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2012年3月 2日 (金)

木の芽雨

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今日、郵便局に行って窓口で順番を待っている間に、何気なく目に入った切手に描か

れた日本の田舎の風景に思わず見入ってしまった。私は子どものころから母親に西

洋かぶれと呼ばれるほどで、いまだってカレンダーの中のプロヴァンスの町に住みた

いと思うくらいだから、これまで日本の田舎の風景にとりたてて魅力を感じたことはな

かったのに、その素朴な絵の風景にはなんだかとても郷愁を感じたし、とても美しいと

思った。そして、そんな風に思うのも日本人としての自分のDNAに刻まれたものなの

だろうというのと同時に、自分がひどく年をとったようにも感じた。そうしたらなぜだか

突如、なんの脈絡もなく『国破れて山河あり』という言葉が思い浮かび、リアルに胸に

迫ってきて、なんて深いことばなんだろう! と思った。

私の旧姓は日本全国でもあまり無い名前で、昔、まだ祖父が生きていたころ聞いた

話によれば、もともとは藤原という姓だったのが戦に敗れて落人となって深山に籠っ

ていたとき、洞のようなところから出てふと見れば雨が降っていて目の前には深い谷

があり、そこでいっそ戦に負けたこんな名前など捨てて改姓しようとこの名前になった

ということだった。母にいったら「それ本当なの~?」といわれたから、真偽のほどは

定かじゃない。

大雪ではじまった3月は昨日半日晴れただけで今日はまた雨。

きのう天気予報を見ていたら、この時期の雨のことを『木の芽雨』(このめあめ)とい

って、植物がいっせいに目を吹きだすのに必要な雨なのだといっていた。

日本には季節をあらわす美しいことばがたくさんあって、降っても晴れても、また寒く

ても暑くても、そのときどきの季節に親和して四季を愛でていた日本人のこころを感

じずにはいられない。いまや美しくないことばがあふれるノイズだらけの現代だけど、

日本人に生まれた以上、いつまでも忘れずに大事にしたいものだと思う。

私のベランダで、どのバラの木よりもいち早く元気に芽を吹きはじめたのは、弱い品

種だといわれているフェア・ビアンカ。

5月にはあのミルラの香りのする純白の花をまたいっぱいに咲かせてほしい。

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コメント

ちょうどいい雨でしたね(o^-^o)

投稿: elm | 2012年3月 2日 (金) 22:06

そうきちさん、こんにちは!
ご無沙汰してます。

東京のほうはまだまだ寒いですか?
静岡のほうは、寒いといつつも、少しずつ春に近づいていることを実感できますよ~

毎朝、5時半にワンコの散歩をしているんですけど、確実に日の出の時間が早くなってきていますし、庭の草木の新芽が一気に伸び始めましたからね!

うちの庭の草木もしっかり根付いて、今年の春の花の時期が楽しみですよ!

投稿: qharada | 2012年3月 4日 (日) 10:07

elmさん、
はい、あたたかな春の雨でした cherryblossom

投稿: soukichi | 2012年3月 4日 (日) 12:45

haradaさん、こんにちは!
こちらこそご無沙汰しています。
あれだけ元気なワンコが家にいたら毎朝お散歩にいかないわけにはいかないもんね。
それはちょっと羨ましい習慣だな。
それに自分のお庭を持ってたら四季の移り変わりは手にとるようにわかるでしょうね。
年々変化してゆく庭を愛でるのもマイホームを持つ醍醐味ですね。
私は日に日に朝起きれなくなってくるので春の到来をからだで感じています coldsweats01

投稿: soukichi | 2012年3月 4日 (日) 12:55

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