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2011年2月15日 (火)

エスペランサ流室内楽?/ Chamber Music Society

Esperanza_spalding

昨日はほんとにびっくりしました!

まさかと思っていたエスペランサ・スポルディングがグラミーの最優秀新人賞を獲った

から。前日のラジオを聞いててもマークはされていたものの他のアーティストのことば

かり押しているから、てっきり獲れないだろうと思っていたのに・・・

なんという快挙! そして、素直にこんなに嬉しいのも久しぶり!!

そしてエスペランサの最新アルバムであるこの『Chamber Music Society』も、ファ

ースト、セカンドともにまだ国内未発売のときにアメリカ直輸入で買った私ですから当

然予約して買っていたのだけれど、いままでここで紹介しないままになっていました。

その理由はストレートに言ってしまうと、あまりピンとこなかったから。

正直なところ、初めて聴いたときは「いったい誰がこの子の頭を抑えたんだ?」と思っ

てしまった。もちろん、それは事実とは違うのかもしれない。

でも、それくらい前作『Esperanza』とは違っていた。

期待が大きかっただけにがっかりした。

私と同じように、実質ワールド・デビューとなった前作『Esperanza』を聴いて彼女を好

きになった人ならこれはきっとわかってもらえると思うけれど、前作にあった、それこそ

弾けるスプラッシュのような瑞々しい勢いはすっかりなくなってしまっていたのだった。

もちろん、どんなミュージシャンにとってもレコーディングの機会というのはチャンスに

他ならないだろうし、エスペランサほどの引き出しの多さを持ったアーティストならやり

たいことはいっぱいあるだろう。でも(あくまで)私的には凝りに凝ってハズシタ、という

印象を受けた。それは音楽をやっている息子もほぼ同評価。

それでも、これはこれでエスペランサ流フェアリー・テイルと思えば悪くはないし、聴く

ときを選べばいいかもしれない、と思ってCDラックにしまったままにしていた。

それを今回、あらためて聴き直してみました。

まず、室内楽というだけあって弦楽器メインで前作のように私の好きなレオ・ジェノベ

スのピアノとの絡みは少ない。(私はそれこそが好きだったわけですが。)したがって

前作のようなJAZZスタイルではなくクラシカル。エスペランサのヴォーカルも妖精の

羽のようなスキャット中心で、ヴォーカルというよりヴォイスをフイーチャーしたという

感じ。ただ3曲めあたりまではリラックス感はあるけれどテンションは低い。4曲めの

『チャカレーラ』あたりになって、この感じ(グルーヴ)はもしかしたら坂本龍一なんかが

好きかもしれない、という気がしてくる。(どこか坂本教授の『IN THE LOBBY』を彷彿と

させる感じ。)5曲め『ワイルド・イズ・ザ・ウィンド』はいきなりブエノスアイレス。もろピア

ソラ風の曲なのだけれど、エスペランサのヴォーカルは少々ヒステリックで個人的には

パス。歌詞カードは今回付いてたかな、見てないからわからないのだけれど曲の感じ

からいって今回は前作よりアッケラカンと明るい感じじゃなくてだいぶ歌詞の内容が重

くなっているんじゃないかという気がする。そして6曲めの『アップル・ブロッサム』で大

御所『ブラジルの声』、ミルトン・ナシメント登場。これはファースト・アルバムからブラジ

ル音楽への強い傾倒を見せているエスペランサにとっては夢の競演だったんじゃない

かと思われる。歳をとってだいぶ声が出なくなっても相変わらず森の精霊のようなミル

トンと、キラキラのピクシー・ダストを振りまく妖精のようなエスペランサのデュエット。

そして9曲めの『ウィンター・サン』になっていきなり良くなる。つまり、ここでやっと前作

からのJAZZスタイルの流れに戻るわけ。テリ・リンのタイトなドラム(実は私は好きじ

ゃないけど)とレオ・ジェノベスのドキドキするようなピアノ。エスペランサの伸びやかで

勢いのある自在なヴォーカル。

エスペランサはやっぱりこうでなくちゃ! と思わせる。

以降、ラスト12曲まではとても良い。

・・・ ということで、あらためて聴き直したらいろいろ発見のあったこのアルバム。

最初はなんだかわからないけど、噛めば噛むほど味の出るイカのようなアルバム?

という感じでしょうか。

聴く時間帯で言うなら、前作が朝1に聴きたい元気になるアルバムなら、このアルバ

ムはちょうどこれを書いている今みたいな夜中に聴くといいアルバムかもしれない。

ともあれ、彼女が多彩な才能を持ったキラキラ光るお星様のような子であることはたし

か。それに才能が天才級な上にエスペランサのルックスはものすごくキュートでチャー

ミングなのだ。J-Waveのアンドレア・ポンピリオも「輝くばかりの美しい笑顔!」なんて

もうメロメロでしたもんね。それを恥ずかしげにかわすウィットに富んだ会話もなんとも

聡明で楽しかった。それに何より、名門バークリー音楽院の最年少講師ということで

自分のことだけにとどまらない大きな視点で、方向性に悩むJAZZの仲間や後輩たち

を引っ張ってゆく存在になりたい的なことを言っていて器の大きさを感じたし、そういう

エスペランサに今回グラミー賞が与えられたことはまったく無駄ではないと思う。

なんたってこの先生はビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・チャートで1位になり70

週以上にわたってチャート・インするという快挙を成し遂げ、グラミーまでもらったアー

ティストなのだから。JAZZ、なんていういつの時代も生き難い世界で後を追う生徒や

仲間たちもさぞかし心強かろう。

しかもそれが身長158センチくらいのか細くてアフロの女の子なんだから!

さて、下の写真はこのアルバムのライナーの中にあったもの。

このファッションといいポーズといい表情といい、ブリキのバケツに無造作に生けたポ

ピーの花といい、なんだかこれって少女漫画みたいじゃないですか?

あんまりかわいいので私はこの写真を娘にイラストにしてもらうことにしました。

できあがったらフレームに入れて机の上に飾るの!

・・・ というわけで、エスペランサ・スポルディングもレオ・ジェノベスも私は今後も要チェ

ックです。

Esperanza_spalding_01_2

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