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2011年11月30日 (水)

宿り木みたいな

11yadorigi

暮れに近づいてくる頃になるとなぜかきまって家電製品とかコンピュータの調子が悪く

なってくるのはなぜなんだろう。彼らも1年働き詰めで疲れが溜まってくるとか?

よりにもよって暗い朝とか、スイッチを入れた途端に電球は切れるし、コンピュータは

なんの前触れもなくいきなりシャットダウンしてブルースクリーンになるようなことが続

いていて、プリンタも不調。しょうがないのでちょっと遠くの家電量販店にクリーニング

キットを買いに行った。ついでに、そのすぐ近くにあるコトリ花店さんも寄ってみた。

今季初めて彼女が市場から抱えてきたという、宿り木が見たくて。

空に飛んでいきそうなプロペラみたいな葉っぱに黄色やオレンジのまるい実のついた

かわいい植物。宿り木を見るのは初めてのような気がしていたけれど、そういえばた

しかアフリカでも見たような気がする。もっともこんなカラフルなのじゃなくて、スヌーピ

ーがBOOっとしたときに頭の吹き出しに出てくるみたいなぐるぐるっとした鳥の巣みた

いなヤツ。あれはなんの木だったっけかなあ ・・・・・・

気づけば今年もカレンダーを1枚残すばかりで、今年もたくさんの人が亡くなった。

3月に起きた大震災と大津波でも、これまでに起きた様々な天災でも、病気でも事故

でも、またそれらのどれにも属さない死でも ・・・・・・

最近のところでは村田ばら園の村田晴夫さんが急逝されたのもショックだった。

バラに携わる人のなかでは最も好きで、昔から憧れの人だったから。

一度は会ってみたい方だった。

そしてもっと最近、大事な親友を亡くされたばかりのコトリさんは、このところ会うたび

に「私たち生きていかなきゃ。さなえさん、強く生きていこう!」とまるで自分に言い聞

かせるみたいに言う。私に向かって生き生きと元気に、何かを夢中で話しているとき

の彼女の顔を見ていると、私はなぜかいつも『グランブルー』のジョアンナを思い出し

てしまう。コトリさんの性格がジョアンナに似ているとか顔がとくに似ているってわけで

もないのだけれど、なぜか。なぜでしょう。

そしていつも、境を越えて行ってしまう人とこちら側で踏みとどまる人がいる。

それで、私はコトリさんのそんな言葉を聞きながらいつも「あなたはだいじょうぶ」「わた

しはだいじょうぶ」と思うのです。

今日は「日本人は年をとると陰鬱になるからいけないね。日本人は年をとったらラテン

系になったらいいのよ。毎日何があっても踊りを踊って、歌を歌って、楽器もこんな風

に鳴らしちゃって、赤いパンツなんかも穿いちゃってさ」と私が言ったら、「いっそブラジ

ルで暮らそうか!」なんて言う。どうも親族のなかに遠い昔にブラジルに移民した人が

いるらしい。古いモノクロの素敵な写真が残ってるんだって。

そりゃ、いいね! と言って帰ってきた。

そういえば、『日本ラテン化計画』なんていうのもあったなあ。

私はまじでいいと思います。

ヤドリギは寄生植物。

寄生、というとあまりいい響きではないけれど、でも誰にでも宿り木みたいな鳥の巣み

たいなのがあったらね。

誰にとってもあたたかい巣は必要。

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* めぐみさんの作ったへんちくりん15号は小さなティーカップのなかでくつろいでたよ。

Henchikurin15

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2011年11月29日 (火)

ヒヤシンスポット

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もう十数年も前のこと。

年末年始に友達が実家に帰省するのに便乗して、滋賀にあるお宅に家族で泊まらせ

てもらっていたとき、アップライトピアノがある明るいリビングでお正月の新聞を読んで

いたら、どこからかほのかにあまい香りが漂ってきて、部屋を見回したら窓辺にピンク

のヒヤシンスが咲いていた。それで、ヒヤシンスの水栽培なんて懐かしいな、いいな、

私もやろうと帰ってすぐヒヤシンスポットを買ったのだけれど、使わずにずっとキッチン

の収納棚の奥にしまったままになっていた。近くのホームセンターでみつけたそれは

たぶん買ったときはピンクとグリーンのグラデーションのガラスが、なんだかかき氷の

氷いちごと氷メロンみたいでレトロでかわいいと思ったのだと思うけど、いかんせん家

に持って帰ってみたらちょっと大きすぎて、かわいくなかったのだった。

それを日曜の夜に棚の奥から引っ張り出して洗い、買ってきたばかりのヒヤシンスの

球根をのっけてみた。グリーンのポットには白いヒヤシンス、ピンクには淡いピンクの

球根。花のいろが違えば、球根のときからこんなに違う。

11hyacinth_01

水栽培のヒヤシンスは、根が出るまでは厚紙などで覆って暗いところに置いておく。

1週間くらいして白い根がじゅうぶんに出てきたら水を減らして球根と水面の間に空気

を入れ、日の当たる窓辺などの明るいところに置く。水替えは週に1度。暖房の効い

た暖かい部屋ならむしろ外の寒いところのほうがいいらしい。じゅうぶん寒さにあてる

ことが、きれいに咲かせるコツなのだとか。もうホームセンターの園芸売り場では季節

がらヒヤシンスの球根はセールになっていたけれど、水栽培は12月からでも間に合う

そうです。

でも、実際に置いてみたらやっぱりこのヒヤシンスポット、大きい!

実は昨日、とても素敵なガラスのヒヤシンスポットをみつけてしまったの。

前から一度行ってみたいと思っていたお店で、近々見に行くかもしれません。

そして、テーブルの上では先日コトリ花店から買ってきたヒヤシンスが満開に。

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甘くてどこかひんやりしたいい香り。

冬から春の香り。

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2011年11月28日 (月)

じきに冬

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陽射しがないといきなり冬だ。

今朝は身支度をするまでのわずかな時間、がまんできずにヒーターをつけた。

外は曇り空。

「あなたを花にたとえるなら冬の花だ」と言われたことがあったけれど、

冬の花で私がまっ先に思い浮かべるのは、凍れる山茶花。

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コトリさんは私をフランネルフラワーのようだという。

小さな白い花。

フランネルフラワーとはあたたかな響き。

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樹木は緑から赤、きいろ、茶いろ、

そして、じきに冬ざれへ ・・・・・・

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2011年11月27日 (日)

晩秋の赤

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もう3時もまわったころ、ちょっと遠くのホームセンターまで行こうと自転車で走り始め

たところでこの赤が目についた。

赤くいろづいた南天の実。

これからの季節はこんな赤がいい。

ひところ真冬に赤が着たくて、バーバリーの真っ赤なピーコートを着ていたことを思い

出す。でも冬のマリンルックも好き。

プールに行けなかった昨日は、体調が最悪だったにもかかわらず、家事のなかでも

私がもっとも嫌いなキッチンの換気扇やレンジまわりの掃除をした。油でベタベタの

換気扇を掃除してフィルターをとり替え、ガスレンジを上げてレンジまわりのシートを

とり替えて。大変だったけど、お陰でキッチンはぴかぴか。ついでにヤカンもぴかぴか

に磨いた。寒いといってもまだ暮れの寒さとは違う、いまここの掃除をやっておけば来

月の大掃除のとき楽だし、なんといったって毎年この時期にキッチンの掃除をすませ

ないことにはガスファンヒーターがつなげないのだ。

掃除をして、ヒーターのホースをガスの元栓につないでセットアップしたらホッとした。

これでいつ寒くなってもすぐにヒーターが使える。

それから、ぴかぴかのヤカンでお湯を沸かして、キッチンを湯気でもうもうにしながら

珈琲をいれた。

外から家のドアを開けた途端にたちまちくもる眼鏡。

夕闇の木立のなかで、ジッと音をたてて燃える煙草の先の赤を思い出してる。

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2011年11月26日 (土)

ベン・ムーン

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始まりの気のなかで、美しく咲くベン・ムーン。

このバラもミニチュアだけれど強い香り。

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2011年11月25日 (金)

終わりと始まり

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どこまでも澄みきった青空、朝から光がいっぱいの美しい秋の終わり。

早世した女の子のお弔いの日。

新月の花を買う。

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ヒヤシンス、アネモネ、ラナンキュラス ・・・・・・

じきに12月。

「もう冬の花です」とコトリさんは言った。

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人は見かけよりずっと弱い。

人は見かけよりずっと強い。

どちらも真実。

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 * コトリ花店 12/3 ~ 12/7   青いミトン

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2011年11月24日 (木)

冬のこびと

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先日、4ヶ月ぶりに美容院に行って髪を切ったらすっきりした。

でもすっきりし過ぎた。

いつも何も考えないで行って美容師さんにおまかせにしてたらここ数回、息子に酷評

されたので、今回はめずらしく前日にヘアカタログなんて眺めてプリントアウトした紙ま

で持って行ったのに、J君、それを見せる前から何やら策ありでやる気満々の様子。

なんでもこのあいだTVで見た大竹しのぶの髪がすごくよくて、サイドも後ろも男の子

みたいに短くてトップがぐりぐりなんだけど、僕的にはあれが似合うと思うんですよね、

とおっしゃる。私が持って行ったのはミディアムレングスのニュアンスヘア。

全然ちがう。

でも大竹しのぶと私じゃ顔も違うし頭のかたちも全然違うのに、それってほんとに私に

似合うかな?といったら「だいじょぶです。顔が小さいから似合うと思います」と断言。

けっきょく今回もおまかせすることになって、「じゃあ、それでお願いします」と言ったら

J君、「まかせてください。僕はカットはもう天才的ですから」とか言って、言うなり嬉々

として切り始めた。人の頭だと思って容赦なくバシバシ切っていく。

このひと、ほんとに切るの好きだよなあ~

と思ってボーっとしてたら、鏡にはあっという間に見慣れない短い髪の、子どもみたい

な女がひとり。

・・・・・・ というわけで、思いっきり想定外の髪型になって帰宅。

自分でもまだ目がぜんぜん慣れません。

髪の毛のなかに指をさしこんでもいくらも髪の長さがないので、これじゃあニュアンス

のつけようもない。

うちの家族はみんな辛口というか毒舌で、いつも美容院から帰るとレタスみたいだの

キャベツみたいだのと言われるから今日もまた何か言われるんだろうなあ~、と思っ

て家のピンポンを鳴らしたら、出てきた娘に開口一番「うわあ~、変わったね!」と言

われ。次いで出てきた言葉が、「冬のこびとみたい」

ふ・ゆ・の・こ・び・と? 

息子なんかもっとひどく、一瞥して無言 ・・・・・・

事情を話したら、「なるほど。そういわれたら大竹しのぶっぽいね」と娘。

やっぱりちょっと短かすぎたかなあ、大竹しのぶじゃなくてやっぱり宮沢りえくらいにと

どめておくべきだったかなあ、などと思えど、すでに後の祭り。

今のところいいのはシャンプーに時間がかからない。シャンプーが少ししかいらない。

お風呂から出てすぐに髪が乾く。スイムキャップがかぶりやすい。・・・ くらいかな。

もうちょっと時間が経って落ち着けば、J君の天才的カットの真価が出てくるかも。

ま、髪なんてすぐに伸びるしね。

などなどと思う日々なのです。

上のイラストは娘が描いた『冬のこびと』。

ちょうど美容院から帰って来たときこんなブルーのストールを巻いていたから、よけい

にこびとみたいに見えたのだとか。

冬より夏が好き。寒いのより暑いのが好き。1年中サンバやオサノヴァやあっついジ

ャズを聴いてる私なのに、人からつけられる形容詞にはかならず『冬の』がつくのは、

もはやこれは自明なのかなあ ・・・・・・

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2011年11月23日 (水)

Memento mori

Kiku_2 

昨日の夜は友人からのメールで思いもかけない人の急逝を知り、あまりのショックと

その切々たるメールの文章に最後まで読まないうちに泣いてしまった。

まだ亡くなるには早すぎる、1人の女性の未来の可能性と、才能と、幸福な人生が、

あっけなくこの世から消えてしまった。

人のしあわせそうな微笑みの陰にある、誰にも見せない本当の悲しみとか苦しみとか

憤り。こころの闇について深く考えさせられてしまった夜。

明けて今日は母の十三回忌。

当初は親戚も招んでやるところだったのを、妹の仕事が忙しそうなのと、高齢で口も

足もまわらない父のことを考えて、無理せず内々だけでやることを提案して今日慎ま

しやかにすませてきた。

あのどこまでも澄みきった青空の、身を切るような寒さの二月の朝からじきに12年。

私の離婚から母の死までは、本当にジェットコースターに乗っているような、片づけて

も片づけても次から次へと敵が前に現れるロールプレイングゲームをしているような

数年だったけれど、それ以降だっていろいろあった。

本日、母の十三回忌にして80歳の父の肝臓がん発覚。

生きてると本当にいろいろあるよなあ ・・・・・・

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2011年11月22日 (火)

きんいろのあさ

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透きとおる花びらに、金いろの蕊がまぶしい。

今朝は大気がきりっと冷えた。

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2011年11月21日 (月)

割れないシャボン玉だよ♪

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昨日、鎌倉・御成通りの駄菓子屋とも雑貨屋ともつかない不思議な店『いわぬま』で

買ったバルーンふうせん。

これ、すんごく懐かしい。

こどものとき、おばあちゃんちで、どれだけこれで遊んだことか。

とくに外に行けない雨の日。

あまりの懐かしさに昨日、一個吹いてみたら、ますます懐かしさ爆発。

楽しくなってしまった。

なんだか一気に郷愁を誘われて、こころはあの古いおばあちゃんちに飛んで。

このシンナーくさいような、いかにも身体に悪そうな感じも、こどもが好きなもの。

昨日はたいして反応しなかった娘なのに、さっき娘の部屋に行ったら部屋の床の陽だ

まりのところに、このバルーンがたくさん、ふわふわしていて。

「これ、楽しいね♪」だって。

もっと買っとけばよかった。

近所の駄菓子屋カンパニーさんでも売ってるかな、なんて思っていたらこんなの発見。


   駄菓子とおかしの店   →    ポリバルーンふうせん


今はネットでなんでも買えちゃう時代なんですねー

便利というか、なんちゅうか、ふつうのお店はやってられない。


そして、これは今朝の朝ごはんのパン。

半日持って歩いたから袋がぐちゃぐちゃになっちゃったけど、KIBIYAの猫マーク付き。

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くるみ、イチジク、チョコなんかが好きだから、そういうのがいっぱい入ったパン。

たったこれだけしか買わないのに、パンがずっしりしてるせいか、昨日は妙に荷物が

重たかった。この写真では陰に隠れて見えないけれど、お焼きみたいな平たいパンの

中にはチョコがぎっしり。手前のまるパンの中はなんとあんこ入り。

友達いわく『ずっしり重い酸っぱい系のパン』、ということだったけど、私としてはそれほ

ど酸っぱさは感じなかった。単純に、今まで食べたパンの中でどれが1番おいしかっ

たかと聞かれたら、私は今のところ吉祥寺のダンディゾン、かな。なんたってあのパン

の焼けるいい匂い! あそこのはほんとに買ってすぐに食べたかった。

かといって、そのためだけに吉祥寺に行く、なんてことは私はしないのだけれど。

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このパンは、息子いわく、「おいしいけど、歯が折れそう」だって。

まさかそこまでじゃないけど、これを歩きながら齧るって、よっぽど歯が丈夫なんです

ね、私の友達 smile

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2011年11月20日 (日)

センチメンタル・ジャーニー②

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御成通りを抜けて、江の電の鎌倉駅をぐるりとまわってJR鎌倉駅の前に出て左に曲

がると小町通り。のんびりムードの御成通りとは一転、ここは昔からいつ来ても原宿み

たいな混雑ぶり。北村太郎がよく行ったという、目指すイワタ珈琲店は小町通りを入っ

てすぐのところにあったけれど、ご覧のようにドアの外で待つ人の行列あり、で。みん

な、ここの分厚いホットケーキがお目当てらしい。このがちゃがちゃした雰囲気ではと

うてい今は亡き詩人の追憶にひたれそうもないから、横目で見ながら素通りする。

ここはいつか(もしそんな機会に恵まれたなら)、橋口幸子さんが描いているところの

情景が存在する季節、時間帯にふたたび訪れてみたいと思う。

それで、外にあるショーウィンドーをじっと見てみたんだけれどね、北村太郎が好きだ

ったというエクレアはなかったよ。(店内のケーキのケースにあるのかもしれない。)

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じゃあ、次はディモンシュだ、ディモンシュでお昼を食べよう♪ってことで小町通りをま

っすぐ行く。友達は、中に入ったことはないけど見たことはあるというだけあって勘が

働いて、一発でお店を発見。café vivement dimanche です。

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ガラス張りの店を覗くとまだ店内には人はまばら。

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やった! 並ばないで入れる。ラッキー♪ とばかりに中へ。

ここは絶対に並ぶと思ったのにね。なんでだろ、と言いながら友達が時計を見ると、

まだ12時10分。なるほど、ちょうどランチが始まって混みだす少し手前に入れたとい

うわけね。そして驚いたことに店内に流れていたのは去年? 今年だったかな、この

日一緒に行った友達からもらったマリア・ヒタ。どうやらやっぱりここへは来るべくして

来たようです。そして、ここに来たからにはブラジルゆかりのものを食べなくっちゃ、と

『ムケッカ』を注文。ムケッカとは、ブラジルのバイーア地方の郷土料理で主に魚介類

と野菜をココナッツミルクなどで煮てカレーのようにご飯と混ぜて食べる料理、だそう

です。かわいい店員さんが笑顔で教えてくれました。バイーアはジョアン・ジルベルト

とカエターノ・ヴェローソの故郷。ちなみにアントニオ・カルロス・ジョビンとイヴァン・リン

スはカリオカ。そして、出てきたのはこんな料理。

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『カレー』は『汁けの多い食べもの』の意だそうだから、まさにこれもカレーっぽいです

ね。ココナツミルクの香りがするところはちょっとタイカレーっぽくもあるけれど、あんな

には辛くない。鱈とか海老が入っていて、あっさりとした味わい。あ、いまこの写真見

て思ったけれど、このごはん(タイ米っぽい)の盛り方は、ブラジルの砂糖パンの山の

かたちかなあ ・・・・・ おいしかったです。食後は言わずと知れた珈琲だけど、珈琲の

種類も他では見られないようなこだわりの銘柄が揃えてありました。名前は忘れてし

まったけれど、私は深煎りのスペシャルティ・コーヒーを。

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ついてきた角砂糖が洒落てるの。

私のところにきたのは『喫茶』と『暇』。

友達のところにきたのは、これ。

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遊び心がありますね。

ちなみにこれはペーパー・ナプキン。

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こんな風に小物にこだわるところは、さずが映画好き、って感じがします。

店内には帽子をかぶった意味深な眼差しのナラ・レオンのモノクロのポスターが飾って

あって素敵でした。店のはじっこには先日、私が買った2枚のCDや、永井宏さんの遺

作となった『恋することについて答えを出そう』などが置いてあるコーナーも。

私たちが店に入った直後から、あっという間に満員になり、ガラス窓の外では待つ人

たちの姿が増え始め ・・・・・・ 私たちは満足して店を出ました。

ふたたび小町通りを抜け御成通りを抜け、とちゅう朝はまだ開いてなかった和食器屋

さんやそうすけさんを見て、行きに寄ったわらび餅屋さんでお土産を買い、江の電に

乗って稲村ケ崎へ。

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稲村ケ崎の駅を降りるなり友達、「Rさん2へ行っていい?」と言いながら勝手知ったる

様子でズンズン歩く。途中、ケア付きマンション(養老院みたいなもの?)など横目で

見ながら、ともに海の近くに住むのが夢だった2人、「ここを目標にするか」などと馬鹿

なことを言い。2を見たあと、江の電の線路脇にあるRさんへ。

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ここはまるで私のおばあちゃんの家みたいでした。

(おばあちゃんの家のほうがもっと広くて立派だったけれど ・・・)

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雰囲気はあるのだけれどそうとう古い古民家らしく、かなりうらぶれた感じもして。

今日は11月の後半とは思えないほど暑い日だからよかったものの、冬の寒い日に訪

れたら思いきり寒い気分になりそうでした。私も古いものは嫌いじゃないけれど、自分

のなかではっきりインとアウトの線引きがあるような。Rさん、こざっぱりした健康そうな

方だったけど、はたして古道具屋って商売になるんでしょうか。(心配)

「電車が来るから気をつけてくださいね!」というRさんの明るい声に送られて、店を出

てちょっとしたら江の電が来た。

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このあとついに稲村ケ崎の海へ ・・・・・

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センチメンタル・ジャーニー

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あれは夏の前だったか、『珈琲とエクレアと詩人』を読んだあと、無性に鎌倉、稲村

ケ崎に行きたくなってしまって、ときおり1人で鎌倉に行っているという古道具好きの

友達に、「秋になったら鎌倉に行かないか?」とメールしたのは。

時熟して秋も深まった11月の第三日曜日、そのチャンスがめぐってきた。

その日までにお互い行きたいところをピックアップしておくことになっていて、私は「小

町通りのイワタとディモンシュと、稲村ケ崎に行ければいい」と言い、友達は「私は(古

道具屋の)Rさんと海が見られたらそれでいい」と言った。

奇しくもRさんがあるのは稲村ケ崎だ。ちょうどいい。

今朝は私にしてはめずらしく6時前に起きて、約束より1本早い電車に乗った。

いつもは鎌倉へは品川から横須賀線に乗っていくのだけれど、今日は初めて『江の島

鎌倉フリーパス』なんていうのを買った。上の写真は藤沢から江の電に乗って海が見

えてきた瞬間に撮った写真。下は、電車がすれ違う瞬間に撮った写真だ。

乗客のあいだ、茫洋とした窓の向こうに見える水平線。なんだかサウダーヂ。

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今朝は昨夜までの暴風雨の影響か、海はひどく荒れ模様。午前10時過ぎでほとんど

潮も引いてない状態で、それを見ながらふいに友達が「そうか、こんな早い時間に稲

村ケ崎に行っても店はまだ開いてないか!」と言った。それでまずは鎌倉に先に行く

ことにして、ひとつ手前の和田塚で降りて歩くことに。

ここからは写真が多いのでちょっと飛ばす。

由比ガ浜通りにある友達の好きな古道具屋さん、『そうすけ』さんもまだ開店前。

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かつては本当に銀行だったというレトロな建物。

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かわいいお花屋さん、みっけ! でもやっぱりまだ開いてません。

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この古風な佇まいの店はわらび餅屋さん。

「わらび餅、好き?」と友達が聞くので「大好き!」と答えると、「ここの小町通りの先に

ある店はいつも行列ができてるくらい人気なんだよ~」というので、まずはここで一服

していくことに。甘味処 由比ガ浜 こ寿々

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私は大きなサイズでもまったく態勢に影響なしだったのだけれど小食の(?)

友人にあやかって、小さいサイズのわらび餅を注文。出てきたのは、なんともとろぷる

のわらび餅。お番茶の入ったかわいらしい急須に中国茶の茶碗のような小さな湯の

みがふたつ。「お茶のおかわりもありますので、ごゆっくりどうぞ」という言葉も添えら

れて。315円のわらび餅頼んでお茶おかわりしたら申し訳ないですね。

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店内から見た入口の格子戸。風情があります。

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それから、友達が小町通りより好きだという御成通りへ。

「ねえねえ、あそこよくない? 私すごく好きなんだけど」と友達が言うので見ると、昔

子供の頃行ったような駄菓子屋&おもちゃ屋さん?

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好きだよ好きだよ、と店頭で変なキウピーさんをひとつ取って、それからシャボン玉と

昔ほんとによく遊んだ接着剤の匂いがするバルーンふうせんを買いました。変なもの

好きの娘へのお土産。

それで、ここを出てから友達が「たしかこの辺においしいパン屋さんがあったんだけど

なあ~」と言うから「あっ! かわいい猫の看板!」と言ったら、「ああ、これだこれだ」

と言うなりこんどは友達のほうがズンズン路地に入って行きました。

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KIBIYAベーカリー

私が猫の看板に気をとられている間に彼女は夢中でパンを物色中。

いったいどれだけパンが好きなんだ~

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通りっていうのは、その脇にある路地がまた面白いもので、ちょこっと入ってみたくな

る。この通りもそんなところがいっぱい。お酒のポスターが店の戸前面に貼ってある

ここはどうやら一杯飲み屋のようだ。

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そして、友達が「この路地の感じ、いいでしょう~」と入って行った脇道。

猫の看板の雑貨屋がある。

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ここは一転、お洒落な雰囲気のお花屋&カフェ。

カフェ・ラカポシっていうのかな。

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このあと小町通りへ。

長くなったのでここでいったん休憩して②へ ・・・・・・

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2011年11月19日 (土)

雨の日のスイミング

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朝からひどい頭痛。

アスピリンを飲もうと思ったら、いつも机の1番上の引き出しに入れているアスピリンの

箱がなくて、切らしていることに気づく。でも、これは首こり・肩こりからきている頭痛だ

から、お風呂で温まったら治るかもしれないと思っていつもより長く浸かっていたら、う

っかり時間をオーバーしてしまった。今日は午後に向けてどんどん雨がひどくなるとい

うから、歩いていかなくちゃならないのに。頭痛はお風呂に入っても治まるどころかま

すますひどくなったようで、「それでだいじょうぶなの?」という息子に「わからない。と

りあえず行く」といって出た。

今日は府中通り沿いのまっすぐの道が妙に長く感じられて、どうやっても時間までに

は間にあわないし、いつになく何度ここで引き返そうかと思ったことか。それでもなん

とか急いで着替えてシャワーを浴び、準備体操が終わる頃にプールサイドに到着。

となったらもう泳ぐしかない。前半は3泳法の50を行きがキックで帰りがスイム、とい

うのを3回くらいやって、残りはずっとバタフライ。今日はどうなることかと思ったけれど

人の身体って不思議なもので、先週どうやってもおかしかったクロールの腕の動きが

今日は正しく元に戻っていて、まっすぐに伸ばした手が水の浮力に支えられているの

を感じた。

水はいい。

水の中にいるのは気持ちいい。

水中ほど重力を忘れて自分を預けられる場所はない。

今日は水に助けられた感じがした。

でもこれからの寒い時期はプールの中にいる間じゅう泳いでないとすぐに身体が冷え

てきちゃうから、私みたいに体力のない人にはちょっとつらい季節。

クラブを出るとまだ3時なのにもう夜みたいだ。

けれど、7分袖のカットソーのチュニックにダウンベストという軽装でも寒くはない。

もう11月も半ばを過ぎたのに。

雨に滲むテールランプの赤を見ながら歩いた。

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2011年11月18日 (金)

黄昏にもし間にあったら

Himiko

ある雨の日、町の小さな塗装会社で働く地味な女子事務員・沙織のところに突然、美

しい男が訪ねてくる。彼は今までにも何度も会社に電話をかけてきたが、沙織は電話

に出ることもいっさい拒否してきた。ろくろく用件も聞かずに追い返そうとする沙織に、

その若い男・岸本晴彦は、「君のお父さんは末期ガンで、もう長くは生きられない。君

には高給を払うから、彼が運営するメゾン・ド・ヒミコで雑用をやってほしい」と頼む。

メゾン・ド・ヒミコは、銀座で名を馳せたゲイバーの名店『卑弥呼』の2代目として成功

した沙織の父・吉田照男が、店を引退した後に海辺のホテルだった建物を買い取っ

て作ったゲイのための養老院。卑弥呼(照男)が病で倒れてからは実質そこの運営を

任されてきた岸本晴彦は、卑弥呼、つまり沙織の父の恋人だった。

自分がまだ幼いときに自分と母をボロ雑巾のように捨てて家を出て行った、と今まで

ずっと父を憎んできた沙織は、そんな汚いオカマがどこでいつ死のうが関係ない! 

とばかりに激しく断るが、晴彦は借金があって金策が必要な沙織の心を巧みに利用

して、破格の日給と卑弥呼の遺産をエサに、なんとか彼女にその話を承諾させる。

そして、週に1回、日曜日にメゾン・ド・ヒミコに通うことになった沙織だったが ・・・


犬童一心監督による作品。

岸本晴彦にオダギリジョー、吉田沙織に柴咲コウ、ゲイの卑弥呼に舞踊家の田中泯

という異色のキャスティング。

*****************************************************************

この映画を見るきっかけになったのは、最近仲良くしているコトリさんがことあるごと

にこの映画のことを口に出すからで、私もそのたびに頭に絵が浮かぶので見たよう

な気でいたのだけれど、実際のところは見ていなかった。見たような気がしたのは以

前、陶芸オフ会にも参加させてもらった陶芸家でブロガーのハシバミさんのブログ

の中で何度もメゾン・ド・ヒミコの舞台(ロケ地)となった建物の写真を見ていたからだ

った。コトリさんいわく、この映画ははっきりと好き・嫌いが分かれる映画だという。

そして、それは彼女のなかで何かをはかる尺度になっているようだった。


ここにあるのは様々な人間の現実だ。

父親に捨てられ、女手ひとつで育ててくれた母親をガンで亡くし、入院費という借金だ

けが残された娘の現実。この世で唯一、自分を孤独から救ってくれた愛するひとを今

にも失いそうになって震えている若い男の現実。ただでさえ、人は年をとるだけでも徐

々に若さも美しさも失ってたそがれてゆくのに、そこにゲイと病という二重苦を抱えた

初老の男の現実。そして卑弥呼を慕ってメゾンで暮らす、見た目はどうやっても男、

でも中身は女、の彼らがそれぞれ抱える現実。

そして、沙織の側にあるのはもっとどこにでもあるような現実だ。

父親の塗装会社で2代目として専務におさまり、妻と子に恵まれ何不自由ない生活を

しながら会社では年中みさかいなく女子事務員に手をつけている男のつまらない現

実。さらに、その専務に食い物にされている頭の悪そうな事務員のこれまたつまらな

い現実 ・・・・・・

映画の中でそのどうしようもない現実をどこか非現実的に幻想的に、ある種おとぎ話

のように見せているのがメゾン・ド・ヒミコという存在だ。

その外国のリゾートホテルのような建物の明るい外観。海辺というロケーション。ヨー

ロッパ・アンティーク家具で彩られた、シンプルだけれど優雅な卑弥呼の部屋。それ

からガウン姿の卑弥呼の毅然とした態度と、どこか芝居がかったような上品で無機質

な女言葉。メゾンで暮らすゲイたちの、猥雑さとクラシカルが入り混じった、ある種、無

邪気なまでの愛にあふれた暮らしぶり。

そして、若く、美しい男。

そう、美しいってことはいつもそれだけで非凡で非現実的になりうる。

美しさ、優雅さ、花、海の見える部屋、日曜日のおかしなブランチ、アート、音楽、ドレ

スアップ、ゆっくり過ぎてゆく時間。損得勘定抜きでただ掛け値なしに人を愛すること、

愛すること ・・・・・・

どれも現実とは対照的に人を非現実に誘うものだ。

それらは少々奇妙でも沙織が住んでいる日常よりはずっとファンタジックに見えた。

そしてこの映画を観終わった後で、これについてなんて書こう、と思ったときに、ふい

に頭に浮かんだのが、記事のタイトルにした『黄昏にもし間にあったら』だった。

なぜ、そんな言葉が浮かんだんだろう。

私は子供の頃から『間にあわない』って感覚がすごく苦手なのだと思う。

間にあわない。取り返しがつかない。手遅れになる。そういうのが。

とくに自分の人生でどうしようもなく間に合わなかった経験を持つ身としてはなおさら、

だ。人のこころっていうのはいつでも本当に複雑で、過剰すぎれば鬱陶しいし、かとい

って満たされなければ物足りなくてさみしい。そのあたりのさじ加減が絶妙な映画だと

思う。そして上のポスターでデッキテラスにいる3人、卑弥呼と晴彦と沙織は、そういう

意味では間にあった人たちだ。

沙織は晴彦に嫌々ながらも従ってここへ来たことで、それまで知らなかった異種の人

たちとも心を通わせることができると知った。そして結果的には知らない間に天涯孤

独の身になることなく、父の死に間に合い、長年鬱積した感情をぶつけることで自分

の捨てられた人生に蹴りをつけることができた。彼女を見てて思ったのは、こんなに

ステレオタイプに人を憎んだり、あからさまに感情をむき出しにしたり、口汚く罵倒した

りできたら返って楽だろうな、ということ。人は誰かに酷いことをされたら当然ながら傷

つくし、相手を憎むことだってあるだろう。でも、それとは裏腹に、相手への憎み切れ

ない感情でもって人は揺さぶられ、よけいに苦しむものだと思うから。少なくとも私や、

私の子どもはそうだった。もちろん、この沙織にそういう部分が全然なかったとは言え

ないにしても。

父の卑弥呼にしたって、一度はあきらめて捨てた人生の子とはいえ、大人になった

一人娘と邂逅し、最後は不器用ながらも思いを伝えて今生を後にすることができた。

それってすごく安らかな気持ちだったんじゃなかろうか。人のすることは善悪だけじゃ

推し量れない、たとえ生前どんなことをしたとしても最後は許されてあるべきだろうと

私は思うから。そして卑弥呼を失い、また一人ぼっちの奈落に落ちそうだった晴彦は

沙織と出会ったことで虚無から生の方向へ向くことができた。沙織の中にある現実の

パワーで。もしかしたらこの2人は愛するDNAでもって新たな可能性が開けるのかも

しれない。ラストはほのかに、ハッピー・エンドといえそうな終わり方。

それでいて、どこかに切なさの余韻が残る映画だと思う。

黄昏に海を見ていて、もうちょっとこの瞬間、この光のなかにとどまっていたい、と感じ

させるような、そんな気持ちになる作品。

結果的に、私がこの映画を好きだったかというと、かなり好きな映画だったと思う。

まず、このメゾン・ド・ヒミコのロケーションは私にとっては最高だし(部屋から海も見え

るしテラスにプールもある!)、会社で事務員をつまみ食いするような現実の男より、

私は夢みるオカマのほうが好きだから。来月からここで住み込みで働いて、と言われ

たら、すぐにOKするかも。

この映画がけして明るい内容ではないのにサラッとしているのはドライな台詞まわし

によるところが大きいと思うけれど、驚くべきはこの脚本を書いた渡辺あやで、島根

なんていうところに住んでいてどうしてこれほど都会的な乾いた台詞が書けるのか。

彼女は脚本家になった経緯もユニークで、脚本家になる前の彼女は島根でふつうに

働く主婦だったそうだ。それが妊娠・出産を通して1人で家にいるようになってからは

もうとにかくさみしくてさみしくて、さみしさまぎれに頭の中でいろいろ妄想していたら、

いつしか妄想のなかの人々がそれぞれ勝手に変な動きをし始めたので、それをメモ

しているうちにいつの間にかストーリーができあがっていたのだという。すごい。こうな

ると妄想もあながち意味のないものでもない、と思える。

ただ、この映画が好きじゃないという人が、どういうところが好きじゃないのかというの

も、なんとなくわかる。そういうあなたは節度があってまっとうだ。

さて。あなたはどちらでしょう。

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2011年11月17日 (木)

江間廣 作陶展

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陶芸家の江間廣さんから、気持ちのいいいポストカードが届いた。

作陶展のご案内。

もう長いこと個展にも行ってないのに、まだ自分のアドレスがリストから削除されてな

かったんだなあ、と思う。

江間さんの器を初めて見たのは、まだ『ギャラリーせい』が古民家だった頃のこと。

手にとった小鉢のあまりのかわいさに、手放せなくなって2つ買った。

すだちを2つに割ってのせたらちょうどいいくらいの、小さな小さな器。

備前作家の手間からいったら高いものじゃなかった。

そのとき江間さんはギャラリーにはいらっしゃらなかったけれど、私がギャラリーを出

たのと入れ替わりに戻ったらしく、小雨の降るなか私の後から追いかけてきて、お礼

を言いながら名刺を渡してくださったのをおぼえてる。なんて素朴で実直そうなひとだ

ろう、というのがその印象だった。

私が思う江間さんの器の好きなところは、とにかくその焼きいろがあったかくて、おい

しそうなところ。焼き菓子を作る人だったらきっとわかってくれると思うけど、ほんとに

焼き菓子みたいにうまそうな色なんです。それはこのポストカードの写真でもわかって

もらえるかもしれないけれど、左の白いのなんて、まるでホットミルクにシナモンを振り

かけたみたいじゃないですか? 

そして使う土にもよるけれど、そのフォルムはやわらかく、肌はとてもなめらか。

手にとって見たら驚くほど、とても繊細で丁寧な手作業をされる方です。

私がいつかお対で欲しいと思って見ていたのは、満月のような鮮やかで深い焼きいろ

がついた、まるっこちいかたちの湯のみ。いまでも作ってらっしゃるかなあ ・・・・・・

久しぶりに行ってみようかと裏を見たら、今回の個展は黒田陶苑ではなくて横浜そご

うでした。このためだけに行くのは私はちょっと遠いのだけれど、お近くで興味のある

方はぜひ行ってみてください。いわゆる大家といわれる伝統作家が作った鑑賞するた

めの備前じゃなくて、日常になじむ、あたたかい器としての備前。

手にとって眺めてるだけでもしあわせな気持ちになります。

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本日のランチはビーフシチュー

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久しぶりに産地のたしかな牛すね肉が安くたっぷり手に入ったから、昨日は赤ワイン

に一晩漬けておいた肉でビーフシチューを作った。昼間は気温が上がって妙に暖かい

昨日今日だけれど、ひとたび日が落ちれば一気に寒くなってくる。これからはやっぱり

シチューとかポトフがおいしい季節。

それで今日のお昼は昨日の残ったビーフシチューでランチ。

たいがいこういうものは作った当日より翌日のほうが味が濃厚になっておいしい。

家で作るとたっぷり食べられるのもいいところ。

ふぅ~、お腹いっぱいになりました。


それからこれは近所のパン屋さんで売っているホイップホーン。

私が行くころには滅多に売ってないのだけれど、先日たまたまあったので買ってきた

ら、息子がうまいうまいを連発して、「なんだかこれはしあわせになるね」としみじみ言

うので、「へー、そこまで言うのか」と思って今日は自分のも買ってきました。中のクリ

ームはミルキーでなんともいえない風味があるけれど、私はこれは半分でいいや。

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そして、今日のパンダ。

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今日も陽射しはあったかです。

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2011年11月16日 (水)

落ち葉掃き

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今朝はだいぶ冷えた。

それに何より、すごい北風!

轟々と唸りをあげる風の音に混じって、サラサラと波のような葉擦れの音を聞いた。

でも、カーテンを開けると部屋の中は虹でいっぱいだ。

晴れた冬の朝はこれがずっと続く。

今月は私は住宅の階段の月当番で、月当番は共益費の集金とゴミ捨て場の掃除、

それから第3日曜の朝に敷地内にある公園の一段低くなった溜池と呼ばれる場所の

掃除をしなければならないのだけれど、今週末の日曜は私は友人と出かけることにな

った。それで、掃除に出られない代わりに私が1人で早めにやってしまえばどこからも

文句が出ないだろうと思った。娘も手伝ってくれるというし、あとは熊手があると便利だ

と思って昨日、役員の女性に電話をしたら、ちょうど彼女もやろうと思っていたところだ

ったから一緒にやろうと言ってくれた。なんたってこの辺りは木が多いから、落葉の季

節ともなるとあたりいちめん落ち葉だらけですごいことになる。それで今朝は早起きし

てスタンバイしていたのだけれど、家を出る直前に電話がきて、今日は年寄り連中が

ラウンド・ゴルフをしているから午後にならないと駄目だというではないか。すっかり出

鼻をくじかれた感じでやる気が失せそうになったけれど、午後になったら凄かった朝の

北風もすっかりやんで、陽射しが暖かくなってきた。

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会長のおじさんと副会長の女性、私に娘の4人で黙々と必死に大量の落ち葉を掻き

集めてはビニール袋に詰めること1時間強。ぎゅうぎゅう詰めの大きな袋が7、8袋は

できただろうか。落ち葉もこれだけ詰め込むとすごく重たい。家を出るときは寒かった

のが、終わるころには汗をかくくらいになった。

公営住宅は家賃が安い代わりに面倒なことがいろいろある。

いつかこの部屋もこの町も出てもっと好きなところで暮らすのが夢、というか目標だけ

れど、そんな日はいつ来ることやら。本当に来るものやら ・・・・・・

そういえば、家を出るとき息子に「マスクをしていったほうがいいよ! 吹きだまりの落

ち葉なんて線量高そうだし、そうじゃなくたって東村山市はホットスポットが点在してる

んだから」と言われたときには「え~、大げさじゃないの」と思ったけれど、結局してい

ってよかった。放射能はともかく埃がすごかったし、下のほうの湿った落ち葉なんてど

んな雑菌があるかわからない。それにしても今年の3月11日以前には一般家庭の日

常に『線量』、『ホットスポット』なんて言葉は存在しなかった。日々の食材に今ほど困

ることもなかった。いったい今年はなんていう年になったんだろう。

ともあれ、落ち葉を片づけて一件落着したところでパンダ発見!

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このパンダはノラの癖になかなか贅沢なのだ。

よっぽどお腹が空いてるときでもない限り、煮干しをあげてもガツガツ食べたりしない。

煮干しの前まで来て匂いをちょっと嗅いでから「なぁ~んだ、これかあ」という顔をして

「ほしいのはこれじゃあないんだよ。さっさと出しなさいよ。ほら、そこの買い物袋の中

に入ってるヤツ。サービスにごろんごろんしてみせるからさあ」といった風なのだ。

ただ返事だけはよくて、「パンダ!」と呼ぶとまっすぐにこっちを見て「にゃあ」という。

「パンダ!」 ・・・・・・ 「にゃあ!」

(植え込みの枝に頭をガシガシこすりつける。)

「頭がかゆいの?」 ・・・・・・ 「にゃあ」

(がしがし)

「掻いてあげようか?」 ・・・・・・ 「にゃあ!」

「じゃあ、こっちおいで!」 ・・・・・・ 「にゃあ」

(しらんぷり。)

で、来ないのだ。つまり言葉がわかってるわけじゃないのね。(それとも?)

あんまり誰も言わないけれど、東京のノラ猫とか昆虫、空を飛んでる鳥たちへの放射

能の影響ってどれくらいなんだろうか。

あれから早8ヶ月以上が過ぎて。

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2011年11月15日 (火)

タコのペペロンチーノ

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数日前に作ったタコのペペロンチーノがとてもおいしかったので(パセリも残ってたし)

今日のお昼にまた作った。

ペペロンチーノなんてめずらしくもないけどいちおう作り方を書いておくと、まず大鍋に

湯を沸かしてパスタをゆでる。その間にパセリはみじん切りに。叩いてつぶしたニンニ

クの芽を取り粗みじんにして、輪切りにした鷹の爪と一緒にフライパンに入れる。そこ

にオリーブオイルをたっぷり入れてフライパンを傾けながら弱火でじっくり香りがするま

で熱したら、タコのぶつ切りを投入。タコの色が変わったら適量の塩、あらびき黒コショ

ウたくさん、バターひとかけを入れてパスタの茹で汁をお玉に1杯入れてオイルとよく

なじませる。そこにアルデンテにゆでたパスタを入れて絡める。味を見てOKだったら

最後にオリーブオイルをもうひと振りして絡め、お皿に盛ったらパセリのみじん切りを

振ってできあがり!

これだけでとってもおいしい。

タコとかイカとかあさり、魚介を入れるとほんとに旨味がでる。

ペペロンチーノをおいしく作るコツは(私的には)、大量のニンニクにオリーブオイルた

っぷり、コショウもたっぷり、それに塩加減さえ間違わなければ誰でもおいしく作れると

思う。塩加減はパスタを投入する前でちょっと塩っぱいかな、というくらい。塩味が薄

いと味がボケる。魚介を使うときはバターを入れると合う。もちろんパスタはちょっと硬

めのアルデンテ。パセリはこのパスタにはぴったり。味の見本でいうとエスカルゴみた

いな感じかな。

それでもってパスタを食べた後はやっぱり珈琲!

最高の組み合わせ heart

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2011年11月14日 (月)

Room1022で

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前回行ったときにくらべるとだいぶ秋が深まった井の頭公園を眺めながら、やまぐち

めぐみさんの絵に会いにふたたびRoom1022に行った。今回も娘が一緒。

このあいだはポカポカ陽気のあったかい日で入口のドアは開けっぱなしだったけれど

さすがにこの日は閉まっていて、そのチョコレートいろのドアを開けて中に入ると今回

もなぜか店主以外は誰もいなくて私たちだけの貸し切り状態。

この日はランチを頼んだ。

そしてランチができるのを待っている間、先日は見かけなかった絵を眺めたりしていて

ふと目についた変なチラシ。『プリミ恥部のCosmic Birth Live@あんにゅい庵』とあって

横に『宇宙マッサージあり』と書いてある。思わず娘のほうを向いて声に出して読んだ

あと、「何これ。あやしい~(笑)」と言ったら店主が大胆にも「けっこう(あなたに)合っ

てると思いますよ」と言うので、「この突き抜け方がいいね!」なんて言ったところから

その日はすっかり彼女と話しこむことになってしまった。2度目の来店だったからかも

しれない。初めてここに来たときはシャイな感じのするひとだと思ったのに、話してみ

れば全然そんなことはなくて、じっつに屈託ないオープンな人であった。私は特にいま

精神的に疲れてるとか肉体的にまいってるとかいうことは全然なくていたって元気な

のだけれど、彼女と話しながら思わずウルウルしてしまったのは彼女の懐の深さゆえ

だろうか。彼女の前ではそんなことを隠すのもおかしい気がして、家で映画を見てると

きみたいに手ぬぐいで涙を拭き拭き彼女の話を聞いていた。こんなことも滅多にある

ことじゃない。

本日の気まぐれごはんは鶏大根。

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実は出てきたのを見た瞬間、困った、と思った。

あんまり言いたくないけれど、私こどものころから煮物のニンジンが大嫌いなんです。

いつかも男友達に「オレ、大人でニンジン残すやつ久しぶりに見た~」と言われて恥だ

ったけど、生野菜とか炒めものニンジンは好きでも、これだけは駄目。なので1個は娘

にあげて、もうひとつは半分齧ってやめました。(ものすごくニンジンの味がしたので)

でも、それ以外はとてもおいしかった。

店主の味つけは甘くて、私もどちらかというと煮物は甘めのほうなのでそう言うと、彼

女は九州出身で、九州の味つけが甘いんだそうです。「最近はお砂糖を使うのが悪い

みたいに言われてるけど、私は甘いものは愛だと思ってます」と笑顔できっぱり。

九州女かあ~~・・・

わたし何故か関西人と九州女に縁があるんだよなあ。

すっかり外も暮れるころ店を出たら、娘が「あのひと、お母さんと合ってたね」という。

つまり、まったくのオープンで私と宇宙愛について話せる人はそうそういない、というこ

となんでしょう。「なんだか『かもめ食堂』のサチエさんに似てたね」とも。

う~ん、サチエさんかあ ・・・

もしかすると、Roomの店主も家で宇宙の気を感じながら四股踏んでるかもね。

ひと月の間に同じ場所に同じ絵を見に行くのは初めてだけれど、ここへは今月あともう

1回くらいは行きそうです。

今度は吉祥寺好きの友人誘ってか、あるいは1人で。

やまぐちめぐみさんの個展『ソラトブウミ』は12月4日までの展示となったそうです。

めぐみさんの絵とサチエさん、ならぬチヅルさんに会いにぜひお出かけください。

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2011年11月13日 (日)

ありあわせで作った韓国風ビビン麺

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午前中、YouTube のOsvaldinho da Cuica の映像と音に夢中になっちゃって、お昼の

買い物に行くのが面倒になったので、先日いもうとからもらった季節はずれの素麺で

何かできないかと探したら、出てきました。本場韓国風ビビン麺。ちょうど冷蔵庫にキ

ュウリと温泉タマゴがあることを思い出し、これなら買い物に行かなくても作れる!

・・・・・・ と、これ2人分でタレが≪コチュジャン 大さじ3、醤油 大さじ1、砂糖 大さじ1

酢大さじ 2~3、おろしニンニク 小さじ1、煎りゴマ 適量≫となってるんだけど、冷蔵

庫を見たら肝心のコチュジャンがなくてあるのはテンメンジャンとトウバンジャンだけ。

とりあえずタレだけ作ってみていけそうだったらやってみるか、と3人分作るのに適当

にあるものでアレンジしてタレを作ってみたら、うん、悪くない。甘い、酸っぱい、辛い

でたしかに韓国風の味。

茹でタマゴのかわりに温泉タマゴをのせて、できあがったのが上の写真。

これ、けっこういけました。我が家には新しい味。

これに蒸し鶏とカイワレ大根がのってたらさらに完璧。

3人分だと素麺を5束もゆでるので、お醤油はもう少々多めでもよいかも。

お昼にこんなのが食べられるのも今日が11月にしてはとても暖かいせいだけれど、

さて、もういっぺんくらい完璧バージョンを作れるかな。

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ルイ14世

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今日も晴れた。

陽射しがあったかい。

ベランダに出て、すごくバラの香りがするなと思ったらルイ14世だった。

バラは早起きで、私が起きたころにはもう満開。

春にくらべて小さな花なのに、たった一輪なのに・・・

このバラには形容詞はつけ難い。

ルイ14世はルイ14世。わたしはわたし。

そういえばルイ14世は太陽王と呼ばれたんだっけ。

クイーンみたいな派手なルックス。

今日も太陽がいっぱい。

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2011年11月12日 (土)

ラナンキュラスの朝

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ものすごく久しぶりに冬のクッションカバーを買い替えた。

今度のは無印良品のウール原毛色チェッククッションカバー

それで立冬の日から冬モード。 

部屋の雰囲気がちょっとあたたかくなった。

ラナンキュラスがゆっくり開いてゆく朝。

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2011年11月11日 (金)

雨の記念日

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今日11月11日はコトリ花店さんの4周年の記念日。

彼女には用事もあって、ひと足先の水曜日におめでとうを言ってきた。

一日じゅう音楽がないといられない、というひとだから、お店でかけたらよさそうな静か

な音楽と、少しばかりのお菓子を持って。

当日のコトリさんはグレイのガーリーな花柄のワンピースに、私が編んだアルパカの

スヌードを素敵にしてくれていました。

仕事のお取引先の女性に送るお花のオーダーをして、そのときにいただいたのが白

いガーゼの袋とハーブティー。

今朝その袋をあけてみたら、中から出てきたのはなんとも繊細な白い木の実たち。

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この繊細な感じはいかにもコトリさんっぽい。

これを見たら思わず、私が鳥だったらひとっ飛びしてめぐみさんの窓のとこまでこれを

届けてあげたいなぁ~、なんて思ってしまった。

そして今日はコトリさんに行く予定はなかったのだけれど、夕方遅く郵便局に行くのに

外に出たら、冷たい大気が気持ちよかったのでそのままコトリさんまで歩いて行くこと

にした。考えたら雨の日にここを訪れたことはなかった。私のところからは歩くとちょっ

とあるから。

というわけで、4周年を迎えた雨のコトリ花店です。

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日の暮れが早くて、着いたらあっという間に暗くなってしまった。

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満月の今日は私はピンクのラナンキュラスとローズマリーを買いました。

下は話しながらもせっせと手を動かしてお花かごを作っているコトリさんです。

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おばあさんになっても花を束ねていたい、という彼女。

子供のころから私の願いはたったひとつで、それが叶えば長生きはしなくてもいいと

思っているけど、いつか私にもそんな風に考えられるときがくるのかな、と思う。

で、そんな風に考えられたらしあわせだろうな、とも思う。

今日はここ数年で最もエネルギーが高まる日だそうだ。

そんな日に4年めを迎えたコトリ花店。

彼女のそんな願いが、どうか叶いますように、

それから、あなたの切なる願いも天に届いて、あなたがどうか元気になりますように。

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あったかぜんざい

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冷たい雨の降る朝。

こうなることは昨日からわかっていたけど、いざほんとになると想像した以上に寒い。

家のなかにいて寒い寒いと思っていて、でもバスルームの掃除をするのに半袖Tシャ

ツになってホースでバシャバシャ水を使っていたら、そのうち平気になった。

考えてみたら(考えてみるまでもなく)、雪の降るような寒さのときだってプールに泳ぎ

に行ってるんだから、私はこのくらいの寒さは平気なんだった。

それに私は2月生まれなんだし。

それから、重ね着をしてあったかくして小豆を煮た。

しばらくするとキッチンが小豆の煮えるいい匂いでいっぱいになった。

私が作るのはぜんざいとおしるこの中間くらいの感じ。

あんまり煮詰めすぎない、これくらいのさらっとしたのが好き。

こういうの食べてるとすごくなごむなぁ~、と思う。

日本人でよかった、と思う。

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2011年11月10日 (木)

冬へ

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空がだんだん曇ってきた。

灰色の空。

陽がなくなると何もかも一気に白くなってきて、急に冬っぽくなる。

Room1022の、ガラス窓の内側のぼんやりした時間を思い出してる。

明日にはついに雨になるらしい。

吐く息が白くなるほどの冷たい雨。

上の写真のバラは、ほんのりピンクがのったローズマリー。

それから下は大輪のライラックローズ。

切って花瓶に挿すにはもう遅いけれど、

そのままバケツに捨てるにはしのびなくて写真を撮った。

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2011年11月 9日 (水)

みつばちの玉子雑煮

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なんでだろう?

自分でも可笑しいのだけれど、いまやお餅もお正月だけじゃなくて一年中いつでも食

べられるのに、毎年ちょうど今ごろになると急にお雑煮が食べたくなって作る。

立冬を過ぎて俄かに大気もひんやりと、冬めいてくるからだろうか。

写真はこのブログにも何度も載せた玉子雑煮。

鰹だしをきかせた関西風の薄味の汁に、鶏肉、カマボコ、それに玉子を溶いて最後に

三つ葉をのせただけのシンプルなお雑煮。だから、いつでも気軽に作れるし、簡単な

わりにはこれがとてもおいしい。

これを初めて食べたのは新宿の甘味処みつばち。

ここはなんといっても自家製の黒蜜と豆のたくさん入ったクリームあんみつが絶品で、

たいていはそれを頼むのだけれど、ありがたいのはお腹が空いているときには甘い

ものだけじゃなくて釜めしや茶飯おにぎりとおでんのセット、磯辺巻きやお雑煮、なん

ていうメニューもあって、かき氷以外のほとんどのメニューが季節問わず一年中あっ

たところ。何を食べてもおいしかった。甘いものと甘くないもののとりあわせが絶妙で、

甘いものとしょっぱいもの両方食べたい! と思ったら、小さいお雑煮に甘いものが

セットになったものもあった。私が好きだったのはこの玉子雑煮とくず餅と、ところてん

とおかきがセットになった『風』。オーダーを厨房に通すとき、『玉ぞうの風!』なんて言

っていた。でも、この新宿のみつばちも、どうやら閉店してしまったらしい。

今年の夏に友達から突然「みつばち、なくなっちゃったのね」とメールがきて驚いた。

店のドアに閉店のお知らせだけが貼ってあったらしい。つまり、移転とかではないらし

い。たまに行くといつでも混んでいたようなのに、やっぱり3月の震災の影響もあった

のだろうか。

みつばちはもともと生前の母のお気に入りで、初めて連れて来られてから私も気に入

って、以来、家族や友人と何度も行った。新宿でお腹が空いたときや、甘いものが食

べたくなったときはここ、と決めていたから、なくなったのは本当に残念だ。あのクリー

ムあんみつがどうしても食べたくなったら湯島にみつばちの本店があるみたいだけ

れど、新宿だから行きやすかった。それに何につけても人ありきで、店主始め、働い

てる人の雰囲気がよかったのだと思う。店にいる間じゅう何度でもお茶を汲みにきて

くれた。お洒落なカフェとかカジュアルなイタリアンレストランもいいけれど、私はやっぱ

り昔ながらの喫茶店とか和風甘味処が落ち着くし、なくなってしまうのは淋しい限り。

新宿のみつばちはなくなったけれど、みつばちで食べた玉子雑煮と田舎雑煮の味は

我が家では健在だ。たぶん、これからもずっと。

『かもめ食堂』ではおにぎりを日本のソウルフードと言っていたけれど、お餅もそうじゃ

ないかな。昔からお餅は開運食で、元気のないときやツイてないときに食べると良い

そうだ。それにちょっとお腹が空いたときにキッチンのかごにお餅が入っていたら、焼

いて砂糖醤油つけるだけでもおいしくてお腹いっぱいになる。日本のソウルフードでラ

ッキーフードでファストフード。

そんなわけで今日はお餅を1キロ買ってきたし明日は今日より冷えそうだから、明日

はたぶん小豆を煮る。自分好みの甘さのおぜんざい。茄子のお漬物も買ってある。

あなたがお餅好きなら、あなたにも作ってあげたいな。

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2011年11月 8日 (火)

朧月

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昔っからすごく不思議なのだけれど、知らない相手が私のこころの深いところにいきな

りポン! と入ってくることがある。誰にでもするような話じゃないことを私に話し出す。

静かに聞きながらそれにこたえているうちに、私は相手のこころとあっという間につな

がってしまう。私は初めて話すその人の言うことがとてもよくわかるし、相手は直感的

に私にはわかると思うようだ。そして時間がたってから、相手が話したことは潜在的に

自分が知りたかったことだった、ってことに気づくのだ。今日はあるひとの話題から、

『宇宙の愛』でつながってしまった。

晴れても降っても曇ってても、たとえ嵐の最中だって、この世はいつも宇宙の愛であふ

れてる。そんなことがふつうに話せる相手だった。


今日、聞いたことのいくつかは私にはショックなことだったけど、

わたし、今日あなたと話せてよかったわ。ありがとう。


外に出て空を見上げると朧月。

でも朧月は春の季語だから、いま使うのとはほんとは違うね。

いまのこういう月はなんていうんだろう?

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2011年11月 7日 (月)

立冬前夜

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夕方になるにつれて、だんだん雲が増えてきた。

明日からは一気に寒くなるらしい。

月はしだいに満月に近づきつつあり。

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秋の光がいっぱい

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今日の最高気温22度。

明日、立冬とは思えない暖かさ。

今日も秋の光がいっぱいです。

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2011年11月 6日 (日)

ライラックの雨

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つくづく人間ってつまらないことをいつまでも憶えているものだと思うけれど、中学のと

きに新任でやってきた美術の教師はあきらかにそれまでのタイプとは違っていた。彼

は当時ではめずらしかった長髪にブーツカットのジーンズ。いかにも誰かがハンドメイ

ドで作ったウェスタン・ベルトをしてウエスタン・ブーツを履いていた。

そして、初めての授業のときだったか、色で連想するものを次々にあげてみて、と言

った。積極的な生徒が口々に言うことを聞きながら、先生は「檸檬いろの涙。うんうん」

「青い夕暮れ。なるほど」なんて言いながら、ある女の子が言った言葉を受けて、「スミ

レいろの涙 ・・・ いいね!」と言ったのだった。

そんなことを今朝ふいに思い出した。

金曜日に買ったスミレいろのライラックの花瓶の水を替えようとして。

今日は久しぶりに何もすることがない日曜日。

外は静かな雨だ。

折りよくおととい『雨と休日』さんからCDも届いたことだし、今日は静かに音楽を聴い

たり、本を読んだりしよう。

いつも休日は早く起きようと目覚ましをかけていてもうっかり寝坊してしまう。

たくさん眠れるのはまだ細胞が若いからだと前に聞いたことがあるけれど、それって

本当なの?

日照時間の短いこれからの季節は朝寝坊していると一日はあっという間に終わってし

まう。とくにこんな雨の日にはますます一日が短いから、できることなら早く起きたいの

だけれど ・・・・・・

そんなわけで、これからパンケーキを焼いて、いささか遅いお昼を食べる。

シロップのかかった甘いパンケーキと、苦くて香り高い珈琲とのコラボレーションがた

まらないの!

今日は雨の休日。

外は静かなライラックの雨。

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2011年11月 5日 (土)

カブのポトフ

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昨日コトリさんが、やまぐちめぐみさんの絵を見にRoom1102に行ってカブのポトフを

食べたらおいしかった、と言っていたので、家に帰ってから急いで作った。

集中してやるとなんでも早い。

小鳥さんがカフェで食べたのはコンソメ味のポトフだったらしいけど、できあがったのは

トマト味のポトフ。私が作るとやっぱりこれになってしまう。

ポトフはときどき冬大根でも作るけれど、カブは下茹でしなくてもすぐにやわらかくなる

し、大根にくらべても癖がないやさしい味だからいいかもしれない。カブはいっとき厚く

切ってフライパンで焦げ目をつけて焼いたのを、肉のつけあわせにするのにハマって

いた。これがとってもおいしいの。カブは煮ても焼いても浅漬けにしてもピクルスにして

もおいしいから便利。

やまぐちめぐみさんの個展といえば、カフェのオーナーのご事情もあって、今月半ば

までだったので今月11月いっぱいまでとなったそうです。そのご事情自体はちょっと

大変なことではあるけれど、展示期間も延びたことですし、秋の深まる井の頭公園を

お散歩がてら、めぐみさんの素敵な絵に会いに行ってください。その際はもしかしたら

Room1022さんに営業の確認をしてからのほうが確実かもしれません。

そして、人の感覚って不思議なもので、先日コトリさんのところに『ひなぎくの精』を見

に行ったときに見た『幸福の王子』が妙に引っかかると思ったら、自分の持っている子

にすごく似てたからなんですね。それが、昨日コトリさんのところで2つ並べてみて判

明。コトリさんはコトリさんで、このお顔はどこかで見たことがあると思ったら、あなたの

に似てたんだ! と。

・・・ というわけで、2人めの幸福の王子は私の娘のところに行くことになりました。

たぶんクリスマスまで、私の机の引き出しの中で眠ってると思います。

もうじき、また家族や友人に贈りものを考える季節ですね。

私はいたってあげるほうだけれど、それもまた冬の季節のお愉しみ。

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2011年11月 4日 (金)

ローマのお土産

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昨日は娘の成人式に着せる着物を見せてもらいに実家に行った。

かつて自分が20歳のときに着た、朱赤の総絞りの着物。

私の母はふるい人だったから、結婚するときには嫁入り道具の一環として、訪問着数

枚に留袖や夏の絽の喪服まで用意してくれたのだけれど、うちには和ダンスなんかな

いから、というのを理由にぜんぶ家に置いてきてしまった。母が亡くなってからは着物

の手入れをする人もいなくなって、いつか久しぶりに妹が和ダンスを開けてみたらまっ

たく袖を通していない私の着物にまでシミができたりしていて、もう着られないかも、と

言われたときはちょっとショックだった。それは、けして裕福ではなかった家で母が苦

労して揃えてくれた着物だったから。それで、せめて娘の成人式のときは、レンタルし

なくてもいい着物があるのだから母のためにもそれを着てほしいと思ったのだった。今

の私にはどうやったって娘に着物を買ってあげることなんかできないんだし。

といって、娘はちっとも乗り気じゃないのだけれど ・・・・・・

そして昨日、実家に行くと、ひと部屋いっぱいに着物一式が出してあった。

そこでなんと、20歳の自分に遭遇。

妹からは先日「着物は見つかったけど帯と草履とバッグがどれかわからない」と連絡

がきて、「私はたぶん見たらわかると思うけど、記念写真でもあればわかるんじゃない

かしらねえ」と答えたら、どうやらその記念写真を探し当てたらしい。そのまったく身に

覚えのない写真館の名前の入った古色蒼然たる記念写真を開いて、びっくり!

当時、いい大人の男の人から「君ってスマートな子だね」なーんて言われていたのに、

はれえー、私って20歳のころ、こんな鈍臭い顔してたっけ。これじゃ口の悪い男友達

に「七五三みたい」って言われてもしかたないか。ショック。

で、次に出てきた言葉が「リサに似てる!」でした。

妹も即座に「似てるよね」と。

それを帰って娘に話したところ、「ということはつまり、私が鈍臭い顔してるってこと?」

「そう」「それはあんまり嬉しくないね」(おっとり)、なんて会話をしたのでした。

恐るべし、DNA!

写真はしばらく会っていなかった妹からのローマのお土産。

ビスコッティとジグソーパズルになったミケランジェロのポストカードと『真実の口』のオ

カリナですって。なんでイタリアまで行ってビスケットなのさ、と思うけれど、なんたって

格安チケットで急きょ旅立ったものだから、イタリアでの滞在期間は正味3日で、お土

産を買う暇もなかったんですと。まぁ、お土産なんていらなかったからいいんだけど。

ビスコッティは中身の味はともかく、缶はかわいい。

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ジグソーパズルになったポストカードはいつも『美の巨人たち』で最後の番組プレゼン

トに出てくるタイプのものだったから、娘が喜んだ。

そして息子へってことでもらった『真実の口』のオカリナは、スペイン広場で1人のおじ

さんが売っていたのだけれど、誰ひとり見向きする人もいなかったのだそうだ。妹がお

じさんの前にしゃがんで手にとって見ていると、「これはひとつひとつ私の手作りなん

だよ。音もちゃんと出るよ」とか言って人寄せに吹いてみせたりしたのだか。妹いわく、

真実の口ってほんとにこういう風だったよ、ってことでした。

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息子はぜんぜん興味を示さなかったけれど、 石好きの私からすると手の上に載せた

ときのころんとしたかたちと感触がいい感じ。これは陶器みたいな感じだけれど、どう

やって作っているんだろう?

オカリナがぜんぜん売れなくて困ってたおじさんがこんな辺境の国・日本のブログに載

っている自分のオカリナを見たら、びっくりするかもね。世界は広くて狭い。

そして裏をひっくり返すと、そこに書かれた文字もかっこいい。

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2011年11月 1日 (火)

過ぎ去りし日の・・・/黒木千波留

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このところずっと、朝おきてカーテンを開けると部屋の中も外も秋の光でいっぱいだ。

夏の光とも、冬の光とも違う、秋の光。

これってなんて言ったらいいんだろう。

ノスタルジー?

こんな光の中にいると私はもう頭がぶっ飛んでしまって、こころここにあらず、って感じ

になってしまう。

そして、そんな眩しい秋の光でいっぱいないま聴くのにぴったりな音楽をみつけた。

『ロマンティックに生きようと決めた理由』のなかでエッセイを書いていた堀内隆志さん

が鎌倉でやっているカフェ、『カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ』のHPを夜中に見てい

て。ちなみにこの店の名前"vivemont dimanche"はトリュフォーの『日曜日が待ち遠し

い!』からだそうです。それで、このカフェがすごい。カエタノの息子のモレーノがライブ

しに来ちゃった、てんですから。・・・・・・ 素敵ね。

そんな堀内隆志さんがプロデュースしたのがこのアルバム、ピアニストの黒木千波留

さんの『過ぎ去りしの・・・ Les Choses De La Vie』。

私にしてはめずらしく全曲試聴してから買ったんですけど、このピアノの音、静かで、

あたたかくて、懐かしくて、エレガントで、そして光がいっぱいで ・・・・・・ 久しぶりに今

の自分の気持ちにぴったりフィットする音楽を見つけたと思いました。

私はどんなに好きな音楽でも、ただそれだけを毎日、数ヶ月も聴き続けるって駄目な

んです。日々、細胞は新しく入れ変わっているし、自分の感情も、お天気も、空気感も

音の響き方も、そこに漂っている something も何もかも毎日違うから、できるだけ今の

自分の感覚にフィットした音楽を選びたい。それが見つからないならいっそ終日無音で

いたほうがいい。みたいな。とくに最近はそんな風で、それで気がついたら、からだが

ガチガチになっていたから、『いい音楽さえ聴いていれば病気にならない!』が持論の

私としては非常にマズイんですけど。

そして話を戻すと、このアルバムをプロデュースした堀内隆志さんと私にはいくつか共

通点がある。1960年代生まれ、映画好き、映画音楽好き、ブラジル音楽好き、珈琲

好き。歳は私より下だけれど、いわゆる『おいしい生活』に代表されるセゾン文化を背

景にして生きてきた人みたいだから、見てきたもの・聴いてきたものには自分とかなり

だぶるところがあるようだ。ライナー・ノーツにあった、六本木WAVE、CINE VIVAN'T、

ART VIVAN'T、それから池袋リブロ、ハビタなんかには当時私もよく行ったものでし

た。もっとも私が1番よく行ったのはリブロの中にあった詩集の専門店『ぽえむ・ぱろう

る』ですけれど。

そんな、自分とどこか嗜好(あるいは、たくさんのキーワード)がだぶる方の選曲だから

よけい懐かしく感じるのかもしれない。選ばれた曲は黒木千波留さんのオリジナルの

ほかは昔見たヨーロッパ映画のからの楽曲だったり、シャンソンだったりボサノヴァだ

ったりちょっとだけジャジーだったり、でも全体的にはサティだったりして ・・・・・・、これ

が良いのです。そして、ピアノとともにとても良いのがゲストヴォーカルの吉田慶子。

このアルバムでは3曲歌っているのだけれど、こんな風に歌う日本人ヴォーカリストが

いたなんて。ちょっと驚きでした。そしてラストのパスカル・ヴァントュレリさんもまるで胸

が痛くなるセピアの写真のような浪漫あふれる素敵な歌を歌っています。

それで、私が思うには懐かしさって過ぎた日にばかり感じるものじゃなくて、来るべく

未来の懐かしさっていうのもあると思っていて、私は自分がおばあさんになったところ

を想像したりしないし、またそんなことしたくもないのだけれど、一気に時間が飛んで

そんな未来にまで行ってしまったような、そんな気持にもさせてくれる音楽です。

これはいまの若い子の間で流行っているカフェ・ミュージックともスロー・ミュージックと

も違う、ほろ苦さを知った大人のメメント・ミュージックかな。

私はこの1枚でピアニストの黒木千波留さんもヴォーカリストの吉田慶子さんもとっても

好きになってしまいました。

試聴したのは夜中だけれど、朝聴いてもいい。

懐かしくも眩しい秋の光がいっぱいな日に。

おすすめの音楽。

・・・・・・ これを聴いてたら私はなんだか枯れ葉散る遊園地のメリーゴーランドに乗りた

くなっちゃったな。

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