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2010年12月 9日 (木)

認知症について考える

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いつだったか父に栗ごはんを届けたとき、風邪気味で体調が悪いこともあってか父の

話し方はひどく活絶が悪く、ちょっと見てない間に急に老けこんだ気がして、そのとき

ある言葉が頭に浮かんで、うっすら嫌な予感を抱えながら帰って来たのだった。

折しも数年ぶりで会った2人の友人から偶然にも、「いま思えば、親がボケ始めた最

初の兆候があのときだったのだと思う」なんて話を相次いで聴いた後だったから、な

おさら。これからは少し意識して父とコミュニケーションを密にしていかないとマズイな

と思った。それをたまたま電話してきた妹に伝えたら、もうずいぶん前からその兆候

はあって、いつもやっているはずのお風呂の焚き方が急にわからなくなったり、トイレ

でどうしたらいいかわからなくなったりすることがあったという。そしてその症状はずっ

と続くわけではなくて、良くなったり悪くなったり、一進一退であるという。

なんだ、もうそんなとこまでいってたのか。知らないのは一緒に暮らしてない私だけだ

ったということか、とちょっと愕然とした。

そして、さらに先日の夕方、娘と一緒に父に届け物をしに行ったときのこと。

家を出る前に父には電話してから行ったのに、家に着くと父はTVをつけたまま眠って

いたようだった。「こんにちは!」と言いながら部屋に入り、「眠ってた?」と訊くと父は

顔をあげて微笑し、「今日は早かったね」と嬉しそうに言った。早い? 仕事が終わっ

てから来たのに? そうかな、とちょっと妙に思いながらも母の仏壇にお線香をあげて

席につき、あらためて父に向き合うと、父は「昨日はあんなに遅くて12時過ぎに帰っ

て来たのに、今日はずいぶん早かったんだね」とさらに続けて言った。

それでやっと私は父が妹と私を取り違えていることに気づいたのだった、

内心、ひぇ~~ と思った。たぶん、私の娘も。

それで、「ね、おとうさん、間違えてない? 私だよ。わかる? 寝ぼけてるの?」と訊

いたらそこで初めて父がハッとして、「あ、勘違いした!」と言った。

ひゃあ~、これは、マズイ。実にマズイぞ!

聞けば昨夜は妹の帰りが遅く、11時過ぎても帰ってこないので携帯に電話したところ

何度かけても「この電話はもう使われてません」になってしまい、かからなかったのだ

そうだ。それでよけいに心配になって眠れなくなってしまったのだという。たしかに私が

昨日送ったメールも何度やってもエラーになってしまったから、「きっと携帯の機種替え

でもしたんでしょう」と言うと「そうらしい」と言う。

認知症ではないけれど、前に若年性アルツハイマーの映画『明日の神話』を観たとき

のことを思い出した。健康で人並み以上にバリバリ働いていた男の人が次第に急激

に壊れてゆく様がすごくリアルでこわい映画だった。そのとき私が認識した病気を悪

化させる原因は、ストレス、身近な人との感情のすれ違い、悲しいできごとや不安や

心配、などだった。

親というのは娘が40過ぎても、夜11時を過ぎても帰って来ない、と言って心配するも

のなのだ。妹が忙しく働いているのも、出先では面倒でできないときがあるのもわか

るけれど、父に電話1本できないものかな、と思ってしまう。少なくともそれが自分の

子どもだったら、しないはずはないんだから。

その日、驚いたことはもうひとつあって、父は私たちが持って行ったリネンのエコバッ

クを見ると、やおらその紐の部分を首にかけたかと思うと「こうやってこういうのを首

にかけて、食事をするときに使うエプロンみたいなものがのが欲しいんだ」と言ったこ

とだった。食事のたびに食べものをこぼして服を汚してしまって困るので、ということだ

ったけど、きっとよっぽど食事のたびに妹に注意されてるんだろうなぁ、と思った。

前は自分からそんなこと言う人じゃなかった。

仮に見かねて私や妹がお仕着せにエプロンなんか持って行って「しなさい」なんて言

おうものなら、きっと怒ってしまっただろうと思う。なんだかんだ言って父も頑固ジジイ

だから。それがこれかあ~。なんだか、なんだかだなあ~

と複雑な思いを抱えつつ、でも父にはもちろんそんな風に思ってることはおくびにも出

さずに、そうかぁ、そんなこと考えてたんだね、エライね、と言っておいた。

それで、自分でそう言い出したからにはここはチャンスだからとっとと用意せねばと

思ったのだった。

こんなときもインターネットって実に便利なもので、『お食事エプロン 介護』で検索した

ら、すぐにいくつかヒットした。1番最初に出てきたのはナイロン製で実用的ではある

けれど、なんだか離乳食が始まったばかりの赤ちゃんようのデカサイズって感じでな

んだか味気ない。・・・ と、次に出てきたのがよかった。

『介護用品お食事エプロン』と書いてはあるけれど、いかにも『老人』とか『介護』って

感じじゃなくて、お洒落で明るく清潔感があるのがいい。これならハンデのない人でも

普通に使えそう。そう、きっとこういうのがいいんだろうなあ、と思った。

ユニセックスな感じのも多いし、男性用のもある。着物のときにするエプロンもあって、

これなんかふだんからお着物を着てる方には便利でしょう。

・・・ というわけで、洗い替えもあったほうがいいと思って、とりあえずお試し用に2枚

組で特価になっていたソレイアードのを買ってみた。それが上の写真。

エプロンをして座ると膝の上まで隠れるくらいの長さがあるから、これならちょっとくら

い食べこぼしてもだいじょうぶですね(^-^)

それでさっそく父に持って行ったところ、父の反応はとてもよかった。

父は「そうそう、こういうのが欲しかったんだ」と言った。

「ここの生地(青のソレイアード)のところがいいね」と言うので、これはフランスのプロ

ヴァンス地方の生地で、ソレイアードって言うんだよ、と言いながら、内心では(そうか

あ。ふだんジーサンジーサンと思ってるけど、やっぱりお洒落なのがいいのね)と思っ

たのでした。聞けばわざわざ自分でも介護用品の店を訪ねたけれど、その店には置

いてなかったのだとか。それを聞いて、この父が自分で介護用品店に行くほど切実だ

ったとは、とあらためて思ってなんだかかわいそうになってしまいました。

そういえば、先日の自治会の会議の議題のひとつも『認知症を考える』で、そのときも

らった資料をいつになくまじめに読んだ。

つまり、人が年をとるってことはこういうことなんだなあ、と思う。

母は67で亡くなったからそこで時間が止まっているけれど、父はそれより12年も長く

生きたのだ。少々ボケたってしかたがない。

さりとて本当に認知症になってしまったら本人が1番困ることもさることながら、妹の

負担がとんでもないことになってしまうから、できるだけ自分にできることはサポート

してその速度を遅らせねば、と思うのです。あまりできた人間とはいえない私に何が

できるかわからないけれど ・・・

ちなみに、私が買ったお食事エプロンはここで売っています。

興味のある方はどうぞ ↓

     エプロン 生活雑貨 通販ショップ えん

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コメント

お父上様 お大事に!

投稿: ルイ です。 | 2010年12月15日 (水) 18:07

ルイさん、
ありがとうございます。
生きている間は少々ボケても自分のことは自分でできるくらいでいてほしいな
って思います。
同時に自分自身の感覚も衰えないように今から気をつけなきゃですね。
適正寿命、ということについて考える今日この頃です。

投稿: soukichi | 2010年12月16日 (木) 23:52

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