を食べてもおいしいのがよかった。いま思うとずい

ぶんゆったりした作りだったように思う。

ドンキーは表参道沿いの2階建ての大きめの店と、竹下通りを入ってすぐの

小さな店とふたつあって、どちらもよく利用した。竹下通りの店にはわずかな

スペースだけどガラス張りの天井のサンルームがあって、晴れた日もよかっ

たけれど、雨の日に本を開いて、ときどきガラスの天井に落ちる雨だれを見

ながら人を待つのが好きだった。

そんなことを先日ふいに思いだした。

表参道でいまでも私がたまに行く昔ながらの喫茶店はもうレジュしかない。

今朝、久しぶりに息子が激しく切れて、休日2日めの平和な朝が一気に荒地

と化した。私はすっかり嫌になってしまって、それから黙々と掃除をして洗濯

をしてアイロンをかけて昼食を作って本を持って家を出た。つくづく主婦ってい

うのは家を出るまでが面倒くさい。

私が理性的で我慢強いのはデパートなんかで働いて日々の接客業で鍛えら

れたというのもあるけど、26で結婚してからずっと感情の激しい人と暮らして

きたせいだと思う。結婚生活において、また子どもを育てることにおいて、そう

いうことが全然なかったという人はそれだけでもいいと思うよ。私もいかげん、

やめたい。ときどき、この日本を1人で出るくらいの思いきったことをしてでも

人生をリセットしてしまいたい、と思う。

よく勘違いしている人がいるけれど、感受性が強いのと感情的なのは違う。

情熱的なのとヒステリーは全然違う。仕事でもプライベートでもヒステリーと

はできるだけつきあいたくない。

いったい私が全てを采配しているこの家で、こういうときなんで私が家を出て

行かなきゃならないのかと思うけど、いいのだ、私は家にいたくない。

行き先の候補はいくつかあったけど、タンバリンギャラリーでやっている『ロバ

ミュージアム』の最終日が今日だったことを思い出して外苑前に向かった。

キラー通りを歩いている途中、こんなところでも見かけた奈良さんのポスター。

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タンバリンギャラリーに着いたのはもうクローズまで1時間、というときで、

打ち上げのために集まったのか、ギャラリーの中は関係者でごった返して

いました。

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その人たちが絵の前であちこちかたまってお喋りしているので94のロバの絵

を端から端まで見ることはできなかったけれど、めぐみさんの絵は見てきまし

たよ。山口めぐみさんの絵を見にここに来たのは、これで2回めです。

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ほんわりとあたたかくて、幸福感があって、幻想的なめぐみさんのロバの絵。

写真ではよくわからないけれど、森の奥へと奥行きを感じる絵です。

個人的には城芽ハヤトさんのロバの着ぐるみを着た少女の横顔の絵が1番

好きだった。子供っぽくない少女チックなところがあって繊細でポエティックで。

宇野亜喜良さんも高橋キンタローさんもよかった。

iPhonで撮ったのかな、画像は粗いけど、こちらで全部の作品が見られます。

 

   YouTube  →  ロバミュージアム2012全作品集

 

アーティストたちで賑やかなギャラリーを出たあと、ゆっくりお茶でもしようと思

っていたのに、入口が緑でいっぱいで感じのいいアクタスがあったからちょっと

入ったら冷たいオレンジジュースなどいただいちゃって、それでなんだか咽喉

の渇きが癒されちゃって、そこで前から欲しかったオリーブのスパチュラを買っ

た。それからミナ・ペルホネンをチラッと覗いて、レジュに行くつもりで外苑前か

ら表参道方向に歩いていたらクドウがあったのでつい入って家族分のケーキ

など買ってしまったらもうお茶どころじゃなくなって、けっきょく表参道の交差点

で地下に降りて電車に乗って帰ってきた。

やれやれ。何をやってるんですかね。

家族がいる幸福と家族がいる不自由はいつも背中合わせで、これ(子育て)が

一生続くわけじゃないと思っていままで気長にやってきたけど、もういささか私

の人生も残り少なくなってきたというのに。

私の人生、ロバの歩みのごとし。

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ナエマ

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朝窓をあけて、きれいに咲いているナエマを見ながら今日は涼しいかと思ったのは

一瞬で、すぐにダイニングルームのフローリングの床がペタペタするほど湿気が多く

て蒸し暑いのだと気づいた。

ナエマ。

このバラの面白い特徴は、夏の高温期に葉っぱが内側にまるまっちゃうこと。

ほんとに見事にみんなまるまってる。

外はトンボが羽を開いたまま落ちてくるほど暑いのに、バラはポツポツとでも咲き続

けるから、私もケアせずにはいられない。朝の水一杯も飲まずに、起きたままの顔に

日焼け止めクリームだけ塗ってベランダに出てゆく。植物が育てられるかられないか

は、これができるかどうかだけなのだと思う。

真夏のあいだは下手に切りすぎると切ったところから枯れるからと思って切らずにい

たら、またもやジャングル状態になってきた。でも、服を棘に引っ掻けられたり髪に枝

が絡まったりしながらこのジャングル状態のなかにいるのが妙に落ち着くんだ。いっそ

ギリシャ神話のように絡めとられた先から自分もバラになってしまえないかと思う。

でも高温のこの時期の枝はジャックと豆の木みたいにただ伸びるだけで枝の先に蕾

がついてないブラインドが多い。時期を見て夏剪定をしなくては。

まだまだ暑い日が続く。

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2012年8月 9日 (木)

イチジクのコンポート、アイスクリーム添え

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ラフィアの帽子をかぶってお昼の買い物に出る。

眩しい緑の先を見上げると青空に夏の雲、うるさいほどじゃないけれど蝉の声。

ほっぺたが腫れてるほかはいつもの夏と変わりない。

思わず A Time For Love を口笛で吹きながら歩く。


 夏空の時間もいいけど、春の時間もいいけど、秋の時間もいいけど、

 でも1番いいのは愛のための時間 ・・・・・・


私の口笛はトゥーツ・シールマンスみたいにうまい。(たぶん)

プルーデンス君の家の前を通りかかったら今日は2階の窓が閉まってた。

庭ではメドーセージの紫が鮮やかで、大きなヒマワリがうなだれていた。

彼はいったいいつになったらまたタイコをたたき始めるのだろう?

家に帰ってお昼を食べたあと、「デザートがあるよ」といったら息子が「なに?」と聞く

から「イチジクのコンポート」といったら、即座に「いらない」といわれた。

なにいってるのよ、アイスクリーム添えなんだからね、食べなさい。

といって食卓にだしたあとの子ども2人のリアクションが面白かった。

食べないといってた息子なんか、「これはおいしい!」の連発。

バニラアイスを添えたのがすごくよかったみたいで、なんでもクリームあんみつみたい

な味がするんですってさ。そういえばこの人はイチジクのジャムを食べたときも、これ

あんこ? とかいってたな。娘も、これはそのまま(生で)食べるより全然おいしい!

といっておりました。自分で作っておいてなんだけど、初めて作ったのでどんなものか

わからなかった私も食べてみて納得。煮ているときからハチミツみたいないい匂いが

していたけれど、これはちょっと驚きのおいしさでした。

それで「これはまた食べたい?」と聞くと、「YES!!」の返事が返ってきた。

なのでもう生のイチジクを買うことはないかと思っていたけど、見つけたらまた買うこと

になりそうです。

このイチジクのコンポート、作り方はいたって簡単。

小鍋に固い軸をとって皮をむいた(好きな人はそのままでも)イチジクを重ならないよ

うに並べて、イチジクの重さの40%くらいのお砂糖とレモン果汁半個ぶん、赤ワイン

大さじ3を入れたらひたひたになるくらい水を入れて弱火にかける。アクをとりながら

弱火でイチジクが透き通ってくるくらいまで煮たら火を落として冷まし、冷蔵庫で冷た

く冷やしてできあがり。そのままシロップとイチジクだけでもおいしいと思うけど、バニ

ラアイスとの相性はとてもよかったのでお試しあれ!

ミントの葉っぱでもあればもっと絵になったと思うのだけれど bud

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秋の気配

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今朝めざめるとからだのどこもかしこも冷えていて、あ、今年もこれがきた、と思った。

窓をあけると涼しい大気。夏がもう死にかけてる。

ベランダに出ると久しぶりにバラがきれいに咲いていて、タグを見ると間違いなくロー

ズ・ドゥ・モリナール。春にはその濃い蛍光色ピンクの花でびっくりさせられたバラだ。

これだからバラはわからない。

夏の暑い時期にバラがこんなにきれいに咲くなんてほとんど奇跡的なことで、これって

バラを育てている者だけにときたま与えられるギフトみたいなものかと思う。

このバラは切って幸福の王子の横に。

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こちらは逆に、かなりピンクが強くでたマダム・フィガロ。

夏特有の咲き方で、いつものこのバラの風情はない。

しばらくベランダにしゃがみこんでいたらだんだん陽射しが強くなってきて、背中をじり

じりと焼かれる。そのことが返って心地よく、ホッとした。太陽のあたたかさって温熱療

法みたいだ。クーラーで硬くなりはじめたからだにはすごくよく効く。これ以降はできる

だけ太陽と仲良くしたい。

そしてこれは相変わらず乱れ咲きって感じのカフェ。

花蕊が金いろでビターなオレンジ。

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この色を見ていたら思いついて、部屋に入ってからマンダリン、スウィートオレンジ、

プチグレン、ジュニパーベリー、ペパーミントの精油を焚いた。甘くてビターな香り。

そしてこれから、甘くて苦い、サウダーヂな季節の始まり。

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2012年8月 7日 (火)

親知らずとミントアイス

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昨日の夕方、親知らずを抜いた。

なんたって抜歯なんてかれこれ20年以上したことなかったし、意外と人の悪い花屋

の店主に「親知らず抜くのお~? たーいへんだよお~」と悪い目で脅されたりもした

ものだから、昨日は内心こわごわ行ったのだけれど、当然のごとく歯医者はいたって

淡々としたものなのだ。

「それじゃあ麻酔しますからちょっと痛いですけど我慢してくださいね。肩の力ぬいて」

といったかと思うと歯茎に注射器の針が刺さる。でも昔と違っていまの歯医者はうまい

のか、それほど痛くない。ただ過去にかなりのトラウマがあるため一気に頭に血が上

って顔が熱くなるのがわかる。と、そのときだった。誰もいない待合室のソファに置い

た私のトートバッグの中の携帯がとつぜん鳴りだしたのは。あ、うっかりマナーモード

にしておくの忘れてた! と思う間もなく、静かな診察室にまで鳴り響くアメリのテーマ

ソング。なんちゅう、おまぬけな。ああ、恥ずかしい。いったい、こんなときに電話して

くるヤツ誰だよう。(広島の友人でした。)

それでもお互いポーカーフェイス(?)で麻酔の注射が終わり、少々時間をおいてから

「じゃ、取りましょう」といわれる。「痛かったら我慢しないでいってくださいね」といわれ

るものの、いったからってどうなるの? という思い。ここでももう麻酔が効いてるから

ぜんぜん痛いことはないけれど、ギリギリめりめりいう音がたまらない。頭の中で展開

されるのは地面から大きな木の切り株が無理やり引っこ抜かれるイメージ???

子どものときさんざん歯医者に通った私がこういうときどうしていたかというと、頭の中

でひたすら「人生でもっともツライ時間はあっという間に過ぎる!」と呪文のように唱え

ることだ。神さま!

じっとり汗をかくような最悪の時間が少々続き、はたして意外にも早く歯医者が「もう

歯はとれましたからね。あとは処置をしてゆきます」といった。そうですか、はい。

でも、その後もけっこう嫌だった。ずっと目をつぶってたからわからないけれど、神経

みたいなものを処理したり、糸で縫われたり ・・・・・・

そして、歯医者にうながされるまま口をゆすいで、「はい、それではもう今日はけっこう

ですよ」といわれて診察台を降りたのだった。

いつものように出口のところで今日の治療の説明をするとき、歯医者は何やら笑いた

いのを我慢しているような顔つきで「歯茎がビロローンとなっちゃったので糸で縫っと

きましたから」といった。私、ただ、まんまる目。

「いちおう化膿を防ぐための薬と痛みどめの薬をだしときますけど、でもその程度なら

痛みどめ飲まなくても大丈夫でしょう。もう血も止まってるし」といった。

やけに簡単ないいかただった。(本当にそんなんでだいじょぶなんですか? )

でも、そういわれて歯医者を出たとたんからドクドク血が出てきて口の中に溜まりだし

た。ぜんぜん止まってるどころじゃない。外は蒸し暑くて最悪の気分。頭も重いし、こ

れは早く家に帰って安静にしないとヤバそうだ。

そう思いつつ、ぐるぐるする頭で思ったのがミントアイスのことだった。

少しでも早く口の中をさっぱりさせたかったというのもあるけど、ミントには鎮痛効果

があるのだ。それで少々躊躇しつつも調剤薬局で薬をもらったあとスーパーに寄って

買ったのがこのミントアイスとミントティー。

家に帰るなり薬を飲み、ペパーミントとラベンダーの精油を焚いて、メディカル・アロマ

で見た精油の組み合わせ、ペパーミントとクローブとユーカリレモンの精油をたたんだ

手ぬぐいの中に垂らして、あいだに保冷剤をはさんで冷やしながら横になっていたら

いつの間にか眠ってしまっていた。

目覚めると外は真っ暗、気分はすっかり病人で、夕飯の買い物は娘に行ってもらって

玄米おかゆを炊くも、熱いものはなかなか食べられず。やっとこさで食事を終えて食後

に食べたミントアイスに、なんていうかとっても癒されましたねえ~

なんていうんだろ、おいしいという以上の、癒しとしか表現がないような次元を超えた

おいしさ。まぁ、ハーゲンダッツのアイスクリームがおいしいっていうのはそうなんだけ

ど、それ以上のものを感じたミントアイスなのでした。近々、歯を抜く予定のある方は

お試しください。ハーゲンダッツのクリーミーミント。

けっきょく深夜になっても血は止まらず、痛みもだんだん酷くなってきて、やっぱり医

者がいうようにはぜんぜん簡単じゃなかった。夜11時過ぎに、もう駄目だ、今日は

シャワー浴びて早く寝てしまおう、とバスルームに行きかけたときにこんどは家の電

話が鳴って、このタイミングの悪さはもうあの人しかない! と思ってディスプレイを

見れば、やっぱり一緒に仕事をしている医者の友人だった。開口一番「もう寝てまし

たか?」とのんきな口調でいいつつ、これから始まる爆笑問題の番組にまたちょっと

だけ出るから見て感想を聞かせてください、とかおっしゃる。それでしかたなく食卓に

座ってTVを見始めたのだけれど、ふだんほとんどTVを見ない者にとってはバラエテ

ィー番組のあのうるさい音とあざとい演出と下品な色の洪水はキツ過ぎた。深夜にも

かかわらずこれって何。少しのあいだ見ていたけれどいっこうに出てくる気配がない

のでビデオ録画に切り替えて終了、ふたたび痛みどめを飲んで就寝とあいなったの

でした。やれやれ ・・・・・・

そして翌日の今朝は見事に顔が腫れた。

私は35のとき、なんと子どものおたふく風邪が移って顔が多角形になっちゃって、あ

のときもそうとう凄かったけどこんども凄い。で、絶不調。

今日は1日仕事にならず、昨日と同じミントとクローブの湿布をしながらすごした。

例の人の悪い花屋の店主からはやさしいメールがきた。

夕方、もう少しで抜歯から1日が経とうというころ、やっと少し調子がよくなってきたの

で週末に届いたプリンタのセッティングをしてそのあと家の掃除をしたのだけれど、箱

を開けようにも力がでないし、なんだかいつもと同じことをするだけでもひどく疲れてま

いった。つくづくふつうに健康であることがどれだけありがたいことか思い知らされる。

そしていつもは娘が手ぬぐいの間にはさんで首に巻いていて、その格好がまるで「野

らさ行くだで」みたいで笑ってるんだけど、今回、思いのほか役に立ったのが保冷剤。

そういえばあの3.11の後の夏にも被災地でこれが役立ったといってましたね。

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冷蔵庫には山ほど入ってるんだけど、私が好きなのはコージーコーナーのケーキに

ついてきたこのシロクマ。

暦ってよくしたもので、早くこようが遅くこようが立秋を過ぎたころからもうなんとなく夏

が力ない感じになってきて、それって好きだった人が中年を過ぎて老年を迎えるのを

見ているみたいでなんだかさびしい。まだ夏らしいことはなんにもしていないのよ。

夏嫌いの人には悪いけど、あともう少し、Stay gold ! といわずにはいられない。

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2012年8月 5日 (日)

夏の頂点

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青空に白い雲もくもく。

今日も朝からものすごく暑い。

陽の下に出た途端にジリジリと肌を焼く太陽。

これぞ夏の頂点。

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そんな美しい夏の日に家でじっとしてられなくてコトリ花店まで自転車とばした。

今年新調した大きなブリムのカミンスキの帽子は、紐をきつく締めてあるから追い風

でも飛ばない。リネンのワンピースをすりぬけてゆく風。どこかで次々に生まれては

もくもく飛んでゆく大きな雲を見ながら走る。府中街道沿いの日陰が全くないストレー

ト・ロードを向こうから歩いてくる人たちは皆、犬にでもなったみたい。暑さでへたばっ

た顔でだらだら歩いてくる。

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コトリ花店のデッキの上も光と影が真夏のコントラスト。

バードバスの水もすっかり熱いお風呂のようだ。

まさしくこれも夏の頂点。

花屋の店主には「暑いといいながら嬉しそうな顔して」といわれる。

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あいにく今日はゆっくりいられなかったけれど、美香さんの展示の追加分の写真標本

瓶を見てきた。私がほしいと思ったスズランの入った瓶はすでにSold out。

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この瓶を見ていたら私も、2人の子どもが小さかったころにビーチで撮ったセンチメン

タルな写真を入れて、ビーチの砂と貝殻も入れて、こんな記憶の標本を作りたいなと

思った。思うだけで自分では作らないと思うけど。

最近、外にいるときはいつも空を見上げているけれど、帰りも空を見ながら自転車を

こいでいて、突然ジスモンチの Infancia が聴きたいなと思った。

家に帰ってラッセ・ハルストレムの『やかまし村のこどもたち』を観た。

幼少期の夏の光がとじこめられた宝ものみたいな映画。

この週があけたら7日はもう立秋。

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2012年8月 4日 (土)

イチジク

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好きな人からすると信じられないかもしれないけれど、今日初めてイチジクを買った。

イチジクというと思い出があって、あれはまだ小学生だったころ、川沿いの友達の家

に遊びに行ったとき、友達のお母さんが家の前にあったイチジクの木から熟したイチ

ジクを何個かもぎとると、私に「イチジク食べられる?」と聞いた。それまで私は一度

もイチジクを食べたことがなかったし、もぎとられたばかりのイチジクの茎からはミル

クのような、タンポポを折ったときと同じような白い液体が垂れていたから、私は即座

に首をふった。するとおばさんは「東京の人はイチジク食べないからねえ」といって、

台所でざっと洗ったイチジクを友達に渡して自分も食べながら、「おいしいのに」と念

を押すようにいった。それで私はイチジクを食べている友達に「おいしい?」と小さな

声で聞くと、友達は「おいしいよ。食べてみる?」といって半分ちぎったのをくれそうに

なったから、私はやっぱり断った。

家に帰って母にそのことを話すと「その人たち、どこの人?」と聞かれたけれど、私は

「知らない」と答えた。子どもは友達になるのにどこから来たかなんて全然気にしない

ものだ。ただそれ以来、私の頭のなかには『東京の人はイチジクを食べない』という

言葉がインプットされた。実際、私の母は大の果物好きでライチでもパッション・フル

ーツでもなんでも食べたけれど、イチジクが食卓に出てくることはついぞなかった。

そしてイチジクを一度も食べたことがないまま大人になって、ふたたび目の前で生の

イチジクをぱくぱく食べる人を見たのが数年前の秋のこと。

ブログで知り合った陶芸家さんのオフ会でなんと静岡まで行って、窯で楽焼きが焼け

るのを待っているあいだ集まった人それぞれ好きに飲んだり食べたりしていたのだけ

れど、そのときビニールパックに入った熟したイチジクを見つけて、「うわあ、おいしそ

うなイチジク! これ食べていいの?」といったのがbleちゃんだった。

「いいよ。それ無農薬のイチジクだからきっとすごくおいしいよ!」と誰かが答えたのを

受けてbleちゃん、イチジクを洗いもしないでハンカチだったか洋服だったかでゴシゴシ

っとやって、ムキムキっとふたつに割って、皮のままバクバク食べ始めた。

そのおいしそうなこと!

あっという間に2つか3つ食べて、あまりにおいしそうに食べるで近くで見惚れていた

私にも「食べます? 私、ほっとかれると、このままぜんぶ食べちゃいそう」といった。

でもやっぱり私は食べなかった。

ble ちゃんがイチジクを食べる姿は本当においしそうだったけれど、それでも私には

まだ手が出せない何かがイチジクにはあったのだった。

ただbleちゃんは私とは正反対の女性らしい身体つきをしたナイスバディーの健康的

な女の子で、女の私から見ても男好きしそうなチャーミングな人だったので、その彼

女がおいしそうにイチジクを頬張る姿は強力に記憶にインプットされた。

昨日、プールで泳いだ帰りにスーパーに寄って、突然イチジクを買ってしまった理由

は私にもわからない。ただ『イチジクの王国 愛知』というシールが目に入ったのと、

明らかに完熟しているとわかる、この鮮やかな色のせいだろうか。それと先日そら屋

さんで買ったドライイチジクがとてもおいしかったのと。

家に帰ってさっそく洗って冷蔵庫で少しのあいだ冷やして、遅いお昼の後に食べてみ

た。家では食にはいちばん保守的な息子は案の定「ぼくは食べない」といった。彼は

いつでも初めて食べるものについては私や娘が食べるのをじーっと観察していて、そ

のあと自分が食べるか食べないかを決めるのだ。

イチジクのパックに入っていた『イチジクの剝きかた』に従って私が皮を剥いてゆくと

「なにそれ。バニラアイスみたい!」と息子がいった。たしかに皮を剥いたイチジクは

バニラアイスみたいだった。でも、それからは?

う~ん、よくわかりませんでした。

ほかの果物みたいに際立ったいい香りがするわけじゃなし、特徴的な味があるわけで

もなく、食感にいたってはもったりしていて、とてもおいしいとはいえない。ある種、子ど

ものときに想像したとおり。

そばで私の顔を見ていた息子は、「やーっぱり、食べなくてよかった!」ですと。

そういわれると口惜しいような残念な気もしないじゃないけど。

大体において食の好みなんていうのは幼児体験によるところがものすごく大きいのだ

と思う。大人になって人から、砂糖の入った麦茶や砂糖を入れて食べるトコロテンが

気持ち悪いといわれてびっくりしたのと同じように。

・・・・・・ というわけで、3つ余ったイチジクはコンポートにでもしてみますか。

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2012年8月 3日 (金)

記憶の標本箱

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8月になって初めて見たのは、 コトリ花店で行われたmicaさんこと中西美香さん

初個展、『こひつじ座のミルフィーユ  ~かさなりのカタチ~ 写真標本展』でした。

家具デザイナーのkikiさんが作ったアンティークタッチのフレームの中におさめられた

美香さんの写真と、記憶のなかの大切なものたち。

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驚くべきはこの箱の中におさめられたもののほとんどが彼女の手作りだということ。

小さくて繊細なお花や木の実まで美香さんの手作りなんです。

着物の着付けがご本業だということだけれど、写真に陶芸、布の染めからお花づくり

までできてしまうなんて、なんて器用で多才な方なんでしょうか。

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私が行ったときはもうすでに何点かの素敵なフレームがソールド・アウトになっていま

した。美香さんの作った記憶の世界が違う誰かの部屋に飾られて、またあらたな記憶

の物語を作っていくんだろうなあ ・・・・・・

なんてことを思ってしまった夏らしい透明感のある美しい作品でした。

あなただったらこの箱の中にどんな記憶をしまっておきたいでしょう。

私なら ・・・・・・

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そしてこの日ももちろん、コトリ花店は店の中も外も夏の花でいっぱい。

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でもここの店主、変わってることに人が帰り際にそわそわと花を見だしたら、「今日は

花買わなくていいからね。だってまだあるでしょ?」なんていうのです。おかしいよね。

なので今日は花も買わずに冷たいお茶だけいただいて帰ってきました。

私、くそまじめは嫌いだけれど、そういう実直さはいいと思う。

私の好きな人にはそういう人が多い。

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夏の庭。

オリーブの足もとに咲いていたこの花はなんでしょう?

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お茶を欲しがる猫

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これは木曜の猫が最近、 手紙舎さん で買ったエコバッグ。

高旗将雄さんの『お茶を欲しがる猫』のイラストがなんともとぼけた感じでいい。

木曜の猫が若かったころには『ヘタウマ画』なる言葉が流行ったんだけど、これはちょ

うどそんな感じ?

こんなお茶好きの猫がいたらぜひとも飼いたい、いやもとい一緒に暮らしたいものだ。

ちなみにこの猫、珈琲も好きなのかしらん。

エコバッグの大きさは袋の部分が縦36センチ×横30センチでマチが4.5.cm。

素材は張りのあるコットン。

日々の食材のお買いものに持って行くにはちょっと小さめだけど、大きすぎず小さす

ぎずといったサイズでちょこっとお出かけのときにはよさそうだ。

木曜の猫が1年じゅう愛用しているかごバッグはいっぱい入るし見た目はかわいい

んだけど、難は本を持って歩くと本の角が痛むこと。なので、これは本を別に入れて

持ってあるくのにちょうどいい。なんといったって昔から、自分は雨に濡れても本だけ

は濡らさない、という本好きの木曜の猫なのだからして。

いい歳をしてこんなおとぼけなバッグが似合う大人、っていうのもなかなかいいんじゃ

ないかと木曜の猫は個人的には思うのだけれど、さていかがなものだろう?

実はこのエコバッグは先月お誕生日を迎えた鎌倉在住の猫とお揃いで買った。

中には鎌倉猫の好物の浮き輪(これでわかる人がいたらすごい!)と北欧猫グッズを

入れて。たぶん、明日あたり届くはずなんだけど、喜んでもらえるかにゃあ~?

今年は木曜の猫がぼけぼけしていたせいですっかり遅くなっちまったけど、

     HAPPY BIRTHDAY TO HANTA!!! cd

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2012年8月 2日 (木)

今日の満月

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木曜の猫は仕事が終わると『お茶を欲しがる猫』のエコバッグに本を入れて家を出た。

今夜は満月だ。

吉祥寺の南口を出ると相変わらずの人混みに、ついうっかりいつもの人間の早足で

歩いてしまって、ハッとする木曜の猫なのだった。ほんに人の世はせわしない。

でも井の頭公園に行くといつもより人は少ないようだ。さてはヤワな人間め、この暑さ

にまいったか。そして暮れなずむ空を見まわしてみると、やや! どこにも月がいない

ではないか。もしかして今日って新月? いやいや、たしかに満月だ。

すると木曜の猫が見つめている方向、東の木立の上から静々と月が上り始めた。

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おお、満月だ! にゃんて神々しい ・・・・・・

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月も太陽と同じようにすごいパワーを発しているのだった。

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木曜の猫が2本脚で立ったままデジタルカメラで月を撮っていると、いつの間にか背後

にうるさい若者がたくさん寄ってきて、口々にアホなことをいいながらiPhone で写真を

撮り始めた。うっかりすると○カップルにツーショット写真など頼まれかねなかったので

木曜の猫は静かにそっとその場を離れた。

ちょっとまわりはうるさかったけど、いい月だった。

桟橋を渡ってボート乗り場の前を通りかかると、広場ではゆずみたいな声で若者が

聴衆を誘いながらギター弾き弾き賑やかに歌っていた。ほんに人間のうるさいことよ。

池の水面に月明かりが映るのを見ながら池に沿って左に左に歩いてゆくとトムネコゴ

だ。あった。今日も灯りがついてる。やっぱり幻じゃなかったんだ。

ドアを開けると控えめに開けたにもかかわらずガランガランと鳴るドアチャイムの音に

少なからずびっくりする木曜の猫なのであった。

今夜は先日と違いすでに先客ありだったので、このあいだとは反対側の席に座った。

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今日、店に入ったときにかかっていたのはビル・エヴァンスの『アンダー・カレント』だ。

そして、トムネコビターとチーズケーキ。

カップはやっぱり大倉陶園だった。ますますYちゃんっぽい。

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今日は1時間で帰ろうと思ってきたのに、すっかり遅くなってしまった。

今夜は木曜の猫が話し過ぎた。

話しすぎたと思うとその場から消えたくなるのはなぜだろう。

それで木曜の猫のうちの夕飯は映画を見た土曜日の夜なみにすっかり遅くなってし

まった。なぜかというと、家で待っていた子どもたちが木曜の猫が帰ってくるまで(夕

飯を)待ってるといったからなのだった。

人間の子どもというのも、もう少し自分でサヴァイヴしてくれないものかにゃあ~cat

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桃!桃!桃!!

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昔から私のつまんない夢のひとつに、『いい桃を箱でもらう』っていうのがあるのだけ

れど、なんと今日それがかなってしまいました!

先日いつものようにコンピュータの前にいた息子が突然、「友達がうちに桃、送ってく

れるってよ」といったときには、「なんでアンタの友達がうちに桃?!」と思わず聞き返

してしまったのだけれど、なんでも友達にCDを録ってあげたお礼だそーな。

たったそれっぽっちのことで桃?! と思わずにはいられませんが、世の中にはそん

な奇特な人がいるものなんですねえ ・・・・・・。びっくり。

それで「桃・桃・桃!」と思いながら今日か明日かと待っていたところ今朝とどいたって

わけです。さっそく箱を開けてみると、こころなし桃の色が薄いような気もするけれど、

でも桃であることに違いない。ふっくらした中玉の桃が13個!

いやあ~、嬉しい。

このところ突然プリンタが壊れたり、久しぶりに歯医者に行ったら親知らずを抜かな

きゃならないことになってしまったりでちょっとまいっていたのだけれど、たまにはこん

ないいこともあるんだなあ~ (しみじみ)

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2012年8月 1日 (水)

フィナーレ

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 フィナーレ


人間のいのちは暗く痛みに満ちていて、

なにひとつ、じっとしているものはない。


「時間」の歩みだけが変ることがない。

愛は一年を短い一日に似させ、

倦みはてたこころは、何年も何年もを

たった一日にとじこめる。それでも、その歩みは

停止することを知らず、変わることなく。キアレッタは、

少女だったが、いまは若い女で、

あすは女になるだろう。こんなふうに考えていると、

胸のまんなかにどすんと、

ひびくものがある。それを考えないためには、

技をみがかねばならない。わたしのなかの、多くの

ばらばらなことどもを、ひとつの美しいものにまとめる。どれほど

ひどい病気も、よい一行の詩なら癒してくれる。ああ、幾度、

── そして、これも入れて ── もう、だれも知らない、解らなく

なった、詩の一行のために、恥と障りにめげることなく、


わたしは深い悲しみから出発して、

道の途中で着いたのが大きな歓び。


(みすず書房刊 須賀敦子訳『ウンベルト・サバ詩集』より『フィナーレ』)

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8月になった。

つい数日前までずっと白っぽかった空はやっと夏らしく、青空になった。

陽で温められたプールの匂い、こどもたちの遊ぶ声、逆光に輝く夏草、ノースリーブ

の腕を灼く真夏の太陽。懐かしい季節の到来。

真夏って暑いから集中することや考えることに適しているとは思わないのだけれど、

なぜなんだろうな、毎年この時期、本が読みたくなる。私は言葉がほしい。

インターネット上にあふれているような、すぐに消えるfast food ならぬfast wordみた

いな言葉じゃなくて、人の中からゆっくり生まれた言葉、紙に印刷された言葉。それも

できるだけイマジネーティブで、五感を揺さぶってくれるような様々なインプレッション

に満ちた、日常的に耳にするのとは違う美しい言葉だ。

夏が終わった後にやってくるのはいつも現実的な季節で、それは先々のことを考えた

り、計算したり、計画したりするにふさわしい季節だから、そしてそれは私にとっては

苦手な分野のことだから、いまのうちにたっぷり身内に夢を蓄えておきたいのかもし

れない。まるで冬眠前の動物が身内にたっぷり栄養を蓄えておくように。

折しも今月の第3週の数日は夏休みだそうだ。

お金も時間もたっぷりあればボラボラ島にバカンスにでも行ってしまいたいところだけ

れど、あいにく貧乏暇なしくんとしてはそうもいかない。夏はいつもよりたくさん泳ぎた

いと思ってもその時期クラブもお休みしてるし、市民プールは営業していたとしても夏

休みの親子連れで混雑していて、バタフライの練習もできなければ背泳もできない。

となれば、読書三昧っていうのもありかもしれないな、と思う。

さいわい読む本はたくさんある。

いままで敷居が高くてなかなか手を出せずにいて先日ついに買ってしまった須賀敦子

の本や、須賀敦子が翻訳したサバの詩集、それからずいぶん前にまとめて買った川

田絢音の詩集が数冊にアントニオ・タブッキ特集のユリイカ、そのほかにも読んでない

本が数冊 ・・・・・・。本を読むのに飽きたら泳ぎに行ってもいいし、泳ぐかわりにバスル

ームに行ってアロマを焚きながら半身浴したり、どこかにお茶を飲みに行ってもいい。

わずか数日のお休みなんてあっという間に過ぎてしまうだろう。

トートバッグに冷たいお茶を入れた水筒と、紙とエンピツ、本と相棒のデジタルカメラ。

それに、ときどきおいしい珈琲を1杯。おっと忘れちゃいけない、いい音楽。

それくらいで事足りる。なんて安上がりな休日。

今日、友達と話していたら、見た目には全然そんな風には見えないのに、いままでに

ないくらい精神的には落ちているという。だから疲れていても考える暇もなく働いてい

たほうがかえっていいくらいで、休みをとりたくないのだそうだ。時間ができるとつい、

よくないことをいろいろ考えてしまうから。

最近よく身近な人と、人と人をとりまく環境がいつの頃からか激しくズレてしまったこと

を話すけれど、彼女のそれも、やっぱり去年の3.11で何もかもがすっかり変わって

しまったことと関係しているのだろうか。

私は落ちたりはしていない。ハイでもローでもない。いってみれば普通。

でも谷川俊太郎にいわせれば、普通って、真綿みたいな絶望の大量と、鉛みたいな

希望の微量とが釣り合ってる状態だそうだけれども。(いい得て妙とはこのこと。)

今日、とりあげたのはウンベルト・サバの『フィナーレ』という詩。

ちなみにこの本の中にあったモノクロの写真を見ると、サバってこんな優しそうな目を

した雰囲気のいいおじさんです。トレードマークのパイプとピーコートが似合ってる。

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人生がいかに苦渋に満ちたものであるとしても、最後くらいは歓びに満ちたフィナーレ

といきたいね。

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