秋のラ・フランス
娘が高校生のときに学校で接いできたラ・フランスが今までで最高の花を咲かせた。
か細いステムの先についた大輪のバラ。
くるくるとめくれあがった繊細な花びらと、たった一輪であたりがバラの香りに染まって
しまうような、素晴らしい香り。
「ほら、あなたのバラがこんなにきれいに咲いたよ!」
と娘に言うと、「うわあー、ほんとだ。このバラ、学校にあったときもすごく弱そうだった
のに、よくそんな風に咲いたね」と言っている。
「そりゃ、あなた。育ててる人がいいんだもの」と笑った。
ま、そうかどうかは別として、私が愛情たっぷりのことは確かだと思う。
石だって、たいていの石は届いたときよりもきれいになってるから。
そして下は粉粧楼。
これもとても弱いバラなのに、今年の猛暑でよくもったと思う。
この花が弱いのは夏の強烈な陽射しよりむしろ、春先の雨と梅雨時の湿度のようだ。
夏の宵だったか、この花の前を通ったとき、ふわっと白粉(おしろい)のようないい匂
いがして、なるほど、それで粉粧楼か、と思ったものだった。
秋バラはどれも春バラよりも色が濃くなるようだ。
秋バラ、と書いたけれど今日はもう、立冬。
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