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2008年6月21日 (土)

ミッド・サマー・ナイト

Blue_sea

Sさんを色にたとえるならブルー。

それも深いブルーじゃなくてアクアマリン。

光の角度によってグリーンにも灰色がかっても見える。

どうやっても彼のイメージは海だ。

私は彼の描くおっきな海の絵が欲しいんだ。

私の殺風景なリヴィングの白い壁に。

もうわざわざ遠くまで海を見に行かなくてもいいように。

私の席からいつでも海が見えるように。

いつか買うからスペインに全部送ってしまわないで、1枚だけでも残

しておいてくれないかと言いたかったけど言えなかった。そんないつ

になるかわからない約束なんて。

今日ミッド・サマー。1年でいちばん昼が長い日。あいにく曇り空だっ

たけど、太陽の光の分子は思うさま私に降り注いでいただろう。

夜遅く携帯が鳴って、どうせこんな時間に人の携帯鳴らすのはAちゃ

んだろうと思ったら、Sさんで驚いた。ディスプレイに浮かぶ、久しぶり

に見るフルネーム。もう彼の笑顔を頭で思い浮かべようとしても、すっ

かり輪郭が薄れてしまってマイケル・フランクスの昔のアルバムの写

真とダブっちゃうんだけれど。でも声はそのままだ。

Sさんはテニスも陶芸もまだ続けているらしい。私があげた海のような

色の青織部の皿もよく使ってくれているらしい。前はたまに電話をし

ても電話をもらってもお互いふざけながらどこか緊張してた感じだけ

れど、今はもうそんなこともなくなって、もしかしたらやっと友達くらい

にはなれるんじゃないかと思ったりして。

思いつきで小さな花器を作ってくれないかと言ってみた。

私の薔薇に合うように。

「わかった!」とSさんは言った。

ちょっと酔ってたみたいだったけれど、もし忘れなければそのうちきっ

と彼はどんな花器を作ろうかとイメージするだろう。それから私も彼が

どんな花器を作るか想像してみる。それからその花器に薔薇をいけ

たところも。

これってちょっと素敵じゃないか?

甘い砂糖菓子のような想像。

いつも夏の前になると起こるちっちゃなミラクル。

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