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2010年3月11日 (木)

春のエナジー

10la_france01

今日は久しぶりによく晴れた。

こんなにベランダに光がいっぱいなのは何日ぶりだろう?

そして今日は近所に住んでいた友達ファミリーが引っ越す日。


私も友達に対してはいたってマメなほうじゃないとは思うけれど、私の友達ときたら私

に輪をかけてひどく、こっちが連絡しない限り半年でも平気で連絡してこない始末。

たまに何かの勘が働いてこちらから連絡すると、ものすごーく長電話になったり、思い

もかけないようなことが起きていたりして・・・

件の友人の家は今年は受験生を抱えているから落ち着かないだろうと連絡を控えて

いたのだけれど、今週月曜、もう決まったころかなと思ってメールをすると、メールの

代りにすぐに電話がかかってきた。言うに、息子はどうやら難関の受験に失敗して、

今年は浪人生になりそうだけれど、そんなことより何より話せなければならないことが

あるという。そこで直感的に「引っ越しするの?」と聞けば、「なんでわかるのぉー!」

と電話の向こうでデカイ声で叫んでいる。「いや、なんとなく。直感で」と言えば、去年

からいつ話そうかいつ話そうかと悩んでいたのだそうだ。夫婦して「直前に話して、そ

うきちさんをびっくりさせようか?」とか言ってたらしいが、それでいつ、とふたたび聞

けば、あろうことか「今週の木曜!」と言うではないか。月曜に聞いて木曜?!

今度はこっちが大きな声を出す番だ。まったく ・・・ いったいこの人たちはこっちが連

絡しなかったら黙ったまま行ってしまうつもりだったんだろうか。それでなんにも知らな

い私がアポなしで何かを届けに行って、玄関のピンポンを押して「は~い」と出てきた

のがまったく知らない人だったりして・・・。考えただけでもぞっとしないな。そんなこと

にならないでほんとによかった、と思っていたら、それでもMちゃんは「そうきちさんに

はあんなにお世話になったのに、ずっと話さないでいてごめんね」と言うから、何言っ

てるの、ものすごいお世話になったのはこっちのほうだよ! と言った。

ほんとに、彼らにはどれだけお世話になったかわからない。下の子の保育園のお迎え

はもちろん、私が精神的に危機的状態だったとき、どれだけ助けてもらったことか。

家でご飯を食べようとするときまってPDに襲われそうになって食事がのどを通らなくな

ってしまう私は、なぜか彼らの家では安心しておいしくご飯が食べられた。以来、私の

なかでは一緒においしくご飯が食べられる相手こそ最も良い相手ということになった。

ごく近所に住んでいるから、夜中にこそっと行ってお茶一杯もらってすぐに帰ることも

できた。もしあの頃、近所にそんな風にして行ける友人の家がなかったら、私にはまっ

たく救いはなかったと思う。本当にありがたいことです。

ほんとだったら、急なこととはいえ引っ越す前に家によんで夕飯でも一緒に食べたい

ところだったけれど、この3日間の天候の悪さと昨日はライブの予定なんかが入って

いたから結局何もできなかった。昨夜、そんなメールをしたら『ここでの最後の夜は忙

しく、そして寂しかった~。19年分の荷物を、思い出に引き込まれそうになるのを我

慢しながら整理したよ』と返事が返ってきた。そんなことを言われたらこっちだってM

ちゃんがここに引っ越してきてから今までのことが一気にいろいろ思い出されて何や

らまた危うい気持ちになってきたけど、『19年か・・・。なんだか重いぜ。でも、また新

しい始まりだね! 親の財産で建てたといっても、このご時世にマイホームなんてお

めでたいことだよ。新しい庭には記念にバラでも1本、植樹させておくれ!』とメールを

返した。

今日、彼らは結婚してから19年住んだマンションを引き払って、ここから少し田舎に

建てた一戸建ての家に引っ越しする。素敵な木の家なんだそうだ。彼ら夫婦にも危機

的状況はあったけれど、それを乗り越えてのことだから、今回の引っ越しは彼らにと

っては転機と言えるだろう。卒業も就職も転職も結婚も離婚も引っ越しも、人にとって

はぜんぶ転機。春はそんなエナジーに満ちている。

午後、風は冷たかったけれど心地よい陽射しを浴びながら自転車に乗って、引っ越し

中の彼らの部屋に顔を出した。ジョンのStarting Over を歌いながら。

当然のことながら部屋の中はめちゃくちゃで、Mちゃんはベランダの、芽が出たばかり

のバラが移送中に駄目になるんじゃないかと心配していたけど、芽がひとつやふたつ

取れたところで心配ないさ。地植えほど最強なものはないんだから。


2年前に別のMちゃんがいなくなっただけでも寂しくなったのに、近所からまた友達が

いなくなって、私はちょっと寂しい。これで近所に私が行けるところもなくなった。

Mちゃんはそれほど遠くに行くわけじゃないんだし、と言うけれど、近くに住んでたって

電話ひとつこないのに、そんな言葉まったくあてになるものか。いつだって去る者は残

される者より軽やかだ。そして、去る者は日々に疎し、なのだ。

いつか、私がここを去る日も来るかな?

写真は娘が接いだラ・フランス。

持って帰ってきたばかりのときはあんなにひ弱だったのに、こんなにきれいな芽がい

っぱい出てきた。暖かい春の陽射しをいっぱいに浴びて輝くバラの緑の葉っぱは祝福

そのもの。まさしく春のエナジー。

春は変容の季節。

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