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2012年5月24日 (木)

今日のバラ⑩

12la_parisienne

 La Parisienne ラ・パリジェンヌ デルバール フレンチローズ

このバラを買った人ならきっと誰もが共感してくれるだろうと思うけど、このバラほど掲

載サイトの写真と違うバラもないんじゃないかと思う。正直言って、初めて咲いたこの

バラを見たときはびっくりした。その花いろはもちろん、花のかたちもまるで想像したの

とは違っていたから。たしかに黄色にオレンジにピンクが混じった複雑な色のバラだっ

たけれど、派手というよりはグラディエーションのかかったニュアンスあるバラに見えた

し、何より写真で見る限りでは花びらの多いころんとしたカップ咲きの花だとばかり思

っていたのだ。最初は新苗についたまだ若い成熟していない花だからこうなのかと思

ったけれど、はたしてどうなんだろう? 逆にもし、何年育ててもああならないとしたら

そういうイメージ・オンリーの写真をバラ苗販売サイトに載せるというのはどういったも

のかとも思う。あのバラ苗サイトに載っていた、パリの雰囲気たっぷりの素敵なブーケ

の写真とこのバラの名前で思わずこのラ・パリジェンヌを買ってしまった人はたぶん、

多かれ少なかれイメージの違いに落胆したのではなかろうか。いま思うと、あの写真

に近いのは花の大きさこそ違うものの、ベビー・ロマンティカのほうじゃないかと個人

的には思う。あるいはペッシュ・ボンボンか。

私についていえば、もともとあまりオレンジって色が好きじゃないのです。

エルメスのオレンジとか、果物とか花とか、わずかに例外はあるものの、ふだん身の

まわりにおきたい色としては最初から選択肢にない。自分のなかに無い色。

だから最も色が濃くでるこのバラの1番花を見ると毎回ためいきとともにいったいどう

したものかと思うのだけれど、このバラの面白いところはひとつの株に色の出かたの

違う花が咲くことで、たとえばいまだとこんな風に違う。

12la_parisienne_01_2

この2番めの写真になるとだいぶオレンジよりピンクの分量のほうが多くなっていて、

これくらいだとまだ許せる、というか、だいぶいい感じだなと思う。そしてさらにいうと、

花いろは時間とともに退色して淡くなり、そのころがこのバラが最も美しく見えるとき

じゃないかと思います。

ラ・パリジェンヌの美点はなんといってもこの照葉の濃い緑の葉っぱを見てもわかるよ

うに、病虫害にきわめて強いバラであること。少々じめじめした気温の低い雨の日が

続いても、このバラにウドンコがつくことはない。そして株立ちは素直な直立型で、ス

テムの上のほうにはほとんどトゲがないからとても扱いやすい。ほかのフレンチローズ

と同じように花もちもとても良いから、切り花にも最適。だから鉢で管理するのにも向

いているのだけれど、個人的にはいろいろ制限のある狭いベランダより、庭にあった

ほうがこのバラの大らかな長所が出て良さそうだと思う。

昨日、イングリッシュローズとフレンチローズとどちらが好みかと聞いたけれど、私はい

わゆる最近のフレンチローズとはまだつきあいが浅いせいか、やっぱりイングリッシュ

ローズのほうが好きかもしれない。あの、誰が育てても最初からカタログ通りの花が

咲く圧倒的に安定した再現性はデヴィッド・オースティンの偉業以外の何物でもない。

フレンチローズはもっと気まぐれな感じ。

それがよりオールドローズっぽい、ともいえるけれど。

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