« ケーキの断面図 | トップページ | THE LOVE WE MAKE »

2011年12月25日 (日)

ふたりの王子さま

11the_happy_prince_05_2   

コトリ花店さんに届いたばかりの幸福王子を見たとき、なんだかものすごくひっかかる

ものがあった。前にも書いたとおり私はもともとお人形がすごく好きというわけではな

いし、すでにひとつ持っているのにそれでもなぜか妙に惹かれて、そういえば幸福王

子を家に持って帰って娘に見せたときにすごく欲しがったことなど思い出して、とりあ

えず娘用にお取り置きだけお願いして帰った。それから数日経った頃、わざわざ遠

方から来たお客さまがこの幸福王子を欲しいと言ってるけれどどうしましょうとコトリ

さんから連絡がきて、それは娘へのクリスマスプレゼントにしようと思っていたけれど

わざわざそんな方がいらしたならお譲りしたほうがいいかな、と話したところ、それな

らいいんです、ごめんなさいこんな電話して、気にしないで、これはもともと娘さんのと

ころに行くものだったから、とコトリさんは言った。

そして後日、その2体めの幸福王子を受け取りに行くときに、本棚に飾ってあった自分

の幸福王子を箱に入れて持って行った。コトリさんはそんな私を笑ったけれど、カウン

ターにそのふたつ並べてみて、あ、と思った。

ふたつの幸福王子はとてもよく似た顔をしていたのだった。

そっか、それでか。と私は思った。

それであんなに引っかかったのか ・・・・・・。

コトリさんはコトリさんで、「この王子が入ってきたときこの顔はどこかで見たことあると

思ったら、さなえさんのところに行った子だったのか」なんて言っている。「ということは

やっぱりこの子は最初からさなえさんとこに行くことになってたんだね」と。

その日はとっても不思議な気分でふたつのうちひとつをラッピングしてもらって、それ

はずっと押入れのかごバッグの中で眠っていた。昨日の夜まで。

そのときは、後になってそれがどんな意味を持つことになるのかなんて考えもせずに。

11the_happy_prince_07

今朝、あらためて昨日封を解かれた幸福王子と自分のとを並べてみると、やっぱりこ

のふたつはとてもよく似ている。

左の、デリケートでおとなしそうな顔をした子が私ので、右のちょっと垂れ目でお鼻が

上を向いた、ちょっとやんちゃそうな愛くるしい幼い顔をした子が娘の。

ちょっとした光の当たり方やアイキャッチの入り方、見る角度によって様々に表情が

変わり、まるで生きているよう。いつまで見ていてもぜんぜん見飽きない。娘もそんな

ようなことを言いながら、ふたつを手にとってしばらく見ていました。

そして、奇しくもこのふたつの幸福王子は11月に作家の葉子さんが急逝されてしまっ

たことで、いまや彼女の形見になってしまった。あらためて最初に私がこの人形を見た

ときに激しく惹かれた理由や、今回妙にひっかかった理由について思いをめぐらさず

にはいられない。葉子さんが最期に遺してくれた宝物。特別なお人形。

その知らせをいち早く私にくれたコトリさんのメールの内容はここには書かないけれど

たぶんそのメールにあった言葉は一生忘れないと思う。『シアワセの種』 ・・・・・・

11the_happy_prince_10

私はこの幸福王子を見ているといつも小さかったころの自分のことを思い出す。

そして、誰にでも(たとえ、むくつけき男でも)自分のインナーチャイルドを癒してくれる

ものが何かしらあったほうがいいんじゃないかと思う。

いま、私の幸福王子は私のもとでたくさんの本や鳥やネズミや少女や猫の置きもの、

木の実や何より花に囲まれて、キャンドルの暖かい光にあかるい薔薇色の頬をして、

ここに来たときよりもこころなし健康そうでしあわせそうだ。王子が幸福そうだと私も嬉

しい。泣いてばかりだったさみしいこども時代の私も報われるような気がする。

きっと幸福王子を手にした人のなかには私のほかにも私と同じようなことを思っている

人がいるかもしれない、と思う。幸福王子の底には葉子さん手書きの一文字があって

それはまるで碑のようだ。残念ながら生前の葉子さんにお目にかかる機会はなかった

けれど、私のイメージのなかに彼女は存在し、やっぱり忘れることはないと思う。

11the_happy_prince_12_2

11the_happy_prince_13_2

そして昨日、娘を喜ばせたプレゼントはもうひとつあって、

その小さなプレゼントはこれ!

11dot_flowers_crayon_2

ドット・フラワーズ・クレヨン。

こどものころの私は絵を描くのが大好きで、図工と国語の成績だけが良くてあとはほ

とんど駄目だった。小学校の中くらいまでは絵描きになりたいと思ってた。

今はぜんぜん描けないからそんなことは思わないけれど、今は娘が描いてくれる。

小さい頃から彼女を見ていて、絵を描く子っていうのはこういうものなんだと知った。

残念ながらやっぱりそれは私じゃない。娘が小さい頃から外国のかわいいパッケー

ジの発色のいいクレヨンとかパステルとか画材をあげるのが好きだったけれど、そこ

には私の願望も含まれてるのかもしれない。ほんとは私も自由に描けたら、っていう。

いつかダイニングルームの壁一面にあの子の絵を飾るのが夢。

みんなそれぞれ、好きな方向に羽ばたいていってもらいたいもんです。

そんな私の Merry Christmas

11dot_flowers_crayon_01

11dot_flowers_crayon_02

|

« ケーキの断面図 | トップページ | THE LOVE WE MAKE »

アートのある場所」カテゴリの記事

コメント

似てる。
ほんとに、似てる
大切な王子さまになりましたね。
  
見覚えのあるクレヨン、うちの子も使ってました!
ぐるぐるっと線をひくと夢が描けるのよね♪

投稿: s | 2011年12月27日 (火) 12:44

Sちゃん、
そう、ほんとに不思議なくらい似てるの。
私が見たときは最初のときも2回めも3体づつくらいあって、みんな違う雰囲気のお顔をしてたのにね。
おまけに娘のは娘の顔の特徴とも似てるんですよ。
上を向いたお鼻とかね(^-^)
だからやっぱりこの子は来るべくしてうちに来たのかなあって思います。

おお、そうですか。
お宅の子も使ってたのね(^-^)
あたしもちょこっと描かせてもらいたいなあ・・・・

投稿: soukichi | 2011年12月28日 (水) 00:27

そうきちさんこんにちわ
葉子さんのお人形
うちにはセーラーキューピーさんがいます

そしてこのパステル
虹を作ってくれるのね
どうもありがとう

どこかでそのうちお目にかかれるかしら?

お互い良い年行きになりますように
やまぐちめぐみ


投稿: やまぐちめぐみ | 2012年1月 9日 (月) 10:27

めぐみさん、
コメントどうもありがとう!
びっくりしました(^-^)
セーラーキューピーさんもなんともいえずかわいいですね。

年賀状もありがとうございました。
私は離婚して以来、年賀状を出す習慣がすっかりなくなってしまって、どこかでまた復活させようとは思いつつ、今年もまた駄目でした(>_<)
どこかでかわいいポストカードでも見つけたら、またお返事しようと思います。

そして新しい年、ドラゴンイヤー。
めぐみさんの絵みたいに、龍の背中に乗ってゆらゆら豊穣の国へ行けたらいいですね。
豊かって、何よりこころがあったかいね。

めぐみさんは元気になることを1番に考えて、それ以外は焦らず二の次で、ゆっくり、
でも、こころのままのご活躍ができることを願ってます。

でもって会おうと思えばいつでも会えますよ。
ちょっと離れてるけど同じ東京ですもん。

というわけで、いつかその機会に恵まれますように!
お互いハッピーな年にしましょう♪

投稿: soukichi | 2012年1月11日 (水) 00:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ケーキの断面図 | トップページ | THE LOVE WE MAKE »