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2008年9月 1日 (月)

夏の終わりのサウダーヂ/Café Saudade2

Cafe_saudade2

9月になった。

また学校が始まった。またお弁当作りだ。外ではまだ蝉が鳴いてる。空には

入道雲が浮かんでる。昼間はまだ暑い。夏服の母親と日焼けした手足が眩

しい子どもたち。でも日の暮れは格段に早くなった。夜ともなれば闇にしんし

んと響く虫の声。明け方は窓を開けてると涼しいくらい。ふたつの季節が共存

する季節。正確には夏の欠片が塵のようにキラキラと大気に舞っている季節。

昨日、新月だから髪でも切りに行こうと思ったら、今日はめずらしく予約でいっ

ぱいです、と言われて、仕方ないので家にこもって今年もまた作った。

去年とても好評だった『Café Saudade』。その2。

去年はまだ6月中に、これから夏へと向かう高揚感に始まって、夏の終りまで

の気分をシュミレーションして作ったのだけれど、今年は盛夏から夏の終りの

今の気分をリアルタイムに入れて作った。結果、去年とはまったく違うものが

できあがったけれど、これはこれでけっこういいんじゃないかと思う。

自分で作ったこのCDを聴いていると、暑かった今年の夏がとてもいい夏だっ

たように思えてくる。去年のとはまた違って、ピュアに夏を惜しむ仕上がりにな

った。できあがったジャケットを見た息子には「インテンス?」と言われたけ

れど、私のヒマワリは見るからにサウダーヂな雰囲気じゃないですか?

夏の終わりのサウダーヂをいっぱい詰めて。

まずはあなたに。(以下、全曲紹介。)

**************************************************************

1.It's A Wonderful World / Original Love

今年の夏はほんとに暑かった。炎天を自転車で走りながら、いつも自然

歌を口ずさんでいた。私は「暑い!」と言ったらすぐ後に「生きてるって感じ♪」

とか「最高!」とか言ってるんだけど、そう言っただけでなんだかほんとに幸せ

な気分になってくるから不思議だ。いつか上がりの空の下を自転車で走っ

ていた友人が、「この世界は完璧に美しいよ!」とメールをくれたんだけれど、

ほんとにそう思います。

2.Jah Jah Children / Wind City

これは1曲めとは反対で、クーラーのよく効いた部屋で聴いてたら凄持ち

よかった曲。音楽は、楽曲がいいとかミュージシャンがいいとかヴォーカルが

いいとかいろいろあるけど、音響センスってのも大事ですよね。クラブなんて

私は行ったことがないけれど、最近のクラブ・シーンでもてはやされてる音楽

っていうのは、そのあたりがすごくハイセンスなんだと思う。ざらっとした質感

のあたたかいヴォーカル、トロピカルなのにクールな曲。

3.Tupa Tupi / Arthur Verocai

アルトゥール・ヴェロカイっていう人はイヴァン・リンスなんかにも曲を提供して

いる、知られざる伝説のコンポーザーなのだそうだ。『トゥパオン・トゥピ』ってい

う変わったタイトルのこの曲は、ほとんど太古の神さまの名前を羅列している

だけみたいな歌詞なんだけれど、とにかくサビの部分のメロがすごくよくて、そ

のデリケートなヴォーカルとオーケストレーションのうまさに胸キュン♡ 

この曲でこの夏のサウダーヂが一気に始まってしまったのでした。

4.Os Passistas / Caetano Veloso

爽やかに妖艶に優しく(この3つが共存するなんてカエタノしかいない!)歌っ

てるカエターノ・ヴェローソも最高だけど、後ろのパーカッションがまた最高! 

こういうのを聴くと私は今からでもまじでパーカッショニストに弟子入りできな

いかって考える。タイコたたいて暮らしていけたら(単に趣味ですけど)、私の

人生は確実に今より3倍は楽しくなると思うんだけどなあ!

5.Spirites / Frisco(Hiroyuki Morishita)

これも2曲めと同じ、『Oyasumi Mode』というアルバムに入っていたクラブシー

ン・ライクな、こちらはインストゥルメンタル。こういう日本人のセンスも大した

もんだと思います。

6.O Trem Azul / Milton Nascimento

ミルトン・ナシメントの大好きなアルバム『クルービ・ダ・エスキーナ』からの1曲

で、聴きながら「このキラキラしたギターが好きだ!」と言ったら、息子に「これ

はオクターヴ奏法だね」と言われました。ミルトンのイノセントな歌声とギターの

音が虹のプリズムみたいに光を放っている曲。

7.A Fala Da Paixao / Egberto Gismonti

私の今年1番の失敗は、ジスモンチのコンサートに行きそびれたこと!

最近、平日のラジオから流れてくるJ-POPがどうにも耐え難くてラジオをずっ

と付けずにいたら、情報を聞き漏らしてしまったのでした。この曲は、長いこと

欲しくてやっと手に入れた『インファンシア』というアルバムに入っている曲で、

思わず泣いてしまうほど(私はほんとに泣く)美しい曲。ジスモンチって時々

まるで美しい映画のような曲を作るのだけれど、湧いてくるイメージがいつも

イタリアなので血のルーツはどこなんだろう?と思ったら、なんと母親がシシ

リー島生まれのイタリア人なのでした。そういうのってちゃんと音にも出ちゃう

ものなんですねえ ・・・

8.Outro Lugar / TOCO

これは最近ブログにも書いた、25歳の新しいボサノヴァの担い手。

タイトルのオウトロ・ルガールとはアナザー・プレイスのことなのだそうです。

どこか寂しげなこの歌は、外国女性との恋と別れを歌った歌でしょうか。歌詞

に独特のユーモアのセンスを感じる、久々のボサノヴァの新星。

9.Nao Tem Nada Nao / Lisa Ono & Joao Donato

これも先日ブログに書いた曲。小野リサとジョアン・ドナートのドュエットによる

まるで恋のラビリンスを行きつ戻りつしながら出会えずに迷ってる2人のような

かわいらしくも切ない曲。ジョアン・ドナートが弾くクリアーで落ち着いたラテン・

テイストのピアノがまたすごくいい。サルサのピアノに弱いんです、私。

10.Body And Soul / Esoeranza Spalding

私の最近の掘り出し物ナンバー1.どうやらブラジル音楽とジャズをこよなく愛

しているらしい、シンギング・ベーシストでバークレーで教鞭もとっているエスペ

ランツァ・スポルディングが、スペイン語で歌う『身も心も』。文字通り思いっき

り音楽に身も心もゆだねて歌っているかのような、伸びやかなヴォーカルが最

高に気持ちいい。そして何よりピアノがいい! たぶんエスペランツァ本人が

書いたんじゃないかと思われる変態少女文字みたいなライナーのスペルを読

むと、レオ・ジェノベーゼ(パスタ?)って読めるのだけれど、私は彼のピアノに

惚れました。ぜひいつかライブで聴きたい!

11.The Hands(ふたつの手のように)/ Original Love

これも大・大・大好きな曲! 毎年夏にはかならず聴くし、自分でも歌う。

特に夏の終わりの今時期に聴くと、あぁっ、今年も夏が終わるんだなぁ~!っ

て思いでいっぱいになります。ここに入れると浮くかと思ったけれど、まったく

浮くことなく、夏の終わりのサウダーヂな気分をさらに増幅してくれました。

12.Comecer De Novo / Ivan Lins  Part.Asp.Simone

これはイヴァン・リンスの出世作で、英語では『The Island』として有名な曲。

清水翠のファースト・アルバム『Remains』にも入っていて、私はこれが1番好き

だったりする。イヴァンの傷つきやすいデリケートな部分が強く出ていて、私は

この曲の、夜の底に深く沈潜してゆくような瞑想的なニュアンスが好きです。

13.Ligia / Nao Takeuchi

CDをかけようとして聴きたい音楽が思い浮かばなかったある日、息子に「何

が聴きたい?」と訊いたら、息子は「何でもいい」と言ってから、「あ、イヴァン

リンスと直さんはやめてね」なんて言う。まぁ、つまりそれくらい(まわりが飽き

るくらい)聴いてたってことなんですけど、そんなわけでしばらく聴いてなかった

竹内直さん。久しぶりに聴いたら直さんてこういう音でしたっけ、と、なんだか

I miss you って感じです。大好きなジョビンの曲。ここでの直さんはとてもゆっ

たりとしたフレージングでシンプルにメロディーを歌わせていて、聴いているだ

けで心が落ち着くし、掠れたトーンが今の時期に聴くとほんとに泣ける。清水

絵里子さんのピアノもとても落ち着いていて、いいピアノです。個人的にはミュ

ージシャンにとってとても大事なことじゃないかと思うのだけれど、2人ともとて

もスピリチュアルな感じのする方です。ここにこの曲を持ってきてこんなにぴっ

たりくるとは思わなかった。あぁ、ライブに行きたし ・・・。

14.Shade Of Summer / Hideaki Hori feat.Satoshi Takino

新進気鋭のピアニスト、堀秀晃さんのセカンド・アルバム『Moving Scenes』の

ラストに入っているオリジナル。ライナー・ノーツにあった『夏の終わりや夏の夕

の、どこか物悲しい(祭りの後みたいなね)雰囲気の曲』っていうのをそのまま

いただきました。弾けるような勢いのあるピアノで始まる颯爽とし曲なんだけれ

ど、でも確かにその中に悲しみがある。堀さんが亡き親友に捧げた曲。夏みた

いに懐かしくて、熱い方なんでしょうか。熱いといえば、最後の滝野聡さんのギ

ター・ソロは本当に圧巻! 

15.Bis(アンコール) / Arthur Verocai

そしてラストを盛り上げてくれるのはアルトゥール・ヴェロカイの2曲め、ビス。

この『ビス』っていうのは『アンコール』の意で、『アンコール!/アンコールした

いんだ/もう幸せであることに疲れたりしない/もう一度/もっと/もっと幸せにな

りたい』なんて、日本人の私にはちょっと恥ずかしくなるような情熱的な歌詞が

ついてます。一度聴いたら頭に焼き付いてしまうようなすごくキャッチーな曲。

さて、それではここで私がアンコールするのは何か? 

そうです。夏よ、もう一度。です。 え? もう暑い夏は真っ平ですって? 

・・・ そういう方は、もうすぐそこまで来ている、1年で最も過ごしやすく、短くも

美しい秋をせいぜいお楽しみください。そういうあなたは冬になればなったで、

今度はきっとまた寒い!寒い!って言うんですから

以上、私の大好きが詰まった全15曲。

今年も泣けるセレクトでありながら、朝1に聴いても心がアッパーになるような

ラインナップになりました.♡

08summer_sky

A time for summer skies
For humming birds and butterfries
For tender words that hormonize with love

A time for climbing hills
For leaning out of windowsills
Admiring the daffodils above
A time for holding hands together
A time for rainbow colored weather
A time of make believe that we've been dreaming of

As time goes drifting by
Time willow bends and so do I
But oh my frends , whatever sky above
I've known a time for spring
A time for fall
But best of all
A time for love

(『A Time For Love』Paul Francis Webster / Johnny Mandel )

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コメント

お久しぶりです。
関東も新学期が始まったのね。私も先週からお弁当作り再開しましたよ。
明日は娘もお弁当。今年度から、小中学校は給食費値上がりしないで月1回お弁当の日があります。
お母さん達は、値上がりしてくれていいのに~と嘆いています。
夏も終わりですね~
やっと晴れた空が秋なんだよね。
良い季節だ。でもまだ暑い~。

投稿: angelseed | 2008年9月 3日 (水) 01:08

angelさま、
東京は今日は雨だけど、昨日まではずっと30度を超える真夏日だったよ。
青空に入道雲がもくもく!
でも私はぜんぜん平気。
むしろ嬉しいくらい。
夏をアンコールしたのは私だから。

秋はとてもいい季節だけどすごく短いから、
私は夏が終ると一気に心が冬に向いてしまう。
冬になってしまえばなってしまったで冬なりの愉しみを見出すんだけれど、
今はまだ冬のことは考えたくないな。
まだまだ太陽に抱かれていたい気分です。

お弁当ね。
私は子どもが喜ぶような手のこんだお弁当を毎朝作れるお母さんを尊敬します。
私にゃ無理!!
早くお弁当生活から開放されたいです。

投稿: soukichi | 2008年9月 4日 (木) 15:37

お久しです。
夏がいいよね~
太陽ぎらぎら・陽炎ゆらゆら、が自転車散歩には一番だと思うのです。
人影まばらなんで、しゃがんで雑草見てても不審がられなくてすむし(笑)

冬は...やだなぁ。。。
「暑いより寒い方がまだまし、重ね着すればいい」と言う人が周囲には多いんですが、さっぱり理解できません。
生き物にとってはやっぱり冬より夏がマシだと思うんですけどねぇ。
贅沢なんじゃないかな寒い方がなんとかしのげる、って意見は。

あ。
すみません、アツくなりました。
とりあえず、アンコール・夏、に一票。

投稿: みーまりぽん | 2008年9月 4日 (木) 22:19

そうきちさん、こんにちは!
今年の夏は暑かったけど、秋になるのは早そうな気がしますね。
うちのほうでも、夜になると虫の鳴き声が聞こえてきますよ~
うちの薔薇に周囲にはコオロギの子供もいっぱいいますので、
もう少ししたらにぎやかになるかもしれないですね。

投稿: q-harada | 2008年9月 7日 (日) 08:33

みーまりぽんさん、こんにちは!
1票さんきゅです
みーまりぽんさんも夏派ですか?

私もそう思う。
暑くなれば人の基礎代謝は自然と上がるんです。
代謝の上がるときに身体を動かして汗をかくのはすごく効率的で健康的だし、冬は寒いというだけで筋肉が萎縮して代謝が落ちるのに、寒いからって動かずにいると、ますます身体は老化します。
冬はご馳走を食べる機会も多いし、食欲が上がるからメタボの人はますます一気にメタボまっしぐらですね
寒くて貧乏な国と暑くて貧乏な国をくらべたら、暑い国の人々のほうが楽天的で明るいと思う。寒くて貧乏はツライだけ!
私は暑けりゃ脱げばいい夏がやっぱり好きだな。
冬は着るものも重いし、重ね着したりしたらますます肩が凝っちゃう。
冬には冬の愉しみを・・・と思いつつもやっぱり冬は嫌だなあ・・・

投稿: soukichi | 2008年9月 7日 (日) 17:50

Q-harada さん、
そうですか。
haradaさんのほうは夏でもだいぶ涼しかったみたいだもんね。
東京は夏とはもちろん違うけど、また暑い日が続いてますよ。
今日も青空に思わず笑っちゃうほどきれいな真っ白な入道雲がもくもく出てました。
でも今はまた雨と雷!です。
これには困っちゃう・・・

投稿: soukichi | 2008年9月 7日 (日) 17:55

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