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2008年9月29日 (月)

ハンタさんちの猫に会った。

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鎌倉はいつ行っても懐かしさを感じるところだ。

電車が北鎌倉の駅に近づくと、いつも窓から外を眺めずにはいられない。

懐かしい北鎌倉の駅。

そして私にとってはちょっと切ないところでもある。何故なんだろう?

昔、鎌倉が好きでよく友人や恋人と来た。日の暮れまでさんざん歩き回って、暗くな

ってから電車に乗る。そんな取り返しのつかない時間とか記憶のせいかな。

2年ぶりでハンタさんに会いに鎌倉に行った。

初めてのとき同様、駅の改札で待ち合わせて、なると屋でおいしい和食のランチをい

ただいて、今回はハンタさんの家に行く。上は車を駐車してあるところまで行く途中、

閑静な住宅街のとある玄関の前でくつろいでいたソマリを発見したところ。

お育ちが良いせいなのか、まったく警戒心なし!のソマリちゃん。

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そして車で走ること10分?

ハンタ家で最初に迎えてくれたのは、リヴィングの椅子で寝ていたシュシュでした。

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このシュシュはとっても人見知りで、気に入らない人が来るとすぐに2階へ行ってしま

うのだそうだ。でも私はどうやら気に入られたようなのだった。

「ねぇ、ハンタさん。私よくやられるんだけどさ、猫が人の顔じーっと見てたかと思った

らこうやってゆっくり目を細めるのって、どんな意味があるの?」と訊いたら、それは

なんでも猫が気分がいいときにやるのだそうな。言ってみれば「私あなたが好きheart01

ってなときなのだそうです。ほぉ。わたしゃまた、「まったく。あんたを見てると眠くなる

sleepy」と言われてるんだと思ってました。今までずっと。

これはシッポネン。とっても人懐こくて、名前を呼ぶと返事をします。

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この子はジョリ。

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ちょうど2年前に初めてハンタさんと会った直後の雨の夕方に、道路の側溝に落ちて

鳴いていたのをハンタさんが拾った猫。ブログで見ていた写真ではまだほんとに子猫

だったのに、もうこんなに大きくなってしまったんだ ・・・

ハンタさんちは猫とのより良い暮らしを実現するため、『全ては猫のために』をコンセ

プトに今年家の中を全面的に劇的リフォームしたのだけれど、リヴィングにはキャット・

ウォークと呼ばれる猫の階段が張りめぐらされていて、まるで部屋全体が大きなジャ

ングル・ジムのよう。そのキャット・ウォークで1番遊んでいたのが、今年拾われたばか

りのまだ子猫のテムジン。好奇心旺盛な悪戯盛りの♂猫です。

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ここはけっこう高い。反対から見るとこんな風。

う~ん、どこに飛び降りてやろうかと、虎視眈々と狙ってる顔つき。

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・・・ かと思ったら、庭で拾ってきた猫じゃらしを捕られまいとお兄さんと戦ったり。

全ての部屋は猫が自由に行き来ができるようになってるらしい。出入り口ではセンサ

ーがはたらいて、首輪をしている猫しか入って来られないんだとか。便利です。

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そうこうしているうちにシュシュが何かを見つけたらしい。

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シュシュ:「ん?!」

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シュシュ:「やや!」

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シュシュ:「にゃにゃーっ!!」

・・・ ったく、ついに2本足で立っちゃって、猫の好奇心、物見高さには呆れます。

でもって、それを見ている人間はまったく飽きない smile

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自分のお顔を洗っているかと思ったら ・・・

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いきなり猫パーンチ!

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そして始まる猫バトル。尻尾の先をご覧あれ!

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そして、気づけばいつしかとっぷり日が暮れているのでした。

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そうきち:「猫みてると時が止まるね」

ハンタ:「それって大事なことだよ」

これってまるっきり呪文だ。私はこの家に何しに来たんだっけ???

ま。いいか ・・・。

ラストは止まり木にとまったフクロウならぬテムジンだ。何やら神妙な面持ち。

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さて、来年の今頃は猫庭のフェンスがバラでいっぱいになるように私も考えるよ!

そして家に帰って娘に猫の写真を見せていたら、娘の「猫ほしい」がまた始まってしま

った。経済状態がもうちょっとよくなってから ・・・ なんてばかり言ってる私だけれど、

来年に向けて、ちょっとは真面目に考えてみますか。

あ、そうそう、なんでこのポストがカテゴリ『幸せの力』に入れてあるかっていうと、ハン

タさんの旺盛な向学心の原動力になっているのが猫だからなのだ。

ハンタさん、猫たちと末永くいつまでもお幸せにね!cat

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2008年9月25日 (木)

Happy Birthday!

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あれは君の父が30歳の誕生日のとき、内緒でギターの形のケーキを特注したんだ。

滅多にこない変わったオーダーに、パティシエは面白がって快く引き受けてくれた。

とっても大きなギターのケーキ。それにロウソクを30本立ててね。君の父はご機嫌♪

家に友達をたくさん招んで、夜遅くまで騒いだ。下の部屋からは苦情がきたっけな。

今日は君の20歳の誕生日。

今回もまたギターの形のケーキをオーダーしようと思ったんだけど、この町にはあい

にくそんな洒落たことをやってくれるケーキ屋はなかった。

ここは緑の多い町だけれど、そういう意味ではつまらない町。

いつか出ていかなきゃね。そのときは Bye Bye Blackbird でも歌って。

そういえば、いま思い出したけど、君の7歳の誕生日のときは7の形のケーキだったっ

けね。ハハはたぶん、君を励ましたかったんだ。きっとラッキーな年になるって。

そのとき父からもらった最後のプレゼントは緑のギター。

でも買ってもらってから10年以上も触ることさえしなかったから、まさか君が今になっ

てギターを弾くようになるなんて思いもしなかったよ。

あれから13年。

おじいちゃんは月日の経つのは早いなって言う。

たしかに月日の経つのは早いけど、私にとってはけして短い時間じゃなかった。

そして今、君は「おとうさんはどんなソロを弾いてたんだろう?」って言う。

でも正直なところ、あんまりよく憶えていないんだ。

もうこの家には昔の音源は残ってないし、たまたまラジオから似たようなギターの音が

流れてくれば、「こんな感じ」っていうことはできるんだけど、ライブのときは本人以上に

こっちが緊張しちゃって、おちおちロクに聴いてられなかったってのがほんとのところ。

でも君は君だ。自分の思うところを好きにやればいい。好きなだけ。

いつか日曜美術館を見ていて、80近い洋画家の話を聴きながら、一生まぼろしの蝶

を追いかけて追いかけて、追い続けたまま一生を終えられるなら、それも幸せなこと

だよなぁ、なんてぼんやりと思った。君はそんなの嫌だってきっと言うだろうけどさ。

願わくは君の未来に光あらんことを!

テーブルにはおきまりの紅いバラ。

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こどもの頃から真っ赤なバラが好物、もとい好きだなんて、なんてザーキーな。

しかもちょっと黒いくらいの赤じゃなきゃ駄目なんだそーな。

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2008年9月22日 (月)

フクロウさんから珈琲豆が届いた。

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お互いのブログにリンクを貼ってからはもうずいぶんになると思うのだけれど、長らく

ご無沙汰していた『フクロウくんのポンコツ的生活』に久しぶりにコメントをして、音楽を

さしあげることにしたら、それならお礼にマイ・ロースト珈琲はいかがでしょう?とおっし

ゃる。私は自分の好きな音楽のおすそ分けをしてお礼なんてぜーんぜんいらないのだ

けれど、なんたって無類の珈琲好きだから、珈琲豆、しかも自家焙煎した珈琲豆、と

言われたら、もらわないわけにはいきません smile。 遠慮なくいただくことにしました。

それが昨日届いた。封筒の外からも香る珈琲豆のいい香り。

ちゃんと、こんな風にラベルまで付いていて。・・・・・・ 凝ってます。

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せっかくいただい珈琲だから、ゆっくり腰を落ち着けて楽しめる時間に珈琲をいれよう

と思いつつ、昨日はその時間を逸してしまい、今日になっていただいた。まずはホンジ

ュラスを。これは私好みのかなり深炒りの苦い珈琲。

豆と一緒に入っていた手紙には、豆のことから焙煎のことまで詳しく書いてあって、フ

クロウさん、珈琲豆には相当詳しいようだ。大阪の土居珈琲から毎月、珈琲豆の定期

宅配をしてもらうようになって、あらためて珈琲の味の奥深さを知った私だけれど、折

りしも今日その土居珈琲からニュースレターがきていて、そのタイトルが『焙煎におい

て重点をおいていること』だった。その答えは『焙煎の度合いが常に一定していること』

だ。同じ農園の銘柄の豆を焙煎するにも、収穫年によって豆に含まれる水分量が変

わり、また焙煎は秒単位で状態が変わってしまうのだそうだ。とっても繊細にして微妙

な世界。それをフクロウさんは家のガスコンロでやっているのだ。すごいですね。

昔、まだここに引っ越して来たばかりの頃、近所にちょっと変わった女性がやっている

珈琲豆屋さんがあって、ちょうど手動の焙煎機をガラガラ回しているときにでも店に入

ろうものなら口もきけずにしばらく待たされたものだったけれど、それも仕方のないこと

だったのだ。小さいけれど白いペンキが塗られた木の格子窓がなんとも雰囲気のある

店で、冬になってネイビー・ブルーのダッフルコートを着た店主は、ロンドンの風変わり

なオバサンみたいだった。(昔、たまの歌に『レイコおばさん』って歌があったんだけど

あれみたいな感じ)。この辺りにしちゃハイブローな店過ぎたのだと思う、たぶん。

店をたたむからと什器を安く処分し始めたとき、思わず「資金があれば私がやるんだ

けどなあ」と言ったら「あなたのほうがお客に好かれそうだし、私よりうまくやれそうよ」

と言った。お客の扱いは確かに私のほうがうまいかもしれないけれど、私に店のマネ

ッジができるとはとうてい思えない。数字苦手だしね。

フクロウさんだったら、資金調達してでもやったらいい店だったよなぁ、なんて思う。

今日はなんだか急に涼しくなって、私は今季初めて長袖を着た。このところ雨続きで

私は一気に秋をぶっ飛ばして冬を迎える気分だ。この感じはあまり好きではないけれ

ど、涼しくなった途端においしく感じられるのが温かい飲み物で。

フクロウさんからいただいた珈琲はしばらく楽しめそう。

明日は休日だし、いつもより丁寧に珈琲をいれて読みかけの本でも読もうかと思う。

フクロウさん、どうもありがとね!cafe

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2008年9月21日 (日)

私のプチ贅沢

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私はコスメ・オタクではない。

というより、そっち方面には全然詳しくない。

興味がまったくないわけではないけれど、スキン・ケアならいま使っているので充分だ

し、高価なコスメにお金をかけるくらいなら家族でおいしいものを食べに行くか、音楽

に投じたほうがいいと思ってしまう。聴きたい音楽ならいつでもいっぱいあるから。

ただ、この時期になると伊勢丹から毎年送られてくるビューティー特集カタログの、フ

レグランスのページはつい熱心に見てしまう。美しい香水ボトルの写真の脇に添えら

れた、文章がとにかくうまい。香りを言葉で表現するのって難しいので、う~ん、これ

はためになる、なんて見ながらいつしかその言葉に乗せられて、もうこれはショップで

香りを試すしかない気持ちになってくる。実際、昔は何かと用事をみつけては出かけ

て行って試してみたりしたものだ。香りっていうのはとても難しくて、嗅いだ瞬間いい!

と思っても、ミドル、ラストと時間が経過するうちに、だんだん違ってしまうものが多い。

実際に試して違うとわかれば納得して買わずに帰って来られる。急に現実的になって

地下の食品売り場で、夕方の特売の始まったお惣菜を物色したりして・・・

最近は出不精なのでそんなことすらしなくなって久しいのだけれど、先日うっかり見て

しまったのが『isetan's BUAYTY 齋藤薫セレクション2008秋冬 伊勢丹のベストコスメ』

というのだった。なんでもこの秋、伊勢丹2階に『ビューティー・アポセカリー』というコー

ナーが新設されるのだそうだ。折りしも私はあることでストレスが溜まっていて、朝、鏡

で寝不足の自分のひどい顔を見たばかりなのだった。だいたい夏の終わりの肌という

のは紫外線でダメージを受けたせいで老廃物がたまってくすんで見える。おまけに年

間通してUVケアしていても、この時期になると必ず増えているシミ・ソバカス!

・・・ というわけで、いつもは目がいかないスキン・ケア・コスメに目が釘付けになってし

まったのでした。まるで甘いもの好きがショー・ウィンドーに並んだ宝石のようなスイー

ツに引き寄せられるように。・・・ そして困ったことには最近はわざわざショップまで行

かなくても買い物ができてしまうのだ。アドレス・バーにURLを打ち込むだけで。

そして出てきた伊勢丹オンライン・ショップ。新しいコーナーが新設されるということで

限定商品が目白押し。でも驚いたことにまだ立ち上がって2日しか経っていないのに、

すでに限定100セットソールド・アウトしているものもある。さんざん眺めた末にやっと

1つに絞って、さて買ってしまおうかどうしようかと迷っていたら、なんと、見ている前で

ソールド・アウトになってしまったではないか! が~~ん!!

そうなると人間の感覚っておかしいもので、ますます欲しかったような気がしてくるじゃ

ないですか。でも完売してしまったものは仕方がない。やっぱり欲しいと思ったら迷っ

ちゃ駄目なのね~、なんてその日はサイトを閉じた。

そして、そんなことも忘れて2週間が過ぎ、お世話になった方に贈り物をしなきゃなら

ない用事ができて、とはいえデパートまで出かけて行く元気がどうにも出なくて、ふた

たびサイトを開いた。今度はフードのページ。そこでもさんざん迷って贈り物を決め、

あ、そうだと思って先日のページを開いたら、100セット限定ソールド・アウトになって

しまったはずの例のコスメがあるではないか!さすが伊勢丹。私が働いてたときも毎

日のようにマネージャーから売れ筋の在庫の確保・確保と厳しくウルサク言われたも

んだけど、それだけのことはありますね。今度は迷わず買いました。

それが今朝、届いた。ユイル・エ・ボームのアイ・コントゥア・セラムとリップ・バーム。

ローズヒップオイルをベースに植物成分の入ったアイケアと、シアバターにハチミツ、

アルガンオイル(おぉ、麗しのアルガンオイル)などが入ったリップケア。

このユイル・エ・ボーム、創立者は生化学者でヨガの伝道師でもあったというマキシミ

リアノ・ビュストス。全ての製品は100%有機栽培植物由来の成分で作られていて、

植物のエキスをたっぷり受けられる、というのももちろん魅力なのだけれど、私はたぶ

んこのパッケージに惹かれたんだと思う。

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なんてことないようでシックな容器。それに入ったバニラ色のリップ・バーム。

私は甘いものは時々(疲れているときとか)でいいけれど、これはまさに私にとっては

スイーツ好きのスイーツみたいなものだなと思う。蓋を開けるとネロリにも似たマンダ

リンの香り。アイセラムのほうは、ほのかなローズの香り。実物は思った以上に小さ

な容器だったけれど、私のことだからしばらく、とうぶんは使うたびにリッチな気分にな

れそうです。

贈り物をした先方には同じ頃、パステルカラーのマカロンが届いたはずなんだけれど

喜んでもらえただろうか。パステルカラーのマカロンなんてのも、自分のためだけにな

らきっと買わないけれど、贈られたらちょっと嬉しい、かわいいお菓子だと思います。

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2008年9月15日 (月)

オルソラ・スピノーラ

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フレンチ・ローズ、ギヨのバラ、オルソラ・スピノーラが小さいけれど、やっと、花の

感じがわかるくらいに咲いた。

花びらの表の色と裏の色が違う複色。香りはとってもフルーティー。

枝はしなやかなアーチ状にどんどん伸びて扱いが大変そうだけれど、これがあと

3~4倍(といっても中輪)の大きさの花になっていっぱい咲いたら、どんなに見事

で、素晴らしい香りに包まれるでしょう!

・・・ と、あらぬ想像(妄想?)をしている時間がまたバラ好きさんには至福の時間

なんですよね wink

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2008年9月14日 (日)

バート・シーガー・トリオ@サムタイム

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昨日は久しぶりに広島からTちゃんが仕事で東京に来ていて、いつもだと仲間4人で

ジェロニモ(メキシコ料理屋)に行ってステーキをしこたま食べる、というのが毎度の

パターンになっているのだけれど、昨日は他の2人は来れないと言うし、私は息子の

リクエストでおとといステーキを食べたばかりでもう肉は食べたくないしで、じゃあ、た

まには趣向を変えてライブハウスにでも行かないか?ってことになった。

でも、あいにく私の好きなミュージシャンのブッキングを調べたら、昨日は入ってない。

よく行くサムタイムのスケジュールには知らないミュージシャンの名前が入っていた。

その名前でさらに調べると、どこかのサイトにあった一文『池長さんはバートさんのトリ

オに賭けてる言わはった』というのが目に入ってきて、1人のミュージシャンをしてそこ

まで言わせるってことはいいピアノなんだろうし、もしかしたらすごい掘り出しものに出

会えるかも知れないしなあ!てな期待もあって、聴きに行くことになったのでした。

そんなことができるのも、気心の知れた長年のつきあいで音楽好きの友人ならでは。

考えたらTちゃんとライブに行くなんて初めてだ。ハード・ロック少年だったTちゃん。

昔は音楽三昧だったこの人も今じゃ会社の経営に忙しくて、音楽どころじゃない生活。

吉祥寺に来ること自体すごく久しぶりだというTちゃんと、サムタイムのドアを開けた。

ボストン在住のマイナーなピアニストだというからそんなにお客は入ってないかと思い

きや、意外と入ってる。ピアノの真後ろの席について、「いやあ~、ライブなんて久しぶ

り!」「知らないミュージシャンのライブっていうのも、なんだかワクワクするねー♪」

なんて話していたら、にこやかにバート・シーガーさんがステージに入ってきました。

フレンドリーにアイコンタクトをしてくる。良い感じです。メンバーが楽器の前について

ドラムの池長さんのMCで紹介されると、バートさんは360度の聴衆に向かって笑顔

で挨拶。客席からは拍手が沸き起こり、「すでにあたたかい雰囲気が・・・」と池長さん

が言うとおり、あっという間に聴衆を味方につけてしまった。そして演奏が始まり、聴

こえてきた音は、どこにも尖ったところのないとても穏やかな音。悪くない。

そう思って2曲聴いたところで『サマー・ナイト』という曲になったら、かなり溜めて弾く

せいか、ちょっとかったるくなってきた。これはセカンド、サードと聴くにはキツイかな

と思い始めたら、4曲目でバートさんが「New song」と言った。それがとてもよかった。

バート・シーガーのオリジナルで3拍子の曲。『ワン・ノート・ワルツ』というそうだ。

バート・シーガーのピアノはとても晴朗でクリアーなのに物憂くて、晴れた日のかなし

みみたいな趣きがある。その特徴は限りなくアレンジされたスタンダードより、むしろ

オリジナル曲で際立っていたような気がする。そのバートさんに賭けると言った池長

さんのドラムは、とても繊細で音響的に立体感のある音。私は岡部洋一さんのドラム

を初めて聴いたとき、『たたく詩人みたいな人だな』と思ったのだけれど、タイプは違え

ど池長さんもリリカルな人。シンバルひとつとっても、こんなにいろんな鳴らし方がある

んだ、と思った。とにかくシンバルの音がとてもきれい!

そして、そんな2人を支える吉野さんのベースは柔らかく深い響き。

この3人には激しい闘いのようなインタープレイはなくて、穏やかな対話のようなインプ

ロヴィゼーションがあるのみ。そう書くとなんだか退屈に思われてしまうかもしれないけ

れど、そうではなくて、どんなにハードにスリリングに弾こうが叩こうが、全然うるさくな

く尖った音にならないのがいい。互いの音にフィジカルに反応する、というより、心で呼

応し合ってる感じ。

・・・ そんなわけで途中フリーの演奏などもはさんで、ファースト・セットが終わった。

4曲めの終わりにTちゃんが「けっこう好きかも!」と耳打ちしてきたので、私もさっき思

ったことを言った。驚くべきは気がつくとほぼ満席になっていたことで、しかも熱心に聴

いている人ばかり。結局、我々は3セットのラストまでいたのだけれど、同じように最初

から最後まで聴いていた人もけっこういて、最後はとっても盛り上がりました。

印象に残ったのは先ほど書いた『ワン・ノート・ワルツ』と9拍子の曲『ノクターン』と5拍

子の曲(これは曲名を忘れた)。全部オリジナル。オリジナルの曲がとてもよかったの

で、それが入ってないかなぁ~と休憩時間に手に取ったアルバムはスタンダード中心

だったけれど、大好きな『オ・グランジ・アモール』が入っていたので、今日の記念に買

うことにした。それが下のアルバム。『A CLOSER LOOK』

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ちょっと秋山さんの『Dr.Rain』のジャケットの海と島影の構図に似ているような気がす

るけれど、これは女性フォトグラファーによる、バスタブに横たわった人の身体。

こんなラインナップです ↓

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セカンド・セットが終わった後だったろうか、Tちゃんが「これ聴いてたら久しぶりにケニ

ー・ドリューが聴きとうなった」と言うから、私も「ケニー・ドリュー!懐かしい!久しぶり

にその名前聞いた。昔さんざん聴いたよ!」なんて言ったのでした。それでふいに一

気に思い出しちゃったんだけど、自分としてはジャズにどっぷりハマってた記憶はない

のに、当時はピアノ・トリオが好きで、ピアニストの名前をざっと挙げただけでも10人以

上軽く出てきたのには自分でも驚いた。昔は自分がジャズを聴くなんて考えられなか

ったというTちゃんだって、2回もニューヨークに行ったのだ。初めて行ったときはよっぽ

ど嬉しかったのか、初めて旅先から葉書をくれた。愛機の一眼レフで36枚撮りのフィ

ルムをもう20本も撮ったとか、ニューヨークは道端に落ちてる空き缶までカッコイイと

か興奮気味に書いてたな。当時のブルー・ノートのミニマム・チャージがたった20ドル

で、ガレスピーとかアート・ブレイキーが聴けたって、話までしたって羨ましいことを言っ

てたっけ。

そんなわけで、昨日は実はTちゃんも私も夜から出かけて行くには少々お疲れモード

だったにもかかわらず、思いのほか良いライブが聴けてすっかり帰りには元気になっ

てご機嫌で帰路に着いたのでした。

いやあ、音楽って、本当に素晴らしいもんですね~!(←今は亡き水野晴郎風に)

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参考までに書くと、バートさんは毎年このくらいの時期に池長さんが呼ぶ形で来日さ

れるのだそう。よかったら、お気にかけてぜひ聴きに行ってくださいね。

ちなみにこの日買ったアルバムは、池長さんがボストンに行ったときにやっている別

のトリオのセカンドになるそうで、この秋にはサード・アルバムも出るそうだけれど、

吉野さんとのトリオでのアルバム・リリースも待たれるところ。

私はこの日聴いたnew song の入ったアルバムが聴きたい。

  ☆ バートさんはこんな人 → Bert Seager 公式サイト

  ☆ ジャズドラマー 池長一美  →  ホームページ  

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2008年9月12日 (金)

こはるのつくねじゃが

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さて、今日こそ『こはるのつくねじゃが』を作るぞ、とスーパーへ行けば、今度は新じゃ

ががないのだ。今時期に出てる新じゃがって北海道とか寒い地域のものでしたっけ?

しかたがないので、茨城産の『小ぶりのじゃがいも』(100円!)で代用。

そしてレシピでは最後にキャベツを入れるんだけど、私は水菜を使いました。

実は私は手順だけ見て全然レシピ通りには作ってないのだけれど、以下、一応サイト

に載っていた『こはるのつくねじゃが』の材料とレシピです。

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《 材料 》 (2人分)

 新じゃがいも  4個       キャベツ     75g

 A : 鶏ひき肉 75g       しょうが汁 小さじ1/2

    卵      1/4              片栗粉   小さじ1/2

       塩      小さじ1/2

 水        カップ1・1/2   ほんだし    小さじ1/2

  みりん      小さじ1/2         みりん    大さじ1

 B:しょうゆ   小さじ1/2

   塩       小さじ1/4 

《 作り方 》

 1.新じゃがは皮付きのまま洗って半分に切り、キャベツは2cm幅に切る。

 2.ボウルにAを入れ、粘りが出るまでよく練る。

 3.鍋に新じゃが、水、ほんだし、みりんを入れて煮立ったら2を4等分にして丸めな

   がら入れ、中火で10分煮る。

 4.キャベツを加え、落とし蓋をして10分後、Bを加え味をととのえる。

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それで、できたのが上の写真です。

ちなみに私は粉末のだしは一切使わないし買わないので、鰹節で取っただし汁で煮

ています。新じゃがではないので、じゃがいもの皮はむいてます。

私がこのレシピで驚いたのは材料の少なさ! 

スーパーで適当に材料を買って、いざあらためてプリントアウトしておいたレシピを見

たら、私は約200グラム入りの鶏ひき肉を2パックも買っていたではあーりませんか。

じゃがいもは10個。それに水菜ひと束。ゆえに私が使ったのは大鍋!

夫婦2人分だとこんなに少なくていいんですか? 

なんだか、おままごとみたいだなあ、と思ってしまった。いえいえ、それが駄目とか悪

いとか言ってるんじゃなくて、私は結婚した翌年の結婚記念日にはもう子どもがいた

からそんな時代は無いに等しくて、だからいま結婚したてのカップルがそばにいたら、

そんなおままごとみたいな時代はとっても短いから、大いに楽しみなさいな、と言いた

い気分なのでした。

私はといえば400グラムの鶏ひき肉を大きめのボウルに投入し、酒・みりん・しょうゆ

塩・すりおろしたショウガ1かけ分・卵・片栗粉を入れて、白くなるまで豪快にこねる。

この料理で唯一ちょっと面倒なところがあるとすれば、肉団子を丸めて沸騰した鍋に

入れるところで、やったことのない方のために書くと、左手でたねをつかんで、指の輪

でタネを上へ押し出しながら、右手に持ったスプーンですくい取り、良い形に丸めて鍋

に落とす、といった感じです。卵を入れてるので、たねは気持ち柔らかめだけれど、片

栗粉が入ってるので沸騰した出汁に落ちればあっという間に固まります。

さて、肝心なお味のほうは、作ってるときにしてきた匂いはちょっとおでん風。

味もおでんのじゃがいもに似てるかな? 

これはこれでおいしいけれど、私的にはこれは大根とかカブで作ったほうが合うんじゃ

ないかなぁ、と思いました。私はこれだったら肉じゃがのほうが好き。

新じゃがだと皮付きなので煮崩れることはないけれど、ふつうのじゃがいもだとあっと

いう間に柔らかくなるので煮時間は短めに、がコツですね。

ちなみに私が作った分量だと5人分くらいでした。

お試しあれ! 

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2008年9月10日 (水)

里芋の煮っ転がし

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髪を切るときに美容師さんからも出ていたけれど、TVのCMでチラッと見た宮沢りえの

ヘアスタイルがちょこっと自分の髪型に似てるかなと思って、どんな風にスタイリングし

ているのか知りたくておとといの夜ネットで検索していたら、いろいろ出てきました。

グリコのチョコレートのCM、資生堂アクアレーベルのCM、味の素のほんだしのCM。

なかでも資生堂アクアレーベルのCMの、ショートフィルムみたいな映像の中の宮沢り

えは本当に美しくて、美しい人、という意味のBONITA(ボニータ)という言葉があるけ

れど、彼女はボニータだなと思いました。こんなに美しく生きている人を嫌いだなんて

言う人は、やっぱり私とは合うわけないよなぁ、とあらためて思ってしまった。

思うに、秋という季節が美しいのは夏があるからで、激しいもの、極を経てこそ季節も

人も深く、美しくなれるような気がします。表面だけ美しくても、そういうものが全然感じ

られない人はなんだか薄っぺらで ・・・・・・

と、しばしうっとりみとれた後で、今度は味の素のほんだしのCMを見たら、こはるさん

の作った『つくねじゃが』がなんともおいしそうで、よし!今日はあれを作るぞ、とばか

りにスーパーに買い物に行ったら、そこで山積みされていたのは新里芋。

というわけで、『つくねじゃが』はまたこの次に置いといて、

我が家の定番、里芋の煮っ転がし、です。

竹串が楽にスッと通るくらい柔らかく煮た里芋はほんとにおいしい!

煮物がおいしく感じられる、なんていうのも、季節が移り変わった証拠ですよね。


        ☆ 宮沢りえ   資生堂アクアレーベル TV/CM


        ☆ 宮沢りえ   味の素ほんだし TV/CM

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9月のベランダで

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今朝も爽やかな朝だ。

今にもどこからか金木犀の匂いがしてきそうなくらい。

季節はすっかり秋になってしまったらしい。

淡くなったブルースカイに、お布団に詰めたいようなふわふわの白い雲がぷか

ぷか浮かんで、私はこんな日には海に行きたい。

ベランダに出ると昨日はまだ蕾だったマダム・フィガロがすっかり開いて、金色

のシベを見せていた。限りなく白に近い淡いピンクの、羽衣のようなバラ。

バラはまだいくらも咲いていないのに、どこからかすっごくいい香りがすると思

ったら、どうやらオルソラ・スピノーラらしい。

強健で、剪定どおり素直にきれいな樹形になってたくさん美しい花を咲かせて

くれたシャンタル・メリューと違って、病気に弱く、切っても切っても変なところか

ら好き勝手にひょろひょろ枝を伸ばしてしまうこのバラは、まだ一度もまともに

花を咲かせたことがない。今回も本来のオルソラ・スピノーラとはかけ離れた、

極小輪のミニチュア・ローズ並の花を咲かせた。でも香りは素晴らしい。

冬の剪定時には思いっきり切り詰めて、完璧に仕立て直しをしなきゃ、と思う。

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2008年9月 9日 (火)

秋の気配

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一段と爽やかな朝。

昨日の夕方、いきなり風が変わった。

暑がりの息子がアルバイトに出かけたのをいいことに、クーラーを切って窓を

開けたら、クーラーより涼しい風が入ってきて驚いた。

季節は着実に秋にシフトしているらしい。

日の暮れも早くなって、6時には辺りが暗くなり始める ・・・・・・

そんなに急がなくたっていいのに、と思うが、時は待ってくれないのだ。

なので今朝は夏の間さんざん着まわした色違いのパフスリーブのTシャツの

代わりに、ミント・グリーンの柔らかなハイゲージのコットン・ニットを着た。

ベランダにいると陽射しはまだ暑い。蝉は、まだ遠くでわずかに鳴いている。

人の感覚ってよくできたもので、秋を感じた途端に香りを纏いたくなり、あたた

かい飲み物がおいしく感じられ、深い赤のバラが欲しくなる。時には鈍感なほ

うが楽なこともあるだろうけど、そんなの自分じゃないと思うから(この歳までこ

れでやってきたんだから)sensitive なままでいる。

私のベランダはだいぶ整理された(?)ことだし、この秋は久しぶりにバラをオ

ーダーしようか。フレンチを2つか3つ。去年は手抜きをして植え替えをしなか

ったら今年はそれなりの結果だったから、今年はサクサクとやらなきゃ。

こうやってキリもなくバラの日々は続いていく。

今朝、小ぶりのジェーン・オースティンが咲いた。

爽やかに甘い香り。

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2008年9月 6日 (土)

オーガニックな香りを纏う

Kaori

昔からリネンルームのある家に憧れた。

家中のリネンをしまってある部屋。洗い立てのシャツにアイロンをかける部屋。

大きな窓からは緑いっぱいの庭が見え、さらにその向こうには海が見える。

窓を開け放つと風の匂いがして、お陽さまの光がリネンに当たって眩しい。

そんな家。

そしてお気に入りのシャツにアイロンをかけるときにリネンウォーターをシュッ。

たちまち爽やかに広がるハーブの香り。

あぁ、なんてしあわせなんでしょう ・・・・・・


そんなことを久しぶりに思い出してしまった。

いつかの暗い冬の午後、鬱々たる気分で歩いていて何気なく老女とすれ違った

とき、ハッとした。すれ違いざま、なんともいい香りがしたのだ。懐かしい、美しい

香り。その香りは私に忘れかけていたものを思い出させてくれたみたいだった。

それで私は何かに打たれたみたいになって、明るい気持ちで顔をあげて歩いた。

それから、今年のいつか、駅前の本屋でファッション雑誌を立ち読みしていたら、

突然フッとすごく良い香りがして辺りを見回したら、どうやらそれは今入ってきた

若い男の子がつけている香りのようだった。思わずとっつかまえて何をつけてい

るのか訊きたい衝動に駆られたけれど、変な人だと怯えられそうだったので残念

ながらあきらめた。


香りが好きだ。

赤坂の会社で男7人の中に女1人で働いていたときも、男たちはみんなお洒落で

様々に違う香りがした。私は「女だからってチャラチャラしやがって」と言われるの

が嫌で、彼らの中で浮かないように毎日男の子みたいなスーツを着て出勤してい

たけれど、朝アイロンの効いた白いシャツに袖を通したあとでかならずお気に入り

の香りを欠かさなかった。それもユニセックスな男性用の香水だったけれど、(多

分)男の人がつけたときとは違う、自分だけのささやかなアイデンティティー。

香りというのは、その人にニュアンスを与えるものだと思う。

たとえば煙草を吸う人には吸う人の所作とニュアンスがあり、お酒を飲む人には

飲む人の所作とニュアンスがあり、それはそれを持ってない人よりはずっと奥行

きを感じさせるもので好きだけれど、とりあえず人の健康を考えている私としては

どちらも控えめに、と言わなくてはならない。(特に女性で煙草を吸っている人は

吸っていない人より確実に肌が汚くなります。やめられるんならやめた方がいい。)

同様に着物を着る人には着る人の、お茶やお花や武道をする人にはする人の、

車の運転をする人にはする人だけの所作とニュアンスがある。そういうもののひと

つひとつの積み重ね、集大成がその人の雰囲気、イメージを作っているんだと思う。

香りはそのひとつ。

でも、それだけに本当に自分に合った好きな香りを見つけるのは難しい。

香りにいたっては私は長いことブルガリを愛用していて、人工香料もOK、・・・ の

つもりだったのだけれど、ある日突然それが駄目になってしまった。昨日までいい

香りだと思っていたのがある日急に耐えられないものになって、これってなんなん

だろうと思うけれど、それだけ人はメンタリティーのみならずフィジカルな部分でも

とても流動的な生きものなんだと思う。100パーセント、オーガニックな香水はそ

のアロマセラピー効果にも惹かれるものがあるけれど、エッセンシャル・オイル自

体の香りが強くて、イメージとしての香りのバリエーションや深みがなく、またすぐ

に香りが飛んでしまってつまらないものだと思っていた。

去年、妹の外来オペが終るのを待つ間の時間潰しに仕方なく入ったデパートで

吸い寄せられるように行った男性用の香水売り場。オーガニックなものもいくつ

かあって、そこでさんざん丁寧に接客してもらったものの、結局どれかひとつに

決められずに帰って来た。(その日はオリジンズで気分が明るくなりそうなオレン

ジ・ベースの軽いトワレを妹用に買った。)以来、自分自身は何もつけない日々

が続いている。私は香りがする人も(さっぱりと清潔なら)何も香りがしない人も

好きだけれど、夏が終って秋を感じる頃に物足りなさを感じて急に欲しくなるの

も香りなのだ。ちょうど先週髪を短くして、癖毛に悩んだ前髪をストレートにした

ら、なんだかますます男の子みたい、シャープになりすぎて素っ気なさすぎるくら

いの今の自分には何かが足りない。そこで前から気になっていたファファラの香

りのサンプルをオーダーした。

それが今日朝1で届いて、香りを試していたら冒頭の気分になってしまったとい

うわけ。オーガニックなパフュームは確かに香りの持続時間は短いけれど、思

った以上に深くてヴィヴィッドな香り立ちだった。付いてきたカタログを見れば、

ファファラの製品は100%オーガニック、しかも野生か有機栽培の植物から抽

出されているそうだ。カタログにはその原産国から植物の学名、部位、抽出方

法、有機認定、使用法などが詳細に載っていて、製品の全成分表示がされて

いる。その徹底ぶりにも感心したけれど、いいなと思ったのは最後のページに

世界中にある契約農家の写真が載っていて、そこに載っていたラベンダーを布

で包んで頭にのせて運ぶ女性や、キャレンドュラの花がいっぱい詰まったカゴを

両手に持って草原に立っている女性の健康的な笑顔! もちろん、野生のロー

ズマリーを摘む若い男性の姿もあれば、レモンを収穫するおじさんの姿もある。

みんな幸せそう。自然を相手に仕事をするのは楽なことじゃないし、特別豊かな

暮らしはできないだろうけど、こんな風に一日陽を浴びて、自然の芳香を感じな

がら地べたに座って今日の収穫物を選別したりして暮らすのも、都会でストレス

にまみれて暮らすより自分に合ってるんじゃないかと思った。そんなのも町っ子

のただの幻想かもしれないけれど ・・・

そういえば、私の夢にはリネンルームのほかに、好きな香りをパフュームから

バス・アイテムに至るまでフル・ラインナップで使う、ってのもあった。

私が思う、最高の贅沢!

いつかそれが叶う日がくるかどうかはわからないけれど、今夜はモロッコとブル

ガリアのローズと、アイリスとシダーの香りに包まれて眠ろう。

Kaori_01

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2008年9月 1日 (月)

夏の終わりのサウダーヂ/Café Saudade2

Cafe_saudade2

9月になった。

また学校が始まった。またお弁当作りだ。外ではまだ蝉が鳴いてる。空には

入道雲が浮かんでる。昼間はまだ暑い。夏服の母親と日焼けした手足が眩

しい子どもたち。でも日の暮れは格段に早くなった。夜ともなれば闇にしんし

んと響く虫の声。明け方は窓を開けてると涼しいくらい。ふたつの季節が共存

する季節。正確には夏の欠片が塵のようにキラキラと大気に舞っている季節。

昨日、新月だから髪でも切りに行こうと思ったら、今日はめずらしく予約でいっ

ぱいです、と言われて、仕方ないので家にこもって今年もまた作った。

去年とても好評だった『Café Saudade』。その2。

去年はまだ6月中に、これから夏へと向かう高揚感に始まって、夏の終りまで

の気分をシュミレーションして作ったのだけれど、今年は盛夏から夏の終りの

今の気分をリアルタイムに入れて作った。結果、去年とはまったく違うものが

できあがったけれど、これはこれでけっこういいんじゃないかと思う。

自分で作ったこのCDを聴いていると、暑かった今年の夏がとてもいい夏だっ

たように思えてくる。去年のとはまた違って、ピュアに夏を惜しむ仕上がりにな

った。できあがったジャケットを見た息子には「インテンス?smile」と言われたけ

れど、私のヒマワリは見るからにサウダーヂな雰囲気じゃないですか?

夏の終わりのサウダーヂをいっぱい詰めて。

まずはあなたに。(以下、全曲紹介。)

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1.It's A Wonderful World / Original Love

今年の夏はほんとに暑かった。炎天を自転車で走りながら、いつも自然

歌を口ずさんでいた。私は「暑い!」と言ったらすぐ後に「生きてるって感じ♪」

とか「最高!」とか言ってるんだけど、そう言っただけでなんだかほんとに幸せ

な気分になってくるから不思議だ。いつか上がりの空の下を自転車で走っ

ていた友人が、「この世界は完璧に美しいよ!」とメールをくれたんだけれど、

ほんとにそう思います。

2.Jah Jah Children / Wind City

これは1曲めとは反対で、クーラーのよく効いた部屋で聴いてたら凄持ち

よかった曲。音楽は、楽曲がいいとかミュージシャンがいいとかヴォーカルが

いいとかいろいろあるけど、音響センスってのも大事ですよね。クラブなんて

私は行ったことがないけれど、最近のクラブ・シーンでもてはやされてる音楽

っていうのは、そのあたりがすごくハイセンスなんだと思う。ざらっとした質感

のあたたかいヴォーカル、トロピカルなのにクールな曲。

3.Tupa Tupi / Arthur Verocai

アルトゥール・ヴェロカイっていう人はイヴァン・リンスなんかにも曲を提供して

いる、知られざる伝説のコンポーザーなのだそうだ。『トゥパオン・トゥピ』ってい

う変わったタイトルのこの曲は、ほとんど太古の神さまの名前を羅列している

だけみたいな歌詞なんだけれど、とにかくサビの部分のメロがすごくよくて、そ

のデリケートなヴォーカルとオーケストレーションのうまさに胸キュン♡ 

この曲でこの夏のサウダーヂが一気に始まってしまったのでした。

4.Os Passistas / Caetano Veloso

爽やかに妖艶に優しく(この3つが共存するなんてカエタノしかいない!)歌っ

てるカエターノ・ヴェローソも最高だけど、後ろのパーカッションがまた最高! 

こういうのを聴くと私は今からでもまじでパーカッショニストに弟子入りできな

いかって考える。タイコたたいて暮らしていけたら(単に趣味ですけど)、私の

人生は確実に今より3倍は楽しくなると思うんだけどなあ!

5.Spirites / Frisco(Hiroyuki Morishita)

これも2曲めと同じ、『Oyasumi Mode』というアルバムに入っていたクラブシー

ン・ライクな、こちらはインストゥルメンタル。こういう日本人のセンスも大した

もんだと思います。

6.O Trem Azul / Milton Nascimento

ミルトン・ナシメントの大好きなアルバム『クルービ・ダ・エスキーナ』からの1曲

で、聴きながら「このキラキラしたギターが好きだ!」と言ったら、息子に「これ

はオクターヴ奏法だね」と言われました。ミルトンのイノセントな歌声とギターの

音が虹のプリズムみたいに光を放っている曲。

7.A Fala Da Paixao / Egberto Gismonti

私の今年1番の失敗は、ジスモンチのコンサートに行きそびれたこと!

最近、平日のラジオから流れてくるJ-POPがどうにも耐え難くてラジオをずっ

と付けずにいたら、情報を聞き漏らしてしまったのでした。この曲は、長いこと

欲しくてやっと手に入れた『インファンシア』というアルバムに入っている曲で、

思わず泣いてしまうほど(私はほんとに泣くweep)美しい曲。ジスモンチって時々

まるで美しい映画のような曲を作るのだけれど、湧いてくるイメージがいつも

イタリアなので血のルーツはどこなんだろう?と思ったら、なんと母親がシシ

リー島生まれのイタリア人なのでした。そういうのってちゃんと音にも出ちゃう

ものなんですねえ ・・・

8.Outro Lugar / TOCO

これは最近ブログにも書いた、25歳の新しいボサノヴァの担い手。

タイトルのオウトロ・ルガールとはアナザー・プレイスのことなのだそうです。

どこか寂しげなこの歌は、外国女性との恋と別れを歌った歌でしょうか。歌詞

に独特のユーモアのセンスを感じる、久々のボサノヴァの新星。

9.Nao Tem Nada Nao / Lisa Ono & Joao Donato

これも先日ブログに書いた曲。小野リサとジョアン・ドナートのドュエットによる

まるで恋のラビリンスを行きつ戻りつしながら出会えずに迷ってる2人のような

かわいらしくも切ない曲。ジョアン・ドナートが弾くクリアーで落ち着いたラテン・

テイストのピアノがまたすごくいい。サルサのピアノに弱いんです、私。

10.Body And Soul / Esoeranza Spalding

私の最近の掘り出し物ナンバー1.どうやらブラジル音楽とジャズをこよなく愛

しているらしい、シンギング・ベーシストでバークレーで教鞭もとっているエスペ

ランツァ・スポルディングが、スペイン語で歌う『身も心も』。文字通り思いっき

り音楽に身も心もゆだねて歌っているかのような、伸びやかなヴォーカルが最

高に気持ちいい。そして何よりピアノがいい! たぶんエスペランツァ本人が

書いたんじゃないかと思われる変態少女文字みたいなライナーのスペルを読

むと、レオ・ジェノベーゼ(パスタ?)って読めるのだけれど、私は彼のピアノに

惚れました。ぜひいつかライブで聴きたい!

11.The Hands(ふたつの手のように)/ Original Love

これも大・大・大好きな曲! 毎年夏にはかならず聴くし、自分でも歌う。

特に夏の終わりの今時期に聴くと、あぁっ、今年も夏が終わるんだなぁ~!っ

て思いでいっぱいになります。ここに入れると浮くかと思ったけれど、まったく

浮くことなく、夏の終わりのサウダーヂな気分をさらに増幅してくれました。

12.Comecer De Novo / Ivan Lins  Part.Asp.Simone

これはイヴァン・リンスの出世作で、英語では『The Island』として有名な曲。

清水翠のファースト・アルバム『Remains』にも入っていて、私はこれが1番好き

だったりする。イヴァンの傷つきやすいデリケートな部分が強く出ていて、私は

この曲の、夜の底に深く沈潜してゆくような瞑想的なニュアンスが好きです。

13.Ligia / Nao Takeuchi

CDをかけようとして聴きたい音楽が思い浮かばなかったある日、息子に「何

が聴きたい?」と訊いたら、息子は「何でもいい」と言ってから、「あ、イヴァン

リンスと直さんはやめてね」なんて言う。まぁ、つまりそれくらい(まわりが飽き

るくらい)聴いてたってことなんですけど、そんなわけでしばらく聴いてなかった

竹内直さん。久しぶりに聴いたら直さんてこういう音でしたっけ、と、なんだか

I miss you って感じです。大好きなジョビンの曲。ここでの直さんはとてもゆっ

たりとしたフレージングでシンプルにメロディーを歌わせていて、聴いているだ

けで心が落ち着くし、掠れたトーンが今の時期に聴くとほんとに泣ける。清水

絵里子さんのピアノもとても落ち着いていて、いいピアノです。個人的にはミュ

ージシャンにとってとても大事なことじゃないかと思うのだけれど、2人ともとて

もスピリチュアルな感じのする方です。ここにこの曲を持ってきてこんなにぴっ

たりくるとは思わなかった。あぁ、ライブに行きたし ・・・。

14.Shade Of Summer / Hideaki Hori feat.Satoshi Takino

新進気鋭のピアニスト、堀秀晃さんのセカンド・アルバム『Moving Scenes』の

ラストに入っているオリジナル。ライナー・ノーツにあった『夏の終わりや夏の夕

の、どこか物悲しい(祭りの後みたいなね)雰囲気の曲』っていうのをそのまま

いただきました。弾けるような勢いのあるピアノで始まる颯爽とし曲なんだけれ

ど、でも確かにその中に悲しみがある。堀さんが亡き親友に捧げた曲。夏みた

いに懐かしくて、熱い方なんでしょうか。熱いといえば、最後の滝野聡さんのギ

ター・ソロは本当に圧巻! 

15.Bis(アンコール) / Arthur Verocai

そしてラストを盛り上げてくれるのはアルトゥール・ヴェロカイの2曲め、ビス。

この『ビス』っていうのは『アンコール』の意で、『アンコール!/アンコールした

いんだ/もう幸せであることに疲れたりしない/もう一度/もっと/もっと幸せにな

りたい』なんて、日本人の私にはちょっと恥ずかしくなるような情熱的な歌詞が

ついてます。一度聴いたら頭に焼き付いてしまうようなすごくキャッチーな曲。

さて、それではここで私がアンコールするのは何か? 

そうです。夏よ、もう一度。です。 え? もう暑い夏は真っ平ですって? 

・・・ そういう方は、もうすぐそこまで来ている、1年で最も過ごしやすく、短くも

美しい秋をせいぜいお楽しみください。そういうあなたは冬になればなったで、

今度はきっとまた寒い!寒い!って言うんですから wink

以上、私の大好きが詰まった全15曲。

今年も泣けるセレクトでありながら、朝1に聴いても心がアッパーになるような

ラインナップになりました.♡

08summer_sky

A time for summer skies
For humming birds and butterfries
For tender words that hormonize with love

A time for climbing hills
For leaning out of windowsills
Admiring the daffodils above
A time for holding hands together
A time for rainbow colored weather
A time of make believe that we've been dreaming of

As time goes drifting by
Time willow bends and so do I
But oh my frends , whatever sky above
I've known a time for spring
A time for fall
But best of all
A time for love

(『A Time For Love』Paul Francis Webster / Johnny Mandel )

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