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2010年3月13日 (土)

卒業式

2010sotsugyoushik_01_3

今日、娘の高校の卒業式。

息子の卒業式があまりに無機質で素っ気ない、無味乾燥なものだったから、私立の

女子高出の私は都立の卒業式なんてこんなものか、と思っていたのだけれど、今日

は全然違った。

それも、去年までは卒業証書授与をクラスの代表だけ壇上で行ってあとは名前を呼

ぶだけで省略していたのを、今年から全員壇上で授与する形にしたのも大きいと思う

けれど、在校生の送辞に答えて、恰幅のいい卒業生代表の女の子が体育会系的に

元気な声で答辞を読み始めたと思ったら、後半で感極まって涙声になり、それにつら

れて校長まで泣き始め、式歌(旅立ちの日に)斉唱、卒業生退場まで、会場みんなで

涙、涙の卒業式。その後に視聴覚室で見せられた卒業生による発表(主に3年間の

思い出アルバムのスライド)でも、教室に戻ってからのホームルームでの1人1人の

最後のメッセージでも、泣く子続出。卒業式でこんなに泣く先生、子供たちを久しぶり

に見た。

先生たちにとっても特別思い入れのある学年だったようだけれど、子供たちにとって

はそれだけ大好きな学校、仲間で、離れがたい気持ちなんだなあ、としみじみした。

そして私が今日、驚いたのは、ホームルームのときに園芸科の副担任の先生が言っ

た、『君たちはこの3年間、種の撒き方や移植の仕方や植物を育てるためのいろいろ

な方法を学んだけれど、それは単にやり方を学んだのではない。植物を通して真理

に触れ真理を学んだのです。ものごとは真理を理解してやればうまくいくけれど、真

理を無視すればうまくいかない。植物だってうまく育たない。この3年間は何より植物

と触れ合って過ごしたことが最もよかったことで、これからのあなた方の糧になると思

います』という言葉。

植物が教えてくれる真理、とはとても深い言葉で、その深さを子供たちがどれだけ理

解して受け留めたかはわからないけれど、もう長いこと植物と触れあって生きてた私

にはとても理解できることだったし、何よりそんな深い言葉を持った教師と日常的に

やってこられたことこそありがたいことだと思った。(家に帰って娘に聞けば、その先

生は本もお出しになっているような方だということで、なるほど、と思ったけれど。)

農芸高校は学校見学に行ったときに教頭先生が話してくださった通り、机にしがみつ

いて勉強するより外でお陽さまの下で身体を動かしていることのほうが好きな子が多

い学校で、そのぶんピリピリした競争社会とは無縁なのんびりした校風で、教師と生

徒の間に友好関係が築けている学校だと思う。

正直言って、娘にこの学校の名前を言われて学校見学に行くまでは、ごく普通に普通

科の高校に行ってもらいたいと思っていた私。でも、その『普通』って何だったんだろう

と今では思う。

厳しい選抜を勝ち抜いた少数精鋭がトップを目指して日々しのぎを削って切磋琢磨す

るような学校も素晴らしいと思うし、それが好きで向いている子や目的があってそれを

やっている子はいいけれど、そうじゃない、世の中には競争なんか苦手で興味もない

というマイペースな子もいて、そういう様々な個性を持ったユニークな子たちが競争じ

ゃなくて共生しながら自分の居場所を見出してゆける学校もあっていいと思うし、その

ひとつが農芸高校なのじゃないかと、今日思った。

そして、今日のもうひとつの驚きは、娘の担任が私と同じ歳だったこと。

自称『女王』というニックネームのこの先生が、またいつも変わった服を着た、あまり先

生らしからぬ頭のかっ飛んだユニークな人で、思えばそれも私たち(変な)親子には合

っていたのかもしれない。

『卒業生を送る会』で彼女の言うことには、3年最後の成績表は、どうしても娘のイラス

トの入ったものにしたかった。それで普通の白い成績表とは別に緑の紙で作ったイラ

スト入りのものを作って校長のところに持っていき、こっちを本番で使いたいと直談判

したのだけれど、それはできないと断られてしまった。だからダブルで出しますが、私

の気持ちはだんぜん緑のですから、ということだった。

家に帰ってその緑の成績表を見せてもらったら、娘が描いた表紙の絵は、娘にしては

控えめな桜のイラスト。そして中には女王の熱いメッセージが・・・

まあ、実にらしいと思ったし、ハートがあると思いました。

そんなしあわせな子供たちと先生たちの胸を今日華やかに飾っていたのは生花のコ

サージュ。そう、これは毎年、在校生によって作られるのがこの学校の伝統でした。

そして『送る会』の会場のテーブルに飾られていたのは、園芸科の先生が作ったとい

うアレンジメント。

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さすが植物の学校だけあって、花いっぱいの卒業式。

今日はお天気にも恵まれて気温も一気に20度近くまで上がる春の陽気のなか、

とても心温まる良い卒業式となりました。

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コメント

そうきちさん、こんばんは!

お嬢さんの卒業式だったんですね。
なんか、僕の感覚だと、ほんの少し前に、高校入学の話があったような気がしたけど、もう卒業なんですか。

それにしても、楽しい先生が多い学校だったんですね!

いまどき、こんな人間味のある先生が教えてくれるなんて、日本もまだまだ捨てたもんじゃないと思いました。

植物が教えてくれる真理。僕はまだまだ真理までたどりつけてないかもしれないですけど、僕にとって植物と触れ合う時間って、いい意味で気が抜けてリラックスできる時間なんですよね。

投稿: q-harada | 2010年3月14日 (日) 19:56

harada さん、
ほんとにそうなの。
早いですよね。
でも私は確実に歳とってるから、ほんとに3年過ぎたんだわ。

そして私も昨日そう思いました。
私は学業優秀な学校にしか素晴らしい先生はいないようにどこか思ってたような気がします。
だからそこそこの学校に行った私はそういう教師には出会えなかったんだと。
でもそうじゃなかった。
その先生が言う真理とは、学問とか、難しいことを指してるわけではたぶんないんです。
ただ植物と触れ合っただけでそれが子供たちに伝わったと信じてらっしゃる。
そしてそれは正しいと私も思ったんです。
私も難しいことはわからない。
でも私にはバラがどうしてほしいかわかる。
そういうことです。
だからそれはきっとharada さんにも伝わってるでしょう。
ちゃんと向き合えば、人の真理だって植物の真理だって伝わると思います。

投稿: soukichi | 2010年3月15日 (月) 00:54

いいお話ですね。

いつも植物を枯らしてしまうあたしは
まさにその裏にある
「真理を理解できてない」ということを
実感して愕然とすることが多いので
イタイお話でもあるんですけどね。
高校行きなおしとけ自分!って感じです。

娘さんの話題、いつも
ぐっときます。
そしてその人を育てたsokichiさんはやっぱり
すてきな人なんだろうな。

ここで読んだこと
思い出して少しは真理を理解するということに
努めます。いいトシなんですが、もう!苦笑

投稿: あたしベイベー | 2010年3月15日 (月) 13:09

卒業おめでとう。

これから色々な事に挑戦してください。
失敗しても若いから大丈夫です。
おじさん位の年だと、そうは世間が許してくれませんからね。

投稿: ルイ | 2010年3月17日 (水) 17:32

あたしベイベーさん、
いつもあったかいコメントありがとう!(^-^)
ベイベーさんはとっても優しい人だね。

でも、そうかな?
私はベイベーさんの言うことを聞いててもちっとも浅はかじゃない、深い真理に通じてる人だって気がするけど?
植物を枯らしてしまうのは、ベイベーさんがときどき植物のことをすっかり忘れてしまうことがあるからだけだと思います。
たとえば犬を飼っていて、飼っていることを忘れてご飯をあげない人はいないでしょう? 
ご飯あげるの忘れたら死んじゃうもんね(^-^)
植物は、ただそこにあることを意識しているだけでもけっこう枯れないです。
つまり、ただ見てるだけでもただ見てるだけにあらずで、エネルギーを送ってるんですよ。(それって人間に対してだって同じでしょ!)

ただ(これはあくまで単なる私見なので気にしないでほしいけど)、ベイベーさんて、自分の資質と違う見せ方、見られ方をしているような人な気がしてならない。
私は感覚的な人間なので、どうしてそう思うのかうまくは言えないんですけど。

投稿: soukichi | 2010年3月18日 (木) 00:07

ルイさん、
どうもありがとう!
そう伝えます。

でも、そうかなあ?
私はいい年だけど許してもらいたいなあsmile

投稿: soukichi | 2010年3月18日 (木) 00:09

お久しぶりで〜っす!
ご卒業おめでとうございます!!! 娘さんも、soukichiさんも!
早いもんですね〜、いい高校いい先生で良かったですねっ!
ほんとにおめでとうございます!

投稿: shindouxxx | 2010年3月18日 (木) 05:41

そうきちさん、リサチャン卒業おめでとうございました。
入学したと思ったら、もう3年たったのですね。
 私の高校の卒業式なんて、あんまり覚えていない、そっけない卒業式だったような。
 リサチャンを通して少しだけ学校の様子伺えましたが、素敵な学校でしたよね。
これからのリサチャンの様子も楽しみだな。好きな絵は続けるのかな?
 又イラスト見たいな~。
不安もいっぱいだろうけど、すごくうらやましいですよね。何でも出来るもんね。
眩しいな~。若者。私たちだってまだまだ・・・・ね!

 

投稿: angelseed | 2010年3月18日 (木) 10:24

soukichiさん、
そこだな~、ふと忘れちゃう自分に
愕然とするんです、あたしって所詮・・とか。
だからあんなに手のかかるバラ、
それにお子さん二人も
育ててらっしゃるsoukichiさんを
すごいなーって思うんです。
でも浅はかじゃないっていってもらえて
すごくうれしいです。
誰にでもいいとこ悪いとこあるんだし
いいとこを大事に育ててゆけば
人や植物のことも考えられるように
なるんでしょうね。

自分の資質と違う見せ方見られ方
については、このごろ感じていたことなので
するどい!って感じです。
でもネットの字面だけですけど
こうやってsoukichiさんやほかの人でも
つながってお互いに何かを感じあえるのが
うれしいです。

soukichiさんちの子に生まれたかったな~
(ってあまり年変わらないのにすいません。笑)

あー長くなっちゃった。
コメント欄よごしちゃってごめんなさい!

投稿: あたしベイベー | 2010年3月19日 (金) 12:42

shindou さん、
どうもありがとうございます(^-^)

久しぶりの東京は楽しめましたか?
東京の悪天候に巻きこまれずにすんだ?
まだまだ寒かったり暖かかったり不安定なお天気が続きそうです。
風邪ひきませんように!

投稿: soukichi | 2010年3月22日 (月) 17:16

angelさま、
どうもありがとう(^-^)
ほんとに3年なんて、あっという間でした。
それで、うちの娘は名前の下にプーが付きました。
私はプー太郎2人抱えて大変です。
1人はミュージシャン、1人は漫画家志望なもんですから(^-^;
母は家で、働け、若者!って叫んでます。

「私たちだってまだまだ・・・・ね!」か・・・
そうかなあ?
最近わからなくなってきた。
そう言ってるうちに浦島ばーさんになりそうな・・・

投稿: soukichi | 2010年3月22日 (月) 17:23

あたしベイベーさん、
何をおっしゃるうさぎさん、です smile
あなたは立派な家で育ったお嬢さんなのに。
あたしって所詮・・・ どころか
もっと胸張ってればいいのよ。
私の家なんかに生まれると悲惨よ。
ビンボー暇なしですし、そのくせ母は楽天的で無計画ですし・・・

するどい! っていうのはいつも言われます。
気功の達人から言われたことによれば
私は占い師になると、あの細木和子よりも成功できるかも、
だそうです。
ま、どーでもいいことですけれど。

投稿: soukichi | 2010年3月22日 (月) 17:48

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