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2011年1月 2日 (日)

正月おせち考

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結婚してからだったか子どもが生まれてからだったかは忘れたけれど、お正月2日に

家族で実家に行くのは毎年恒例のことだった。

でも今年は行かないことにした。

ありていに言うと12月に私の妹と息子の間でひと悶着あって、息子が「ぼくは無用の

確執を作ったから行かない」とわけのわかったようなわからないようなことを言ったの

が発端だけれど、それだって元は私と妹との間のことだし、妹にしても暮れギリギリま

で汲々の思いで働いて、わずか数日の正月休みのために買い出しからおせちの準

備までするのはしんどかろう、それにうちの子どもが行くとなればそれなりにお金も使

わせてしまうだろうし、とりあえず家族の揃わない今年は遠慮しようと思ったのだっ

た。同じお正月に誰かを招ぶにしても、貴重な休みなら気を遣う身内より仲のいい友

達でも招んだほうが妹もずっとリラックスして楽しく過ごせるのじゃないかと思ったし。

そう言ってメールしたのが暮れのこと。

私が子どもだった頃は親の言うことは絶対で、友達と約束していようがなんだろうが、

法事法要、お墓参り、新年の挨拶まわり、なんてときには有無を言わさず子どもは親

に付いていかねばならなかった。けれど、今の私にはそんな昔の親の威厳はないし、

それ以上に私自身が、家族だからって、お正月だからって、無理に体裁繕って仲良く

することもないんじゃないか、という考えなのだ。人生もそう長くはないし、余計なとこ

ろに神経遣って消耗するより、心から楽しい時間をすごしたい。人を招ぶなんていう

のは温かいおもてなしの心があって、招ばれたほうも気持ちよく行かれるようでなけ

りゃ、またお互いにその心の余裕がなければ、招ぶのも招ばれるのもただ気を遣っ

て疲れるだけだ。これからは自分の気持ちを優先して本音でつきあってくれたほうが

いい、と言って、妹は「わかった」と言った。

父には、先日会ったときに、そんなわけで悪いけど来年のお正月は行かないよ、と

言った。さて、それからだ。

うちの子どもたちは「お節なんかいらない」と言うタイプだから、いつもお雑煮を作って

紅白蒲鉾とオードブルを用意するくらいで、おせちはいつも2日に実家で食べるもの、

ということになっていたのだ。いくら子どもがいらないと言ったって、お正月になんにも

無いないって言うのもなあ ・・・

それで、急きょ黒豆となますと松前漬けだけ作ることにした。

つまり私の好きなもの。

今はこういうことを思い立ってしようと思ってもすぐにレシピが手に入るから便利だ。

なますは思った以上にとっても簡単。

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大根と人参の太さが揃ってないのが素人くさいけど、素人なんだから仕方がない。

でも布巾でしっかり水気を絞ったから味と食感はよかった。

物の無い時代に育った母は『足りない』というのがどうも嫌らしくて、ふだんのおかず

にしてもおせちにしてもやたらといっぱい作る人だったけど、子どもの頃、私はこれが

大好きで、いつも山ほど食べて母に「あんたは変わった子だねえ」 と言われていたの

を思い出した。味の濃いおせちが多いなか、さっぱりとした淡白な味。

大人になったいま食べるとこれって日本のマリネで、ふだんの食卓にあってもいいん

じゃないかと思った。

そして黒豆は圧力釜で煮るといいとかネットにはいろいろ書いてあったけど、家にあ

るふつうのアルミ鍋で豆の袋の裏に書いてあったとおりに作ったらとってもうまくいき

ました。ふっくら、つやつや。箸で豆を挟んで持ち上げると自分の顔が映るくらい。

自分で言うのもなんだけど、めちゃくちゃおいしい。

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これは丹波の黒豆よりは安かった北海道産。砂糖は沖縄黒砂糖を使った。

そう、そしてこの黒豆を器に入れるとき、うちにはいい器がないと思ったのだけれど、

食器棚の奥に今までなんとなく使い道がなくて使ったことのなかった器があることを

思いだした。安江潔さんの輪花小鉢。粉引きの白に黒豆の黒が際立ってぴったり!

松前漬けも私が小さい頃は母に手伝わされて延々スルメと昆布をハサミで細切りに

したものだけれど今や便利なキットがあるもので、お手軽にそれで作った。それを昨

日の朝お雑煮と一緒に出したら、「やっぱり松前漬けはカズノコが入ってる方がおい

しい」なーんて贅沢な息子が言うものですから(わかってたんですけど高かったので

やめたのでした)、今日新たにカズノコが入ってバージョンアップしたのがこれ。

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・・・ というわけで、あとはいつもながらの私のお雑煮を作って、なんとなくそれなりに

形をつけて元旦の朝を迎えたのでした。

いつもお正月前の時期になると、NHKのお料理番組で和洋折衷のカジュアル・モダ

ンなおせちから、昔ながらの家庭料理のおせち、それから老舗和食料理のベテラン

料理長が作る古式ゆかしい格式高いおせちまで、様々なおせち料理の作り方を教え

ていて、見ていると面白い。おせち料理にはそれぞれ意味があって、そこには日本人

の心があるのだからいつまでも後世に伝え続けてほしいという料理長の気持ちもわか

るし、その盛りつけの美しさにも目を奪われる。そこまでいかなくても、簡単でキレイで

おいしそうなのも悪くない!

暮れに広島から仕事で東京にやってきた友人とランチをした後、かつての古巣(仕事

場)だった某デパートの特選和食器売り場をぷらっとしたときにも言ったのだけれど、

実は私には、いつか素敵な重箱でも手に入れたら思いきり力入れておせちを作って

みたい、という密かな野望があるのです。まぁ、単純に言っていつもの面白がりの性

格から出ていることなんですけれど ・・・

重箱、と一口に言っても、木粉ウレタン塗装と木製漆塗りでは天と地ほどに値段が違

う。かつて売り手だった身とすれば山田平安堂さんあたりが望みだけれど、かといっ

て年中使うならいざ知らず、1年に1回しか出てこないのだとしたらそんな高価なもの

は買えないし、第一いったいこの家のどこにしまっておくんですか? とも思う。

最近は漆器じゃなくても磁器や陶器でスクエアのスタッキングできるお洒落なのがあ

るから、ふだん使いもできるそんなのがいいかもしれない ・・・ などなどと夜中に考え

始めるとけっこうそれだけでもとまらない(いつもながらけっこうまじめに考える。)

さてさて、「今年は思いっきり力入れておせち作ってみました! じゃーん!!」なんて

言って私がおもてなしする日はいつ来ますことやら???

(1番上の写真は暮れに会社でお世話になった方からいただいた源 吉兆庵のお正

月のお菓子。和菓子そのものの雅さ美味しさもさることながら、パッケージもかわいく

て面白い。)

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おうちごはんがいいよね!」カテゴリの記事

コメント

あけまして、おめでとうございます。

我が家もおせちは実家で食べるものとなっています。
おせちが食べたいという家族はいません(^^;
なので、お雑煮だけのお正月の朝です。
おいそうに黒豆が炊けていますね。
次回のお正月は、少しだけ挑戦してみようかなって
思いました。

今年もよろしくお願い致します。

投稿: A.A | 2011年1月 3日 (月) 17:34

またまた、仕事のHNを使っていましたm(__)m
上のコメントA.Aは、ノブタでございます。

投稿: ノブタ | 2011年1月 4日 (火) 20:23

肩肘いからず、無理をせず、
かといって、手も抜いていないそうきちさん、グッドではないですか。
美味しそうです。

我が家は、娘二人とも帰ってくるので、
カミさんは頑張っておせち、作ってます。
1日に次女が帰る時、2日に長女が帰る時、
けっこうな量持たせてましたね。
去年の暮れから、今回はじめて長女がおせちを一緒に作ってました。
覚えたいと思ったのでしょう。

投稿: 四季歩 | 2011年1月 5日 (水) 20:34

A.Aさん、
お返事が遅くなりました。
あけましておめでとうございます。

私はお餅好きなのでお正月三が日くらいはずっとお餅でもいいのだけれど、
子どもはすぐに飽きてしまうからそうもいきません。
2日の昼ですでにラーメンを食べ、夜は鶏の唐揚げでしたcoldsweats01
その日、昼間スーパーに行ったら小さな子どもを連れた若い夫婦が買い物をしていて、奥さんが「今夜はカレーにしようと思うんだけど」と言ったら旦那さんが「そりゃいいね♪」と答えていて、今はどこもそういう感じよね、と思いました。
私が最近、自分で梅干しを作ったり、味噌を作ったり、一度は日本伝統のおせちをちゃんと作ってみるか、なんて思うようになったのも、つまりは歳のせいじゃないかと思うのです。
ま、とりあえずなんでもできないよりはできたほうがいいし!(笑)
なんでもやってみると楽しいです。
楽しいのが1番!

A.Aさんもまずは自分の好きなものからお試しあれ!

投稿: soukichi | 2011年1月 8日 (土) 17:47

ノブタさん、
うぃーっす!
わっかとりま~す(^-^)

投稿: soukichi | 2011年1月 8日 (土) 17:48

四季歩さま、
何をおっしゃるウサギさんです(^-^)
思いっきり手抜きしてるじゃないですか。
だって、おせちは誰にも期待されてないんだもーん。
誰にも期待されずにやるとしたら、あとは私のマニアックな探究心か、遊び心にほかならないです。

ちゃんとやる、っていうのは、四季歩さんの奥さんみたいなことを言うんだと思います。
奥さん、エライですね。
介護をしながら、疲れているのにそれでも手抜きをしない。
それこそ奥さんの誕生日やクリスマスには、四季歩さんがケーキに花束にシャンパンくらい買って帰らなきゃ!

私も子どもの頃、母の手伝いさせられたからわかるけど、おせちってちゃんと作るといっぱいできちゃうんですよね。
今の核家族ではそんなに作っても消化できない、っていうのも、ひとつおせちが一般的ではなくなりつつある理由のような気がします。
お嬢さんもこれからが楽しみですね(^-^)

投稿: soukichi | 2011年1月 8日 (土) 18:02

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