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2011年9月15日 (木)

お人好しのおばかさん。

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世の中には本当に優しくて、人の面倒見がよくて、死ぬほど心配性の人がいる。

そして、そういう人はたいがい自分の体力・時間・経済力を顧みず、自分さえ頑張れ

ば、自分さえ我慢してやれば、自分さえ犠牲になればなんとかなると思っていて、年

中誰かのために何かをしていて、当の本人は人のためにエネルギーを使い果たして

ボロボロに疲れ果てている。それがいいことだと思っているから、横から少々何かを

言おうが聞かずに無理をして、最後はついに身体を壊してやれなくなる。やれなくなっ

て初めて何かに気づけばまだいいほうだけれど、回復するとまた同じことをやる。

まるでバッド・スパイラル。そして、そういう人は自分の何が人をイライラさせるか全然

わかっていないのだ。そして、そういう「いい人」をいいように使っている人も必ずどこ

かにいて、すごく腹立たしい。そのいいように使われてるのが自分の親友だったりした

らもう黙って見てはいられないし、「あなたが言えないなら私が言ってやる!」となって

ふだん人からはクールに見られることも多い私だけれど、俄然熱血人間になってしま

う。それが、いいことかどうかは別として。


先日、友人と話していてめずらしく心底イライラした。

こいつには本気で言わないとわからない、と思ったから少し語気を荒くしてまで言った

のに、それに対して「ちゃんと考えないといけないんだけどねえ・・・」と返ってきたとき

には、「もう勝手にしろ」と思った。彼女が最後に「今度の(引っ越した)ところも最悪な

んだけど、でも遊びに来てね」と言ったときには「誰がそんな最悪なところ行くかい!」

と思ったものだ。誰かを気遣うのも優しいのもいいけれど、少しは自分の身体のこと

や、親の年齢の割には小さすぎる子どものことも考えてほしい、と思ってしまった。

それ以来なのかなんなのか、ここ数日めずらしく神経が立っていて、それにはメンタ

ルよりもフィジカルな理由があると思ったから、できるだけゆったりと落ち着いてこころ

を開き、人に優しくできるパワーストーンを身につけて家を出た。もう万事休す、ってく

らいの気持ちで気を長~くして。自分より一世代上の自治会のおばさんの頭を整理

するために。


なんでも自分で関わって見ないとわからないものだけれど、先日どうしても人が足りな

いからと頼まれて自治会費の集金係をやった。そこで、いまの自治会がごくわずかな

こころある人たちの好意だけで成り立っていて、それもそろそろ年齢的に限界にきて

いることを知った。公社からはすでに以前から自治会が成り立たなくなりつつあるなら

共益費を払って全てを公社に任せる最初のモデル地区になってもらえないかと打診さ

れているそうだ。でも、そんなことになれば、いま何も手伝ってくれない住民たちだって

けして黙ってはいないだろうし、いま一生懸命にやっている役員たちが責められること

になるだろう。だったら、いま自治会運営はそういう逼迫した状況にあるのだというこ

とを住民たちに伝えて役員をやってもらうよう協力を仰ぐしかないよ、自分たちでやる

か、余分にお金を払ってやってもらうか、もうどっちかの選択肢しかないんだとはっき

り言わないと。と言ったら、その回覧の文章を私が書くことになってしまった。では、し

かたがないから書式を知るのに今までの回覧文書を見せてと言ったら、ファイルして

ないという。はあ? になってしまって、それじゃあ話にならん、人に何かをしてもらお

うと思ったら仕事をちゃんとシステム化しないとね、そしてシステムを作ろうと思ったら

まずは自分の頭をシステマチックにすることから始めないと、と言ったら、ただでさえ

大きな副会長さんの目がさらに大きくなってしまって、そこで彼女の照準はピタ、と私

に合ってしまったようだ。けっきょく、たった1枚の文書を書けばいいはずだったのが

自治会のお仕事マニュアルをぜんぶ作ることになってしまった。役員は今年の3月で

お役御免になったはずなのに、今度は事務局長だって。まいった。

それで先日、友人にイライラした私が、今度は息子に「やれないことはやれない、って

はっきり言わないと」なんて言われている。

でも、けっきょくのところこれも年のせいなのだろうと思うけど、私も以前とは徐々に変

わりつつあるようだ。特に3.11以後はそうで、それは、TVでどんなに悲惨な被災地

の状況を見たところで、自分は被災地に飛んで行くことはおろか、たいしたことは何も

できないとわかって無力感を感じたのと同時に、直接そういうことに関係なくても身近

に困っている人がいたら助けようと思ったこともあるのかもしれない。

それと、やっぱり少しじれったかったのだ。身体を壊すほどいつも人1倍みんなのため

に働きながら、まったく感謝もされず謝ってばかりいる副会長の女性が。

それに私の考えは甘かった。360世帯もいるんだから私より頭のいいヤツなんていく

らでもいるだろうし、彼女の代わりに役員をやれる人だっているだろうと思ったけれど

彼女の話を聞いているうちに、そんな人間(酔狂とお人好し)はそうそういないことがわ

かった。それにつけても、なんとかシステム化しないとならない。


それで先日の日曜の午後、腹をくくって集会所に行った。

仕事のときと同じ、クリップボードにA4の紙をはさんで、気長に質問しながら彼女に毎

月決まったルーティンワークとイベントごとの仕事を1月から12月まで思い出す限り書

きだしてもらった。まだ抜けだらけだけど、それだけで3時間。私もずいぶん気が長く

なったもんだ。最後に彼女が今まで作った文書をメールで私に送ってくれるように言っ

てアドレス書いて渡したら、添付ファイルの付け方がわからない、という。それも教えて

なんとか送ってもらい、今度は自分が夜な夜な作った文書を添付して送ったら、ちゃん

と新しいフォルダを作って保存する手順まで書いておいたのに、ファイルは開けられた

けれどフォルダの作り方がわからない、という。こりゃ、大変だ ・・・・・・

今日の午後、彼女が集会所にいる間にプリントアウトした文書を持って行きついでに

紙に書いて説明しようと思ったけれど、彼女の顔を見ていたら無理そうだったので時

間のあるときに家に来てもらうことにした。口で言うより見せたほうが早い!

PC持ってるならちょっとは使えるようになっといたほうがいいよ、と言ったら、よろしく

お願いしますと言われちまった。でも、彼女のいいところは今までできなかったことが

できるようになって素直に喜んでるところ。それで私は私で、いつだって情けは人のた

めならずだから、いつかいいこともあるでしょう、とのんきに思っている。

これも先日初めて知ったことだけれど、こういう公営住宅って50年で建て替えと決ま

っているらしい。そして、建て替えと同時にどこかほのぼのしたこの4階建ての建物も

高層住宅になり、そうなると自動的に民間のマンションと同じように共益費を払って管

理は公社に全面的に任される。つまり、自治会なんてものが存在するのもここではあ

と25年だというのだ。そうなればきっと掃除だけじゃなく回覧板なんてものもなくなるし

夏の盆踊り祭もなくなるだろう。それはそれで想像するに、ずいぶん無機質で味気な

いようにも思える。人はますます隣り近所や地域社会とのつながりをなくし、個になっ

ていくだろう。いずれ、こんなお人好しの世話好きおばさんもいなくなっちゃうんだろう

か。そうなったとき、昔はこんな風にやってたんだよ、なんて、いま面倒だと思いなが

らやっていることを昔話みたいに話すときがくるのかもしれない。

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*上の写真は挿し木でいただいたクレア・オースティンと、下はフェアビアンカ。

  この文章が何故このカテゴリに入っているかというと、こんな面倒な日常でも私はベラン

  ダでバラが咲いているのを見るとなごむ、というあたりかな。

  秋のフェアビアンカは花の中心がうっすらとピンクがかって、これもきれいだ。

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La vie en rose 」カテゴリの記事

コメント

システム化されていない自治会に頭を突っ込まざるを得なかったお話。
そして、どんどん仕事が増えていって、ゆっくり座ってお話をせざるを得なかったような様子。
数年前を思い出しました。
仕事が忙しすぎるのでTVを観る暇もなく、寝に帰るだけな毎日。
「絶対に面倒なコトは頼まれまい」と思っていたのに、、、
どうか、秋にお疲れが出ませんよう。
(私は帯状疱疹になり、かなり気丈に自分の仕事も自治会の事も平然とやっていたようで、実は心身ともに大変だったようでした)

実は、ワタクシ、お人好しのおばかさんなところもあって、最初は叱られている感じがしました。

なんだか、大変さが手に取るようにわかるので、つたないコメント、またしてしまいました。
最後の、「バラを見ると、、」という、「love en rose」のカテゴリに入れてしまったこのお話、、
この自治会の後、「今迄、あまりにもなにもかも我慢しすぎたかも。」
とベランダでの花栽培をはじめました。
禁止でもないのに近隣に土ぼこりなど、迷惑をかけやしないか。と大好きな花をベランダに置かずにいたのを中止して、今では足の踏み場を探しつつ日々癒されております。

投稿: kurodeme | 2011年9月17日 (土) 21:26

kurodemeさん、こんばんは!
kurodemeさんもどうやら似たような経験がおありのようで。
でもよかった。
kurodemeさんにも花があって(^-^)
我慢ばかりじゃいけない。
人生は楽しむためにあるんだし、人は楽しむために生れてきたんだし。
3年先のことも大事かもしれないけれど本当に大事なのは今の生活だから。

で、お人好しはいいけど、おばかさんはいけないね。
人にいいようにされちゃうようなのは駄目。
でも何をするのでも意思的であればおばかさんにはならないんじゃないかと思います。
人のいいなりにはならない! とはっきり宣言すること。
楽しくないのもビンボ臭いのも嫌だ! と言ってしまうこと。
どちらも自分に、ですけど(^-^)
そう言ってしまうだけでも元気が出ます。

私はだいじょぶです。
基本、ネアカでアホなので。
やるとなったらあとは淡々と頭を使うだけです。
それに副会長の女性というのが一世代上でもそれほど気を遣わずに私が江戸ッ子的物言いをしてもだいじょぶな人なので、まだやりやすい。
空いた時間にさっさとやって終わらせてしまいませう。
それに私には音楽がある!

投稿: soukichi | 2011年9月18日 (日) 00:02

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