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2011年7月 8日 (金)

さくらんぼ

11sakuranbo

今年は山形のさくらんぼがすごく豊作らしい。

そのお陰で最盛期のいちごより安く食べられる。

もちろん、立派な箱に入ってお中元になるようなさくらんぼとは別格だろうけど、それ

にしたって今年のさくらぼは果肉が肉厚でとっても甘い。いつもの年だと、さくらんぼ

って高いのを意を決して買ってくる割には見た目ほどおいしくないなぁ、と思うのに、

今年はスーパーで買ってくるのでも充分おいしい。これってなんだかしあわせだ。

八重桜の咲く頃だったか、風の強い夕方に娘と買い物がてら散歩に出ると、いつも

は行かない団地の前の公園の路上に野菜の箱が出ていて、そこに大きくて真っ赤な

トマトを見つけて思わず立ち止まった。箱に値段は書いてあるけれど無人で、お金を

入れる箱も置いてない。「いやあ、いいトマトだな。でもどうやって買うんだろう」と言い

ながら見ていたら、どこからか「それ、すごくうまいよ! 熊本産!」と声がして、あたり

を見まわすと少し離れたトラックの中から八百屋の親父さんらしき人が降りてくるところ

だった。「なんだ、そこにいたのか」と思わず私が言うと、「だってここは風がものすごい

んだもの。ひっきりなしに吹いて。さっきまで隣りの市にいたけどこんなじゃなかった。

ここは人の住むとこじゃない、荒れ地だね」と言うので可笑しくなって、「人が住む所じ

ゃなかったら誰が住むのさ。荒れ地の魔女とか?」と言えばおじさん「マイケル・ジャク

ソンとか」と言うので、「そりゃいいね! トマト3つもらいます」と言って、その熊本産だ

というでっかいトマトを3つ買ってきた。それが本当にとてもおいしかったのだ。まだス

ーパーにいいトマトがぜんぜん並んでなかった頃で、もっと買えばよかったと思ったくら

いだった。

そして昨日、久しぶりにその前を通りかかったらまたその人らしき人がいて、暑いなか

今度はミカン箱に座って勤労学生よろしく本を読んでいた。一度通り過ぎてしまってか

ら『佐藤錦220円』という文字が見えて、佐藤錦が220円?!と引き返して「これ、お

いしい?」と聞くと「おいしいよ! 佐藤錦の2L」と言う。なんで佐藤錦が220円なの、

と言えば、さっきまで250円で売っていたけど今日は全然売れないから、だそうだ。

春先のトマトの話をしたら「ここで売るのは俺しかいない」そうだから、やっぱりあのお

じさんらしい。けっきょく、その岸部一徳みたいなちょっと性格に難のありそうな顔をし

たおじさんから佐藤錦2パックと桃2つと熊本産のトマトを1箱買った。全部で千円也。

買ってから後ろを振り向くと、おじさんはまた本を読み始めていた。

私とおじさんのやりとりを聞いていた娘が「面白いおじさんだね」と言う。たしかに。

でも、しっかし暑いなか、いつからあそこに座って売っていたのか知らないけど、全然

売れなくてあれで商売になるのだろうか、と思う。顔はあんなで物言いはぶっきら棒だ

けど、扱っている品はいいし、思いのほか性格も悪くないのかもしれない。

・・・・・・ というわけで今朝は2パックのさくらんぼを3人で分けて食べた。

甘い! 肉厚! さすが2Lの佐藤錦!

食べながら、娘がこんな大きなさくらんぼ見たことがない、と言う。

それで、また公園に行ったらあのおじさんがいないかなあ、などと話している。

さくらんぼを食べているとどうしたって『子供より大人が大事』と言って子供の分まで食

べてしまった無類の桜桃好きの太宰を思い出さずにはいられないけど、でもそれ以上

に思い出すのは私にとっては憧れの絵描きさんにもらったさくらんぼだ。

佐藤さんにもらった佐藤錦。

あれって、なんてsweet だったんだろう!

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